ぼくらの勇気 未満都市2017

KinKi Kids2人揃って主演した最後の連ドラで1997年秋クール放送のドラマの続編。大人たちがウイルスで死滅し、20歳未満だけが取り残された無法地帯となった未満都市で徐々に秩序を構築しながら生き抜いていくというストーリーだった。当初ウイルスは宇宙から来た微生物とされていたが、終盤でウイルスの死滅が発覚し解放された後にその態度の急変っぷりが怪しすぎた事から、未満都市を生き抜いた者たちは独自に調査。その結果、ウイルスは政府が食料自給率を上げるための研究の過程で生み出してしまった殺人ウイルスだったと発覚。死んでいった仲間のため、政府の陰謀を暴くため、終盤では政府VS未満都市の抗争となったが、徐々に追い詰められ、あんな大人にはならない、20年後にまたここで会おうと投降して物語は終結していた。

20年後を5年後に控えた2012年。司法書士試験に2度落ちてどん底だったタケル(堂本剛)はコンビニバイト店員として働いていて拾った金で高級寿司を食べていたところ、アキラ(相葉雅紀)と再会。アキラはウイルスが落ちたゼロ地点に新しい図書館を作るプロジェクトに設計士として参加していた。しかし現場に呼び出されたアキラは衝撃の事実を目の当たりにする

そして2017年クリスマス20年後の約束を果たすために幕原にやってきた教師になっていたヤマトはタケルと再会…するが、場所も日時も何も打ち合わせていなかったので他に誰1人集まらず2人だけだった。復興して変わり果てた街を歩いた2人はアキラとだけ再会するが、アキラはいきなり金が無いと言い出し様子がおかしい。3人で飲むぞと盛り上がって2017年、終了。話は2018年夏へと飛んだ。

「 2 0 年 後 」 が 一 瞬 で 終 わ っ た 

あんだけ煽っていた20年後の話じゃなくて21年後メインかよ!と思ったんだけど、よく考えたらあの約束をしたの1997年クリスマス頃の話だった。今の時期の撮影で冬設定は無理がある(実際20年後のシーンは飾りつけ等でクリスマス感を醸し出しても全くクリスマスシーズンに見えなかった)。2017年夏では約束の時に達していないので2018年夏まで時期を飛ばすしかなかったのである。

キイチ(小原裕貴)やモリ(松本潤)、スズコ(矢田亜希子)の元にもアキラが金の無心に訪れていた事が発覚。キイチはヤマトに電話してきて友好的だったが親友だったのにあれ以降全く会っていなかったらしい。モリはバンビ~ノっている(レストランを開いている)ので当時の面影が無いくらいに冷たい態度で関わりたくないと吐き捨てる。後にウイルス関連で以降もイジメにあったこと、飲食店なので噂を立てられるだけもマズイので幕原出身を隠している事が判明した。スズコは幕原在住で2012年に夫を事故で亡くして娘と2人で暮らしていた。当時も後半で幕原にやってきて割とKYな行動を連発していたので真の仲間になったとは言い難い感じではあったけど今回も話をしただけで出番は最少だった。夫が死んだのはウイルスのせいだったという重い設定を背負わされた割にはそれっきり完全に放置されたなぁ…。

アキラはウイルスが地下で復活したのを知り、止めようと掛け合っていたが会社を辞めさせられたという。この5年間逃げ回っていたのか、4年間抗議し続けてこの半年ちょいくらいで辞めさせられて放浪生活していたのか詳しくは不明。また借金の取り立てに追われているような態度だったが実際に借金していたのかも何故金が全く無いのかもよくわからなかった。

現地に潜入してウイルス復活を知ったヤマトとタケルは政府の圧力を感じながらも再度地下に潜入してウイルス入り地下水の回収を目論む。これにキイチ、モリが賛同し、逃亡していたアキラも合流。モリが当時と同じオーバーオール姿を再現してたのは吹いた。わざわざカッコ悪くなってもそれをやってくれうとは。

ヤマトが事前に当時の事を生徒たちに語り、今の子供たちへのメッセージを発信していた事からヤマトのいう事を聞かずにネットゲームに興じていた生徒(道枝駿佑)も感化され、自分たちの出番だとネトゲー仲間を収拾。自分たちは死なないからとネトゲー仲間という新世代の未成年たちが地下水採取の実行を担い、バス運転手のキイチの運転で逃走劇を繰り広げる。

が、あきらめて投降。ヤマトとタケルはあっさり留置場送りとなったが、後を託されたのはなんとアキラ。アキラは設計士として本部へ乗り込み、地下水の入った水筒で脅しをかけながら建設中止を訴えるという完全に主人公な活躍を見せる。さすが貴族探偵が役柄上出番が少なかったのでこっちに専念しまくりだぜ!しかしこれもうアキラじゃないじゃん、たくましく成長した国内No.1男性アイドルグループ嵐のメンバーの相葉くんじゃないか。

さらにモリまでこの場にやってきてみんなが持っていた人工衛星のカケラを差し出してヤマトとタケルを無罪放免にするように取引を持ち掛ける。すると政府側の人間である向井理が突如実は自分も当時幕原に住んでいたが、当日はドームで巨人戦を見ていたので難を逃れたなどと語り始め、折れてしまった。

なんと主演のKinKi Kids2人はラスボスと一切対峙することなく留置場でクライマックスを迎え、ラスボスと対峙したのは嵐の2人という2017年現在のジャニーズ人気すぎるミラクル展開に。タイトルの「2017」ってそういうこと!?

また20年後に答えが分かると連呼しながら笑い合う4人(キイチは…?)。そういえば5人がカケラ持ち寄ったのに提出したの4枚じゃなかった?と思ったらこっそりヤマトは1枚残していたのが判明する中(ただ死んだユーリの分もあるので2枚は手元に残した?)、完全に活躍を取られたKinKi Kids2人はそれぞれの初期の代表作である金田一、銀狼の決め台詞をキメて終了。

なお建設は中止、ウイルスの解毒剤が海外で開発され、犠牲者追悼のモニュメントが作られ、スズコは少し救われた形に、アキラも職場復帰していた。

00年に引退していた小原裕貴の再出演で沸いたけど、終わってみたら現ジャニーズ4名+未だJr.唯一の公式退所発表&セレモニー開催という特例中の特例でジャニーズJr.を円満退社した小原裕貴、あと矢田亜希子ちょろっと出した、というだけのジャニーズ同窓会+矢田亜希子だった。

特にアキラ立派になりすぎ。マコトという少年と常にセット扱いの小物だったのに相棒のマコト役をやっていた人はほどなく不祥事でジャニーズクビになってるので触れられすらしなかった(彼も約束のメンバーの1人なので捨てて無ければ人工衛星のカケラを持っている)。また終盤には仲間になり共に戦ったリュウ(徳山秀典)も触れられず、当時の関係者である柴崎(白竜)や盛岡(石丸謙二郎)なども全く触れられない。

終わってみればこのようなジャニーズ同窓会だった上に、国内最大級の売上を10年以上に渡って維持する超人気グループと化している嵐の現ポジションを最大限に活かしたようなクライマックスの持っていきかた、嵐の2人が何故か「友情出演」扱いになっているという出してやってる感(1番手以外最早やらない状態の2人にストレートな3番手以下の扱いをさせたくなかった?)が気になってしまった。

中学1年生当時に見ていたこのドラマ、未だに鮮烈な記憶が残っている名作だと思っているんだけど、当時学校で『ぼくらの七日間戦争』をはじめとするぼくらシリーズが流行っていて終盤の展開はその『ぼくらの七日間戦争』みたいになったなと思ったのを記憶している。大人たちを出し抜く痛快作である七日間戦争に対して、今作ではあんな大人にはならないというのや20年後また会おうという締めは良かったものの、大人への抵抗そのものはほとんど無力で無駄に終わる形だったので子供心にはもう少し一泡吹かせてほしかったという思いがあった。なので正直終盤の展開はそれまでに比べて逆にあまりそんなに印象的ではないし、一段落ちる印象が当時あった。

そういった大人と対決する終盤の展開よりもこのドラマでは序盤から後半に至るまで大半を費やしていた荒廃した無秩序な未満都市をヤマト(堂本光一)がリーダーとなって徐々にまとめていくというところに最大の魅力があったと思っていた。なので今回の続編において汚い大人たちと20年前に戦ったという部分に強くフォーカスが当てられ、そこをなぞった形での20年後という展開にはちょっと何か違う感じはあった。パンドラの箱だったのかもなぁ…このドラマは。

それでも何よりドラマで2人が掛け合いをしている20年ぶりの光景、大人になってもあの頃らしさが残るヤマトとタケルのやり取り、随所で映る小物のタイトルがほとんど全部KinKi Kids歴代シングルタイトルだったりするのは『SPEC』を最後にすっかり話題にならなくなってきた中でも堤監督らしい20周年お祝いだった

スズコがシングルマザー、引退しているキイチだけ既婚で結婚しないの?とヤマトに聞くというのは現実に合わせたのかな、やっぱり。