Let It Be...Naked

No タイトル 作詞作曲 備考
1 Get Back Lennon-McCartney 19thシングル
2 Dig a Pony Lennon-McCartney  
3 For You Blue Harrison  
4 The Long and Winding Road Lennon-McCartney  
5 Two of Us Lennon-McCartney  
6 I've Got a Feeling Lennon-McCartney  
7 One After 909 Lennon-McCartney  
8 Don't Let Me Down Lennon-McCartney 19thシングルB面
9 I Me Mine Harrison  
10 Across the Universe Lennon-McCartney  
11 Let It Be Lennon-McCartney 22ndシングル

 

Additional Disc
No タイトル 備考
1 Fly on the Wall
1969年1月の「ゲット・バック・セッション」のドキュメンタリー音源
Conversation
Sun King
Don't Let Me Down
Conversation
One After 909
Conversation
Because I Know You Love Me So
Conversation
Don't Pass Me By
Taking A Trip to Carolina" 0:19
John's Piano Piece
Conversation
Child of Nature
Back in the U.S.S.R.
Conversation
Every Little Thing
Don't Let Me Down
Conversation
All Things Must Pass
Conversation
She Came In Through the Bathroom Window
Conversation
Paul's Piano Piece
Conversation
Get Back
Conversation
Two Of Us
Maggie Mae
Fancy My Chances With You
Conversation
Can You Dig It?
Conversation
Get Back
Conversation

リリースデータ

2003年11月14日(日本・CCCD)
2003年11月17日(イギリス・通常CD)
2003年11月18日(アメリカ・通常CD)
2010年11月3日(日本・通常CD)
2013年11月6日(再発)
2019年10月2日(限定再発)
初登場2位
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売上48.5万枚
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アップル
東芝EMI
ユニバーサル

メンバー

Rhythm Guitar ジョン・レノン(John Lennon)
Bass ポール・マッカートニー(Sir Paul McCartney)
Lead Guitar ジョージ・ハリスン(George Harrison)
Drums リンゴ・スター(Ringo Starr)

The Beatles『Let It Be』のネイキッドアルバム。ポールが不満を持っていたとされるアルバム『Let It Be』を当初のコンセプトに戻す形で制作されたリミックスアルバム。フィル・スペクターによるリプロデュース部分であるコーラスやオーケストラ、エコー処理などをすべてカットし、トラックダウンの段階からやり直している。『Let It Be』からは「Dig It」「Maggie Mae」がカットされ、当時は「Get Back」のB面で同時期に制作されていた「Don't Let Me Down」が新たに追加され、曲順も改められている。Additional Disc(ボーナスCD)として20分ほどの当時のスタジオワークやセッション、会話の様子を収録したドキュメンタリーCDが付属する。ポール、リンゴ、ジョンの妻だったオノ・ヨーコ、01年に亡くなったジョージ・ハリスンも死の前に今作の制作に同意していたとされているが、ミックス自体にメンバーは関与せず、アビー・ロードスタジオのエンジニアがコンセプトを配慮して現代のテクノロジーを駆使して仕上げていき、ポールやリンゴがチェックしたとされている。

イギリスやアメリカでは普通に発売されたが、日本においては当時推進されていたコピーコントロールCDで発売された。当初からCCCDは音質が悪い、機器に悪影響を与える、カーステレオ等では再生できないという悪評が広まっていたため、Amazonにおいては予約ランキング段階で輸入盤が日本盤を上回る順位を記録した。輸入盤と日本盤を聞き比べる事でCCCDの音の悪さを実感したと訴えるリスナーも多く、既に地を這っていたCCCDの悪評がさらに広まるのに一役買う事態となった。2010年に赤盤、青盤が2009年リマスター音源で発売された際に同時にひっそりと日本でも通常CD化されて発売された。当時入手したのはイギリスの輸入盤。その後日本盤ブックレット確認のために日本盤も手に取った。

今作が個人的には初ビートルズ。厳密には赤盤、青盤と『1』くらいはさらっと聞いていたが、ビートルズを聞いていた父へのプレゼントとして今作を購入。CCCDの悪評を聞いていたのと、店側も考慮してけっこう輸入盤をTSUTAYAレベルでも普通に並べておいていたので輸入盤を選択した。…が、ボーナスCDの「Fly on the Wall」は会話部分が多く、何を言っているのかさっぱり分からなかったため、翻訳が掲載されている日本盤のブックレットが必要になり、しばらくしてからレンタルにて通常CD化された日本盤も入手した。このためCCCDとの聞き比べは実施していない。

フィル・スペクターによるストリングスやコーラス、エコーなどの処理がカットされ、ストレートなバンドサウンドに生まれ変わった今作は、単にそのままというだけでなく、現代の技術で現代のサウンドにリミックスされているため、当時流通していた古い作品群よりも圧倒的に聞きやすかった。改めて『Let It Be』と聞き比べても今作の方が格段にロックバンド然としていて素晴らしい。特に「Across the Universe」は『Past Masters』の音源も『Let It Be』の音源もテープの回転数をいじっているのでボーカルまで加工状態になっていてせっかくの名曲が何だかもったいない気がしていたんだけど、今作ではジョンのボーカルが自然になっていてこれぞ完成形だと思う。

一方で賛否両論も生んだ作品で、その原因はネイキッドを自称したにも関わらずテイクをいいとこ取りして細かく編集していたり、「Across the Universe」の最後のフェードアウト部分を幻想的に処理するためにエコー処理が施されたり、楽曲の一部がカットされているとかフェードアウトが早いとか、文字通りの「ありのまま」ではない、というもの。宣伝文句と違うとしてオールドファンを中心に非難の声も出たが、現代の感覚で言えばテイクのいいとこどりをするのも割と当たり前であり、当時は大変だったかもしれないけど03年時点ではデジタル編集で容易にそれが可能なわけで、取り立てて目くじらを立てるようなことでもない。当時この技術があれば使っていただろうし、そもそも出来が悪いとして発売延期を繰り返して結局棚上げになってフィル・スペクターに任せた作品だっただけに、そのまま出せなかった音源を現代の技術でクリーニング、再ミックスだけして出すのも逆に無理があったんじゃないかと。ぶっちゃけ普通に聞いてて細かい編集がされていることなんてまるで分からないし、普通にその場でバンドが演奏しているように聞こえる。それだけで十分だし、個人的にはとても好きな1作。

B00F5H3S6G2013年盤 レット・イット・ビー・ネイキッド2019年盤   B0000DDPEQ03年CCCD 

印象度★★★★☆

2016.2.4更新

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