リバース 全10話

原作は湊かなえ。2013~2014年に連載され、2015年に単行本化され、ドラマ開始1ヵ月前の2017年3月に文庫化されていた。今作では原作の結末のさらにその先をドラマオリジナルで原作者自らが構築しており、原作の主要な内容は9話までで終了し、最終回の内容が原作の続きに該当する。

1話

冴えない日々を送るサラリーマン深瀬(藤原竜也)の楽しみは学生時代からコーヒーが趣味で、常連のコーヒー屋でパン職人の美穂子(戸田恵梨香)と知り合い、不器用ながら徐々に親交を深めて恋人となる。しかし、深瀬の元に「人殺し」の張り紙が貼られ、大学時代のゼミ仲間や深瀬に元刑事のフリージャーナリスト小笠原(武田鉄矢)が10年前の事件の真相について迫り、美穂子の元にも怪文書が届く。全ては10年前、大学4年の卒業旅行で起こった親友広沢(小池徹平)の事故死。深瀬はに美穂子10年前の事を語りだす。

冒頭から吹雪の中去っていく広沢、「あの時止めていれば死なずにすんだ」という深瀬の後悔、雪山での派手な爆発シーン、半年後に白骨化して発見される広沢、葬儀の場で「これは俺たちが墓場まで持っていく」と誓い合う一行…と謎の断片的な回想が盛り込まれるのみで10年前に何があったかは明らかにならず、初回では最後までは分からなかった。

面白かったのが、この手の学生時代の仲間との卒業旅行っていうのは親友集団同士で…っていうのがドラマ的には定番だけどこのドラマでは深瀬の親友は広沢だけ。深瀬は地味タイプで深瀬も広沢も就職が決まっていないという焦りも感じている状態。一方で浅見(玉森裕太)、村井(三浦貴大)、谷原(市原隼人)は一般的にイメージされる青春を謳歌した大学生そのもの。ゼミが同じだけでさほど交流が無かったんだけど、コーヒー好きな深瀬がゼミのコーヒー担当みたいになっていた縁と、谷原がみんなでやろうぜ系の性格だった事でなんとなく誘われて、あまり話したことないけど卒業旅行に行く事になった、という経緯。また村井と谷原は元からノリが合う仲間同士っぽいけど、浅見のポジションはもう少し真面目寄りと、5人の関係性がさほど親密ではない。

なので、現在の交友関係は浅見と深瀬は仕事で繋がり(教師の浅見が事務機器メーカーの深瀬に発注している)があるが、村井と谷原との関係は既に希薄(浅見はまだ多少はあるが深瀬は広沢の法事以外で会ってない)、村井と谷原は村井の妹と谷原が結婚したので今も関係が深い、と。

2004年の『オレンジデイズ』という大学を舞台にしたドラマでの青春模様に、当時高校生以下の世代が憧れ、実際に大学に入ってみたら『オレンジデイズ』のような日々は夢幻だったと悟った…というのはここ10数年よく聞く話だったけど、このドラマの大学時代という括りでこの微妙な人間関係のバランス、これがリアルに近いように感じた。ちょうど10年前の2007年に卒業旅行で雪山っていうのは自分ともリンクしたし、もう10年か…と遠い目にも…。

それにしても事件巻き込まれ俳優の藤原竜也は今回も貫いてるな…。事件に迫るジャーナリスト武田鉄矢というのは11年前の『白夜行』と被る。なんだろう、ここ10数年の武田鉄矢の風貌は元刑事で現在はフリージャーナリストというのが何だかしっくり来る。

2話

2007年の続き。別荘の持ち主である村井(三浦貴大)が軽い交通事故の後処理で不在のままに村井の別荘へ向かった4人。到着した別荘は整備もきちんとされていたにも関わらずそこに向かうまでの道のりはかなりの悪路&めっちゃ雪深い
除雪がまともにされておらず途中でスタックして動けなくなるほどのデス・ロードと化しており、あきらめた一行はそこからは徒歩で別荘へ向かった。

昼間から焼肉三昧を楽しんだ4人だったが、深瀬(藤原竜也)と広沢(小池徹平)が酒を飲めないというとあからさまに盛り下がり、文句を垂れる谷原(市原隼人)。うわ1番苦手なタイプだ…飲めないものは仕方ないだろうが…。

空気の悪さを察した広沢は苦手な酒を飲むことにして2缶を開けた。飲んだら眠くなるとかいうわりにあっさり2缶も行けるって、酒飲めないっていうレベルじゃねーぞ(半分も飲めない奴の意見)。

そこに村井が駅まで迎えに来い!という激怒電話が。別荘を借りている手前無下にもできず、しかし免許を持っている浅見(玉森裕太)・広沢の両名が飲酒してしまっており手詰まり。特に教師になる浅見は断固拒否して広沢にお願いしてしまう。2缶程度なら大丈夫として広沢が引き受けることになり、申し訳ない深瀬はコーヒーを手渡す

車はスタックしたまま放置。雪が降りしきっているんだからもう完全に埋まってるのでは…。この車放置の設定は忘れたのかと思ったが、浅見が「キーは刺したままかも」という発言もあり、実際別荘付近に車は無く、広沢が姿が見えなくなるくらいまで先へ歩いていくカットもあった。

そのまま戻ってこない広沢。様子を見に浅見・谷原が歩いて様子を見に行き、連絡係として深瀬は別荘に残ったがその後浅見と谷原から車が転落した跡があり、下で燃えている、と。慌てて現場へ向かった深瀬が雪の中に倒れるシーンで現代へ戻り回想は終了。そこで戻ってしまったが最後に深瀬が走っていった道はどう見ても来た道じゃなくて木々が生い茂る山の中か雪原になってるし、こんな闇の中でドサッと倒れこむってこれ深瀬遭難してね?

飲酒の件は誰もが怖くて言い出せず、転落時に放り出されて広沢は炎上した車内からは発見されずに半年後に下流の川で発見された。

話を聞いた美穂子(戸田恵梨香)は飲酒を隠した件を咎め、深瀬のもとを去り、2人の関係はギクシャク。その後美穂子がストーカーに合っているのを助けた際には妙に責任が誰にあるのかを気にしていた美穂子は少しずつ深瀬の優しさを受け入れようとはしているようだが…。他の3人の元へも人殺し告発文が届き、小笠原の追及も迫る中で次回へ続く。

エリートに思われた谷原は倉庫勤務に飛ばされて担当上司にイビられる窓際状態、村井もなかなか議員にならずに秘書止まりなのを妻に見捨てられて絶賛不倫中…とけっこうシビアな状態だと判明。村井が父親に見限られてるのはまあ…広沢の事故の件を親父の力で早期に事故で処理させたのが一因とかありそうだけど。

今回振り返ったのは深瀬視点であり、深瀬が知らない空白の時間はたくさんありそう。どうも小笠原が追及しているのは「飲酒運転でした」以上のものを想像してそうな感じもするけど…。

3話

小笠原(武田鉄矢)の追及に飲酒していたことを明かした深瀬(藤原竜也)だったが、小笠原はやっぱりな程度の態度。広沢が発見された地点が10キロも下流、発見は半年後、シートベルトはしていたはずなのに車外に放り出されていたことなど不審な点が多かった事を疑っているという。

また先週の回想では事故現場へ向かう深瀬が雪原で倒れるところで終わっていたが、実は本当に遭難していたらしく、倒れたまま気絶して凍りかけていたところを事故現場に向かっていたパトカーが発見、救助、救急搬送されていた事が新たに回想された。なんという二次災害…

このため深瀬は第一発見者が浅見(玉森裕太)と谷原(市原隼人)ではなく、谷原1人だった事を初めて知る。二手に分かれて探していた谷原が最初に発見したというが…あの未整備でデス・ロードみたいな雪道、1本道じゃなかったのか…。

後に4人で集まった際にも同じく発見に関わっていない村井(三浦貴大)は深瀬にだけあの2人が車を落とした可能性は無いか?と疑心暗鬼モードに突入。やはり深瀬視点で語った過去と実際に起こった出来事やそれぞれの心境には隔たりがありそうだ。

また野球部の飲酒事件で孤立無援となった浅見。主犯格の親である堀部圭亮は目撃者である深瀬を買収しようと卑怯な動きを仕掛けてきた。このオッサンやっぱり息子信じてなかった!

むしろ酒を最初に目撃したのは深瀬だったはずだが、堀部はそれを分かっていて深瀬は友人を裏切って出世を取るという絶対的な自信があるんだろうか?凄いリスキーな賭けに出てないか。今よりいい会社への転職をエサにされた深瀬は苦悩。大学時代から負け思考の強かった深瀬に対して広沢は何とかしたいと思っているなら思っているうちは負けてないと励ましていたが、谷原から広沢がそう言っていた事を聞かされた深瀬はそれを思い出して美穂子(戸田恵梨香)にもう逃げないと告白。再びいい感じはなったものの…。

美穂子の元には深瀬を中傷する怪文書が届き、村井の不倫相手の元には妻が乗り込んできて不倫相手を既に殺っちまった事後?という修羅場、谷原はホームで突き落とされたという。どう頑張っても助からないタイミングで転落してたけどこれ助かるの?谷原もう降板?ていうか村井だけ自業自得の修羅場で本筋と関係なくね?

4話

谷原(市原隼人)が駅のホームから突き落とされ意識不明の重体に。先週から出ていた映像では走ってきた電車の下敷きになる事が確実な角度だったが、電車はギリセーフで止まっており、意識不明な原因は落下時の頭部強打によるものだという。次回への引きのために大げさに描写しやがったな…。

村井(三浦貴大)の妻の件に関しては不倫相手はケガして逃亡しただけで殺ってはいなかった。谷原の件で何とか妻から逃亡した村井だったがW不倫をスクープされてしまい窮地に…。相変わらずこいつだけ別の修羅場をひた走る

突き落としたのは誰かという深瀬(藤原竜也)、浅見(玉森裕太)、村井の3人会議では事故直前に谷原が妻へ送っていた写メの背後に映るオバさんが広沢(小池徹平)の母親ではないかと深瀬が気づく。谷原の事故直後に改札から走っていったのも帽子を被った女だったというが…。小笠原(武田鉄矢)は刑事時代から広沢母とは交流があり、今回も会っていたため、深瀬から広沢母が犯人なのでは?と打ち明けられても逆に信じがたい様子。ただようやく一方的に探ってくるだけで迷惑な存在だった小笠原と深瀬の目的が徐々に一致し始めた感じにはなってきたか。

一方で浅見の高校の野球部飲酒事件は主犯格の生徒の親(堀部圭亮)が深瀬を買収しようとしていた。浅見にも別に偽証しても構わないと言われ、散々迷った深瀬だったがビールだったかノンアルコールだったかは生徒たちのみぞ知ると証言。いつか後悔するといつになく熱く演説を展開。ここまであまりに迷いすぎて好感度ダダ下がりだったのでようやくビシッと決めてくれた。

これで生徒の下っ端辺りが耐えかねて告白するかと思いきや、しらばっくれる主犯格と生徒たち。校長が下した判断はとりあえず次の大会は見送るといいうものになった。主犯格の生徒は浅見の味方をしている女子生徒へ浅見が好きだとからかう挑発行為に及ぶなど性格のひねくれ度が増しており、女子生徒の怒りを買い右ストレートを受けて流血。この乱闘騒動で浅見は強制有給突入となってしまった。

主犯格の生徒、性格的に人望無さそうだし、逆に浅見は女子生徒中心に人気がありそうで、そんな中での飲酒疑惑と浅見の殺人犯呼ばわり告発。どちらの疑惑が生徒間で信憑性を帯びて噂されるかといったら圧倒的に前者だと思うんだけど、サッカー部の連中はそんなに校内で権力のある連中なんだろうか。個人的には小学校時代のサッカー部の連中は教室を支配する江戸幕府みたいな存在ではあったが、高校レベルじゃサッカー部というだけでそんな強権持てないだろうに。

深瀬もノーダメージとはいかず、既に堀部圭亮は深瀬の会社と契約を1度していたのでこれが全部破棄となったことで深瀬の立場が厳しい事に。とんだとばっちり。しかし仮に堀部の権力でいい条件の会社に転職できても、深瀬のこの性格だと精神的にはもっとしんどくなりそう…。現在の会社ではうまいコーヒーを淹れる要員としてのポジションは確立できているわけだが他の会社でもコーヒーだけでポジション築けるとは限らな

またこの一件で浅見はいい友人を持ったと深瀬に感謝したところ、深瀬は友人と言われたのを意外に思うようなそぶりを見せていたので、深瀬にとっては浅見は学生時代の知り合いだった縁で仕事させてもらっている取引相手程度の感触だった模様。地味にひっでぇな…。

どっちみち強制有給で時間ができ、深瀬への信頼を深めたためか、浅見は10年前の事件で誰にも話していないという話を深瀬に伝える。それは慌てた様子の谷原からの電話を受けて事故現場に浅見が到着し、燃える車の火に照らされて川沿いを逃げていく赤いジャンパーの男=村井を目撃していたというものだった。

タクシーが捕まらないから迎えに来いと言っていたはずの村井は事件現場に警察より早くタクシーで駆け付けており、何で迎えに来いと言ってきたのか?そして前日に事故って事故処理で遅れるという話はそもそも本当だったのか?浅見が村井への疑念を語り、当時二次災害で気絶・遭難して運ばれていた深瀬は己の無力さを痛感して次回へ続く。深瀬の知らないことだらけだ…。

5話

村井(三浦貴大)のW不倫がスクープされてしまい、深瀬(藤原竜也)の家にかくまってくれとやってくる。ここですぐに「ゲス不倫」とかネタにしないところは天下の月9様でゲス不倫とか連呼させた某局との差だろうな、やっぱり。

妹の明日香(門脇麦)は事が不倫だけに気まずいし、浅見(玉森裕太)は寮暮らしらしいので、確かに深瀬が現状では1番信頼できる仲間か…。浅見も合流した際に改めて10年前の広沢(小池徹平)との事を聞いた2人。

広沢は明日香と付き合っていると村井は思っていたが広沢には別に恋人がいた。激怒した村井は1発殴ったが、明日香は彼女がいるとちゃんと知らされた上での片思いだった事を聞かされ和解。笑って許してくれた広沢は心が広いと回想された。さりげに広沢に彼女がいたらしいという深瀬が知らさそうな事実がまた1つ…。ていうか深瀬と広沢は大学4年のゼミで初めて知り合ったとか前回明らかになったので広沢が亡くなるまで付き合いは11ヵ月程度なんだよな。

美穂子(戸田恵梨香)にもストーカーの魔手が迫り、ついには自宅マンションのエレベーターに押し入ってくるまでになったのでコーヒー屋の恭子(YOU)の家で寝泊まりする事になった。浅見は仕組んでいるのは広沢の母と小笠原(武田鉄矢)ではないかと、深瀬に頼んで小笠原と対面するが小笠原もはぐらかすような態度でハッキリしない。

恭子が送り迎えをしてくれていたが、本社へ研修に行ったという帰り、今度は本格的に襲われてしまう。ちょうど探しに来ていた深瀬が駆け付け命がけで抵抗。なんとか救う事に成功したが、その姿を見た美穂子は何故かひたすらごめんなさいと謝る(伏線?)。覆面をしていたので姿は見えず、ストーカーの正体は不明のままだった。話を聞いた村井は深瀬の意外な勇気を称える。

村井は政略結婚だったので妻との間に愛情が無く、不倫相手と本気で愛し合っていたが、不倫相手が辞職する意向を示したので本気じゃなかった、こんなことで辞めるような事ではない、お互い無かったことにしよう!とわざと冷たく提案。不倫相手は辞職を辞めて事実無根だと突っぱね、双方無かったことにしてスクープを否定する。村井は自身の境遇にずっと悩んでいたようだが深瀬の優しさによってだいぶ救われていた感じで、ひとまず実家に帰るわ!と明るく去っていった。

深瀬への信頼を深めたためか、村井はその前に10年前の事について語った。浅見の先週の証言では爆発する車の炎の明かりに照らされて山の中を走っていく村井の姿を見た、というものだった。しかし村井は偶然やってきたタクシーが回送だったがなんとか乗せてもらい現場へ向かっていたと言う。雪が深すぎて運転手が「ここまでだ!」と匙を投げたので歩いていく事になった直後に向こうに浅見と谷原(市原隼人)を発見。近づいていったところ、へたりこんでいた2人を発見したので何かを隠しているかのようだ(車を突き落とした?)と感じたらしい。

証言食い違ってるじゃないか。気絶してただけでの深瀬パニックだよ。

それ以前に地元のタクシー運転手が進めないと匙を投げるほどの別荘へのデスロードどうなってんだよ。昼間に別荘に向かった時もスタックでたどり着けず、ベテラン地元タクシードライバーでも無理っていくら雪が降ってたからってそんな未整備すぎるデスドーロの先にある別荘なんて冬季閉鎖にすべきなのでは…。

そして深瀬が会社に行くと会社が…倒 産 し て い た ! 

社長が金を持って逃げたという。サッカー部飲酒事件主犯格の生徒の親(堀部圭亮)との契約破綻が原因で深瀬がクビになるのではないかという視聴者の不安をよそにまさかの逃走・倒産をぶちかましてくれた社長。

これだけでも衝撃なのに帰宅した深瀬の元に村井の関係者がやってきて村井が失踪してしまったことが判明。サイコそうな妻がサイコな行動に出そうな気配を見せていたので、なんかそっちが理由な気もするけど。

6話

朝会社に行ったら会社が…倒 産 し て い た

という会社人三大恐怖の1つに数えられるショッキングな事態をよりによってこの激動の時に迎えてしまった深瀬(藤原竜也)だったが、割と前向きであっさり。現状、自身のキャパの大半が10年前の事故にまつわる出来事に向いているので逆に何もない平和な時にこうなるより断然良かったのかもしれない。

村井(三浦貴大)が行方不明になる中で、妹の明日香(門脇麦)は10年前の事故当時の事を深瀬に語る。デスロードでタクシーが進めなくなるより手前を走行中、村井に謎の電話がかかってきて村井は吹雪の中で下車。さらに山中を走っていってしまった。いくら待っても戻ってこないので明日香も山中を追おうとしたら背後で謎の爆炎が上がり、村井が戻ってきたという。思いっきり真っ黒な案件だっただけに明日香は兄に疑念を抱いていた。

その村井だったが謎の部屋に監禁されてぐったりしていた。汚部屋っぷりは村井の妻の生活空間が完全なゴミハウスだった事から普通にそこと思われ、今回の事件絡みではなく、相変わらず村井だけは別件で妻に監禁されているんじゃないかこれ…。しかしだとすれば事務所スタッフが気づくか。

一方で小笠原(武田鉄矢)の情報提供と協力で深瀬は美穂子(戸田恵梨香)のストーカーを確保し警察に引き渡すことに成功。最早公式サイトのあらすじに綺麗さっぱりスルーされるほどあっさり片づけられてしまったが、先週とかけっこうアグレッシブに襲い掛かってきてたのに…。

最初の脅迫文は彼の手によるものだったがそれ以外は全く無関係だと判明。つまり深瀬が1話で驚愕し、美穂子に10年前の出来事を話すきっかけになった最初の1枚とその後美穂子の元に届いていた怪文書はストーカーのもの、それ以外は真犯人によるものという事に。

深瀬と浅見(玉森裕太)は改めて広沢(小池徹平)の素顔を知るため、地元愛媛へ向かう事にするがその道中で事故現場の長野へも立ち寄る。長野では特に何も得られず、愛媛では両親は優しくしてくれた。しかし広沢の地元の友人に話を聞きたいとお願いしたところ、なんと居酒屋が貸し切りになるほどの大人数が集結するというすさまじい事態に。

広沢は高校卒業までを地元で、大学からは東京に出ていたので、ここに集った者たちは18歳までの友人たち。大学4年間は帰省時以外は会う事は無かったはずで、死後10年。それで居酒屋貸し切り状態になるまで人が集まるって…。さすがに人気者すぎるんじゃないかこれは。この会合では高校時代の彼女の名前や、ここに来ていない地味だったという友人の名前を聞きだすことに成功。

入った瞬間からビミョーな空気は漂っていたが、帰り際には酔った勢いで一部の人たちは深瀬と浅見を直接糾弾。人殺し扱いされ、改めて友人を死なせた事実に落ち込む2人。浅見はそんな中で、事故当時に隠していた事実を打ち明ける。

事故現場を谷原(市原隼人)が発見し、浅見が駆け付けた直後。現場には血痕が残されていたが、血を調べたら飲酒がバレるとした谷原は血の付いた部分の雪を崖下に捨てる行為に及び始め、止めようとした浅見も就職がパーになるぞ!と言われて加担したという。これで村井が目撃していた何かを隠しているのではないか、何かした事後みたいだった浅見と谷原の変な様子は話がつながった。後はその前の逃げていった村井の様子だが…。

その夜、広沢の家の前に謎の男が出現。居酒屋に来なかった広沢の親友だったという古川(尾上寛之)だと確信した深瀬は必死に追いつくが、古川はいきなり深瀬を人殺し呼ばわり。そのころ、ついに谷原が目を覚ましていた。

7話

古川(尾上寛之)は広沢(小池徹平)と大学時代も友情が続いていて広沢の彼女の川ちゃんとも3人でよく会っていたが、大学生になってリア充化して見える広沢と冴えない自身との差が深まるのを勝手に感じた古川は自ら関係を断ってしまったという。原作だともう少し深く色々語っていた古川だったがここは少しあっさり処理されたな…。大学生や社会人になって、早い段階だと高校生になって…それまで親友だと思っていた相手と価値観にズレが生じてきて徐々についていけなくなっていき疎遠になっていくことってけっこうあるあるなのでこの点もう少し掘り下げてほしかった。

谷原(市原隼人)がようやく目を覚ましたが何かを隠している様子。嫌味上司から早期退職を迫られている谷原は明日香(門脇麦)にもキツく当たっていた。連絡を受けた深瀬(藤原竜也)が谷原を一喝すると谷原もまた最近は弱い自分が圧倒的だ…と本音を語る。10年経って今回の事件をきっかけに本音を話しやすいいい奴キャラになって人望深まる深瀬。当初1番何も聞かされていなかった深瀬が今1番色々な当時語られなかった話を聞き出せているのが面白い。

八王子で看護師をやっている川ちゃんを1話かけて探し出した深瀬だったがなんと「川ちゃん」は2人いて本命の彼女はそっちの方だった。1人別の話を駆け抜ける村井(三浦貴大)はやはり妻に監禁されており、ようやく事務所スタッフに救出され自由の身になっていたので久々に4人揃って深瀬の家に集まり、送られてきた高校の卒業名簿で本命の「川ちゃん」こと「カワベ」さんを探す。

なんとそこに写っていたのは美穂子(戸田恵梨香)だった(現在の苗字は越智)。衝撃でフリーズする深瀬をよそに、谷原は美穂子を「川辺さん」と認識。よく野球チームにやってくるマスコット的存在で突き落とされた当日も一緒にいたという。さらに村井までもが選挙スタッフの1人だと告げる。浅見(玉森裕太)は面識が無いようだったが浅見の姿を外から見ている美穂子の回想映像がインサートされ、さらに大阪の実家に帰っていたはずなのに長野の事故現場にいる美穂子で次回へ続く!

美穂子が深瀬に好意を抱いているのは少なくとも確かだったようだが、最初の10年前の独白を聞いてから態度が揺れていた様子や、ストーカーから身を張って助けた際の謎のごめんなさい連呼など確かに…と思う箇所は振り返ると色々あった。ストーリー的に本筋と関係ない単に10年前の一件でギクシャクするだけの彼女というポジションにしては序列が上すぎるという謎もこれで解け

8話

脅迫文の送り主と広沢(小池徹平)の当時の彼女が美穂子(戸田恵梨香)だったと発覚。大ショックな深瀬(藤原竜也)だが、突き落とされた谷原(市原隼人)も突き落とした犯人が美穂子なの9割確定くらいの勢いなのにそれまでの好感度+直前の記憶が無い事からとりあえず会って話し合いたいと穏やかな方向性で話がまとまった。また事故現場から逃げた村井(三浦貴大)の姿という謎にも迫るが、村井は語らず逃亡してしまう。

後日、明日香(門脇麦)から迫られた村井はようやく真相を告白。かかってきた電話は浅見(玉森裕太)から事故現場を発見したと報告を受けたもので、これを受けた村井は吹雪の山中を徒歩で道無きけもの道を突き進んで事故現場の下流へ到着していたという。車道でさえ未整備のデスロードと化していて車がスタックするほどの悪条件・悪天候下で道なき川沿いの山中を突き進むのはさすがに雪山描写適当すぎやしないだろうか。事故現場のちょうど近くに辿るつける都合の良さよりもそっちの方が気になる。

村井は即座に父親に電話して助けを求めるが、父親は飲酒の事実を聞いた途端に車を燃やせ!見捨てろ!政治家らしい迅速な判断(棒読み)を息子に命じる。さすがに村井もできねぇよ!!と叫び、広沢を助けようと斜面を降りようとしたところで車が勝手に爆発炎上。現場から去っていく姿を浅見が上の道路から見ていた、ということらしい。

警察や救急ではなく即座に父親に電話した村井を父親もろとも最低だと責める明日香。実際には既に浅見・谷原が警察と救急車を呼んでいたわけで、この判断は実際にこういう場面に遭遇すると一概に責めるわけにも…。村井は村井で酒を飲んでたのは知らず、そもそも迎えに来いとしつこく言った自分のせいだとショック状態だったわけで。父親の命令に従わずにちゃんと助けようと動き出そうとしていた姿は、とっととあきらめて血を隠滅しようとした谷原や浅見よりはしっかりしていたとも思う。あと回想で冷凍状態で保護された深瀬を映すのはもう止めてあげて…。

連絡が取れなくなっていた美穂子は怖い顔をして帰還。羽田空港では深瀬とすれ違ってしまうが、浅見の背後にまるで突き落とそうとするかのように迫っていたところに深瀬が追いついて阻止。背後にいたのに浅見はそのまま気づかずスルーしてしまい、深瀬と美穂子の話し合いに。広沢が浅見に借りていた本を返そうとしていただけで浅見を突き落とすつもりはなかったという。実際怖い顔して動いていたのも単に無表情だっただけで演出・音楽等でそれっぽく思わせていただけだった。ていうか先週は大阪→事故現場(長野)だったはずなのに、また大阪→羽田で帰ってきたって時系列おかしくないか。この数日で大阪→長野→大阪→羽田(東京)って移動したの?

美穂子は広沢が就職しないと言いだして関係がぎくしゃくしている中で(美穂子の父親が働かないので両親が離婚していたため就職せずに海外に1年旅に出るとか言い出した広沢を受け入れられずにだったら別れると即答した)事故が発生したためニュースで行方不明が報道されるのを見るまで広沢の事故の事を知らなかった。通夜葬式1周忌にはショックで参列できず3回忌で初めて参列。その際に4人の存在を知り、広沢が大学の友人たちの間ではどんな人だったのか話を聞きたくて匿名で浅見(学校)に電話をかけたが聞きたい事をあまり聞き出せずに切ってしまった。

以降行動はしていなかったが大阪へ帰る事を考え始めたここ最近モヤモヤしていたこの件をもう1度ハッキリさせようと深瀬に接触、谷原や村井にも接触を図ったがその時はそれぞれの道を進んでいる4人に納得していた。だが深瀬の部屋で「人殺し」の張り紙(ストーカーがやったやつ)を発見して、10年前の事がよぎり、試しに自分宛てに告発文を送って深瀬に見せたところ深瀬がペラペラ喋り、さらに締めに「人殺しと呼ばれるほどのことじゃない」などと発言したために復讐心が芽生えたという。

広沢の事を思い出させるために3人にも脅迫文を送り、谷原に関しては飲み会の帰りなのに車で帰ろうと言い出した挙句に事故で死んだ友人の事を聞いたら当時は免許持ってなかったけど免許持っている今なら多少飲んでても運転に問題は無い、運が悪かったなどとのたまったため、怒りにかられ、腕をつかんできた谷原を振り払ったら谷原が綺麗に転落していき、怖くて逃げたという。

転落させようと突き落としたというより振り払ったら綺麗に落下していったという事で割と事故だった。とはいえ、結局事故当時の谷原・浅見・村井らと同じような行動をしてしまった美穂子。どうすれば許してもらえるか聞く深瀬だったが、美穂子は出頭するといって出て行ってしまった。

そして状況を整理したいと深瀬の家の近くから電話をかけてきた小笠原(武田鉄矢)だったが直後に謎の覆面人物に刺されてしまう。犯人は別にもう1人いる?と原作を越えた展開になってきたところで次回へ続く。

深瀬・谷原のちょい自己保身の入った軽率な発言が火をつけた原因だったとはいえ、今のところ明確に誰が悪いという感じでもないのが難しいところ。そして小笠原を刺した新たな犯人とは…。今更全く出てきてない新人物が私が黒幕です!とか言い出すのはご法度だと思うし、飲酒の件を聞いていてもみ消したい、当時の警察に圧力をかけた可能性が高いのは村井の父であり、また小笠原は元々は村井父の不正疑惑を追っていた記者として村井陣営のスタッフの間でも顔は知られていたと思うので村井陣営のスタッフの可能性が1番高いか…?

9話

小笠原(武田鉄矢)が刺され、新たな脅迫メールが送られてきた。しかし2発も刺された小笠原は当たり所は良かったらしく、即座に復活。話を聞いた村井(三浦貴大)も心当たりがあると告げる。ようやく小笠原とメンバーそれぞれが同じ方向を向いて10年前の事件と向き合う状態となった。ていうか小笠原があんな嫌味な感じで出現しなければもっと早くみんな協力体制になれたのでは…。

まずは小笠原を刺した犯人は村井の父の秘書が命じたチンピラと発覚。その辺は元刑事・フリージャーナリストの驚異的捜査能力であっさり暴き、村井陣営は崩壊へと向かう。10年前の事件の捜査を打ち切りにさせたのもやはり村井父の圧力で、その見返りが村井の結婚だった。村井は父と決別するため新たな一歩を踏み出していた。

浅見(玉森裕太)のサッカー部の件はかつて深瀬が演説した辺りから動揺の色を見せていた後輩連中が耐えかねて揃って謝罪。しかし肝心の主犯格は10年後に振り返っても嘘ついてよかったと思えた!などとのたまい、折れる気配なし。

谷原(市原隼人)は嫌がらせ上司より上の立場の人に企画書を渡して本社への返り咲きを図るがタイミングが悪く、嫌がらせ上司に書類を受け取られてしまいそのまま捨てられてしまったが、捨てているところを上の立場の人が目撃しており最終回で逆転できそう。ていうか谷原はこのクソ上司に一点集中でどんだけロックオンされているんだろうか。

警察に出頭した美穂子(戸田恵梨香)だったが、全員が訴えないこと、谷原も自分で落ちたと言い張った事で厳重注意に終わる。深瀬には会いたくないと言い放ったが、今度は浅見や谷原が背中を押す形でアシスト。それぞれが新たな一歩を踏み出す中で、深瀬も美穂子ともう1度向き合い2人は仲直り。

広沢の事を改めて振り返るノートに美穂子も記録を重ねていく中で、何気に美穂子は広沢は蕎麦アレルギーだったと書き込む。深瀬は聞かされておらず、蕎麦屋に寄った時に1人だけカツカレー屋に行ってしまったのはそのためだったのかと今更納得する深瀬。ここまでは呑気だったが、喫茶店の奥さん(YOU)が持ってきたハチミツを見て驚愕。それはあの時広沢に渡したのと同じハチミツ、蕎麦のハチミツだった。

広沢を殺したのは…俺だったのか…。

全てがリバースして深瀬に帰ってきたところで最終回へ続く。

原作はここで終了してしまう。ドラマ化される時点でオリジナルでその先を描く、としていて最終回が丸々原作のその後を描く話になる模様。小笠原が新たにつかんだらしき何かも残っているし、深瀬がどうハチミツの件に向き合うのかも気になるところ。

10話

広沢(小池徹平)が蕎麦アレルギーだった事が判明。知らないうちに蕎麦のハチミツを使った珈琲を入れていた事に気づいた深瀬(藤原竜也)は「広沢を殺したのは俺だったのか」とショックのあまり引きこもりになってしまう。

引きこもりになっている間に深瀬の元へやってきた美穂子(戸田恵梨香)は谷原(市原隼人)と遭遇。気まずすぎて謝罪すらどうすればいいかという勢いで言葉の出ない美穂子だったが突き落とされた張本人の谷原が寛容な態度になっていた。穏やかに谷原家に一同が介し、改めてちゃんと謝罪する場を。さすがに夫が意識不明で不安な日々を過ごした明日香(門脇麦)だけは不満顔でなかなかすんなり許せる状態には無かったが、谷原、浅見(玉森裕太)、村井(三浦貴大)は口々に今回の一件のおかげで自分たちの罪に向き合えたと告げ、逆に感謝するくらいの勢い。そのまっすぐなまなざしはきこりの泉にぶち込んで出てきた綺麗なジャイアンのよう。

原作では「広沢を殺したのは俺だったのか」で終わるので果たして深瀬はこの事を改めて告白できるのかみたいな引きでもあったんだけど、深瀬が話すような描写も無いままに既に全員が蕎麦の件も把握済み。重要なのは言えるかじゃなくてどう立ち直って向き直っていくかと、深瀬がこれまで築いてきた人徳によってそれが返ってきて仲間たちの励ましで立ち直るのに重点が置かれた。

引きこもって飲めない酒を無理やり飲んでアレルギー症状を起こしてぶっ倒れていた深瀬を救出したのは小笠原(武田鉄矢)で、隣人を使ってさらに大家に頼んで鍵を開けさせた。小笠原も終盤にかけてどんどん優しくなっていたが過去最高の優しい態度で、ついには深瀬たちを仲間だと思っているとまで告げる。

さらに美穂子とのドア越しのやり取りで何とか復帰した深瀬は、いよいよ本当のことを広沢の両親へ告げるために愛媛へ向かう事に。自分たちがスッキリするだけで両親を苦しめるのではないか?と、これまで真実を告げるべきと初期から1人で主張してきた深瀬だったが、最大要因が自分にあった事が判明した精神状態では言うべきか分からなくなり苦悩。他の3人が逆にそれでも言わなくてはいけない、迷いがあるのはみんな同じだと決意。

そんな中、小笠原が最後の真実が分かったと空港へやってきた。回想シーンでも触れられていた別荘荒らしが出ているという件に絡めたもので、別荘荒らしは別荘の管理人のバイトとして潜入。このため鍵を受け取った際に深瀬たちは遭遇していた。

こいつら大学生だけど金持ってるっぽいな!と別荘荒らしの2人が目をつけるような描写もあったが、既に別荘荒らしがだいぶ評判になってしまっているせいか、深瀬らの別荘は狙わずに周辺の別荘で盗みをし、別荘地を離脱。別荘荒らしは3人組でこのうち2人が別荘荒らしを行い、運転役の1人が迎えに来る算段だったが、例の吹雪によるデスロードのため当初の迎えポイントに踏み入る事ができずに遥か遠方で挫折。仕方なく徒歩で逃亡していた2人は、スタックして鍵を刺したまま放置していた深瀬たちが乗っていた車を発見。盗もうとした。

そこに広沢が駆け付けて抗議したが、この少し前に例の珈琲を飲んでいた広沢は蕎麦アレルギー発動で異変をきたし、フラフラしている間に別荘荒らし2人は車を発進させて逃亡。広沢はそのまま倒れこんで崖下へ転落。ただし小笠原が2人組を見つけ出して話を聞いたうえでの話。広沢を最後に見たのはこの2人組だったというだけなので、2人が去った後に転落したのだろうというのは状況を考えての小笠原の推測。

というのも2人組が小笠原に危害も加えずにあっさり話したのは窃盗だけなら10年前なので時効になっているため。これで広沢に危害を加えた、突き落とした、殺した場合は当然バリバリ再逮捕案件なので話すわけがない。ただそれを考えると広沢が珈琲を飲んでいたかも実は確認しようがない

いずれにせよ広沢の発見場所が車と妙に離れていたのはこのせいだった事と、これにより飲酒運転をしていなかった事と事故っていなかった事が発覚。ただ10キロも下流で広沢が発見されたっていうのとこの状況はなんだか一致しないような

一方車を奪った別荘荒らし2名が例の場所で事故り、血痕もこいつらのもの。車内の方に血痕が残ったため、車を崖下へ落として徒歩で逃走を図ったという。

新事実と言えば新事実だったが、結局別荘荒らし2人が広沢を突き落としたとか広沢に危害を加えたわけではなかったので深瀬たちにとってはあまり何か心構えが変わるような話ではなく、さほど救いにもならない話だった。

実際、広沢の両親に話した際は端的に、無理やり酒を飲ませ(谷原)、無理やり来いと言い(村井)、無理やり行かせ(浅見)、蕎麦のハチミツの珈琲を渡しました(深瀬)、飲酒の件は保身のため隠しました、というもの。

間違っちゃいない…だが言 い 方

全てを受け止め、罪を受け入れたゆえの言い訳一切なしの潔く端的な言動だったが、先ほど判明した別荘荒らしの件どころか、何もかも省きすぎでそのせいでめっちゃ悪どい告白となってしまった。当然のごとく母(片平なぎさ)は大激怒。そのまま出て行ってしまい、補足説明を入れる余地なし。

父(志賀廣太郎)は4人の覚悟を冷静に受け止め、どう死んだかではなく、息子がどんな生き方をしていたのかを聞きたがり、4人は広沢のそれぞれの印象を語る。父に関しては少なくとも表面上は受け入れ、また来なさいと告げるのだった。

母の元へは小笠原がアフターフォローに登場。許す必要はない、彼らはそれを受け入れる覚悟でやってきたなどと告げ、描写はされなかったが、物語開始当初は母親寄りの姿勢だった小笠原もすっかり深瀬たちを信頼して仲間だと思うようになっていたので、色々細かい説明もしたのだろう。したよな…?

浅見はサッカー部の件で相良(鈴木仁)に自分の罪を告白。反省しないコイツの性格からして暴露して退職に追い込む勢いだったが、ラストカットでは突如改心して授業ボイコットを辞めて解決。こればかりは若干雑な処理になった。

谷原は起死回生をかけた企画書を上司が握りつぶしたのをお偉いさんが目撃していた事で、上司の不当なパワハラが発覚。上司が査問会議にかけられるという綺麗な逆転ホームランをぶちかますも、自分の態度にも非があったと寛容な態度を見せる。本社返り咲きは確定的で、今後1番出世しそう。

村井は離婚成立。父も政治家生命が追い詰められ、明日香は父を見限る勢いだったが、釣りに出かける事で親子関係が改善。村井は跡を継がずに自分の仕事を探すと告げるが、以前深瀬に自分は就活もしたことが無いと語っていただけに1番先行きが見えない状態に…。迷いと自身の無さを振り切って今度は父を支える立場になってクリーンな政治家を目指す方が自然に収まったのに…。

小笠原はジャーナリストを辞めて新たな生き方を探すと宣言。年齢的に引退じゃないのか

深瀬は新たな仕事が決まり、大阪に帰った美穂子の元へ向かい、再び付き合いだしたところで終了。なんとか全員が前向きな感じで終わった。

また深瀬が新たな会社の取引先にいたのが杉咲花、美穂子のパン屋の客として窪田正孝が突如出演。チョイ役にしては無駄に豪華でナニコレと思ったら、湊かなえ原作の過去のドラマ『Nのために』(2014)の成瀬慎司(窪田正孝)、『夜行観覧車』(2013)の遠藤彩花(杉咲花)の現在の姿というコラボ展開だったらしい。どっちも見てないから何が起きたのかと思った。

全部終わっての感想

途中で気になって原作を読んだんだけど原作が「俺だったのか」で終わってしまうのでその後含めて各登場人物を丁寧に描いたこのドラマ版、普通に原作より面白かったと思う。上半期のドラマでは1番ハマった。

新たに付け足した事故の真相は結局あってもなくてもあまり深瀬たちの救いになるような話ではなかった。ただ逆に救いにしようとして別荘荒らし2人がアレルギーが出る前の広沢を殺したとか、アレルギーが出て行動不能に陥った広沢を突き落とした、とかにしてしまうと話変えすぎで主題もブレてしまうので付け加えるにしてもこれがギリギリだったと思う。

まあ村井が山中を徒歩で事故現場付近まで行って戻ってくるのに続いて、別荘荒らし2人が車も進めないほどのデスロードで重傷を負いながらも徒歩で逃亡し、村井たちの乗ったタクシーとすれ違うより前に仲間の元へたどり着いて逃げ去っていた…とか雪道関連は最後までハチャメチャだったけどな!

あとこれは深瀬責められないよなと思ったのは蕎麦ハチミツのパッケージについて。これ、裏に小さく原料が蕎麦と書いてあるだけでラベルにはデカデカと「高原ハチミツ」としか書かれていなかった。

ハチミツといえば文字通りのハチのミツというのが一般的な認識だし、この「高原ハチミツ」は商品として危険すぎるんじゃないかと。別荘荒らし2人と広沢の遭遇より、深瀬にもっと救いを持たせるならまさにそこだったと思う。

喫茶店で長野で仕入れたと言って「高原ハチミツ」のままマスターの奥さん(YOU)が持ってきたってことは今もそのまま売ってるって事になってたけど、10年間他に蕎麦アレルギーによる犠牲者は出なかったのだろうか
あの下りを変えて、蕎麦アレルギーの人が発作を起こして問題になり、昔は「高原ハチミツ」として売っていたらしいけど10年後の今はラベル表示が「ソバ蜜」に変わっている、とかでも良かったのでは。なめた瞬間に深瀬ならあのハチミツだ!と一致させられていたと思うし。

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