THE BEST BANG!!

補作曲：佐野日出夫(1)、管楽器編曲：村田陽一(14)

リリースデータ

福山雅治4thベストアルバム。1990年のデビューから20周年を記念しての作品。94年の『M-Collection』、99年の『Dear』に続く実質3度目のオールタイムベスト(3rdベスト『SLOW』はバラードベスト）となるが前3作は全てBMG時代で、ユニバーサル以降のベスト及びレコード会社の垣根を越えて選曲されたベスト盤は初。本人選曲で40曲を収録。加えてDISC-4は新曲を収録したシングルCDとなっている。『Dear』や『5年モノ』に続いて今回も大幅なリミックスが全編にわたって施されており、クレジットでも権利表記(Cマーク)が全曲2010年表記になっているほか、Produced by FUKUYAMA MASAHARUの文字よりもマスタリングエンジニアとデジタルエディットエンジニアの名前が先に掲載されている。

初回盤はDISC-3の後半に6曲のインストを追加収録、未発売となっていた7曲と新曲のMVを収録したDVD付。
限定盤はタオル付。タオル付限定盤と通常盤のCDの内容は同じで、DISC-3はインストが収録されない全10曲となっている。

2011年3月にはアジア各国(台湾・香港・韓国・タイ・シンガポール・マレーシア)でも発売され、同時に韓国の人気アーティスト8組が福山雅治の曲をリメイクカバーしたアルバム『With Special Guests-Fukuyama Masaharu Remake-』も発売された。日本ではこれを記念して『THE BEST BANG!!-ASIA LIMITED BANG!!-』を4月に発売。ASIA LIMITED BANG!!では「心color〜a song for the wonderful year〜」「石塊のプライド」「道標 2010」の3曲がDISC-3に移動してカラオケはカット、DISC-4を『With Special Guests-Fukuyama Masaharu Remake-』とする形に構成が再編されている。

DISC-1,2,3
基本的に時系列だがあちこちで順番は前後。基本的なヒット作は抑えてあるが特に初期は以前のベストとも被ったり、大きなヒットが無かったためかシングルがあまり意識されず、2nd3rd4thシングルはすっ飛ばされる。ただ「追憶の雨の中」「逃げられない」「HARD RAIN」といったロック色の強い曲をピンポイントで選曲していて、初期のロッカー福山雅治をアピール。近年のアコースティック路線とは大幅に違うし、ブレイク直後のポップな路線とも違うので新鮮だ。『Dear』の時点でも大幅なリミックスが施されていたが今回もリミックスされており、原曲にあった80年代名残の古い響きが一掃され現代の音になっている。またリミックスだけではなく、特に分かりやすいのは『Peach!!』だがコーラスなどの追加が施された曲もあり、さらにいくつかの曲では当時のクレジットではボーカルのみだったのにギターもクレジットされているなどギターパートの追加も行われている模様。原曲に慣れているファンであれば違いが楽しめるし、知らない人は現代の音で聞けるのでベスト盤としては最高の出来になっていると思う。さすがにボリュームはあるがヒット曲はほぼ網羅できるのでこれから福山を聞いてみようという人には最適な内容。欲を言えばこれまでベスト盤やカバー、場合によってはオリジナルアルバムでさえも曲解説が付属していただけに決定盤ベストである今作にも解説はつけてほしかった。

リミックスでの変貌ぶりでは『Dear』でのリミックスと重複している曲でも最初期ほど別の曲のように変わっている印象。「HELLO」以降の初リミックスとなる楽曲もかなり大胆にいじっていて「HEAVEN」や「Peach!!」辺りもすぐ分かるくらいには変わっている。「虹」以降の『5年モノ』でリミックスされていた曲でも『5年モノ』とは変わっているが、DISC-3になってくるとそこまで大きな変化は無くなってくるようなそんなイメージ。全体にアタックが強めな感じはする。

DISC-4
こちらはニューシングルという扱いで3曲+カラオケ3曲。定番だった「レグザ」CMタイアップの『心color〜a song for the wonderful year〜』がA面という感じでバラード続きの中で久々に軽快なポップス。最初は少し地味かと思ったが、1年を振り返るような歌詞といい聞き込むとぐっとくる年末ソングだ。『石塊のプライド』はややカントリー調も入っているような曲でこれまた聞きやすい曲。『道標 2010』はリメイク。正直比較的最近の曲なのでリメイクするならもっと昔の曲にしてほしかったが、ヴァイオリニストの宮本笑里を招いて原曲よりも壮大な雰囲気に生まれ変わっている。

DVD
商品化されていないMVから7曲+新曲「心color〜a song for the wonderful year〜」という構成。初回盤シングルも買い続けているファン以外には特定の時期の曲しか入っていないので謎の選曲であるが、これはMV集の類はこの時点で『BROS.』『FUKUYAMANIA』の2作しか出しておらず、『FUKUYAMANIA』は99年発売でこれっきりになっていた。そして近年はシングル初回盤DVDにMVを収録していたため、結果的に「MELODY」と新曲を除くと『FUKUYAMANIA』〜シングル初回盤DVD付が始まるまでがMVが商品化されていない空白期間となっていて、99年末〜03年のシングル曲が連続して収録されているといった事情。ここでもベスト用にリミックスされた音源に差し替えが行われているようだ（シングル盤と違い『虹』のAメロのボーカルと楽器が左右にセパレートしてない）。ベスト未収録の「HEY!」が入っているのは何気にポイント。

初回盤DVD付+インスト6曲収録　タオル付限定盤　　通常盤　　　アジア盤

印象度★★★★★

2021.5.10修正

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