nine cubes

No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
dairy news 小室哲哉 小室哲哉 小室哲哉 13thシングル 最高13位 売上5.8万枚
needs somebody's love 小室哲哉 小室哲哉 小室哲哉  
あなたについて 小室哲哉 小室哲哉 小室哲哉  
here we are(album version) 小室哲哉 小室哲哉 小室哲哉 12thシングル 最高5位 売上15.6万枚
さがしもの 小室哲哉 小室哲哉 小室哲哉  
winding road 小室哲哉 小室哲哉 小室哲哉  
storytelling 小室哲哉 小室哲哉 小室哲哉  
tumblin' dice(album version) 小室哲哉 小室哲哉 小室哲哉 11thシングル 最高2位 売上18.9万枚
waiting for your smile 小室哲哉 小室哲哉 小室哲哉  
10 sagashimono-reprise-   小室哲哉 小室哲哉 インスト

リリースデータ

1998年11月26日 初登場5位 売上26.1万枚 Produced by 小室哲哉 ワーナー

華原朋美3rdアルバム。前作以降シングルカットが2作続いた後、「tumblin' dice」からワーナーへ移籍。前作から1年経たずに発売されたが、人気が激減。アルバムでも1位を逃すどころか2作連続で100万単位でファンがいなくなってしまう大不振に陥った。何故かこの年の紅白にはシングルカット以外で初のトップ10落ちまで暴落した最新作「dairy news」で出演。小室のバック出演は無かったが、98年時点では破局は公になっておらず、99年1月末にガス中毒で倒れ、ニュースになった際に、実は年明けから休養に入っていた事と小室との破局、事務所からの離脱も発表された。以降5月に事務所移籍と復帰を発表するが、直後にまた倒れて入院。改めて6月に謎の乗馬復帰会見を虚ろな目で行うという伝説を残した。今作にはこれまであった小室と華原連名のボーカル表記が無くなっている。また歌詞カードは別紙封入で、ブックレットはフォトブックになっている。前2作で一緒にいた小室の姿は当然無い。

事後発表を聞くまでも無く既に壊滅的なまでに小室と華原の関係が終わっていた=シンデレラストーリーの終焉を音楽だけで表現した超絶怪奇作。1stと対比して聞くとよりその超絶っぷりが際立つ。この辺りから小室作品は段々マニアックになってヒット戦線から外れていくようになるが、今作はそれらとは一線を画し、単なる手抜きである(何気に今まで使ってないドラムを使ったりはしているが)。手抜きというか前述のシンデレラストーリーの終焉のみを意識した結果こうなったのか。1曲目「dairy news」のノー天気なレゲエ調から異様だが、「この頃地球の上にいるって感じて」という感性の規模が狂った歌いだし、全編通して全く歌えていないフラフラなボーカルがヤバい。少々コンディションの悪い時に聞いたら歌いだしからこっちがやられてしまうくらいの不気味さだ。元々華原朋美のボーカルの魅力は音を伸ばした時のゆらぎにあったと思うんだけど、それが不安定に乱発された(させられた)結果、不協和音になってしまっている、というのが今作全般に言える事でとにかく歌えてないボーカルが痛々しい。歌詞も2人の関係が終わっていたにも関わらず、相手への依存性を匂わすフレーズがあちこちに出てきて凄い。そんなに当時の小室は嫌気が差していたのだろうか。「ビルの屋上に立ちいろいろ想像して怖かった」だの「私もこのまま何もわからないままあなたをずーっと必要としていくね」だのマジでその後の華原の不安定っぷりを考えるとシャレになってない。今作の中では1番まともな「here we are」もなんとも重々しい空気がやりきれないし、前後を埋めているアルバム曲は全く覇気が無い。「storytelling」は前作の表題曲インストだったが、別の曲。何故か前作ブックレットに同名のタイトルでグラビアに添えてあるポエムみたいなのが載っていたが、何とそのグラポエにムリヤリメロディーをつけたという適当極まりない1曲。そしてその後に控える「tumblin' dice」での発狂っぷりはまさにクライマックス。当時は単なるデジタルナンバーとしか思っていなかったが、まともに聞くほどこれはヤバい。曲が進むにつれてヘロヘロになっていくのに、それでも叫ぶように歌うのがヤバすぎる(最後の叫びとか無理やり急速フェードアウトさせてるし…)、「waiting for your smile」の穏やかさは穏やかというより完全に燃え尽きて生気を失ったかのようだし、インストナンバー「sagashimono-reprise-」は最早完全なる鎮魂歌。この徹底的なまでの終焉っぷり。レコード会社の人間は誰かこのヤバさに突っ込めなかったのだろうか。まずもって主役のボーカリストが不安定すぎて、本番テイクとは思えないレベルなのにそれを誰もプロデューサーに突っ込めないほど当時の小室が王様だったのだろうか。当初は間違いなく稼ぎ頭になると思って引き受けたであろうワーナーにも同情したくなってくる。たぶん誰も文句を言えない存在だった当時の小室哲哉だったから作れた怪盤で、今後似たような作品がメジャーレーベルに流通することは2度とないと思われる世紀の怪盤

今作唯一の救いは歌詞をロングのペラ1枚で済ませて、ブックレットは一般イメージの「明るい笑顔の朋ちゃん」で埋め尽くされているところで、ジャケ写含めてこれは今見てもかわいい。ワーナーとしてはこれが商品として流通することを考えた際に最大限出来る事だったのかもしれない。

nine cubes  

印象度(nine 恐怖s)

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