LINDBERG 1993-1995レビュー
徳間JAPAN在籍時まで。93年以降LINDBERGはマイナーチェンジを図っていく。ロックサウンドから徐々に落ち着いたサウンドへ移行。歌詞も応援歌的なものは減りラブソング中心へ。ところがその路線はとどまることを知らずにどんどんとおとなしくなっていってしまう。おとなしくなりすぎた極地である95年までを振り返る。
13thシングル 胸さわぎのAfter School
93年3月17日
最初のベスト盤を挟んで1発目のリリース。ベスト盤でリメイクした曲がどれもより攻撃的なサウンドになっていたのでロックバンドとしてより洗練されていくのかと思いきやどういうわけかやたらポップな方向へ向かった。OLが学生時代を思い出してあの頃は全てが輝いていた…と懐かしく思うという歌詞なのだが、"何かが足りない"とか"終電の窓にうつる ゆううつな瞳"とか歌ってる割には曲調が明るすぎでほとんど何も響いてこない。4thアルバム終盤で見せたあの感傷はどこ行ったんだよ…。しかもこれが進研ゼミ中学講座のCMタイアップっておい。親世代か?契約するのは中学生じゃなくてその親だから親世代に訴えかけたのか?このCMタイアップ効果なのかLINDBERGとしては2度目の50万枚突破作品であり、最終的にも2番ヒットになったものの何故にこれが2番ヒットなのか…。
★★★☆☆
6thアルバム『LINDBERGY』
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERU』
3rdベスト『LINDBERG BEST FLIGHT RECORDERV』
5thベスト『WORKS COMPOSER'S BEST』
6thベスト『BEST OF SINGLES』
7thベスト『FINAL BEST』
9thベスト『Supporters' songs』
10thベスト『SUPER BEST』
11thベスト『BEST FLGHT』
12thベスト『LINDBERG★BEST』
20周年リテイクベスト『LINDBERG]]』(09年再録音)胸さわぎの After School / Be My Valentine
14thシングル 会いたくて-Lover Soul-
93年6月18日
6thアルバム『LINDBERGY』と同時発売の1曲入りアルバムリードシングル。ポップ路線へ転向したこのアルバムの中では一番これまでのLINDBERGの色を引き継いだ曲調になっているが歌詞はラブソングになっている。歌詞はそこまで思うところはないもののけっこう好きな1曲。うまくポップ路線とこれまでの勢いが融合していてサウンドもメロディーも程よく爽快。
★★★★☆
6thアルバム『LINDBERGY』
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERU』
3rdベスト『LINDBERG BEST FLIGHT RECORDERV』
5thベスト『WORKS COMPOSER'S BEST』
6thベスト『BEST OF SINGLES』
7thベスト『FINAL BEST』
10thベスト『SUPER BEST』
11thベスト『BEST FLGHT』
12thベスト『LINDBERG★BEST』
1stライブ盤『Lindy Wingding』
15thシングル 想い出のWater Moon/君に吹く風
93年8月11日想い出のWater Moon
6thアルバム『LINDBERGY』からのリカット。ポップ路線転換の象徴のような曲でこれまでの攻撃的な姿勢はなくなり伸びやかなサウンド。この伸びやかさは今までになかったもので改めて勢いだけでなくメロディーの良さに浸れる曲。地味ながらいい曲だが別にシングルカットまではしなくても良かったんじゃ…。
★★★☆☆
6thアルバム『LINDBERGY』
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERU』
4thベスト『LINDBERG BESTU FLIGHT RECORDERW』
5thベスト『WORKS COMPOSER'S BEST』
7thベスト『FINAL BEST』
11thベスト『BEST FLGHT』君に吹く風
同じくシングルカットだが、何でこっちが2曲目?普通に考えて逆だろこれ!!というくらいにファン人気にも大差がある大名曲。ポップ路線になったLINDBERGの金字塔的楽曲だ。失恋ソングとして抜群の切なさが感じられるのがグッド。ちなみにモーニング娘。だった飯田香織が自身のラジオでこの曲が好きだといって番組でかけているのを聞いた事がある。
★★★★★
6thアルバム『LINDBERGY』
15thシングルC/W
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERU』
4thベスト『LINDBERG BESTU FLIGHT RECORDERW』
5thベスト『WORKS COMPOSER'S BEST』
7thベスト『FINAL BEST』
11thベスト『BEST FLGHT』
11thベスト『BEST FLGHT』('98 LIVE VERSION)
1stライブ盤『Lindy Wingding』
I Love You
アルバム冒頭を飾った曲。新しいことをやってみようといろいろ試行錯誤している感が出ている曲。曲調も少々ひねくれているがそこに聞き応えがある。渡瀬マキが初めてファルセットを展開させるなどのチャレンジも。なんだかんだ6thアルバムは大きな転換点になったがまだ攻めの姿勢は感じる1作だった。
★★★★☆
6thアルバム『LINDBERGY』
1stライブ盤『Lindy Wingding』
16thシングル だってそうじゃない!?
93年10月22日
1曲入りシングル。LINDBERGの中でも屈指の攻撃的なロックサウンドが炸裂する楽曲。PVではジェットコースターにカメラを仕掛けて迫力ある映像になっているが渡瀬マキだけ素で怖がってる。アルバム『EXTRA FLIGHTU』ではBurning down the chainのサブタイトルがついて大幅なリアレンジが施された。エレキが鳴りまくる原曲から180度転換したおとなしいアレンジにされている。このアルバムだけは当時リアルタイムで聞いていたため、この曲もアルバムバージョンがスタンダードになったまま10年近くが経過。まさか原曲があんなにロックだとは知らず、01年頃にベスト盤を聞いたときは(ベスト盤では全てシングルバージョン収録)あまりにロックなのに驚いた。同時にメチャメチャカッコエエーーーー!!と一気にファンになった。またサビではなく平メロを聞くと93年当時からどこかとても懐かしい気持ちになるのは何故だろう?
★★★★★
2nd臨時アルバム『EXTRA FLIGHTU』(別アレンジ)
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERU』
3rdベスト『LINDBERG BEST FLIGHT RECORDERV』
5thベスト『WORKS COMPOSER'S BEST』
6thベスト『BEST OF SINGLES』
7thベスト『FINAL BEST』
10thベスト『SUPER BEST』
11thベスト『BEST FLGHT』
1stライブ盤『Lindy Wingding』
17thシングル 大キライ!/二人きりで行こうよ
93年11月22日大キライ!
アニメ「平成犬物語バウ」OP。1年間ゴールデンタイムで放映された犬が主人公のアニメ(90年代は日曜やテレ東以外でもゴールデンタイムはアニメタイムだった)。飼い主の少女とその家族がバウが巻き起こす騒動に巻き込まれるというような話だった記憶がある。リアルタイムでアニメを見ていたので主題歌のこの曲も覚えた。それで親が収録されたアルバム『EXTRA FLIGHTU』を借りてきたのだがLINDBERGとの出会いだった。シングルVer.では冒頭とラストにバウの鳴き声(声優が演じている)が入っているが、アルバムではカットされていたので何かが足りないと感じた記憶がある。歌詞の方はひたすら大キライなアイツへの文句を連ねており、ほとんどアニメ無関係。ただアニメというのを意識したのかけっこうポップな感触だ。個人的に思い入れが強い楽曲ではあるが…『SINGLES』に機械的に収録されたっきりベスト盤オールスルーって酷くないか…。サウンドはポップとロックの中間。ひたすら相手をけなしまくるという歌詞がなかなか強烈。大嫌いだとわざわざ言いまくる曲はしばしばその裏返しで大好きというのが定番で、後につんくは大嫌いを連呼した後に大好きで締めるという某曲を制作したが、渡瀬マキはそんなツンデレな事はしない。大サビでようやく今どこで誰といるのかを気にするもののその締めは電話くらいしなさいよとあくまでキレ気味なのがポイントだ。
★★★★☆
2nd臨時アルバム『EXTRA FLIGHTU』(バウの声をカットしたアルバムバージョン)
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERU』(バウの声入りシングルバージョン)二人きりで行こうよ
こちらはアニメのED。記憶では最後までこの曲がEDだったと思っていたが、EDは途中で別の歌手のものへチェンジしていたらしい。バウの最終回は覚えている(歩道橋の上からバウが落下。長距離トラックの荷台に落ちてそのまま何処へと去っていってしまう)のだがED変わっていたとは…。ミディアムテンポのラブソング。これが個人的には原点なので当時はあまりそんな気はしてなかったが、ひたすらポップな雰囲気はLINDBERGとしては新境地だったのかもしれない。しかしこのシングル収録の2曲がLINDBERGとの出逢いだったのに、機械的にシングル収録した『SINGLES』以外のベスト盤オールスルーって何この不遇っぷり…。
★★★★☆
17thシングルC/W
2nd臨時アルバム『EXTRA FLIGHTU』
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERU』
18thシングル 夢であえたら/とびきりの夜
93年12月1日夢であえたら
『EXTRA FLIGHTU』冒頭曲でクリスマス限定でシングルカットされた。その際に冒頭にコーラスが追加されたX'mas Special Remixが施された。アルバム自体がアコースティックサウンドやピアノをふんだんに取り入れてエレキギターを抑えているのだがこの曲はその典型。非常にポップに仕上がっている。メロディーの圧倒的な良さに浸れる名曲。ここまでの3シングルはリアルタイムだったのでどうしても後追いの他の曲(14th、15thアルバムは再びリアルタイム)とは思い入れに差が出てしまう。
★★★★★
2nd臨時アルバム『EXTRA FLIGHTU』
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERU』(X'mas Special Remix)
4thベスト『LINDBERG BESTU FLIGHT RECORDERW』
6thベスト『BEST OF SINGLES』
7thベスト『FINAL BEST』
11thベスト『BEST FLGHT』
1stライブ盤『Lindy Wingding』とびきりの夜
クリスマスソングでタイミングが合っていたためこの曲もカットされた。同じくX'mas Special Remixになり、よりクリスマスっぽい装飾音が追加されている。今年は別れてしまい1人、来年こそは!と燃えるOL(?)が主人公。OLの日常的な歌詞の典型ポップソング。
★★★★☆
2nd臨時アルバム『EXTRA FLIGHTU』
18thシングルC/W(X'mas Special Remix)
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERU』(X'mas Special Remix)
1stライブ盤『Lindy Wingding』夢であえたら-Do you love me?- / とびきりの夜
19thシングル GAMBAらなくちゃね
94年3月16日
初期からの応援歌路線を引き継いだ最後のヒット曲。完全におとなしくまとまってしまった『LINDBERGZ』においてもこの曲の疾走感だけ勢いがずば抜けていた。この曲がこれまでと違うのはサビで歌われているように"さがしてたダイアモンド見つけたけれど"と主人公は目指しているものは入手しているということである。到達した後の寂しさ、そしてそれでもがんばらなくてはいけないという応援歌は一歩進んでいる気がしなくもない。というか多忙を極めていた当時の渡瀬マキの心境そのものなのかもしれない。タイアップは進研ゼミ中学講座。前回よりはマシだけど、これからダイヤモンド見つけにいく中学生相手に見つけた後の曲というのはやはり少し違う気がしなくもない。TOKIOの長瀬智也はMステでMy応援歌としてこの曲を挙げていた。その長瀬がLINDBERGの精神を引き継いで進研ゼミのCMソングを歌った(1度目のTOKIO進研ゼミタイアップの『ボクの未来』は渡瀬マキ作詞。小柳昌法が編曲、2度目「明日を目指して!」では長瀬自ら作詞作曲編曲)のが感慨深い。
★★★★★
7thアルバム『LINDBERGZ』
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERU』
3rdベスト『LINDBERG BEST FLIGHT RECORDERV』
5thベスト『WORKS COMPOSER'S BEST』
6thベスト『BEST OF SINGLES』
7thベスト『FINAL BEST』
9thベスト『Supporters' songs』
10thベスト『SUPER BEST』
11thベスト『BEST FLGHT』
2ndライブ盤『FINAL FLIGHT』
20周年リテイクベスト『LINDBERG]]』(09年再録音)
20thシングル 清く正しく行こう
94年5月18日
「昨日より今日より明日こそもっと素敵になるために」と前進し続けるための歌。ややポップな雰囲気でちょっと方向性に迷っているところがしっくりこない部分ではあるんだけど歌詞はけっこういい事を言っている。地に足をつけた応援歌という感じか。
★★★★☆
7thアルバム『LINDBERGZ』
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERU』
4thベスト『LINDBERG BESTU FLIGHT RECORDERW』
6thベスト『BEST OF SINGLES』
7thベスト『FINAL BEST』
11thベスト『BEST FLGHT』
Cute or Beauty
「GAMBAらなくちゃね」のC/Wでもあった7thアルバム冒頭曲。「めざましテレビ」の初代テーマソング。ポップ化が進んでかわいらしい雰囲気にまでなっている。渡瀬マキとしては"BeautyよりCuteのほうがドラマでも不思議と勝つでしょ"ということでCuteに仕上げている。ボーカルもこれまでとは違ってきてキュート系になってみたりも。ある意味でここからしばらくのバンドの進む路線を宣言した曲ともとれる。路線としては苦手なんだけどわりとサウンド面が意欲的なのでけっこう好きな曲だ。
★★★☆☆
19thシングルC/W
7thアルバム『LINDBERGZ』
2ndベスト『SINGLES FLIGHT RECORDERU』
21stシングル さよならをあげる
95年3月16日
低迷した95年を象徴するようなすっかり守りに入ってしまったようなアップテンポなのに全体的におとなしい印象の曲調。最初にベスト盤で聞いたときは全然好きじゃなかったのだが、聞き込むとこれはこれで悪くない気もする。"さよならをあげる"と自分から別れを切り出していろいろ理由をつけたり"大丈夫だから"などと強がっているが、最後には"憶えていて"などと歌っておりかなり未練がましい。PVがロンドンレコーディングでのロンドン映像と、田園映像の2パターンも存在するのが謎。
★★★☆☆
8thアルバム『LINDBERG[』
4thベスト『LINDBERG BESTU FLIGHT RECORDERW』
7thベスト『FINAL BEST』
11thベスト『BEST FLGHT』
22ndシングル 水着とBeachとBoys
95年5月2日
徳間JAPAN時代最後のシングルにして初の怪作。「もっと愛しあいましょ」での暴走の前哨となったおふざけ&かわいらしさ全開ソング。アルバムでも張りのないかわいらしい声での曲が増えてきていたがこの曲以上のものは無く、そんな曲をシングルにする判断が凄い。平メロでは普通の喋りとメロを行ったり来たりしてラストでは「追伸 来年こそは〜」などと語りまで入ってしまう。遊び心なんだろうけど人気の落ちてきたこの時期にこっちへ向かってしまうのはムチャだし、見事にコケてしまったものだから目も当てられない。ベスト盤に完全スルーされているのも納得。つーかここで徳間時代が終わるんだったら『SINGLES』の発売を半年延期すれば徳間時代のオールシングルコレクションに出来たのに…。
★☆☆☆☆
8thアルバム『LINDBERG[』
Ring My Bell
「水着とBeachとBoys」C/Wにして「めざましテレビ」2期テーマ曲。この曲はタイトルは記憶にあったが曲は覚えていなかった。淡々とした曲で姿勢は「Cute or Beauty」よりはロックなんだけど凄い守りの姿勢で小さくまとまっている印象。もうちょっとガツンとしたサウンドにすればかなり化けるとは思うんだけど…。この頃には確か「めざましテレビ」を見ていたはずなのに"朝学校に行く前の憂鬱と共にある曲"として覚えているのは翌年の森高千里の「ララサンシャイン」以降。
★★☆☆☆
22ndシングルC/W
8thアルバム『LINDBERG[』
5thベスト『WORKS COMPOSER'S BEST』
きっと銀の針のような雨が
8thアルバムのシングル2作よりもベスト盤によく収録され、初期を除くアルバム曲の中では最上位クラスで扱いがいい曲。それだけずば抜けている…とは思わないがそこそこ耳に残るバラード曲。個人的にはかったるくて当初はあまり好きになれなかったが、バラードの中では代表的な1曲だと思えるようになった。
★★★☆☆
8thアルバム『LINDBERG[』
3rdベスト『LINDBERG BEST FLIGHT RECORDERV』
5thベスト『WORKS COMPOSER'S BEST』
7thベスト『FINAL BEST』
10thベスト『SUPER BEST』
11thベスト『BEST FLGHT』
2ndライブ盤『FINAL FLIGHT』