MANISH 25周年シングル回顧~1992-1996~

アニメ『美少女戦士セーラームーン』初代主題歌の「ムーンライト伝説」。バリバリの女の子向けアニメではあったが、当時子供だった世代ならセーラームーン及びこの曲を1度は聞いたことがあるだろう。“ごめんね素直じゃなくて♪”から始まり、締めが“ミラクル・ロ・マンス♪”なやつだ。そう、アレだ。最初は1人だったのになんかどんどんセーラー戦士が増えていき、なんかちっこいのまで出てきたり、味方じゃないのが出てきたり、助っ人兼王子様キャラとしてタキシード仮面という今思うとかっこいいのかあれ?というそんな作品だった(うろ覚え)。

「ムーンライト伝説」はその後何度もカバーされているが初代を歌っていたのはDALIというグループで女性4人組だったらしい。アニソン主題歌としか認識していなかったので歌っているのが誰だったかなど全く意識していなかったがこのDALIは単発企画グループだったのか、ほぼ匿名グループに近い状態のままこの1作で姿を消している。

そしてDALIの4人のうちの2人がMANISHの高橋美鈴(Vocal)、西本麻里(Keyboard)としてデビューした…らしい。

基本的には高橋が作詞して西本が作曲するスタイルではあったが、A面でこのパターンが採用されることはほぼ無く、提供曲も多かった。大ヒットは無かったものの、安定した活動を続けていたが、変化の兆しを見せた3rdアルバムを最後に突如活動が停止。活動が止まる直前の96年、当時としてはまだあまり普及していなかったインターネットを使って公式サイトをOPENさせるなど新たな方向へ向かおうとしていただけに活動を休止するタイミングとしてはあまりに不自然だった。

98年にベスト盤を出すと同時に活動再開を発表するも結局そのまま再開されることはなく、現在に至ってもMANISHが解散したという発表もなければ、2人の行方すら不明だ。日経エンタで03年に消えた歌手特集みたいのがあってその中でMANISHも取り上げられ「2人とも業界から離れている」とだけ書かれていたのが唯一だろうか。

何故MANISHは突然消えたのか。い つ も の B 社 といってしまえばそれまでだが、MANISHの場合は事務所が関係していたのではないかと思う。

97年頃スターダスト所属だったZARD坂井泉水は独立して個人事務所を設立している。同時に当時ビーイングでCDを出していたスターダストの人たちが一斉に消えるか、移籍するかしている。このため坂井泉水の独立と時を同じくしてビーイングとスターダストとの提携自体が終了してしまったものと思われる。MANISHの2人もまさにスターダスト所属だった。

ただ98年になって活動再開を宣言したことからも1度は新たな所属先を決めていたと思われるが何故それが頓挫したのかは謎だ。どっちみち数年後には大阪拠点に移動してGIZA studioに注力するようになって先輩も後輩も一部以外はほぼみんないなくなっていたので遅いか早いかの違いだったのかもしれないが…。

なおベストは3作あるが、『complete of MANISH at the BEING studio』のみが全シングルA面を押さえられる(+アルバム曲+未発表曲)作品となっている。

2012年頃に執筆していた文章を2017.12修正



1st 恋人と呼べないDistance

恋人と呼べないDistance
92年12月20日
作詞:小田佳奈子・すみれ、作曲:すみれ
唯一全くヒットしなかった(100位圏外)デビュー曲。そして実は幻のデビュー作である。『MANISH』、ベストアルバム2作で聞けるのは130 Brand-New mixと題されたバージョンであり、オリジナルのシングルバージョンは8センチシングルでしか聞けない。シングルのアレンジには納得が行っていなかったらしく、即廃盤になってしまっていたらしく、ほぼ黒歴史化している。中古で探そうとすると元が売れてないので地味に至難(2016年になってようやく偶然発見した)でネットで買おうとするとけっこう凄い価格になっている。なおC/Wのタイトルも「ロマン作戦GO! and GO!」という80’sアイドルを引きずったようなタイトル

聞き比べると130 Brand-New mixはまさに改良版にして完成版といった印象。mixとはなっているがリアレンジに近いくらいにけっこう変わっている。先に130 Brand-New mixを聞いてからシングルバージョンを聞くとボーカルは固いし、アレンジも打ち込みとギターが噛み合っていないというかギターサウンドがハードにしたいのか引っ込めたいのか何とも中途半端。

ただ最初から明石昌夫によるサウンドプロデュースで一貫しているので、大まかにはまあこういう方向性というのはハッキリしていてシングルバージョンが全く彼方を向いているわけではない。ポップで煌びやかな派手なキーボードサウンドにハードなギターサウンドを融合させたサウンドという当時のビーイングのど真ん中であるのは変わっていない。
★★★☆☆
シングルバージョンアルバム未収録
1stアルバム『MANISH』(130 Brand-New mix)
2ndベスト『complete of MANISH at the BEING studio』(130 Brand-New mix)
3rdベスト『BEST OF BEST 1000 MANISH』(130 Brand-New mix)

2nd 声にならないほどに愛しい

声にならないほどに愛しい
93年1月8日
作詞:上杉昇、作曲:織田哲郎
WANDS上杉の作詞提供、作曲が織田という数ヵ月後のDEEN、ZYYGのデビュー曲と同じパターン。上杉もコーラス参加してかなり存在感を発揮している。一応この曲が上昇型ヒットになり、MANISH最大のロングヒット(100位以内15週ランクイン)。最高位こそ26位だが20万枚に迫る自身2番ヒットで代表曲の1つとなっている。

個人的には先に聞いていたWANDSの曲という印象が強い。また同じ織田曲の「愛を語るより口づけをかわそう」と似ている印象が強く、キャッチーなんだけど量産型タイプの曲という印象もある。それでもMANISHの織田哲郎作品では今作がダントツか。
★★★☆☆
1stアルバム『MANISH
1stベスト『MANISH BEST Escalation
2ndベスト『complete of MANISH at the BEING studio
3rdベスト『BEST OF BEST 1000 MANISH

3rd 素顔のままKISSしよう

素顔のままKISSしよう
93年2月17日
作詞:大黒摩季、作曲:西本麻里
最高34位は圏外の1stに続くワースト2位だが売上は自身5番目。高橋のボーカルは大黒摩季に近いものがあるが、その大黒摩季が作詞で提供してここから3作続く。後にビーイングを辞めた大黒摩季への嫌がらせとして作詞クレジットが利用され、一時期コンピ盤ではMANISHの大黒作詞の楽曲のクレジットも例のアレに改変されていた時期もあった。

歌唱法で指導でも受けたのか、歌詞に引っ張られたのか、前の2作よりも声が大黒っぽくなっているような…。曲の方は相変わらずキャッチー&ロックだが、サビの爽快さ、突き抜け加減がけっこう耳に残る良曲。自作ながら他の曲よりもむしろビーイング王道っぽいキャッチーさ、MANISHに提供した織田哲郎の曲よりなんだか織田哲郎みたいなのはこういう曲が採用されやすいという事で徹底的に狙って作ったからなんだろうか。
★★★★☆
1stアルバム『MANISH
1stベスト『MANISH BEST Escalation
2ndベスト『complete of MANISH at the BEING studio
3rdベスト『BEST OF BEST 1000 MANISH



4th 君が欲しい 全部欲しい

君が欲しい 全部欲しい
93年6月2日
作詞:大黒摩季、作曲:織田哲郎
アップテンポな曲が続いていたがややテンポを落としたミディアムナンバー。サビが意外と広がらないためやや地味目。作曲が織田哲郎にしてはなんだかもう1つ突き抜けたところがない曲だ。ZARDやWANDSに与えていた曲に比べると一段以上落ちるというか…。間奏で聞けるDIMENSION勝田一樹のSaxソロはいい味を出していて今作最大の特徴として機能している。
★★★☆☆
2ndアルバム『INDIVIDUAL』(Album Version)
1stベスト『MANISH BEST Escalation
2ndベスト『complete of MANISH at the BEING studio
3rdベスト『BEST OF BEST 1000 MANISH

5th 眠らない街に流されて

眠らない街に流されて
93年7月28日
作詞:大黒摩季、作曲:織田哲郎
大黒摩季作詞提供3部作(?)のラスト。何気に4番ヒットだったりする。早くもマンネリ感すら漂うほどの徹底的な王道サウンドでここからは正直これぞMANISHな曲が平行線で連発されていく印象がある。2作連続の織田哲郎だがやはり今回も織田哲郎にしてはフツーな感じで、あまり重要視されていなかったのかなと思ってしまうようなところも…。
★★★☆☆
2ndアルバム『INDIVIDUAL
1stベスト『MANISH BEST Escalation
2ndベスト『complete of MANISH at the BEING studio
3rdベスト『BEST OF BEST 1000 MANISH

6th だけど止められない/いつでも いまでも いつかは

だけど止められない
93年11月3日
初の両A面シングル。ジャケットを見ても確かに両A面だったのに、「いつでも いまでも いつかは」はアルバムに収録されず、その後の3rdアルバム封入のディスコグラフイーではC/W扱いされてしまい、格下げになっていた。at the BEING studioでは時系列には組み込まれなかったものの無事に収録されてライナーでも両A面として扱われた事で地位が回復した。

だけど止められない

作詞:高橋美鈴、作曲:西本麻里
シングルでは珍しい初の完全自作曲。MANISHの基本パターンはボーカルの高橋が詞を書いて、キーボードの西本が曲を書くというスタイルだ以降も詞か曲のどっちかが提供であることが多く、今作以降の完全自作A面は「眩しいくらいに…」だけだったりする。

ややスリリングな雰囲気で始まるが、やたらリフレインするピロリロリロリー♪というシンセ音が妙に勇敢に鳴り響きダッサい。ギターはけっこうハードに鳴っているのでそんなにシンセシンセしている印象でもないんだけど、ピロリロリロリー♪がこの曲最大のインパクトポイント。

またシングルはフェードアウトするが、Album Versionは完奏するという違いがある。
★★★☆☆
2ndアルバム『INDIVIDUAL』(Album Version)
1stベスト『MANISH BEST Escalation
2ndベスト『complete of MANISH at the BEING studio
3rdベスト『BEST OF BEST 1000 MANISH

いつでも いまでも いつかは

作詞:高原裕枝、作曲:西本麻里
静かなキーボードのイントロからこれは絶対バラードだろと思わせておいて、曲が始まるとテンポアップ。ミディアムなロックナンバー。当時のA面としては抑えた感じなのでやや地味でC/Wっぽくもあるが、逆にA面は似たようなギラギラなシンセ+ハードなギターというド派手なアレンジの曲が続くので続けて聞くとこの抑えた感じが良かったりもする。
★★★☆☆
2ndベスト『complete of MANISH at the BEING studio

7th もう誰の目も気にしない

もう誰の目も気にしない
94年1月10日
作詞:小田佳奈子、作曲:西本麻里
初登場5位になり初のトップ10入りを果たした3番ヒット作。このタイミングで何でトップ10入りしたのかよく分からないが、シングル唯一のバラード作品。ピアノで静かに始まるがサビでは相変わらずハードなギターが鳴り響くのでけっこう派手に盛り上がる。メロディーはMANISHシングルの中でも1,2を争うほど耳に残る曲だと思う。
★★★★☆
2ndアルバム『INDIVIDUAL
1stベスト『MANISH BEST Escalation
2ndベスト『complete of MANISH at the BEING studio
3rdベスト『BEST OF BEST 1000 MANISH

8th 明日のStory

明日のStory
94年5月25日
作詞:高橋美鈴・井上留美子、作曲:西本麻里
作詞が共同なもののほぼ自作なシングル。等身大の女子へ恋愛の前向き応援ソングといった感じで、ここ数作よりも軽快さが加味されている印象。作風も王道で完全に安定した1曲。2ndアルバム全体にこんな感じで同じような勢いで楽曲が量産されていたようでこの時期にMANISHサウンドも完全に極まった感じがある。
★★★☆☆
2ndアルバム『INDIVIDUAL
1stベスト『MANISH BEST Escalation
2ndベスト『complete of MANISH at the BEING studio
3rdベスト『BEST OF BEST 1000 MANISH

9th 走り出せLonely Night

走り出せLONELY NIGH
94年8月10日
作詞:高橋美鈴、作曲:栗林誠一郎
イントロやサビ前などキメのシンセがこれまで以上にやたらと派手。こんなに派手にキメる必要あったのかとも思うが…。そこを除くと前作に続いて王道キャッチーな等身大女子の生活応援歌という感じになっている。逆に派手なキメが無かったら本格的に金太郎飴状態に感じられたかもしれない。またいつになくしっかりとしたキーボードソロが間奏にあるのが印象的。
★★★☆☆
2ndアルバム『INDIVIDUAL
1stベスト『MANISH BEST Escalation
2ndベスト『complete of MANISH at the BEING studio
3rdベスト『BEST OF BEST 1000 MANISH



10th 煌めく瞬間に捕われて/眩しいくらいに…

煌めく瞬間に捕らわれて
95年2月20日
MANISH最大のヒット作。初登場6位と2度目のトップ10入り。最高位は更新できなかったものの40万枚を越え、2,3番ヒットだった2nd、7thを倍以上上回った。

一方でこれまでのハイペースリリースが嘘のように95年は今作のみのリリースだった。

煌めく瞬間に捕われて

作詞:高橋美鈴・川島だりあ、作曲:川島だりあ
アニメ「スラムダンク」3期ED。リアルタイムで知っている唯一の楽曲で、ちょうどアニメでも試合が盛り上がっているクライマックス期だったので最も印象に残っている曲だった。アニメ視聴当時から凄い名曲だなと思っていたが当時はまだ本格的にCDを買ったりレンタルしていなかったので手に取らなかった(BAADとWANDSのみ)。応援歌的な作風だが、今回は男女問わずみんなへの応援歌という感じで、アニメにも合っていた。何より楽曲の良さもずば抜けている。正直この曲があまりに凄すぎて他の曲が霞む勢い。数ある90年代ポップソングの中でもかなり最上級な1曲だ。

これまでに比べるとかなり音に隙間があるというか、煌びやかなシンセやハードなギターといった特徴的なサウンドにこれまでほどの派手さを感じない。かといって3rdアルバムのバンドサウンド風の作風と並べると浮いてしまう。MANISHとしては過渡期にあたるような案外他にない方向性の曲だと思う。
★★★★★
3rdアルバム『Cheer!
1stベスト『MANISH BEST Escalation
2ndベスト『complete of MANISH at the BEING studio
3rdベスト『BEST OF BEST 1000 MANISH

眩しいくらいに…

作詞:高橋美鈴、作曲:西本麻里
完全自作A面曲としては2曲目。ポコポコした音が終始鳴っているのが印象的なポップナンバー。やはり今作も派手さは抑えられ、これまでの王道から若干の変化を感じる。ただ超名曲と並んで両A面だけにどうにも印象が薄い。

3rdアルバムでは古井弘人にアレンジャーを変更してロック風味でリメイクしているので全く違う曲かのように生まれ変わった。生バンド風味のアレンジにより、グッとオシャレになり普遍性も増した。明石昌夫の当時のアレンジが好きだというのでない限り、後追いで聞くほど明石昌夫アレンジには時代性を感じ、古井弘人アレンジのAlbum Versionの方が自然に聞けると思う。
★★★☆☆
★★★☆☆(Album Version)
3rdアルバム『Cheer!』(Album Version)(編曲:古井弘人)
1stベスト『MANISH BEST Escalation
2ndベスト『complete of MANISH at the BEING studio

11th この一瞬という永遠の中で

この一瞬という永遠の中で/ベスト・フレンド
96年1月22日
作詞:牧穂エミ、作曲:西本麻里、編曲:葉山たけし
ほぼ1年ぶりのシングル。デビュー以来一貫してサウンドプロデュースを手がけていた明石昌夫の手を離れて他のビーイングアレンジャーと組むようになった。そのためサウンドがガッツリ変化。ギター主体のバンドサウンド風になった。ビーイング全体でこの時期にこのような変化が生じていたので時代の変化に合わせていったものと思われる。実にさわやかで普遍的なポップロックサウンドは非常に耳馴染みがいい。11ヵ月ぶりのシングルでのこの激変はけっこうチャレンジングだった気もするが、以前のサウンドを続けていたら本格的に時代錯誤になってしまっていたと思うのでこれで良かったと思う。
★★★★☆
3rdアルバム『Cheer!
2ndベスト『complete of MANISH at the BEING studio

12th 君の空になりたい

君の空になりたい
96年5月27日
作詞:小田佳奈子、作曲:栗林誠一郎、編曲:池田大介
結果的にラストシングルとなった今作は自作ではない。3rdアルバムでも最終曲なのでMANISHの最終到達点のようでもあるが、当時はこれで終わるつもりなどなかったと思われ、実際まだまだここからやれることはたくさんあったと思う。前作に続いてギター中心のバンド風サウンドにキャッチーな歌メロが展開。雰囲気はいいし、相変わらずメロディーはポップで聞きやすいんだけど、案外そこまで強く引っかかる曲ではなく、そこのところが惜しい。
★★★★☆
3rdアルバム『Cheer!
2ndベスト『complete of MANISH at the BEING studio

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