PERFECT SINGLES+

DISC-T Singles 1993-1998
No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 このまま君だけを奪い去りたい 上杉昇 織田哲郎 葉山たけし 1stシングル 最高2位 売上129.3万枚
2 翼を広げて 坂井泉水 織田哲郎 葉山たけし 2ndシングル 最高5位 売上57.1万枚
3 Memories 池森秀一・
井上留美子
織田哲郎 葉山たけし 3rdシングル 最高4位 売上45.2万枚
4 永遠をあずけてくれ 川島だりあ 栗林誠一郎 葉山たけし 4thシングル 最高3位 売上56.6万枚
5 瞳そらさないで 坂井泉水 織田哲郎 葉山たけし 5thシングル 最高1位 売上103.8万枚
6 Teenage dream 坂井泉水 栗林誠一郎 葉山たけし 6thシングル 最高2位 売上51.5万枚
7 未来のために 池森秀一 池森秀一・
宇津本直紀
古井弘人 7thシングル 最高1位 売上52.4万枚
8 LOVE FOREVER 山本ゆり 田川伸治 葉山たけし 8thシングル 最高4位 売上26.3万枚
9 ひとりじゃない 池森秀一 織田哲郎 古井弘人 9thシングル 最高3位 売上35.2万枚
10 SUNSHINE ON SUMMER TIME 池森秀一 宇津本直紀 古井弘人 10thシングル 最高10位 売上12.6万枚
11 素顔で笑っていたい 池森秀一 織田哲郎 池田大介 11thシングル 最高8位 売上13.6万枚
12 君がいない夏 小松未歩 小松未歩 池田大介 12thシングル 最高10位 売上13.9万枚
13 夢であるように 池森秀一 DEEN 池田大介 13thシングル 最高13位 売上23.1万枚
14 遠い空で 小松未歩 吉江一男・
小松未歩
池田大介 14thシングル 最高18位 売上6.9万枚
15 君さえいれば 小松未歩 小松未歩 池田大介 15thシングル 最高11位 売上13.1万枚
16 手ごたえのない愛 小松未歩 小松未歩 徳永暁人 16thシングル 最高13位 売上5.5万枚

 

DISC-U Singles 1999-2006+
No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 遠い遠い未来へ AZUKI 七 大野愛果 古井弘人 17thシングル 最高22位 売上3.3万枚
2 JUST ONE 池森秀一 池森秀一 DEEN・池田大介 18thシングル 最高19位 売上4.3万枚
3 MY LOVE 池森秀一 山根公路・
宇津本直紀
DEEN 19thシングル 最高21位 売上3.4万枚
4 Power of Love 池森秀一 DEEN DEEN 20thシングル 最高18位 売上3.1万枚
5 哀しみの向こう側 池森秀一 池森秀一・
山根公路
DEEN 21stシングル 最高20位 売上3.6万枚
6 Birthday eve〜誰よりも早い愛の歌〜 池森秀一 山根公路 DEEN・時乗浩一郎 24thシングル 最高11位 売上2.3万枚
7 翼を風に乗せて〜fly away〜 池森秀一 鈴木寛之 DEEN 25thシングル 最高7位 売上2.1万枚
8 太陽と花びら 池森秀一 池森秀一・
時乗浩一郎
DEEN・大平勉 26thシングル 最高20位 売上1.2万枚
9 ユートピアは見えてるのに 池森秀一 土田則之 DEEN・大平勉 27thシングル 最高10位 売上1.2万枚
10 レールのない空へ 池森秀一 鈴木寛之 DEEN・鈴木寛之 28thシングル 最高18位 売上1.2万枚
11 STRONG SOUL 池森秀一 山根公路 DEEN・時乗浩一郎 29thシングル 最高14位 売上1.1万枚
12 愛の鐘が世界に響きますように… 池森秀一 山根公路 DEEN・大平勉 30thシングル 最高18位 売上1.1万枚
13 Starting Over 池森秀一 織田哲郎 葉山たけし 32ndシングル 最高22位 売上1.0万枚 
14 ダイヤモンド 池森秀一 山根公路・
池森秀一
CHOKKAKU 33rdシングル 最高26位 売上1.1万枚
15 明日へ続く道 池森秀一 田川伸治 田川伸治 新曲
BONUS TRACK
16 ANOTHER LIFE 池森秀一 Kim Hyung Suk DEEN・池田大介 DEENバージョン初収録(全英語詞)
池森が正体を隠してSHUとしてシングルで発売した楽曲のセルフカバー

DISC-V(初回盤のみ)
THE GREATEST CLIPS 2003-2007

リリースデータ

2008年6月4日 初登場11位 売上3.4万枚 BMG JAPAN

メンバー

Vocal 池森秀一
Keyboards 山根公路
Guitar 田川伸治

DEEN15周年ベストアルバム。通算5作目、リメイク、バラード等の企画ベストではない正規ベスト盤としては98年の『SINGLES+1』以来2作目となる。カバー「見上げてごらん夜の星を」「夢で逢えたら」及び「このまま君だけを奪い去りたい」(セルフカバー)、両A面曲の「少年」、「翼を広げて」(セルフカバー)を除くこの時点での全オリジナルシングル1曲目をリリース順に収録。さらに新曲「明日へ続く道」と01年頃の未発売曲「ANOTHER LIFE」がボーナストラックとして収録されている。「ANOTHER LIFE」は池森が正体を隠してSHUとしてシングルでリリースした楽曲のDEENバージョン。当時韓国の映画『猟奇的な彼女』挿入歌として全英語詞で制作され、韓国盤の映画サントラには収録されていたようだが日本では長らく未発表になっていた。SHUバージョンは日本語詞だったがこのバージョンでは英語になったほか、BメロとサビのほとんどがファルセットだったSHUに対して今作はキーもアレンジも異なっている。

初回盤は03年のPV集『THE GREATEST CLIPS 1993-1998』『THE GREATEST CLIPS 1998-2002』の続編となる3rdPV集DVD『THE GREATEST CLIPS 2003-2007』付属。4th以降は再度単独発売されるようになったのでこの3rdのみ単独発売されていない。さらにBOXケース仕様で、3枚のディスクがそれぞれ紙ジャケットに封入されている。ブックレットも写真が多めとなっていてディスコグラフィーも掲載されておりそこまではカラーで紙も厚めだが、歌詞部分になるとモノクロ仕様で紙質もざらついた薄いものになる。スタッフクレジットはアートワークやスタイリストの記載のみに留まり、それ以外のスタッフクレジットは記載されていない。メンバー表記も、マスタリングエンジニアの表記も無ければ、新曲の演奏表記もされていない。

以降恒例となる日本武道館公演会場での全員プレゼント引換券も封入された。また応募者全員着うたプレゼントというキャンペーンも行われ無料で1曲ダウンロードできた(着うた対応の携帯電話のみ)。「プレミアム楽曲」などとされていたが、実際DLできたのは「ANOTHER LIFE」のイントロ(前奏ストリングス演奏)部分であった。

 

DISC-1は『SINGLES+1』から「+1」を抜いて「君さえいれば」「手ごたえのない愛」を足しただけなのでほぼ丸被り。大きな違いは音量の圧倒的小ささ最初の4,5曲目辺りまではさすがに当時の8センチシングルよりは大きいが、以降の楽曲はこれまでとこれ以降に発表された8センチCD、オリジナルアルバム、ベスト盤よりも格段に音が小さい。「手ごたえのない愛」の音量の押さえつけっぷりはかなり大胆なものがあり、現代の他のCDと比べると異常なまでに音量差が生じてしまう(携帯プレイヤーに移してのシャッフル再生などをすると異変を感じるくらいにガクッと落ちる)。一応小さくして綺麗にした感じではあるんだけど、通常よりボリューム上げするのは必須かなと思う。

DISC-2になるとさらに大胆な変更が施されているようで、1番分かりやすいのは「Birthday eve〜誰よりも早い愛の歌〜」でオリジナルではブイブイ鳴っていた打ち込みのベースがすっかり奥に引っ込んでいる。「STRONG SOUL」も印象的なギターリフがかなり絞られている。それ以外にもなんか聴こえ方が違う曲がDISC-1よりも多く、ここまで来ると明らかにミックスの段階から手を入れているとしか思えないが…。当時のインタビューでは15周年を振り返る話しかしていないし、「とくダネ!」に出演して今作を宣伝した際も池森さんが「リマスターされているはずです」などとボヤッとした言い方をしていてなんかあまり関わっていないかのようだった。

いずれにせよ全体に音が小さいというのは2枚共通しており、波形を見てみたら実際下記のように物凄く抑えられていた。同じ曲なのにここまで他の作品と違えば圧倒的な迫力不足に聞こえてしまうのは当然である。前述のように聞こえていた音が引っ込んだとか小さくなったという印象ばかり先行するが、一応聴こえ方が変わった事で、気づかなかった音が聴こえたり、特にDISC-2は全体に新鮮に聞こえるところもある。音の小ささに関してはとりあえずボリューム上げれば迫力は無いが各楽器の音が他のCDの同じ曲に比べるとなんとなく小綺麗には聞こえるといった利点もあるにはある。20周年と25周年のリマスターは同じ島田勝弘でこの2作に大きな違いは生じなくなっていたが、今作だけは同じ曲でも他のどの作品とも明らかに違う音で聞ける。違いを楽しむ事ができるなら今なおそれなりに価値の残るベスト盤だと思う。

とはいえ90年代後半以降の一般的なCDと並べてしまうと今作の迫力不足はいかんともしがたく、今作をいきなり聞いても音が小さい、のっぺらしている…という印象を抱いてしまう事も避けられない。08年という時代においてかなり挑戦的かつ大胆なマスタリング(そしてリミックス?)を施したベスト盤となったが、もう少し現代に合わせた調整するとか、ここまで音を変えた説明をするとかはしてほしかった。今作にはここまで大胆な変更を施した張本人であるエンジニアの記載が無いばかりか他のベスト盤のようなリマスターという文字が一切書かれていない。『とくダネ』出演時に小倉キャスターから「これはリマスタリングしてまたいい音になって…」と振られた池森が「素晴らしくいい音になってる、と思います」と返答したくらいしか言及が無かった。

08年当時使っていたミニコンポ(D-ME33)では今作の良さを感じる事は難しかった。ボリューム上げてもおとなしくしか聞こえなかった。09年にEX-AR3に変えてからは今作の利点も少し見えるようになり、EX-AR9で聞いたらボリューム上げればしょぼくは聞こえなくなった。これは聞き方が年月を経て変わったというのもあるけど、再生環境との相性もあったのかもしれない。当時書いた感想は要約すると音ひでぇ…というものだったが、D-ME33で聞いた08年当時のもので、実は徐々に印象が変化して以降も長くそのまま書き換えずに放置していたが、いい加減古い印象のままもどうだろうかという事で発売10周年を記念して全面的に書き直した。

新曲「明日へ続く道」は15周年を経てまだまだ道は続いていくという力強いミディアムバラード。ベスト盤の新曲が毎回直近のシングル曲以上にシングルらしい名曲というのはいつの時代も変わらないが、初の武道館公演を控えての歩いてきた道のりとそしてまだまだこの先へ進んでいくというDEENの活動そのものをテーマにした歌詞はとても熱い。この曲調だと迫力あるサウンドで聞きたかったところではあるが名曲には違いない。「ANOTHER LIFE」はR&B調でほとんどファルセットで歌っていたSHUバージョンから、英語詞にしてキーを下げ一部以外は地声、アレンジもバンド+ストリングスとなって王道の味わいになった。この2曲が今作でしか聞けないのはもったいない。『SINGLES+1』も『DEENAGE MEMORY』もそうだけど、次のベストでまたシングルを網羅するので新曲1,2曲だけ取り残されるのはなんとかならないのか。

そんなわけでDEENを最初に聞く1枚どころか、今作収録曲を初めて聞くという状況での今作の選択はあまりお勧めしないけど、他のどの作品とも傾向の違う抑えに徹した処理小さいけど小奇麗な音で聞いてみたいという違いを楽しむつもりで聞けば、何度もリリースされたシングル羅列ベストの中では特徴ある1作になるかなと思う。

参考画像(「Birthday eve」のシングル、今作、5年後の『DEENAGE MEMORY』のイントロ(Left)部分の波形比較)

B0016FYCX4DVD付初回盤   B0016FYCWU通常盤

印象度★★★★☆

2018.9.15修正

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