河村隆一 20周年 1997全曲回顧

LUNA SEAを1年間休止した1997年。メンバー各自はソロ活動へ突入し、ボーカルのRYUICHIは本名の河村隆一としてソロデビューした。当初はLUNA SEAファンが買っている程度の状態だったが、LUNA SEAとは全く違うポップな楽曲はLUNA SEAに興味が無いリスナーや、LUNA SEAを知らないリスナーにまでじわじわ拡大。全ての作品がロングヒットで大ヒットするという大フィーバー状態となった。

当時、意識的にLUNA SEAのお客さんとは全く違う層を取り込もうとしていたのは確かだったようだ。ドラマ出演までこなし、当時のイメージはとにかくカッコ良かった。それでいて親しみやすさと礼儀正しい振る舞いで実にさわやかな好青年然としたものだった。にじみ出るナルシストっぽさもあったが、それを壊そうと試みてやりすぎたのが01年だったことを考えるとむしろナルシストっぽいイメージだと自身が気にしすぎていたような印象も今はある。

個人的にもJ-POPを聞き始めた当初、聞いていたのはSMAP、スピッツ、猿岩石であり、LUNA SEAのような激しいロックは当時受け付けていなかったのでLUNA SEAは知らなかった。なんだか凄くいい曲がロングヒットしているという印象が最初だったがこれは明確に覚えていない(これは1stシングルだった)。続く2nd「Glass」のヒットで河村隆一という名前と曲を認識した。

年末に発売された『Love』もまだ当時オリジナルアルバムで音楽を聞くというのが数えるほどしかしていなかったのもあるが、それを差し引いてもJ-POPを聞き始めた初期からの名盤という認識が揺らがずにいる。この『Love』は当時のO社(100位集計)で278.8万枚を記録して男性ソロ最高売上を今も保持している。

とにかく1997年の河村隆一は全てが完璧だった。何もかもがうまく行き、とにかく売れたし、とにかく名曲揃いだった。あれから20周年。『Love』の全曲披露ライブは行われたようだが、やはり世間に広く20周年を打って出る様子は無いようだ。『Love』の20周年記念エディションとか少しは期待していたんだが、どうやら今年はソロのリリースも無く、LUNA SEAの再結成後2作目となるアルバムで締めくくられる模様。

そんなわけで『Love』発売20周年を記念して勝手に、今や投げ売りされている『Love』を、そして97年の名曲たちを1997年の全音源を振り返ってみる事にした。20年前大ヒットした曲たちは確かに今も色褪せていない。

07年頃に04年のシングルまでを対象に公開したシングルレビューを全面改訂、改装しC/W、アルバム曲を追加して2017年11月ほぼ書き下ろし状態で執筆。



 

1st I love you

I love you
97年2月21日
ソロデビュー作。休止前のLUNA SEAが初動20~30万弱くらいまで伸ばしていた中で半分程度の初動12.5万で4位にランクイン。通常バンドからのソロデビューとなってもバンドファンの一部しか買わないパターンに陥りがちだが、今作は楽曲の良さがLUNA SEAを全く知らない層に広がっていってその後トップ10前後に1ヵ月強居座りロングヒット。最終的に累計で75万枚に到達。LUNA SEAの半分程度の初動からLUNA SEAの最高売上をあっさり突破した。

個人的には当時小学6年生の終わりでLUNA SEAの事は知らなかった。『CDTV』を見始めたのがSMAPの「青いイナズマ」が発売数週目くらいの時期だったので、1位を獲得した「青いイナズマ」と同じ週に2位を獲得していたLUNA SEAの「IN SILENCE」を見逃していたためと思われる。河村隆一はソロの新人シンガーだと思って今作のロングヒットの間に徐々に耳に残ってきて、次回作「Glass」が大ヒットする前後で完全に認識したように記憶している。

I love you

詞曲:河村隆一、編曲:中村哲・河村隆一
さわやかでポップなアコースティックナンバー。1stにして早くも他の誰にも出せないような圧倒的なオーラを全開で放出しているオンリーワンな名曲。次のシングル「Glass」の高音部が1番インパクト自体はあり記憶している人も多いと思うけど、後にネットで河村隆一が“フッフッフッ、ポォォ、パァァ”などとネタにされるようになったのはこの曲のサビでの歌い方に由来していると思われる。真似しようにもできない独特のオーラがあった。個人的には冬の終わりに聞きたくなる1曲。

10年後の『evergreen anniversary edition』でセルフカバーした際にはアレンジ、キーはそのままだが全体にかなりスッキリした歌い方になっていて、サビのフッフッフッも抑えめになっている。より普遍性は増したが、薄味になってしまった感じも。
★★★★★
1stアルバム『Love』(Album mix)
ベスト『very best of songs…
セルフカバー&2ndカバー『evergreen anniversary edition』収録(セルフカバー)

C/W CIELO

詞:河村隆一、曲:COLORS・河村隆一、編曲:中村哲・河村隆一
シンプルなアコースティックバラード。アコースティックギターのアルペジオをメインにちょっとキーボードが入っている程度と音数も少なくじっくり聞かせる。C/WらしいといえばC/Wらしいんだけど、愛への不安を歌っている歌詞も相まってけっこう寂しさが漂う。
★★★☆☆
バラードベスト『Dear…

C/W I love you(piano version)

曲:河村隆一、編曲・演奏:中村哲
編曲を担当した中村哲によるピアノソロ演奏によるインスト。スローにじっくり演奏しているため演奏時間は6分越え。しかもかなりアレンジしているのでパッと聞いただけだと「I love you」とは分からないくらい印象が変わっている。
★★★☆☆
アルバム未収録

2nd Glass

Glass
97年4月23日
前作が大ヒットする中で発売された2作目。これまた初動は前作から微増した14万程度で2位を記録しながらも6月までトップ10に居座りぐいぐいとロングヒットして最終的にミリオンを突破した。LUNA SEA含めて自身唯一のミリオンヒット曲となる。

リリース前はシングルには暗すぎて地味なのでA面曲に反対されたという話もある。ただ最大のヒット曲にも関わらずあまりライブでもやっていないらしく、一応レコード大賞ではこの曲が選ばれていたものの、紅白では「Love is…」が選ばれるなど、97年の4シングルの中でこの曲が売上通りに1つ飛びぬけていたという印象は当時からあまりなかった。

Glass

詞:河村隆一、曲:河村隆一/吉田美智子、編曲:河村隆一/中村哲/難波正司
恐ろしく暗いピアノの陰鬱なイントロ、歌いだしから暗黒全開。しかし何故か強烈に引き込まれサビメロの強烈さは超絶な孤高の名曲。2番終了後の間奏までバンド演奏が入ってこないにも関わらず、歌と声とピアノと少々の伴奏だけで2コーラス丸々強烈なインパクトを与えるのが凄い。またそんなにド派手にアレンジされているわけでもないのにバンドサウンドになってからの最後のサビも盛り上がりが半端ない。バラードは数多くあるが、この曲に漂う孤高のオーラは他とは一線を画しており、河村隆一バラードの中でもオンリーワンな1曲だと思う。暗いのに何故こんなに力強いのか。

特にサビでの最高音部分を伸ばすインパクトはかなり強烈で、「とんねるずのみなさんのおかげでした」のPVをまねるコントコーナー「ほんとのうたばん」(この年の後半に「野猿」に発展)では木梨がMVをパロディ化。サビまでは普通にパロッて最高音部分で「君の夢、ふぎゃああぁぁぁぁ♪」と奇声と共にセットが倒壊して木梨はプールへ転落するという内容もかなりインパクトがあり、PVパロディの中でも1番覚えている(川本真琴の「1/2」パロディで屋根から転落したり、木梨のMVパロディの転落オチは半ばお約束化していた)。これ以外にもこの最高音部分はモノマネのネタにされがちだった。またMVでの河村隆一のイケメンっぷりも圧倒的だった。

『evergreen anniversary edition』では間奏を引き延ばしたほか、最後のサビ以外は高音部分をファルセットに切り替えるなど、さすがに10年前の自分と真っ向勝負の全力歌唱を回避してテクニック勝負な歌い方に変更している。正直少し物足りなさは残る。
★★★★☆
1stアルバム『Love』(Album mix)
ベスト『very best of songs…
バラードベスト『Dear…
セルフカバー&2ndカバー『evergreen anniversary edition』収録(セルフカバー)

C/W Kiss

詞:河村隆一/吉田美智子、曲:河村隆一、編曲:河村隆一/難波正司
アコースティックサウンドと軽い打ち込みを駆使した軽快なポップナンバー。A面が濃厚だったのもあるが、デモみたいなアレンジもあってかなりさっぱりして聞こえる。ただ陶酔しまくり、若干がなり気味の歌い方はけっこうナルシストなイメージを増長させてもいる。この自信満々な感じ97年の作品にしかない特有のものだったと思う。
★★★☆☆
アルバム未収録

C/W Glass(flute version)

曲:河村隆一/吉田美智子、編曲:河村隆一/難波正司
今回はフルート演奏のインスト。エレピのようなアコギのような伴奏(途中からピアノも)と時計のチクタク音から始まりそれらが並行して鳴り続けているが、メインであるフルートは忠実に歌メロをなぞっている。歌のような盛り上がりがないためもの悲しさが強め。
★★★☆☆
アルバム未収録

From 1stミニアルバム Cranberry Soda

Cranberry Soda
97年6月21日
シングル4作では1位を獲得しておらず、今作が初の1位獲得作品。初動はシングルの倍程度出ていたが、累計売上は70万超と「Glass」以外のシングル3作と同じ70万台で安定した。

TWINKLE

詞曲:河村隆一、編曲:藤井麻輝
演奏が左右にセパレートした幻想的なポップナンバー。1曲目にしてはやや濃厚な雰囲気だが97年特有の煌めきオーラが全開。
★★★★☆

BALLOON

詞曲:河村隆一、編曲:河村隆一、難波正司
このアルバムの中では「SE,TSU,NA,」に続いて聞きやすいストレートなポップナンバー。97年の曲は単にポップな曲よりももう少し独特の風味が色濃いのでこの曲の雰囲気はそういった風味を極力排除しようと試みた01年の方向性に近いかも。
★★★☆☆

ORANGE

作詞作曲:河村隆一、編曲:菊地大輔
愛に満ちたまったりラブソング。女性リスナーが残らずうっとりしそうな楽曲だが、甘いアレンジにはせずに意外とシリアスな雰囲気のアレンジになっている上に派手な盛り上がりもないのでやや地味な印象も。ただ次が「REAL」なのでサウンド面の繋がりに違和感はない。
★★★☆☆

REAL

詞曲:河村隆一、編曲:菊地大輔
ひんやりとした空気をまとったシリアスな社会派ナンバー。当時問題になっていた未成年の非行をテーマにしてリアルさが欠けているのが原因だと言及しつつ愛の大切さを訴えるような内容になっている。ラブソングだけではないところを見せた1曲。
★★★☆☆

RED

詞曲:河村隆一、編曲:藤井麻輝、STRINGS ARRANGE:大島ミチル
幻想とシリアスの両面を兼ね備えたここまでの4曲を総括したらこうなった的な雰囲気の楽曲。同時にとっつにくさと暗さもNo.1であり、個人的には苦手な1曲。
★★★☆☆

DEMO

曲:河村隆一
ギターとラララルルル歌唱のみでカセットテープに録音したような音質になっている文字通りのデモ曲。デモ曲ながら何気にここまでの5曲を凌ぐようなキャッチーなメロディーで耳に残りやすい。ポップな「SE,TSU,NA,」へいきなり繋ぐと明らかに浮いてしまうが今作を挟むことでもう少しスムーズな流れになる…という役割も果たしている(たぶん)。

夏に行われたライブにおいては「でも淋しい夜は…」という完成形として披露したが何故かスタジオレコーディング版が発表されることはなく、そのままライブ音源として1stアルバム『Love』に収録された。
★★★★☆

SE,TSU,NA,

作詞作曲:河村隆一、編曲:菊地大輔
実質的なリード曲。割とシングルを意識しない曲が並んだアルバムの中でこの曲だけはこれぞJ-POPといった楽曲。音楽業界の中で奮闘してきて栄光を掴んだ自分自身を歌っているような曲で、歌詞がかなりイケイケ。けっこう厳しく言い切っている物言いが散見されるため、挫折を経験した者にはかなり自意識過剰にも見えてしまい、いらぬ恨み・妬みを買いそうでもあるが…。このくらいの気概を持ってないとこの世界で成功することなどできやしないんだろう。発売当時中学1年生だったので普通に聞いていたが大人になるにつれてけっこうすげぇ事のたまってんなこの曲…と段々共感できなくなっていった。しかし曲自体はいい曲だ。
★★★★☆
1stアルバム『Love』(Another mix)
ベスト『very best of songs…

3rd BEAT

BEAT
97年7月18日
前2作とほぼ変わらない初動売上(10数万)から1st「I love you」を上回り80万近くまで伸ばした2番ヒット作。この年の『日本有線大賞』では「有線音楽優秀賞」をこの曲で受賞している。また河村隆一として「最多リクエスト歌手賞」(有線大賞の1つ下に位置づけされている賞)も受賞した。

BEAT

詞曲:河村隆一、編曲:河村隆一、難波正司
ストレートな8ビートなポップナンバー。当時は実はそんなにピンと来てなかったんだけど、01年のソロ再開以降はこれよりももっと普通を目指してしまったのでこの曲にもやはり97年特有のオーラを感じるようになった。97年の4シングルではたぶん1番モノマネのネタにもされにくく、1番聞くものを選ばないさわやかポップな楽曲だと思う。

MVでは複数のレディーたちにチヤホヤされる河村隆一、しかしそんなレディー彼女らにはあまり関心を示さず、マイカーに落書きをしてしまった少女と段々親しくなり、最後は少女と2人でDrive’s High(違う)。と、文字にするとロリコン誘拐物語になってしまったが、少女のピュアさを表現したかったのだと思う。

前作の好評(?)を受けてか、今作も木梨憲武によるパロディPVが制作され、顔面パイからのタライ落とし、足が抜けなくなり、プールへ転落、さらに衣まみれ、最後はエビフライになってしまうというてんこ盛りの力作だった。なお前作も同様で、ゲストとして河村隆一が出演していて一緒に映像を見るという形でコーナー進行していたのでこれらパロディは本人公認である。もしかしたらこの経験が01年のアレに繋がっているんじゃ…。

また河村隆一といえば01年に「ジュリア」を筆頭にしたイメージを破壊ギャグを連投していつの間にかメディアからスッと消えた、97年は普通にカッコいいさわやか好青年だった、という印象が強いが、今作は97年で唯一コミカルな演出をMVに取り入れており、ドアに服が挟まって取れないでもがくという昭和の時代から変わらぬボケや、レディーたちのケンカに巻き込まれて顔面にパイ投げをモロに喰らって顔面パイまみれ…といった姿を披露。正直01年もこのくらいのお茶目さで十分だったと思うんだけど、この程度じゃイメージを覆すには足りないという思いが01年にはあったのかもしれない。

『evergreen anniversary edition』では半音下げでリテイク。半音下がっただけなのにイントロの音色が異様に低く聞こえて違和感ハンパ無いのとイントロ部分でいきなり陽気にハァハァ~ン♪とか歌いだすのでどうしたのかとも思うが、歌が始まってからは違和感は無くなる。
★★★★☆
1stアルバム『Love』(Album mix)
ベスト『very best of songs…
セルフカバー&2ndカバー『evergreen anniversary edition』収録(セルフカバー)

C/W KI SE KI

詞曲:河村隆一、編曲:河村隆一、難波正司
冒頭からドキャッチーなサビが炸裂する煌めきミドルポップナンバー。C/Wはさすがに1発で印象に残る曲はあまりないように思うけどこの曲に関してはサビのメロディーがとても印象的で最初に聞いた時からインパクトが強かった。
★★★★☆
アルバム未収録

C/W BEAT(piano version)

曲:河村隆一、編曲:難波正司
ピアノ演奏によるインストバージョン。波の音がSEとして挿入されているが、このアイデアは後の1stアルバム『Love』でも採用されている。
★★★☆☆

4th Love is…

Love is...
97年10月15日
4シングルの中では累計売上が最も低いがそれでも70万枚を突破しており、そもそも累計が低いのは1ヶ月後にアルバム『Love』がリリースされ300万近い特大ヒットを記録し、そっちに購入が流れたためだった。年末の紅白歌合戦では今作が披露された。

最高順位も「Glass」(2位)以外と同じ4位だったので、今となっては売上だけ見ると3シングルとほぼ同等の売れ行きだったと思ってしまうところだが今作は前3作とは少し違う売れ方をしている。

前3作の初動は3作とも10数万程度だったが、今作は32万を記録している。にも関わらず4位だったのはSPEEDが50万に迫り1位、globe、ラルクが1,2万の僅差で2位3位となっていたため。さらには5位には20万近く売れてJUDY AND MARY、前作で1位を獲得していた広末涼子も15万を超えていて、前週1位のB’zも10万越えで7位だった。もし今作も前3作と変わらない10数万の初動であれば7位か8位になっていたので、同じ4位でも今作の4位は数字がまるで違っていた。

Love is…

詞:河村隆一、吉田美智子、曲:吉田美智子、編曲:土方隆行
栄光の97年を締めた壮大なラブバラード。本人作曲ではなく提供曲。メロディーが2つしかないが、サビのメロディーは最初と最後を飾る英語詞部分(You are my only~)が大サビ、そして日本語詞部分は通常サビ(いつまでも離さない~)、2番ではAメロ(この歌は届かない)と3役をこなし、もう1つのメロディーは1番ではAメロ、2番ではBメロのような役割になっている。

讃美歌のような成分が強めでけっこう教会っぽい雰囲気もあるし、この曲は凄く年末に向けてのイメージがある。栄光の97年を締めくくるにふさわしい大名曲であり、1年限定ゆえに出し惜しみもなく全力全開で駆け抜けたためかもしれないが普通4作目ではたどり着けないような最高点に達した文字通り極みの1曲

なんだかんだで今作が1番の代表曲になっているのかなと思う。何年か前にラジオで河村隆一のライブの告知をしている時も真っ先にこの曲、続けて「Glass」をかけていた記憶があるので、興業側には少なくとも河村隆一=この曲という認識が強かったようだ。

『evergreen anniversary edition』では半音下げでリテイク。他の曲よりも細かな歌い回しがあちこちで変更されていて、スッキリした歌い方はクラシックの領域に達しているかのようにも聞こえる。いずれにせよリテイクでは97年特有の濃いオーラがなくなり、よりテクニック勝負に切り替えている印象だ。
★★★★★
1stアルバム『Love』(Album mix)
ベスト『very best of songs…
バラードベスト『Dear…
セルフカバー&2ndカバー『evergreen anniversary edition』収録(セルフカバー)

C/W xyZ

詞曲:河村隆一、編曲:河村隆一、柏原利勝
転がるように駆け抜けていく爽快ポップナンバー。キラキラとした明るさはまさに王道J-POPだが、この曲だけアレンジャーが違うため、他の曲とは少し風味が異なるような感じもある。
★★★★☆
アルバム未収録

C/W Love is…(guitar version)

曲:吉田美智子、編曲・演奏:末原康志
アコースティックギターのインストバージョン。末原康志がそのまま演奏としてもクレジットされている。この曲は作曲も外部提供なので、この音源には一切河村隆一がクレジットされないし、演奏にも参加していないという事になる。原曲はピアノの音の方が印象的なのでアコースティックギターだとまた少し違った感じ。ここまでの4インストの中ではギターソロ演奏が1番音色としては好きだ。
★★★★☆

From 1stアルバム『Love』

LOVE
97年11月22日
初動ミリオンを達成、O社マジックか偶然か2万枚の僅差でB’zに1位を譲り初登場2位だったが、2週目、3週目には1位を獲得(ついでに5週目にはLUNA SEA『SINGLES』が初登場1位)。猛烈な勢いで売れまくり、3週目には200万枚を突破し、最終的に279万枚、歴代男性ソロアルバム売上堂々の1位記録を打ち立てたモンスターヒットアルバム。空前の大ヒットで栄光の97年を締めくくった。

この時点でLUNA SEAの活動再開が決定しており、前述のように12月には『SINGLES』のリリースと復活ライブが行われている。12月31日の紅白出演を持ってソロ活動はひとまず区切りとなった。

98年以降も引き続きSay a Little Prayerのプロデュースを始め、ソロでの楽曲提供&プロデュースは継続したが、「河村隆一」ではなく「ЯK」と名義を変更した。

好き

詞曲:河村隆一、編曲:土方隆行
Say a Little Prayerへの提供曲セルフカバー。1stシングル「小さな星」のC/Wだった曲。メンバー3人の連名名義(田口理恵、片桐華子、大櫛江里加)だった作詞が河村隆一単独に変わり、全面差し替えになっている。Say a Little Prayerは女性3人組ユニットで「ASAYAN」で小室哲哉や新たにシャ乱Qのつんくがプロデュースを始めていたが河村隆一もここに参入し、「ASAYAN」でプロデュース業に着手していた。

特にSay a Little Prayerはシングル7枚、アルバム2枚、ベスト1枚をリリースし、その全てをプロデュースしていたので特に力が入っていたようだ。局数も多いのでセルフカバーもけっこう多く行っている。特に01年の作品ではSay a Little Prayerへの提供曲をほとんどヒットせず知られてないためか、セルフカバーだと特に告知もせずにさらっと改変してリサイクルしまくった。

Say a Little Prayerや酒井法子への提供時にアレンジャーとして参加していたのが土方隆行だったが、自身の作品でも「Love is…」での起用を皮切りにこのアルバムではほぼ全面的に土方隆行を起用している。

C/Wだった曲なのでそんなに派手ではないが、ストレートな好きの思いを伝えるまっすぐなラブソング。そこはかとなく少女漫画的な世界観でもあり、女性リスナーがうっとりしそう&ナルシストな空気感はこのアルバムになってより完成されたように思う。
★★★☆☆

涙色

作詞作曲:河村隆一、編曲:土方隆行
酒井法子への提供曲セルフカバー。シングル表題曲として提供した楽曲で、当時の酒井法子は95年に自身主演のドラマ『星の金貨』が当たって主題歌「碧いうさぎ」がほぼミリオンヒット、次のシングルで「Here I am~泣きたい時は泣けばいい~」で24位に低迷して、『続・星の金貨』主題歌「鏡のドレス」で再度トップ10、40万ヒットとなっていて、その次が河村隆一プロデュースの今作だった。『星の金貨』特需を除けば当時の自力人気はこんなものだったと思うし、なんだかんだ20位からのロングヒットで10万越えのヒットを記録したので、河村隆一提供の話題性は一応あったと思う。ただ…個人的には記憶があんまりない…。

A面曲だけあってよりアップテンポでとびきりポップ&メロディアスな楽曲だが、Say aへの提供同様にどこか少女漫画ちっくな世界観のラブソングだ。女性アーティストへの提供がやけに多かったのはそういった理由があったのかもしれない。
★★★★☆

Birthday

作詞作曲:河村隆一、編曲:河村隆一、土方隆行
土方隆行のアコースティックギター伴奏をバックに歌い上げるバースデーソング。ストレートに誕生日を祝福するシンプルな曲だが、クセの強い隆一節が全開になっているため、オリジナリティが強い。他のラブソングにしろ、けっこうド直球でこれだけのオリジナリティを感じさせるのはやはりボーカルの力と確かなキャッチーさゆえか。
★★★★☆

Love song

作詞作曲:河村隆一、編曲:河村隆一 with his band
シンプルなタイトルの文字通りのストレートなラブソング。アレンジがサポートバンドとの共同になっているが、アコースティックギター、ベース、ピアノを主軸としたアコースティックバンドスタイルに近い装いでドラムは打ち込みになっている。「Birthday」といい、テーマはシンプルだがこれまた強烈な隆一節によりかなり強く印象に残る。シングルや提供を除くアルバム曲の中では屈指の1曲
★★★★☆
バラードベスト『Dear…

蝶々

作詞作曲:河村隆一、編曲:土方隆行
酒井法子への提供曲セルフカバー。「涙色」のC/W曲だった。少女漫画的な世界観がより強く、少女性の強さも相まってよりドリーミーな雰囲気が漂う。こういう曲は20代半ばだった酒井法子よりも当時10代で後に提供する上原多香子の方がよりハマっていた気がするが、それだけ酒井法子が清純派イメージだったんだろう。
★★★☆☆

Love

作詞:河村隆一、作曲:高見沢俊彦、編曲:河村隆一、難波正司
作曲にTHE ALFEEの高見沢俊彦が唐突に登場するのがサプライズな表題曲。既に様々な愛情表現を歌で行ってきて「Love is…」なんて曲も出していたがさらに直球1単語で掲げた”愛”そのものを河村隆一本人のパーソナルな視点で歌った純度120%な愛の歌。波の音を聞きに海にやってくるという歌詞はアルバム最初と最後に入れた波音に繋がっていくアルバムのテーマの1つであり、当時サーフィンを趣味としていた本人のリアルな部分だったと思う。また母が消えたというくだりも自身の幼少期の複雑な家庭環境(親の離婚で父親が3人いるという話は細木数子の番組などでTVでも明かした事がある)がそのまま反映されていると思われ、それゆえにより愛に対しての思いが深いのかもしれない。

キーボードと打ち込み主体で音数は少なめだが、間奏ではパイプオルガンみたいな派手な音色が鳴り響き、妙に聖なる雰囲気が漂う。タイトル作にふさわしき聖なる1曲
★★★★☆
バラードベスト『Dear…

Evolution

作詞作曲:河村隆一、編曲:河村隆一、難波正司
「REAL」と同系統のシリアスな社会派ソング。冷たい響きの打ち込みを主体にしているため今作随一のスリリングさが漂う。進化が間違った方向に進んだのではないかと社会に警鐘を鳴らすような視点でラブソングばかりの今作の中ではかなり異色。04年頃のインタビューで河村隆一っていつまで愛だ恋だ歌ってるんだと思われないように社会派な事も歌わねばみたいなことを語っていたが、97年の時点で2作のアルバムに1曲ずつしっかり入れていたので、いや前からやってたじゃん!と思ったのを記憶している。
★★★★☆

小さな星

作詞作曲:河村隆一、編曲:土方隆行
Say a Little Prayerへの提供曲セルフカバー。Say a Little Prayerの1stシングル表題曲で今作に収録された提供曲の中で唯一トップ10ヒットとなり、世間的な知名度が当時それなりにあった楽曲。正直プロデュースワークは毎回大当たりというわけでなく、この後トップ10ヒットしたのは上原多香子、工藤静香くらいしかなかったので打率はあまり高くなかったといえる。完成度が低かったわけではないんだけど、少女漫画的な世界観が強すぎたというのはあるのかも。

「好き」同様にメンバー3人の作詞を河村隆一単独で全面変更しているため歌詞は異なる。歌詞は違えど数少ないプロデュースヒット曲だけあって今作はやはり非常に分かりやすくザ・ヒット曲な明るさとキャッチーさがずば抜けてあると思う。

Say a Little Prayerの歌詞は普通に光る星に希望を見出すような歌詞だが、このセルフカバー版ではイントロ前にロケット発射のカウントダウンが入っているように、2人だけで住む小さな星を探して宇宙へ旅立ってしまうというメルヘンの世界に片足突っ込んだような壮大な内容になっていてかなりイケイケ。その分キラキラ感も強い。
★★★★☆

でも淋しい夜は...(Live)

作詞作曲:河村隆一、編曲:河村隆一 with his band
「DEMO」の完成版。ライブ音源のまま収録されたが、靴音と扉を開ける音、扉の先に大歓声…という演出も加えられ、単にライブ音源をそのまま放り込んだ唐突な感じにはならないように工夫されているのが好印象。ただ間髪を入れずに次の曲を披露していたのでエンディング部分では次の曲をゴキゲンでラララ~♪と歌いだす声が入ってしまいフェードアウト終了を余儀なくされている。

まさか「DEMO」から「でも」でそのまま来るとは思わなかったが狙ったのか、1番ハマりが良かったのでこうなったのか。ラララルルルだけだった「DEMO」に比べると言葉数が増えたので軽快さがやや減退したものの、アップテンポな曲は少なかったのでアルバムの中でも起爆剤の1つとして作用する重要な立ち位置の楽曲。
★★★★☆

Christmas

作詞作曲:河村隆一、編曲:河村隆一、難波正司
猿岩石への提供曲セルフカバー。今作に収録した提供曲の中で唯一の男性への提供であり、ちゃんと聞いていたのもこれだったが、今作リリース時の猿岩石は1stアルバム『まぐれ』をなんとかヒットさせるも完全に飽きられてしまい一気に低迷していた。11月6日に発売したのに街がクリスマスモードに変わっていくより遥か前に速攻でチャートアウトしてしまったので恐らくリアルタイムでチャートを見ていたリスナーでも猿岩石バージョン知らない人が多いかも…。

表題曲として提供した割にはかなりスロー&まったりな楽曲。当時はかなり気に入って聞いていたんだけど、やはりもう少し盛り上がりらしい盛り上がりがほしいなと思うし、猿岩石バージョンだと有吉と森脇のボーカルのコントラストがもう少しフックになっていたけど、隆一バージョンの方がもう少し明るくはなっているが、終始隆一節なので濃厚さが増していて当時の印象に比べるとちょっと下がってしまったところはある。
★★★★☆

Hope

作詞作曲:河村隆一、編曲:大島ミチル
星空の中を彷徨っているかのような壮大なストリングスサウンドに乗せて願いを歌い上げる静かで壮大なバラード。ストリングスサウンドはゆらゆら漂うに揺れながらいつしかアルバム冒頭で聞こえた波の音へとクロスフェードしていき、非常に長い波音を経て今作とアルバムが終焉する。こういういかにもアルバム終わりましたという形で終わるアルバムを聞いたのは今作が初めてだったので未だに印象深い1曲。

最初と最後に「願い」と歌っているので、タイトルはHopeよりWishとかの方がよかったんじゃないかとも思うんだけど、LUNA SEAで「WISH」があるし、この願いは希望の意味合いが強い、ということなんだろうなと思う。
★★★★☆

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