森山直太朗 コンサートツアー2018~19『人間の森』

8月22日にリリースした『822』を引っ提げて10月26日~来年6月まで行われる『森山直太朗 コンサートツアー2018~19『人間の森』』2日目、川口総合文化センター リリア メインホール公演へ行ってきた。26、27日のいきなり2daysが川口総合文化センター リリア メインホール公演で27日公演の方。

森山直太朗はベスト盤のツアーは落選で行けなかったため、2015年1月以来2度目。川口リリアは初めて訪れたが、駅の目の前、直結で突入できるので非常にアクセスが良かった。

15周年の活動やベスト盤の好調が持続したのか、今回のアルバムもオリジナルアルバムとしては1st以来のトップ10入り、ベスト除く直近5作の売上を上回るなどここに来て売上がわずかながら上がっており、ツアー規模もかなりのもの。MCでアルバム買った人と買ってない人を聞いたところ、買ってない人もかなりいたので、CD買わないし最新アルバムも聞かないけどライブには行くというお客さんがかなり多数いる模様。なんだかんだ初期に有名曲がある、今でも売上の割に各音楽番組ほか『SONGS』レベルでも取り扱ってもらえるというのは強い。

以下ツアー始まったばかりなのでネタバレ。

1.夏の終わり
2.生きとし生ける物へ
3.さなぎの時代
4.糧
5.花
6.シルビア
7.みんなおんなじ
8.フューズ
9.今日の日はさよなら
10.人間の森

休憩

11.出世しちゃったみたいだね
12.やがて
13.風曜日
14.すぐそこに new days(新曲)
15.絶対、大丈夫
16.さよならさよならさようなら
17.群青

アンコール

18.さくら(独唱)
19.どこもかしこも駐車場
20.時代は変わる

サポートメンバーはギター、ベース、ドラム、キーボード×2、バイオリン、チェロの7名。しかし全員が芸達者であり、キーボードなのにギターやSaxを演奏したかと思えば、チェロの人も出番が無い時はギター弾いてたり、打楽器担当したり。バイオリンの人は出番が無い時はピアニカ弾いてたり、打楽器やったり、木琴だか鉄琴だかマリンバだかみたいなのまで演奏するなど多彩っぷりを発揮しまくり。しかも曲ごとどころか1曲のうちに次々と楽器を交換(1番でピアニカを弾いてたと思ったら2番ではバイオリン弾き始める等)しているのだからプロフェッショナルなサポート陣であった。とりあえずギターとか白髪のベースの人は2015年にもいた人だったと思う。

終演後、ロビーにセットリストボードが置いてあり、自由に写真撮ってっていいようになっていた。しかもこのボード親切にその楽曲の横に収録アルバム(オリジナル・ベスト・DVD『森の人』)のタイトルとジャケ写アイコンも併記されており、こういう地道な丁寧さは非常に好印象だった。

森というより洞窟のように見える巨大な古木を思わせる荘厳なセットだったが、ライブの始まりは地味に前代未聞。徐々に観客が埋まりだした頃から、多くのライブがそうであるようにステージでは調整で出てくるスタッフがいて、軽い音出しとかをやっていた。

しかし、これがいつまでも続いていてなんだか音合わせで出てくるスタッフの数が多いな…と思っていたらなんかいつの間にかゆるっとサポートメンバーが勢ぞろいしており、音確認のようだった軽い音出しもいつの間にか静かなBGMのようになっていた。まだ会場は明るくざわついているものの、いつの間にかなこの変化にあれ?これもう始まってんじゃね?と思うと同時に開演時間となった。するとBGMのようだった演奏の音量が上がり始めた。ここに来て会場は急速にもう始まってんじゃね?モードが加速して拍手が巻き起こると同時に直太朗が颯爽と何の演出も無く登場してそのままゆるっとライブがスタート。BGMのようだった演奏は「夏の終わり」のイントロへと繋がっていった。このいつの間にかゆるっと始まっていたというスタート演出は明らかに意図的だったがユニークだった。

最後のMCで明かされたが「さなぎの時代」はギターのカポつける位置を間違えて半音上げで歌い始めてしまったという(「さなぎの時代」という曲自体あまり馴染んでいる曲では無かったがそういえばなんか歌い始めた時に随分声が高い曲だなと思った)。焦ったが戻れず歌い続けたところ、キーボードの人が半音上げに合わせて演奏してくれ、ギターベースバイオリンチェロ…と続けてみんな半音上げに瞬時に対応してくれたという(ドラムはキー関係ない)。キー変わってコードが変わるのを即座に脳内変換したのか、ギターなんかだと即座に直太朗と同じ位置にカポはめていたのか分からないが改めて凄い。

途中のMCでは最新アルバムを聞いてない人もいるという事で、最新アルバムの曲がそうだと分かるように発明をしたと宣言。アルバムタイトルに引っ掛けた光る「822」パネルを用意し、これが点灯しているときは最新作からお送りしているという意味だと冗談めかして説明するもパネルはすぐにひっこめ、今のは冗談なので一旦忘れてくださいとした。

…が、舞台セットには思いっきり「822」のパネルが2つ3つくらい貼りついており、直後に披露した「みんなおんなじ」ではビッカビカに「822」が光り輝き、歌い出しに若干の影響が出るほどの爆笑となった。この「みんなおんなじ」ではことさらにビッカビカに強調されていたが、そういえばこれ以前もこれ以後も確かに『822』収録曲の時にだけ「822」の部分を光らせる演出が一貫して取られていた(曲によっては最初は転倒させずに最後にうすらぼんやり光らせるのもあった)。これは確かに分かりやすいかも。

「今日の日はさよなら」まで歌ったところで実は休憩をはさんだ二部制構成だと明かされ、15分ほどの休憩が入った。「人間の森」演奏終了時に巨大樹木セット(2部スタート後に実は古着をつなぎ合わせたものだと明かされた)が上空へ撤収され、以降はバックは電光のものへ変更(822パネルもデジタルっぽいデザインになった)。

休憩明けも実にゆるっと始まったが、ここからは何故か全員総立ちに。それまでは多少盛り上がる系の曲でもオール着席だったのに、この空気の変わりっぷりは一体…。しかも「出世しちゃったみたいだね」ってそんないきなり総立ちになるほどの曲だったか…?2部は比較的盛り上がる曲が多かったとはいえ、バラードが来ても最後まで総立ちであった。1部と2部での雰囲気の変わりようは鮮やか。

「すぐそこに new days」というジャジーなノリの新曲も早くも披露。駅前の会場でのライブだし、JR東日本の駅であれば本当にすぐそこにNewDaysというコンビニがあるのでてっきりいつものシュール系の曲なのかと思ったがどうやらコンビニのNewDaysが近くにある曲では無かったようだ

また途中でメンバー紹介もしていたが演奏が激しい中で早口で紹介するので全く名前が聞き取れなかった。しかも時計回りに紹介&各自ソロ演奏を繰り返していった中でチェロの人だけ飛ばされていたような…?あれはバイオリンとチェロの人はまとめて紹介していたとかだったのだろうか?バイオリンの人がソロ演奏していたと思ったら飛ばして最後のキーボードのソロ演奏になってしまったように見えたんだけどバイオリンの人がソロ演奏しているときに一緒に演奏していたのか…?

アンコール登場もゆるっとしていて、本編終了して一旦去ったと思ったら一息つく間もなく走って再登場。3度の登場全てがなんか常識を地味に打ち破るかのようだった。

代表曲+重箱の隅選曲+『822』という構成で、『822』からは3曲やらずに8曲披露。なので比較的以前の曲も多く感じた。「風曜日」とか「さよならさよならさようなら」はあまり覚えていなかったし、「フューズ」なんかはすっかり忘れていた。「フューズ」は「夏の終わり」C/W(あと『森の人』収録だけどこのDVD/CDは持ってない)だったからこれを録音したCD-Rを引っ張り出すことはさすがに滅多にないもんなぁ…。

総じて歌は良く、演出も地味に意外性があり、サポート陣も芸達者だし、MCも面白かったしで前回以上に満足度の高いライブだった。やはり長く愛される、ヒット曲は正直ここのところないのに動員力が落ちずに今もこの規模でツアーを回れているからにはそれなりの理由が確かにあるなと感じられるようなライブだった。

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