dele 最終話

依頼人の弁護士辰巳(大塚明夫)が死亡。これを聞いた真柴(菅田将暉)の顔色が変わる。真柴の妹は難病による治験の薬の副作用で死んだ疑いがあったが、病院側は妹は新薬投与ではなく、プラセボ(ブドウ糖)投与の対象になっていたため薬ではなく単に病気で死んだと主張。訴訟を起こそうとした真柴家は何故かネットで顔写真流出の上であらぬ中傷を受けて家庭崩壊し、訴訟を断念していた。

辰巳のデータからはまさにこの真実がドンピシャで隠されており、ほぼ時を同じくして雇われたハッカーがdeleにハッキングを仕掛けてきた。真柴は突き止めたハッカー集団の会社に乗り込んで暴れる事で雇い主の政治家仲村(麿赤兒)をあぶりだそうとするが失敗。逆に下手に行動を起こした事でdeleにはエージェント2名が押し入り、圭司(山田孝之)を襲撃してデータを持ち去ってしまった。

仲村と弁護士だった圭司(山田孝之)、舞(麻生久美子)の父も繋がりがあり、仲村の命令で父は汚職に絡んでいた。清廉潔白な弁護士だったと信じていた圭司はバックアップを取ってこのデータを母と舞に見られないよう削除していたが、舞はとっくに気づいていたらしく、父の不正データを使って仲村を追い込む事に容認の姿勢を見せた(むしろどこか嬉しそう)。圭司は真柴と共に辰巳の葬儀の場で仲村を追い込んで、疑惑を生じさせることに成功。真柴の妹関連のデータはバックアップも無く全て持ち去られていたが、ダメ押しで圭司の父の不正データをばらまいたため、仲村は連日マスコミに追われる疑惑のワイドショースターとなり、一定の制裁を与えることに成功。

舞の弁護士事務所も圭司のdeleも死んだ父の汚職発覚で顧客離れにより危機に陥り、真柴も辞めてしまったがどこか晴れやかな2人。データを消すだけでなくデータを誰かに移すアプリを新たに開発しようとする中で、真柴が戻ってきて雇えるようになるまで給料はいいからとりあえず立て直し頑張ろうと告げ、また新たな死亡確認が入って終了。

少し優しくなって終わる、という感じでやや駆け足ではあったけど2人の過去を絡めていい最終回だった。マフィアのボスでも悪徳政治家でも麿赤兒の大ボスっぷりも衰え知らず。辰巳が死の間際まで真柴妹の件を悔やんでいた事が比較的丁寧に描写され、deleの2人は知る由も無かったが、死の間際に自分の罪は持っていくが仲村に対してあなたの罪までは持っていかない、託した…と告げて亡くなった事とデータをdeleに託していた事を考えると、辰巳本人は圭司の父の事も知っていて、データ削除ではなく、データを使って仲村の悪事を暴いてもらっても構わないという事だったのか。

やや暗いテーマが多かったが、深い話が多く、全8話と短めだったのが惜しい。脚本家が毎回違うので山田孝之が微妙にキャラが変わる圭司を演じるのに苦労したなんて話も出ていたが、ある程度は一貫していて破綻するような事も無かった。これはもっと見たいドラマだった。

dele 7話

依頼人笹本隆の死亡を真柴(菅田将暉)が確認して戻ってきて削除しようとしたところ、舞(麻生久美子)がデータを見せろと言い出す。笹本隆は8年前のバザー会場でのジュース毒物混入事件の容疑者として死刑が確定している笹本清一(塚本晋也)の息子だった。笹本は取り調べで自白するものの裁判以降は一貫して冤罪を主張し続けていた。当時大した証拠も挙がらなかったが、以前にも似たような毒殺未遂事件を起こしていたことから真っ先に疑われたという。

仕方なく圭司(山田孝之)がファイルを開示するとそこには別のオッサンが何かを混入している証拠映像だった。犯人が別にいるのかと探ることになったが…。

真柴、圭司それぞれに単独で行動して関係者を当たっていき、まず真っ先に映像のオッサンが市会議員と発覚。当初は市会議員が有力候補だったが…真柴が出会った飲食屋のオッサン、突如キレる店主、そして圭司が市会議員を直接訪問した際に出会った娘…そして映像を撮影したと思われる笹本隆本人、全てに動機と怪しい点が次々に浮上していくというトンデモ展開に。

そして誰が犯人なのか分からず全員が怪しいままに笹本清一の死刑が執行されてしまい、事件は「終了」。再び街ではバザーが開催され、怪しい4人が笑い合う姿、そしてジュースを出された少女が8年前に”他所から来たおじさん”に毒が入っているから危ないよと言われた、という話をするもジュースを出した母親は不安を打ち消すようにやんわりジュースを飲みなさいとコップを渡すというなんともいえないカットで終了。

2人も後味が悪いままにデータはdeleされたのだった。

市会議員

混入の映像が残っていた1番最初の容疑者。しかし混入前に混入物の入った袋の臭いを嗅ぐしぐさをしており、もし本当にこれが青酸だったとしたら自ら吸い込んで死んでしまう恐れがあるため犯人の行動としてはありえない。圭司が単刀直入に尋ねたところ、ジュースの味が薄くなってきていたのでジュースの粉末を足しただけと証言。しかし動機としては議員当選の際に不正な票集めに協力してもらった人物から脅迫されており、この脅迫者が事件で死亡している4人のうちの1人だった。

飲食屋のオッサン(Mummy-D)

事件で娘を亡くしている(死んだ4人のうちの1人)。市会議員が脅迫されていた情報を真柴に教えた。しかし圭司がスマホに潜入したところ、市会議員と妻が不倫していたことを把握していたことが発覚。2人を葬るつもりが失敗して娘が犠牲になってしまったのではないか疑惑が浮上した。また、市会議員が粉末を入れている動画のバックに映っていた車の持ち主でもあり、ドアミラーやシートの状態から本人が映ってはいないが乗車していた可能性が指摘された。

突如キレる店主

一見温厚だったがボケババァ相手にブチ切れる性格。母親にDVして死ね!と暴行しており、その母親を事件で亡くしている(死んだ4人のうちの1人)。真柴には会場に行っていないと何故か嘘をついていた

市会議員の娘

父親を疑っていたが、なんと当時クスリをやっていたことが発覚。その売人が死んだ4人のうちの1人だったことが発覚。

笹本隆(dele依頼者本人)

物語開始時点で自殺。父親の犯罪歴もあって周囲になじめず終始イジメられていたという。スマホでの動画撮影を行っており、真柴・圭司がたどり着いた街の人々の裏の顔の大半は彼が撮影した映像に映し出されていたものだった。そのスキャンダル暴きっぷりはセンテンス・スプリング級である。しかし本人もいかにも青酸入れてそうな謎の小瓶を持った映像が残っており、世間を恨んだ末の犯行ではないか疑惑が浮上。なお本人がdele依頼していたのは議員が混入している動画1本のみである。

笹本清一

死刑囚となった「事件の犯人」。息子の隆にも犯人疑惑が生じたため、舞が面会して息子の死と息子が犯人だと知って当初かばうために警察では自白したのではないか?と仮説をぶつけたが自分も息子も犯人ではない、小瓶はメンタル関係の薬を処方されていたのでその薬だ!と主張。そして激高して犯人はあの町の人間だ!と叫びながら連行されていった。舞の心象としては信用できる人物かどうか判断できないという事で無罪とも言い切れず。最終的に死刑が執行されてしまう。

という全員が闇と動機を抱え、そして最後のバザーでの4人のホッとしたような謎笑顔、全員が共犯だったのか、全くの外部犯だったのか。この街怖すぎる…。凄い話だった。

dele 2話

宮内詩織(コムアイ)が心不全で突然死したが、確認に向かった真柴(菅田将暉)は直前に書き遺された自分たちへのメッセージを発見する。20代半ばにして既にエンディングノートを作成し、その依頼のために坂上舞(麻生久美子)の元も訪れていた宮内詩織だったが、そのエンディングノートに追加でデータを消すのをやめてくれと書かれていた。

何故死の直前で心変わりしたのか?両親や関係者と会って調査を進めていくが、友人方面では友人が元々deleへの依頼の事を知っていたが、お互いすっとぼけていたため(真柴は依頼人の秘密保持のため身分を偽り、友人らは嘘をついているっぽい真柴相手にしらばっくれるという構図)遠回りする事態に。宮内詩織は友人らと匿名の音楽グループを結成して一部界隈では謎のグループとして話題を呼んでいて圭司(山田孝之)もファンだった。

結局消さないでくれといった理由はそのデータを見る事で解決。そこには友人たちと生前葬を行った様子が映し出されており、クラシックの音楽家に育てようとして失敗して険悪になった結果長く疎遠になっていた両親に見せたいという事だった。涙する両親は友人たちと合流し話を聞かせてくれといい話風にまとまるかと思ったが、圭司は宮内詩織の本当の目的は自分は幸せだったと両親に伝えたいのではなく、生き方を押し付けようとしてきた両親(というか父)に対して仲間が家族であり幸せだと突きつける復讐だったのではないかとつぶやくのだった。

「桃太郎」は面白かったけどなんかいつの間にかあまり見かけなくなった水曜日のカンパネラのコムアイが依頼人で登場するとは。20代半ばで突然死したり、生前葬してたり、エンディングノート遺してたり、友人たちの態度の不自然さとかいい話風だったけど色々違和感の多い話でもあった。一応両親から幼い頃から病弱だったという話、友人たちから体調不良でよく休んでいたという説明はあったけど、ちょっとギリギリでいつも生きすぎてないかというか、結果的に準備しすぎて死を呼び寄せてしまったかのような亡くなり方で…。

また2話にして依頼撤回から物語が始まり、その展開の流れ上、このドラマの前提であったはずの依頼人の秘密保持のために出会う関係者にdeleの事を話してはいけないというルールもあっさり破られ、そもそも友人は知ってる、両親へも最後正体を明かしてデータを開示するというイレギュラー展開にしてしまうとは思わなかった。

dele 1話

何でも屋として活動していた真柴(菅田将暉)は、虐待されていた子供をめぐる案件で人さらいの罪で裁判にかけられていたがその純粋な人柄と目的が完全に人助けだった事を知った弁護士の坂上舞(麻生久美子)が裁判を引き受け、費用の見返りとして弟である圭司(山田孝之)の会社で働いてくれないかと持ち掛けられる。弁護士事務所と提携している圭司の会社は依頼人が死亡した際のデジタル遺品から指定されたデータを消す仕事を請け負っていた。指定された一定時間デバイスにアクセスが無い事を察知すると依頼人に何かあったと判断し、死亡確認が取れ次第データを消すというものだったが、圭司は原因不明の難病により下半身の麻痺が進行して車椅子生活のため、確認のために現地へ出向いたりするのが困難で足が必要なのと、依頼人との関係を知られないようにして関係者から情報を引き出す機転を利かせられるコミュニケーション能力が必要で、真柴は適任だった。

今回の依頼ではゴシップ誌の記者が死亡し自殺扱いされたが事前に家族と接触していた真柴が自殺のはずが無い、データを確認しようとごねたため、データを消さずに閲覧したところ、警察の汚職事件が絡んでいたことから解決のために奔走するという話。クールな圭司と感情的でアクティブな真柴はいいコンビで、最後のオチも依頼人が本当に消したかったのは暴こうとしていた汚職事件の情報よりも、それ以前に積み上げた汚い仕事(ゴシップねつ造)の方で、そのことは真柴には黙っておいて真柴経由で接触していた依頼人の子供も父親は正義のジャーナリストだったと信じたままでいられるというもので多少のひねりもあった。

今期唯一最初から期待していたドラマだったが初回は期待通り。屈託のない真柴の過去を既に圭司と舞は把握していて相当重い過去のようだがこれもそのうち明かされるんだろう。デジタル遺品ネタはドラマのネタとしてもまだ新しいが、最近けっこう話題になってきているというか考える人が増えてきた案件だと思うし、ちょっと新鮮な事件モノになりそう。まあ設定上、必ず依頼人が死亡するところから始まるという一定の暗さはあるけど…。