斉木楠雄のψ難

2017年10月公開。
ジャンプ漫画の実写化。2015年夏に実写映画化が発表されるもそのまま続報が無くなり、やがて今度はアニメ化が発表され16年7月にはアニメ化された。実写映画は頓挫したかに思われたが話は進んでいるとされており、結局発表から2年以上経過した2017年10月公開となった。

原作の文化祭のエピソードを軸にしてオリジナル要素、原作の各要素を繋ぎ合わせたストーリー展開となっている。レギュラーキャラクターでも削減されたキャラクターがいて、映画公開に合わせて原作漫画にてネタ(映画に出れなった面々がインタビュー形式でその思いを語る)として扱われた。

見た目は忠実だが…

ストーリー自体はほぼあってないような感じで、緩いギャグ映画といった装い。ビジュアル面はかなり原作のキャラクターに寄せているので、見た目における「斉木楠雄のψ難」っぽさはかなりそのままなんだけど、各キャラクターは一側面のみをブーストさせたり、似てるの見た目だけだったり差が激しい。

山﨑賢人の斉木はほぼそのままだが、原作・アニメ共に喋っているところを映さずにモノローグ進行というところは破って普通に喋る。ローテンション感もほぼそのままではあるが、同じようなトーンで喋らせればそれはアニメで喋り倒している神谷浩史の方が圧倒的にうまいとはどうしても思ってしまう。

ヒロイン照橋心美を演じた橋本環奈は何故かやたらと顔芸を連発する顔芸ハイテンションキャラになっており、ブスネタが好きな監督福田雄一らしいというか、カワイイ橋本環奈がすさまじい顔芸でをするというギャップで笑いを取りに行く方向。良くも悪くも橋本環奈のただ美形なだけじゃない顔芸を拝めるのが今作の最大のポイントになっている…がさすがに最後まで連投しすぎて飽きる。照橋も今作ではモノローグが非常に多いが、橋本環奈は思いのほかハスキーで全盛期の遠藤久美子に近い声なので斉木同様にどうしてもアニメで喋っている茅野愛衣の方が圧倒的にうまいと思ってしまう。差別化のためにハイテンションや顔芸でアレンジしたのかも。

新井浩文による燃堂はそのビジュアルの完成度(特殊メイク)がすさまじくて公開前から話題になっていたが、いざ喋ってみると…なんかテンション感が違う。ただ暗い声で喋ってるだけでテンションも低く、燃堂らしいとぼけたアホっぽさが全くないのは予想外だった…。これに関してはアニメの小野大輔があまりに燃堂として完成されすぎていたのもあるか。

吉沢亮の海藤は中2病で独壇場となっていて上手い事は上手いんだけど、実写でこれだけ延々見せられるのはちょっとイタすぎて辛い。実はビビりだとか気弱だとかその割に誰より友情に熱くていい奴だとか、中2病ネタキャラながらも実は作者にけっこう大事にされている感のある海藤のその他の要素が映画ではオールカット…。

賀来賢人の窪谷須は話の都合上で伊達眼鏡ではなく近眼扱いされた以外はほぼそのまま好演。

笠原秀幸による灰呂は笠原秀幸自体に熱血要素があまり無いし、元々修造キャラだったのでなんか他にいなかったのか。ていうか笠原秀幸って99年の映画『GTO』で主要生徒やってた役者で、2013年に『BAD BOYS J』でも不良生徒やってて驚いたのにまだ高校生役で出てきたのが驚き。

両親を演じた田辺誠一、内田有紀もほぼそのまま。蝶野を演じたムロツヨシと校長を演じた佐藤二朗は福田雄一御用達な感じでやっぱりいる…っていう感じではあったが、ムロツヨシは割となりきっていたし、ヨシヒコで顕著だったようにほとんどまともに演技せずにボケ倒してふざけ倒す芸風が酷くなってきた佐藤二朗はほとんど出番が無かったのでかなりふざけようとはしていたが目立たなかったので良かった。

個人・個人・個人で交流が全くない

そんなわけで各キャラクターはイメージ通りにしつつ適度にアレンジ。先にアニメ化されてしまった弊害もあり、実際に喋ってみたら見た目寄せたのに中身が追いついてない…と思ってしまうところが多々出てきてしまったのは仕方が無いか…。

結果、良くも悪くもないが大して盛り上がりもしないままに各自が個人個人でだけ爪跡と笑いを残して終わる、という何もかも個人・個人・個人な話で終わってしまいほとんど印象に残らなかった。

原作にしてもアニメにしても各キャラの個性は強いがもう少しキャラ同士の交流があったり、斉木にしてもモノローグで「やれやれ」と嫌がっていながらも実際は悪くないと思っている…といった前面には出さないながらも一貫したトーンが確実に全体に貫かれていてここぞという時やエピソードの締めの時にそれが活きてくるのに、この映画にはそれは全くない。各自が各自濃いキャラで自分勝手にやっていて全く交流が無いのでそこが決定的だったかなと思う。

★★★☆☆

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散歩する侵略者

2017年9月公開。

元は2005年の劇団イキウメによる舞台作品で、その後2007年、2011年にも別キャストで舞台化され、2007年には舞台を元に小説化もされていた作品の映画化。映画に合わせて小説が文庫化されたほか、公開1ヶ月後には4度目となる舞台化も行われた。

また映画とは別設定、別キャストのアナザーストーリーとした「予兆 散歩する侵略者」がWOWOWで全5回の連続ドラマとしても放送された。 「散歩する侵略者」の続きを読む…

デスノート Light up the NEW world

2016年9月公開。
2006年に公開された「デスノート」「デスノート the Last name」の10年後を描いた続編。今回は漫画原作ではなくオリジナルストーリー。

2015年夏クールでドラマ「デスノート」が放送され、この最終回終了後に今作の制作が発表された。しかしドラマ版は別キャストによるリブート作品で、映画は映画の続きとなっているため、ドラマ版と今作は全く繋がりが無い

主演は東出昌大・池松壮亮・ 菅田将暉。原作で記載はあったもののルールとしては使用されなかった“デスノートは6冊まで人間界に存在できる”という設定を適用し、新たに人間界にもたらされた6冊のデスノートを巡ってこの3人の天才がデスノート争奪戦を繰り広げる…というストーリー。

前作から生き残った松田(青山草太)、弥海砂(戸田恵梨香)、死神リュークが続投。松田以外の刑事には言及されておらず、月亡き後の夜神家についても全く触れられていないが、映画公開直前に前2作の総集編に新作映画の宣伝を加えた「デスノート 逆襲の天才」内に新たに加えられていたナレーションで月の父である総一郎はその後亡くなったと一言で処理されていて設定上既に死亡となっている。 「デスノート Light up the NEW world」の続きを読む…

藍坊主×映画監督/勝又悠「太陽の夜」

レコチョクによるクラウドファンディング形式のプロジェクトWIZY。2017年8月に始まったWIZYでの藍坊主と映画監督の勝又悠による藍坊主の楽曲「群青」を映画化プロジェクトによる作品。

勝又悠監督は近年の藍坊主のMVを手掛けており、また出身地もメンバーと同じ小田原で学年が1つ上という同世代であり、特にボーカルhozzyと意気投合していて今作のプロジェクトが始まった模様。

いくつかのプランを選択可能で、個人的には「群青」のCD化と新曲だけ欲しかったが、CDだけのプランはさすがに無かったのでCDがつく最安のプランである「応援プラン」を選択した。

最終的なサポーター数が758名というのはかなりシビアな気がするが、藍坊主の音楽そのものではなく映画作品となると現状こんなところだろうか…。 「藍坊主×映画監督/勝又悠「太陽の夜」」の続きを読む…

名探偵コナン から紅の恋歌

2017年公開。劇場版21作目。平次・和葉がメインの映画は7作目『迷宮の十字路』以来2度目となる。2人の登場は17作目『絶海の探偵』以来で京都を舞台にしたのもこれ以来となる。しかし『絶海の探偵』は舞台のほとんどが船の上で平次・和葉も登場はしたがコナン達と電話でやり取りするのみだった。14作目『天空の難破船』、13作目『漆黒の追跡者』でも同様で、平次とコナンが直接会って行動を共にするのは10作目『探偵たちの鎮魂歌』以来とかなり久々となった。

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