WANDS シングル回顧+~3期 1997-2000~

残された木村はWANDSを続ける事にして、新たに和久二郎(Vocal)、杉元一生(Guitar)が加入。3期WANDSとして再始動を果たした。この新生WANDSを3期と銘打った事で公式にWANDSは1期、2期、3期と区分された。
しかし、ジャケットをイラストだけにしてメンバー表記をしなかったり、PVでもメンバーの姿を分かりにくいようにしたりと、一応3期WANDSとしてボーカルとギターが変わった事をアナウンスはしていたものの、ボーカルチェンジを隠すようなやり方に当時のファンが反発。
ちょうどインターネットが普及し始め、ファンサイト文化が盛り上がり始めていた頃だったので3期へのバッシング合戦となった。
3期のヒット2曲がいずれも少年少女向けアニメタイアップだった事もあり、交代劇を知らずに主題歌として親しんだ若い世代も多かった。このため後追いのリスナーほどフラットに3期を受け入れることができており、現在は3期を評価する声も一定以上見受けられる。

また和久二郎は解体後にビーイングを離れてソロとなり音源もネット上で公開していたがCD発売に至ることが無く契約切れになり長らく引退状態にあったが、2012年に本名の松元治郎として復活。同じく本名で活動している安保一生(杉元)の全面バックアップにより自主制作でのCD発売を行った。4年後の2016年には2作目もリリース。本人、安保の曲だけでなく、木村真也、綿貫正顕の提供もあり、ライブでは3期WANDSメンバーが揃ったという。




12th 錆びついたマシンガンで今を撃ち抜こう

97年9月3日
錆びついたマシンガンで今を撃ち抜こう/トライ・アゲイン
3期のデビュー作だが、WANDSの再始動や復活を印象付けるようなプロモーションはされたものの、ボーカルが変わったことなどは分かりにくく演出され、ジャケットにはメンバー表記も写真も一切無し、PVにはメンバーが出ているものの逆光になっていてイマイチちゃんと顔が判別できなかった。
インターネットが普及していなかったため新メンバーが誰なのかはメディアの紹介(雑誌、TV)で触れない限りは知る術が無かった。
PVやアートワークの印象からいつの間にかメンバーチェンジを徹底的に隠そうとしていたというのが定説になっているが、WANDSをちゃんと知らなかった当時、一応TVでこの曲を紹介する際に「3期」という単語やメンバーが変わったことを説明しているのをちゃんと聞いた記憶がある

和久の声は上杉よりも高かったが、どこか似通ったところがあったため、ライトリスナーの間では区別がつかない人が続出。
ネットも普及していなかったため、こんな無茶なやり方でもなんとな~くヒットした。上杉は後のインタビューでは「WORST CRIME」の次にシングル候補としてプロデューサーが持ってきた曲がポップ路線だったので辞めたと語っており、それがこのシングルに該当するかは不明。

錆びついたマシンガンで今を撃ち抜こう

作詞作曲:小松未歩、編曲:池田大介
アニメ『ドラゴンボールGT』最終ED。ポップなWANDSというかヒット路線のWANDSが帰ってきた感のある楽曲だが、時代も数年の間に大きく変わっており、そのまま93年頃に帰ったわけでもなく、当時よりはロック色が強く、時代性の強いキーボードやシンセは控えられているので後追いだと聞きやすい。

当時3期は滅茶苦茶に叩かれたとされているが、これは数年後にインターネットが普及していった際のアーティストのファンサイト文化の中では上杉・柴崎時代のリアルタイムのファンがメインだったため、3期に否定的な流れになっていた事にも起因しており、当時「GT」を見ていた若い世代には軒並み好評だった。このため3期否定派の個人サイトが廃れて消滅していって以降、後追いで3期WANDSの『AWAKE』を取り上げたレビューには好意的なものが多くなっていった印象がある。

小松未歩が歌詞も担当した割には歌詞が意味深で、前作で”どうかもうこれ以上このこめかみを撃ち抜かないで”と上杉が歌っていたのに反応するかのように”錆びついたマシンガンで今を撃ち抜こう”としたり、冒頭のフレーズ”鎖につながれ歩き出す君を 飲み込むくらい多忙な都会は流れてく”にしても辞めていった2人を指しているかのようだ。
特に表記されていないが『AWAKE』収録時に低音を強めにミックスし直している…ような気がする。
★★★★☆
5thアルバム『AWAKE』(低音やや強め)
2ndベスト『WANDS BEST~HISTORICAL BEST ALBUM~
3rdベスト『BEST OF WANDS HISTORY
4thベスト『complete of WANDS at the BEING studio

錆びついたマシンガンで今を撃ち抜こう
WANDS
2000/04/26 ¥250

C/W Try Again

作詞作曲:木村真也、編曲:WANDS
これまで「MILLION MILES AWAY」を作曲しただけだった木村が主導権を握り作詞作曲をしているので、3期始動へ向けての決意表明にもとれる1曲。ラブソングなのか応援ソングなのかよく分からないが、要するに言いたいのは「Try Again」、もう一度WANDSをやるという事と思われる。
さわやかな曲だが全体の音が軽めなのでちょっと安っぽく聞こえてしまう。3期でここまで軽い曲は他に無く、もう少し芯のあるバンドサウンドをメインとするのでまだ色々と定まっていなかったのかも。
★★★☆☆
2ndベスト『WANDS BEST~HISTORICAL BEST ALBUM~

Try Again
WANDS
1997/11/06 ¥250

13th Brand New Love

98年2月11日
Brand New Love
今作ではジャケットにメンバーが登場し、メンバー表記もちゃんとされた。ただし和久はこれ以降サングラス姿でいる写真やPVが多く、素顔を見せることは少なかった。
またデカメガネ姿がトレードマークだった木村は今作以降サングラス&長髪という以前の面影が全く無い姿にトランスフォームした。

Brand New Love

作詞:坂井泉水、作曲:綿貫正顕、編曲:WANDS
ZARD坂井泉水が作詞、冒頭のボイスにも参加。さらにアウトロで聞こえるラップは1期メンバーの大島康祐が担当。3期=ポップ路線に回帰だと思っていると予想以上にハードかつスリリングな曲調に驚くロックナンバー。基本的にロックバンド的なサウンドだが、DJ的なサウンド(スクラッチやラップ等)がスパイス的に加味されているのがポイントだろうか。
2期後半でその存在感が埋もれていた木村のキーボードが存在感を大いに発揮しつつ、ギターもしっかり鳴り響いていてギターとピアノの共存が最も鮮やかにキマった感じもある。手探りだった前作に対して、3期WANDSのカラーが早くも完成形に達したかのような、同時にWANDSの魂を継承した別バンドで良かったような気にもなってくる名曲。
作曲を担当した綿貫正顕とは後々まで縁が深く、和久が松元治郎としてソロで再始動した際には当時未発表になっていた綿貫正顕の作曲作品も使用され、さらにライブではライブ初披露に加えて綿貫もゲスト参加したらしい。
★★★★★
5thアルバム『AWAKE

Brand New Love
WANDS
1999/10/27 ¥250

C/W Hurts Good

作詞作曲:木村真也、編曲:WANDS
「Try Again」が軽過ぎたのを反省して修正してきたようなどっしりした雰囲気の打ち込みバンド風ロックナンバー。一直線にド派手なのでなんだか突き抜けてしまうところもあるけど、表題曲同様に3期WANDSの方向性が1つ固まったのを感じる1曲。
一方で3期始動後かなりのファン離れ&元ファンによるバッシングが届いていたのか、歌詞は迷いの思いを全面的に吐露したような内容になっているのが印象的。一応前向きに締めてはいるんだけど、”孤独の川流れて行こう”とか茨の道でも進んでいくような悲壮感が漂っているし、そもそも木村の一存でWANDS存続が決定したわけでもないだろうから3期としてWANDS存続を決断するにあたっては色々な葛藤はあったのかも。
★★★☆☆
アルバム未収録

14th 明日もし君が壊れても

98年6月10日
明日もし君が壊れても
「錆びついた~」に続いてトップ10ヒットとなった3期の代表作。
WANDS最後のトップ10入りでもある。

明日もし君が壊れても

作詞:坂井泉水、作曲:大野愛果、編曲:WANDS
アニメ『遊☆戯☆王』ED。この遊戯王は現在もシリーズで続いている方ではなく、2クールほどで終了したテレ朝版。2クールで終わったので、OPのFIELD OF VIEW「渇いた叫び」と共に最初から最後まで使用され続けた。VHSでは作品化されたが、DVD化されず、再放送もされず…と以降のシリーズとは局も異なり、繋がりが全く無いため半ば黒歴史状態となっている。

壮大なロックバラード。シングルでは唯一のバラード曲になった。この曲もトップ10ヒットとなったことで、3期WANDSはなんだかんだ当時アニメを見ていた小中学生の間では「錆びついた~」と今作は聞き覚えがあるというリスナーが多く、当時目の敵にしていた大人ファンとは別の視点から後の3期WANDSの緩やかな評価向上へ繋がっていったと思われる。和久の高音が冴え渡る圧巻のバラードで、前作でアップナンバーでの最高傑作を作り上げた3期がバラードでの最高傑作を作り上げたような印象。
カラオケでも歌いたくなるような曲だが歌おうとすると相当声が高くない限り歌い出しからギリギリ限界、サビで完全に撃沈する。
★★★★★
5thアルバム『AWAKE
3rdベスト『BEST OF WANDS HISTORY
4thベスト『complete of WANDS at the BEING studio

明日もし君が壊れても
WANDS
2002/08/25 ¥250

C/W Soldier

作詞作曲:木村真也、編曲:WANDS
前作C/Wと似たような感じのスピード感のある打ち込みロック。割と直球に葛藤を綴っていた前作に対して今作は一応ラブソングの体裁を取っているがサビ頭の”世界は変わる…きっと僕らの気持ち次第 やりきれない事ばかりだけど”という言葉は2人の恋愛模様というよりは3期WANDSが抱えていた思いが反映されていたようにも感じられる。
★★★☆☆
アルバム未収録

15th 「今日、ナニカノハズミデ生きている」

99年3月31日
今日、ナニカノハズミデ生きている/FREEZE
結果的に最後のシングル。前作から9ヵ月ものブランクが生じていた事もあってか一気に30位圏外(32位)と低迷した。

「今日、ナニカノハズミデ生きている」

作詞:AZUKI 七、作曲:三好誠、編曲:WANDS
電子オルガンのようなピ~ロリピ~ロピ~ロロロ♪というキーボードとひたすら激しいバンドサウンド、なんだか閉塞感の漂う世紀末感あふれる歌詞で随分と雰囲気は重たい。
これは正直ポップとは言い難いような重たい楽曲で、世紀末という混沌とした世相が反映されたのか、予想以上に当時は3期が叩かれた事でメンバー、スタッフ共に精神状態がブラックモードに突入していたのか、ポップなWANDSというのではない新たな3期ならではのロックサウンドを模索していたのか…。これをシングルにしたのが凄い。なんだかんだ聞いているとクセになってくるところもあり、割と好きな1曲だ。
★★★★☆
5thアルバム『AWAKE

今日、ナニカノハズミデ生きている
WANDS
1999/10/27 ¥250

C/W FREEZE

作詞作曲:杉元一生、編曲:WANDS
3期で木村以外のメンバーが作った初の曲。ギターの杉元はこの当時作詞や作曲、編曲だけでなく、CD制作の全工程を学習していたと後に語っており、実際に現在は全工程を自身で行える環境を整えており、松元治郎のソロ作品もボーカル以外の全工程(録音からミックス、マスタリングといったCD全工程だけでなく、CDプレスに向けての諸所の業務も全部杉元が行った)を手掛けた。

そんな杉元の初作品となるが、早くも才能が溢れていて疾走感溢れるギターロックサウンドが展開する超名曲。やや格闘ゲーソングっぽい感じはあるものの、明らかにこっちのがストレートで、こっちA面にしたほうが普通に良かったと思う。C/Wのまま埋もれさせたくなかったのか3期が主導した最後のベスト盤ではA面を差し置いて今作を収録している。
★★★★★
3rdベスト『BEST OF WANDS HISTORY

Freeze
WANDS
2000/04/26 ¥250

From 3期アルバム『AWAKE』

99年10月27日
AWAKE
3期唯一のオリジナルアルバム。『「今日、ナニカノハズミデ生きている」』から7ヵ月ものブランクでさほどプロモーションもされずに発売されたため、トップ20入りがやっと程度にまで低迷。再び沈黙の末に00年になって解体を発表した。

AWAKE

作詞:木村真也、作曲:杉元一生、編曲:WANDS
3期が目指したポップとロックの融合が結実したようなカッコいいデジロック風のナンバー。表題曲にして3期の到達点はこの曲だと思うし、あまりに早い終了ではあったけどWANDSとしてやり切ったというのも納得できるだけの1曲。もう少し音が重くてもよかったかなとは思う。
★★★★★
5thアルバム『AWAKE
3rdベスト『BEST OF WANDS HISTORY

Awake
WANDS
1999/10/27 ¥250

雲が流れる方へ

作詞:杉元一生、作曲:杉元一生・木村真也、編曲:WANDS
自分探しをテーマにした楽曲。特にこの当時“本当の自分”とか“自分探し”という言葉が流行っており、発売当時中学3年生、今作を初めて聞いた時に高校生だった自分もそれらの言葉に影響を受けるドンピシャな世代に達していたので今作の歌詞は特に刺さった。曲中では本当の自分を探しているうちに偽りの自分になっていたことに気づいた主人公が自由になろうと変わろうとする姿を描いていて絶賛迷走中だった自分も幾度となく励まされた。優しいミディアムバラードというWANDSの中では比較的珍しい路線の曲でもある。
★★★★☆
5thアルバム『AWAKE

雲が流れる方へ
WANDS
1999/10/27 ¥250

Please tell me Jesus

作詞:和久二郎、作曲:宇徳敬子、編曲:WANDS
彼女と友人の関係を知ってしまった男の心情をひたすらまくしたてまくるという3期で最もハイテンションなロックナンバー。開始当初は木村が作詞もやるようになっていたし、杉元も作曲だけでなく作詞もやるので、和久の作詞は結局3曲しか発表されなかったが、今作は字余りにひたすら並びたてるというやけくそ気味な作風で異彩を放っている。これが宇徳敬子の作曲というのも驚きだが、やはり元々はバラードだったらしく、どんどん変わっていったと語られている。多用できる手法ではないけど他の2曲の和久の作詞した曲はアルバム内では箸休め的な立ち位置だけにこの曲が和久作詞の中ではメインの1曲かなと思う。
★★★★☆
5thアルバム『AWAKE
3rdベスト『BEST OF WANDS HISTORY

Please Tell Me Jesus
WANDS
2000/04/26 ¥250

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