WANDS シングル回顧~1期 1991-1992~

91年にデビューした当時のメンバーは上杉昇(Vocal)、柴崎浩(Guitar)、大島康祐(Keyboards)。
大島康祐が作編曲を主に担当して音楽性の中心となっていた。しかしシングルA面で大島が担当したのは3枚のうち1枚だけとなる。音楽性の違い及び大島が自身のユニットSo-Fiを結成するためとしてブレイクする前に脱退。中山美穂&WANDSの「世界中の誰よりきっと」が大ヒットして引っ張られるように「もっと強く抱きしめたなら」が大ヒットした頃には既にメンバーは入れ替わっていた。

この時代のWANDSを1期と形容するようになったのは上杉柴崎が脱退後、和久杉元が加入した新たなWANDSを3期と公式に形容してからだった。
また初期にメンバーが安定してなくてすぐに入れ替わるというのは当時のビーイング系では割とよくある事だった。

1期ではシングル3枚、アルバム(ミニ)1枚をリリース。




1st 寂しさは秋の色

91年12月4日
寂しさは秋の色
デビュー作。シングル発売(デビュー)に先駆けて「寂しさは秋の色」は11月にドラマのサントラ盤『ホテルウーマン オリジナルサウンドトラック』に収録されていたので厳密にはシングルカットだったようだ。この『ホテルウーマン』とか『ウーマンドリーム』はビーイングが主題歌として1曲、挿入歌としてデビュー前の新人含む自社アーティストを大量起用、それらをまとめてサウンドトラックとしてアルバムを出す(実際にはドラマの劇中インストじゃなくて歌入りのコンピ盤になる)というやり方をしていた。

寂しさは秋の色

作曲:栗林誠一郎、編曲:明石昌夫
フジテレビのドラマ『ホテルウーマン』挿入歌。一応ギターソロを変えるなどの変更はあった模様。
12月になってから秋の曲を出すのは遅すぎるが、当初はここでデビューさせるつもりは無かったのだろうか…。
デビュー曲にしては哀愁漂いまくりだが、大ヒット期のパブリックイメージに沿ったような王道のバラードナンバー。ただ1期唯一のアルバム『WANDS』の中でも今作だけ明らかに異彩だったりもする。

何気にオリジナル音源でのベスト盤収録は最初のベストのみ。
『WANDS BEST』ではリミックスを施され、90年代半ば以降対応仕様のようなド派手なサウンドになっている。全体になんか変な改変をした印象が強い『WANDS BEST』の中では1番まともな変更だと思う。
LIVE ACOUSTIC Versionは文字通りにアコースティックでのライブ音源でバンドサウンドではない。ライブではCDと異なるやや雑な歌い方をする事も多かったが、アコースティックバラードなので丁寧に歌いあげている印象。
★★★★☆
サントラ盤『ホテルウーマン オリジナルサウンドトラック』(ギターが異なるバージョン)
1stアルバム『WANDS
1stベスト『SINGLES COLLECTION+6
2ndベスト『WANDS BEST~HISTORICAL BEST ALBUM~』(リミックス)
4thベスト『complete of WANDS at the BEING studio』(LIVE ACOUSTIC Version)
上杉昇 カバーアルバム『SPOILS』(ソロでセルフカバー)

寂しさは秋の色
WANDS
1996/03/16 ¥250

C/W STRAY CAT

作曲:小澤正澄、編曲:明石昌夫
後にPAMELAHとしてデビューし、ZARD「愛が見えない」や今世紀になってからもSKE48「アイシテラブル!」を大ヒットさせた小澤正澄の作曲家デビュー曲。
アップテンポでダンサブルな雰囲気もあり、この時期特有のフィンフィン連呼(オーケストラヒット連発)には時代を感じるものの、比較的今作の方が1期WANDSの方向性に近い。
目を引くのは歌詞でこの時点で”抑えつけられてたら夢も見れない”とか”自暴自棄でも 今 歌い続けるよ”とかいきなり現状への不満みたいな事を歌っていてちょっと異色。やらされている事への不満は最初からあったのだろうか。誤植なのか後半サビの歌詞表記が間違っている。
★★★☆☆
アルバム未収録

2nd ふりむいて抱きしめて

92年5月13日
ふりむいて抱きしめて
1期の3枚のシングルの中で唯一2曲とも大島康祐による作編曲=メンバー完全自作となったシングル。
後にこの時点で候補曲として「時の扉」や「White Memories」が挙げられていた事が明かされている。

ふりむいて抱きしめて

作編曲:大島康祐
1期WANDSの本来のメインライターだった大島が在籍時に担当した唯一のA面曲。1stアルバム『WANDS』を聞けば分かるように1期WANDSとしては標準的な楽曲だったが、シングルA面を並べると1番浮いているシングルでもある。
明石昌夫のようにオケヒ連発でフィンフィン言わすのではなく、ダンサブルなリズム感を強調してスパコンスパコンと鳴り続けるスパコンサウンド(勝手に命名)が大島の特徴だったが、これはかなり時代性が強くクセも強い。キャッチーで聞きやすいんだけど、こういうのはどこか影のある上杉よりももっと明るい雰囲気のボーカリストに歌ってもらう方がいいんじゃないかっていう気もする。
この曲に特に別バージョンは無いが、WANDS単独での最終収録作品が『WANDS BEST』で、最新リマスターがWANDSの作品ではなくコンピ盤への収録。00年代序盤にリマスターされた音源なのでそれまでの90年代音源よりもかなり音圧が高くスパコン感もべらぼうに強い。
★★★☆☆
1stアルバム『WANDS
1stベスト『SINGLES COLLECTION+6
2ndベスト『WANDS BEST~HISTORICAL BEST ALBUM~
コンピ盤『vocal compilation 90’s hits vol.1~male~ at the BEING studio

ふりむいて抱きしめて
WANDS
1996/03/16 ¥250

C/W Baby Baby Baby

作曲編曲:大島康祐
A面よりスパコン圧(なにそれ)が柔らかめなミディアム気味でポップなナンバー。1stアルバム曲での大島サウンドよりもポップな要素が強いと思う。サビはそれなりに耳に残る。
アルバム未収録で埋もれていた楽曲だったが最後の最後に何故かベスト盤に収録された。00年発売という時代背景を踏まえて大島サウンド全開の曲の中で1曲と考えると確かにこの曲が1番聞きやすいかもしれない。そういう意味で選曲は納得だったが、配置が悪すぎた。2期の未発表「太陽のため息」と3期の「FREEZE」というロックな楽曲に挟まれてこの曲ではギャグである。ベスト盤の流れで今作の良さを感じるのはけっこう難しいと思う。2ndシングルとして、もしくは1stアルバム『WANDS』と合わせて聞けば十分にいい曲。
★★★☆☆
3rdベスト『BEST OF WANDS HISTORY

Baby Baby Baby
WANDS
2000/04/26 ¥250

3rd もっと強く抱きしめたなら

92年7月1日
もっと強く抱きしめたなら

ブレイク楽曲にして単独で最大のヒット作。初登場47位からじわじわと上昇してベスト20程度まで上昇。この時点で20万程売れていたのだが10月末の中山美穂&WANDS『世界中の誰よりきっと』のヒットで一気に大爆発して28週目で1位を獲得した。
『世界中の誰よりきっと』は初登場3位から上昇して1位を獲得していたが、この曲はその後でそれを押しのけて1位だった。また火が付いた頃には既に大島は辞めていてキーボードは木村真也に交代していたため、発売から2ヵ月遅れでMステに初出演した時点では既に木村になっていたようだ。

もっと強く抱きしめたなら

作曲:多々納好夫、編曲:葉山たけし
1期最後だが1期っぽさの欠片も無い当時のビーイング王道の大名曲。ビーイングでのミリオンは自作していたT-BOLANやB’zなど一部を除くとほぼ織田哲郎がミリオンヒットを出していた中で織田哲郎じゃない作家でミリオンだったというのも珍しい。多々納好夫は同時期にはSMAPへの曲提供をしていたり、後にFIELD OF VIEWに名曲をたくさん提供していたので好きな作家の1人だ。

サビ頭=タイトルが多い中で今作はタイトルとサビが微妙に異なっている(サビ頭の歌詞は「もっと強く君を抱きしめたなら」)ため、「もっと強く君を抱きしめたなら」や「もっと強く抱きしめたら」に混同されることが多い。タイトル当てクイズとかやったら地味に正答率が低くなりそう。

上杉は後に「まさか鼻ピにチェーンつけてたような男に『もっと強く抱きしめたなら』みたいな爽やかな曲を歌わせるなんて思ってもみなかった」などと回想していて、全くやりたくない路線だったようだ。ただなんだかんだ上杉のボーカルには独特の哀愁が漂っていて、さわやかな曲ではあるんだけど、ZARDやDEENやFIELD OF VIEWでは出せないような単にさわやななだけじゃないWANDS独特の味は存分に出ているんじゃないかなとも思う。

2ndアルバム『時の扉』では表記されていないもののギター演奏が全体に違うものになったアルバムバージョン。原曲が完成されている印象だったのでなんだか違和感がある。

『WANDS BEST』のリミックスでは1番と2番、アウトロのギターを完全抹消。リミックスといっても大概は音のバランスを整えるとか、スパイス程度の音を足したり消したり程度なものだと思うんだけど、ジャ~ラ~ラ~♪と鳴っていたギターはメインの音であり、これを消し去るのはさすがに不自然極まりなかった。主役の音が抜け落ちているようにしか聞こえないし、一体何がしたかったのだろうか…。
★★★★★
2ndアルバム『時の扉』(ギターが違うアルバムバージョン)
1stベスト『SINGLES COLLECTION+6
2ndベスト『WANDS BEST~HISTORICAL BEST ALBUM~』(リミックス、間奏ギター消去)
3rdベスト『BEST OF WANDS HISTORY
4thベスト『complete of WANDS at the BEING studio
5thベスト『BEST OF BEST 1000 WANDS

もっと強く抱きしめたなら
WANDS
2000/04/26 ¥250

C/W Listen to the Heartbeat

作曲編曲:大島康祐
1期WANDSの最終楽曲。相変わらず時代性は強いが、クセの強さも相まってインパクトもあるし、1期の楽曲の中では案外好きな方かもしれない。スパコンスパコンとは少し雰囲気が異なり、新たな可能性も見えるような…。それをWANDSでは表現できないということになったのか…。
★★★☆☆
アルバム未収録

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