BUMP OF CHICKEN シングルレビュー〜1999-2010〜

BUMPはブレイク時から名前は知っていたがちゃんと聞くようになったのは大学時代の友人に影響された06年以降。「jupiter」と「アルエ」をリリース当時に購入していた弟はその頃にはBUMPどころかバンド系を聞かなくなっていたので、そのままこの2作はマイルームにこっそり移動させて現在に至る。2010年よりも以前から何度かBUMPファンの読者複数から対談でやらないか?というオファーもあったんだけど、ずっと応援してきたファンとの対談になるとたぶん熱度が追いつけない等の理由から保留し、最終的には単独でやった方がいいんじゃないかという事で単独開催。今回はベスト盤リリースに合わせ、ベスト盤収録の全シングルA面のみを取り上げる形とした。

1st ランプ
99年11月25日
唯一インディーズでリリースされたシングル。C/W含めてアルバム収録してから廃盤になっているが、隠しトラックの存在やそもそも"物"としての価値もありレア盤と化している。CDのタイトルは「LAMP」だが楽曲自体はカタカナ表記の「ランプ」が正式表記。最初期の名曲というと真っ先に「ガラスのブルース」が浮かぶんだけど、この曲はどうもそれ以外の1st,2ndアルバム収録曲と並べてもあまり印象が強くなく、アルバムを聞いてからもしばらくシングル曲だとは知らなかった。自身と向き合い、心に火を灯そうとする歌詞は既にBUMP節全開。
★★★☆☆
2ndアルバム『THE LIVING DEAD
1stベスト『
BUMP OF CHICKEN T[1999-2004]

LAMP


2nd ダイヤモンド
00年9月20日
メジャーデビュー作。"何回転んだっていいさ"の歌い出しに励まされた当時の中高生は多かったと思う。当時のBUMPが中高生向けと評されていたのを象徴するような自己を肯定し生きている事を感じさせてくれる頑張れソング。若さと荒々しさがあったこの頃だから映える曲だと思う。ただ大人になるにつれてこういう気持ちを持ち続けることの難しさを実感したリスナーの方がたぶん多い。今もその通りだと目を輝かせて言う事ができるか、懐かしい曲だと遠い目になるか。前者でいたい(願望)。
★★★☆☆
3rdアルバム『jupiter
1stベスト『
BUMP OF CHICKEN T[1999-2004]

ダイヤモンド


3rd 天体観測
01年3月14日
ブレイク作にして最大のヒット作。今作に影響されてドラマ「天体観測」が02年に連ドラとして放送された。ドラマ見てないし、当時はサビとその部分のPVくらいしか印象に残ってない。けっこう線の細い(音でなく見た目が)バンドだなぁ…と思った記憶がある。当時ハマっていたのは弟で『jupiter』を購入する程だったが、とりあえず聞かせてもらっただけで特に何も感じずにそのまま5年ほど放置。あの日の私に蹴(略)。改めて聞くとまずイントロが素晴らしい。ギター重ねてるだけなので、後の楽曲の方がよっぽど凝ってるんだけど、このイントロが聞こえた瞬間に脳裏に星が流れていく。見えないモノや知らないモノが多くてそれを知りたかった少年時代を思い起こさせる歌詞から後半にかけて現在の視点に切り替わっても主人公はあの頃と変わってない。変わらずにいることは案外難しいからこそ眩しい曲だ。
★★★★★
3rdアルバム『jupiter
1stベスト『
BUMP OF CHICKEN T[1999-2004]

天体観測


4th ハルジオン
01年10月17日
ブレイク後の1作としてヒットの仕方は2番煎じっぽい売れ方だったんだけど、当時の印象はサビを聞けばまあ分かる、程度。この曲に心打たれたのは発売から5年も経過した06年になってから。就活で路頭に迷っていた時に全ての歌詞が突き刺さった。特に2番の「夢ならどこかに落としてきた 希望と遥かな距離を置いた」なんてそのままピシャリ。発売から5年も経ってあそこまでハマるとは思わなかった。
★★★★★
3rdアルバム『jupiter
1stベスト『
BUMP OF CHICKEN T[1999-2004]

ハルジオン


5th スノースマイル
02年12月18日
この曲かなり良くね?と思いながら何故か当時スルーしてしまった。シングル初のバラード調。アコギで静かに始まり、サビではバンドサウンドが盛り上がる緩急のつけ方が秀逸。この曲を聞くと冬が来たことを感じるが、何故か年末のイメージが強くて年が明けると年内ほどには聞く気がしなくなる。
★★★★★
4thアルバム『ユグドラシル
1stベスト『
BUMP OF CHICKEN T[1999-2004]

スノースマイル


6th ロストマン/sailing day
03年3月12日
初の両A面。「ONE PIECE」仕様ジャケットで「sailing day」が1曲目になっている限定盤もリリースされた。ジャケットと曲順が違うだけでこの時のシークレットトラックは同じものだったらしい。

ロストマン
後年の作品に通じるような大作っぽい雰囲気の曲(5分は越えるがそこまで長くはない)。発売当時は確かチャート番組でも「sailing day」ばかりかかっていてこっちの曲は聞いた記憶が無い。聞いたのはやはり06年頃で大学時代の友人が『ユグドラシル』を貸してくれた時。最初は他のシングル曲ばかり聞いていてこの曲だけ聞いてなかったんだけど、しばらくしてふいに好きな曲になった。単に大切な人を失った心情をやけに大げさに歌っているという解釈もできるが、個人的には「君」=「過去の自分」で、失ってしまった目標や純粋だった過去の自分に向けて歌い、最終的に過去に別れを告げて、今信じた道を正解だと祈りながら進んでいく曲だと勝手に解釈している。そしていつかまた過去の自分と交錯する時が来ればいいな、という。BUMPは本当に歌詞が響く。
★★★★★
4thアルバム『ユグドラシル
1stベスト『
BUMP OF CHICKEN T[1999-2004]

sailing day
映画「ONE PIECE」主題歌。演奏しているメンバーに向かって大量にルフィーらしきコスプレ集団が突進して来て走り去っていくPVの印象が強い。力強く前向きでひたすら高揚感のあるサウンドがとにかくたまらない。この頃のBUMPの最も王道っぽい楽曲だ。
★★★★☆
4thアルバム『ユグドラシル
1stベスト『
BUMP OF CHICKEN T[1999-2004]

ロストマン/sailing day sailing day/ロストマン


7th アルエ
04年3月31日
インディーズ時代の2作のアルバムがメジャーでリマスター再発される事になり、そこからの先行シングル(5月までの期間限定発売)という扱いで1stアルバムの再発盤『FLAME VEIN+1』からのシングルカット。このため楽曲自体の発表は1stシングルよりも前になり、シングル最古曲となる。限定発売なのでレア化したが、弟がBUMPのシングルでこれだけ購入しており(理由:500円だったから)、そのまま現在は俺の部屋に置いてある(特典ステッカーはどこかに貼って使ってしまったらしい)。リマスターされたので前後のシングルと比べてもそんなに古くは無いけどやっぱりシングルを順番に聞くと明らかに荒い気はする。「新世紀エヴァンゲリオン」の綾波レイについて歌っている曲とされているが、エヴァを見てないのでその辺もイマイチ入り込めず。
★★★☆☆
1stアルバム『FLAME VEIN
1stベスト『
BUMP OF CHICKEN T[1999-2004]

アルエ (限定盤)


8th オンリー ロンリー グローリー
04年7月7日
全体的な印象はこれぞBUMP!といった感じの勢いのある楽曲。挫折の後のリスタートに非常に効く楽曲だと思う。大サビ部分で死んだと思っていた心がまだかすかだけど確かに生きていたことに気づく流れが最高に高まる。孤独を知ったから強くなれるというのは初期よりも深みが増している。これ以降抑えた曲調が増えていくので、ここらあたりが1つの区切りだったのかなという気はする。
★★★★☆
4thアルバム『ユグドラシル』(イントロ前にボーカル追加)
1stベスト『
BUMP OF CHICKEN T[1999-2004]

オンリー ロンリー グローリー


9th 車輪の唄
04年12月1日
これまでになかった軽やかなアコースティックナンバー。アルバムからのシングルカットで、さりげなく「Single Edit」とされていて新たな編集がされている。軽快な曲調なのでそこに身を委ねて流れるように聞いているとどこが違うのかよく分からないが「おととい買った大きな鞄〜」の部分からアルバムには無かったコーラスがウ〜ウ〜言っている、と教わって聞いてみたら確かにそうだった。歌詞は物語調になっていて、主人公は早朝に君を自転車に乗せて駅へ向かい君は去っていくんだけど、何故そんな早朝に人知れず去っていくのか。夢のために家出に近い形での旅立ちなのだろうか?
★★★★☆
4thアルバム『ユグドラシル』(オリジナルバージョン)
1stベスト『
BUMP OF CHICKEN T[1999-2004]』(Single Edit)

車輪の唄


10th プラネタリウム
05年7月21日
バンドを抑えてシンセを導入したおとなしい曲調でシングルにしては地味な曲。同時期に大塚愛が同名の楽曲をヒットさせて代表曲にしていたので、やや影が薄くなった気はするけど何気にこの曲もチャートイン週数が妙に多い。自作したプラネタリウムに実在しない穴を空けて自分だけの星を作ってあれやこれや1人でやっているだけ。四畳半の自室で全て完結しているんだけど、限りなく広大な雰囲気もまとった不思議な曲。四畳半でここまでロマンティックな曲にしてしまうのが凄い。この歌詞の「君」=「実在しない穴を空けて出来た自分だけの星」だと思うんだけど、これを人間だと解釈すると、「君をついに閉じ込めた」から先が相手を拉致監禁した危ない犯罪者の曲になってしまい、「触れることをあきらめてた」「やめとけばよかった」「いつだって見付けるよ君の居場所は」という歌詞も全く別のリアルな響きを持ち始める。
★★★☆☆
5thアルバム『orbital period
2ndベスト『
BUMP OF CHICKEN U[2005-2010]

プラネタリウム


11th supernova/カルマ
05年11月23日、12月14日
1ヶ月後に「カルマ」を1曲目に入れ替えたテイルズ仕様の限定盤が発売された。今回はシークレットトラックが異なるため、時間差2パターン複数商法。タイアップ効果と時間差複数商法によるロングヒットで「天体観測」に続く売上を記録した。

supernova
静かに始まりどんどんクレッシェンドしていく大作。些細な事から色々な事に気づき前に進んでいく比較的淡々とした曲だが、ラララパートなど合唱的要素もあってライブではそれなりに一体感が生まれそう。だいぶ"聞かせる"バンドに成長した事を感じる曲でもある。
★★★★☆
5thアルバム『orbital period
2ndベスト『
BUMP OF CHICKEN U[2005-2010]

カルマ
ゲーム「テイルズ オブ ジ アビス」テーマ曲。このシングルが自身2番目の大ヒットになり、O社年間チャート9位という大ヒットになったのは、たぶんこのタイアップと曲のウケが非常に良かったからだと思う。当時チャート番組を全く見ておらず、「今週のチャート」を毎週書いているだけで、このシングルがロングヒットしているのもあまり把握していなかったので、後でずば抜けて売れた事を知って驚いた。BUMPらしい疾走感のある曲だが、歌詞に関してはこれまでよりも分かりにくいというか、共感しにくいんだけどこれはゲームの世界観を表現しているからなんだろう。
★★★★☆
5thアルバム『orbital period
2ndベスト『
BUMP OF CHICKEN U[2005-2010]

supernova / カルマ カルマ / supernova


12th 涙のふるさと
06年11月22日
リアルタイムで聞き始めた最初の曲。大学の当時の友人がBUMPにハマっていてその影響で聞き始めた。ワンピースでもテイルズでも三丁目の夕日でもFFでもなく今作のCMを見たわけでもないという、実にマイペースな入り方だったが最初に聞いたのがこの曲で良かったと思うくらい感動的な気分になり、今でもけっこう好きな楽曲。リュックしょってるので実際に旅に出たようにも思えるけど、自分の心の中で旅をして知らない自分に出会えたみたいなイメージ。懐かしさと少しの感傷が味わえる名曲だ。
★★★★☆
5thアルバム『orbital period
2ndベスト『
BUMP OF CHICKEN U[2005-2010]

涙のふるさと


13th 花の名
07年10月24日
映画「ALWAYS 続・三丁目の夕日」主題歌。映画をじっくりじんわりと締めるスローバラード。誰かにとって大切であればそれだけで十分なわけで、同じ花をテーマにして不特定多数の他者に対してもオンリーワンである事を掲げた某曲よりも圧倒的に表現がうまくてすんなり受け止められる歌詞だと思う。
★★★★☆
5thアルバム『orbital period』(ストリングスカット)
2ndベスト『
BUMP OF CHICKEN U[2005-2010]

花の名


14th メーデー
07年10月24日
同時発売。個人的には疾走感があってBUMPらしいイメージのこっちの曲の方が好きだったが、タイアップ効果もあって「花の名」の方がヒットしていた。5月のメーデーではなく、救難信号のメーデーの事。深く沈んだ状態から浮上していく時に聞きたい1曲。
★★★★☆
5thアルバム『orbital period』(前曲「星の鳥」とイントロが繋がっている)
2ndベスト『
BUMP OF CHICKEN U[2005-2010]

メーデー


15th R.I.P./Merry Christmas
09年11月25日
08年はC/W集のみの発表で2年ぶりの新作シングルとなった。スリーブケース入り仕様。

R.I.P.
子供の頃の情景を断片的に並べた平メロの歌詞がノスタルジー全開なのでむしろその部分の方が好きな曲。この曲が言いたいことはノスタルジーではなく、今一緒にいる君は過去の情景の中にはいなかったということであり、だからこそ今を大切にしようという事。ロマンチック。アルバム収録の際は何故か冒頭のサビがバッサリカットされた。
★★★★☆
6thアルバム『COSMONAUT』(冒頭サビカット)
2ndベスト『
BUMP OF CHICKEN U[2005-2010]

Merry Christmas
唯一のオリジナルアルバム未収録A面曲。シンプルなアコースティックで始まり、いかにもクリスマスらしい装飾やバンドサウンドで派手に盛り上がっていくザ・クリスマスソング。ここのところ必ず特定の大切な人がそばにいるようなシングルが続いていたのに、この曲の主人公は1人。クリスマスにラブラブかもしくはその逆の君が来ないさいれんないほーりーないといった定番は回避したかったということか。やさぐれる事無く優しい気持ちになりたいと歌っており、マッキーの「雪に願いを」にも通じるようなテーマになっている。「花」をテーマにした曲ではBUMPの方が好きだが、クリスマス1人だけど優しくありたい曲に関してはマッキーの方が好き。
★★★☆☆
2ndベスト『BUMP OF CHICKEN U[2005-2010]

R.I.P. / Merry Christmas


16th HAPPY
10年4月14日
友人に対して書いた曲をされているが、自殺まで考えた絶望している人に向けて、生を肯定しているような曲に思える。中盤過ぎから急にハッピーバースデーとかリフレインしまくるのも、急に誕生日を祝い始めたのではなく、ここから生まれ変わって進んでいこうという事だろう。それほど相手の絶望が深いところから救い上げる内容なんだけど、サビでの盛り上がりもあまり強くなく、やや長さを感じる曲。歌詞は本当に響いた。ぶっちゃけリリース当時はHPゼロの療養状態にあり、無色無職。まさに「健康な体があればいい」を痛いほど痛感していた。これは完全に人生詰んだなと狭い視野の中でかつて救われた「ハルジオン」すら1ミリも響かない状態になっていたが、この曲を聞いて生きることを肯定してもらえた気がした。当時の状況にシンクロしていなければそこまで好きな曲にはなってなかったと思うけど、本当にドンピシャだったからかなり思い入れが強い。
★★★★☆
6thアルバム『COSMONAUT
2ndベスト『
BUMP OF CHICKEN U[2005-2010]

HAPPY


17th 魔法の料理〜君から君へ〜
10年4月21日
2週連続リリース。夢がかなった現在の自分から過去の自分への手紙のような楽曲。感動的な曲ではあるけど、共感は一切無し。当時「HAPPY」に救われるような状態だったので過去の自分へ夢は叶うよ!なんて言えるはずも無く。この曲を過去の自分に送れるようになる日はまだ先だがそう遠くもないだろう。
★★★☆☆
シングルバージョンアルバム未収録
6thアルバム『COSMONAUT』(イントロ追加)
2ndベスト『
BUMP OF CHICKEN U[2005-2010]』(イントロ追加)

魔法の料理 ~君から君へ~


18th 宇宙飛行士への手紙/モーターサイクル
10年10月13日

宇宙飛行士への手紙
歌詞の構成がやや「R.I.P.」と被るところもあるんだけど、アレンジから圧倒的に感じられる宇宙っぽさや、メロディー展開など個人的にはBUMPの集大成のような最高傑作だと思う。
★★★★★
6thアルバム『COSMONAUT
2ndベスト『
BUMP OF CHICKEN U[2005-2010]

モーターサイクル
大作ばかりの中で久々にガツンとした短い楽曲。ただ歌詞の情報量はかなり多く、早口で詰め込みまくり。散々あれこれ歌った後で「大したこと言ってない」とか「無視してくれてもいい」とか歌って締めてしまう。少し突き放した感じだが、考え過ぎてもしょうがないし、誰かの用意した答えに乗っかってもしょうがないし、進むっきゃないという事なんだと解釈した。
★★★☆☆
6thアルバム『COSMONAUT
2ndベスト『
BUMP OF CHICKEN U[2005-2010]

宇宙飛行士への手紙 / モーターサイクル  

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