全開恋心!!〜Missing You〜(初回盤)

No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 君が僕を忘れないように 僕が君をおぼえている<全開Mix> 池森秀一 山根公路 山根公路 42ndシングル 最高19位 売上0.5万枚
2 千回恋心!<全開Mix> 池森秀一 田川伸治 田川伸治 43rdシングル 最高18位 売上0.4万枚
3 スマイリン 池森秀一 田川伸治 田川伸治  
4 君の笑顔を感じながら 池森秀一 田川伸治 田川伸治  
5 雨道... 池森秀一 山根公路 山根公路  
6 Emerald Ocean 田川伸治 田川伸治 田川伸治 田川ソロ曲
7 ジェットコースター 池森秀一 山根公路 山根公路  
8 ハイビスカス 池森秀一 田川伸治 田川伸治  
9 ありのまま抱きしめよう<全開Mix> 池森秀一 田川伸治 田川伸治 42ndシングルC/W
10 Wild Road Dreamers
〜上海ロックスター Episode 1.5(High School編)〜
山根公路・
上海ロックスター
山根公路 山根公路 Vocal&Blues Harp:上海ロックスター
11 With 池森秀一 山根公路 山根公路  

初回盤Blu-ray
DEEN LIVE JOY-COUNTDOWN SPECIAL〜マニアックナイトW('0')W〜

リリースデータ

2015年7月29日 初登場23位 売上0.45万枚 Produced by DEEN Epic Records

メンバー

Vocal&Back-up Vocals 池森秀一
Keyboards,Back-up Vocals&Programming 山根公路
Guitar,Back-up Vocals,Percussion&Programming 田川伸治

DEEN15thアルバム。公式では全て通算しており26thとしている。カバーアルバムを挟んで13年12月以来のオリジナルアルバム。2シングル3曲を収録し、3曲ともミックス変更がされた全開Mixとして収録されている。全曲ラブソングをコンセプトに掲げており、ラブソングでは無いためか先行2シングル収録曲から43rdC/Wの「Crossroad」のみ未収録となった。初回盤は2014年12月31日にZepp Tokyoで行われたカウントダウンライブの模様を収録したBlu-ray付。ライブ写真を収録した歌詞ブックレット同じサイズのフォトブックレットも付属する。CD特典がBlu-rayなのは今作が初となったが、DVD付での発売はいきなり無くなった

軽快さわやかで聞きやすいポップロックアルバム。近年夏のアルバムは多いがアコースティック、3人だけ、カバーなど企画アルバムばかりだったので、純粋な夏のオリジナルアルバムとなると04年の『ROAD CRUISIN'』以来2作目。作風としては『クロール』の軽快さやさわやかさにギターロック色と圧倒的な若さを足したような感じ。今作では前作『CIRCLE』であれだけ使用していたブラスは未使用、ストリングスも「君が僕を〜」と「スマイリン」でちょっと鳴っているだけで、後は固定サポートのベースとドラム、そして打ち込みで構成されているせいか非常にシンプルだ。通常アルバムとしてここまでシンプルで軽快なのは初めてじゃないだろうか。

池森・田川の発言からしてここ5年ほど続いていた振付前提のような曲作りもずっと続くかと思われたけど、今作の楽曲のノリはもっと自然派生的に盛り上がりそうなノリの良さだ。先行シングルの「千回恋心!」では振付映像まで用意されたが直後のニコ生ではライブであの動きはできないのであくまで自宅で楽しむ用であると発言。ここ5年ほどライブで一緒にやりましょう!を繰り返していた中で聞いたことのない言葉が出た。そんなわけでここ5年くらいの振付前提&企画作品という流れの中ではどちらにも属さない方向に突き抜けた1作になったと思う。

一方で気になるのは40代半ばになろうというのにまさかの全曲ラブソングアルバム。全曲ラブソングは09年の『LOVERS CONCERTO』でも掲げていたが、比較的落ち着いていた『LOVERS CONCERTO』に対して今作はデビュー以来最も若々しいんじゃないかというくらいのトキメキ全開っぷり。別に枯れたDEENを聞きたいわけではないけど、ここまでアンチエイジングしなくても…。とはいってもメンバーの家庭に関しては鉄壁のNG項目になっているっぽいので(両親や兄弟に関しては普通に話題に出る事があり、山根父や池森姉などは近年その姿も公開されている)、プロポーズとか結婚ソングまでが限界で、妻や子供を対象にした家族愛を歌うわけにもいかないんだろうか…。家庭路線ってアンチエイジングしすぎるよりはいいと思うんだけど。

この若々しさは意識してやっているものらしく、その真意はこちらのインタビューで明かされている。ただこの理由からは"ファンも同様に年齢を重ねている"という視点がどうも抜けているように思う。別に今更ラブソングにこだわらなくてもいいし、夏=恋愛という発想もどうかと思うんだけど(この辺りはメンバーの世代では一般的でも現在はそうでもない古い考えかも)、何よりDEENのキャリアは20年を越えており、多くのファンを獲得したのは初期だ。細々と新規ファン獲得はしていてもファン層がガッツリ入れ替わる事は無く、必然的にファンの中心世代はアラフォー以上(アニメやゲームタイアップ等での若干の後追い世代でもアラサー以上)に差し掛かっている。そんな現状であえて全曲ラブソングにしたのは自分たちもファンも年を重ねてトキメキなんて忘れてしまったけれども、改めて若い気持ちを、トキメキを思い出そうぜ!みたいな裏テーマがあるのかなと思っていた。しかしそういった話は特に出てきていない。なんかもっと単純かつ純粋無邪気に全曲ラブソングを掲げてリスナーへ夏の恋を推奨&盛り上げようとしているみたいだけど、それやるにはリスナー層が決定的にズレていると思う。楽曲自体は聞きやすくていいアルバムだったけど、若々しさ全開の歌詞もここまで来てしまうとどうもしっくりこなかった(ここまで大々的にテーマとして掲げていなければなんか若いな程度でそんなに意識しなかったかもしれないけど)。逆に20歳前後くらいの新規リスナー(いるのか?)はどう思うんだろうか。このトキメキ感は今の若者の感性と一致するのか、それともなんか古いのか。その感覚はラブソングには共感できない上に自分もだいぶ古い人になってしまったのでもう掴むことはできない。今作の作風をちょっと若すぎない?と感じてしまうことで逆にもう若くない事を痛感させられるアルバムでもあった。

B00ZJ7KH8Y初回盤Blu-ray付  B00ZJ7KHOI通常盤 

印象度★★★★☆

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