第113回 Mr.Children 1996-2000 レビュー+

バンド(というか桜井)が苦悩の時期に差し掛かり、難解な曲が増えたのがこの時期である。同時に小林武史の影響が最も少なく(というか当時の小林がピアノやストリングスにこだわっていなかったというのもある)、ロックバンド色が強くなっていたのも特徴。『深海』リリース後は、『深海』が何かと引き合いに出され、深海脱出か?という言葉は以降の作品で何度も議論される頻出ワードとなった。

10thシングル 名もなき詩
96年2月5日
ドラマ「ピュア」主題歌。2番目のヒット作。オリコンでは年間1位だが、「CDTV」では僅差だったglobeに1位を譲って2位。初動120万枚は当時から2011年まで続いた歴代1位記録。その後AKB48に続々塗り替えられてしまったものの、現在も1種発売としては歴代1位。ただし当時、水曜発売が一般化しておらず、集計方法は前週に不利な状態でランクインしてしまう分をランクインさせずに次週へ繰り越す方法を取っていた。このためこの曲の場合は9日間ほど集計されているので120万枚という数字自体は当時から公平ではなかった。ジャカジャ〜ンとGコードが延々続くシンプルなイントロからバンドサウンドが前面に出て果てしなく盛り上がっていく。最早名曲としか言いようがない圧巻の名曲。一方でジャケ写が超絶に不気味。御覧の通り、桜井のベロに「NO NAME」と書いてあるだけで曲の正式なタイトルすら書いてない。中には桜井が目をひん剥いたような写真が連発で使われており、気持ち悪いことこの上ない。さわやかなジャケットだったらもっと売れてたのでは。
★★★★★
5thアルバム『深海
2ndベスト『
MR.CHILDREN 1996-2000
8thアルバム(ライブ盤)『
1/42』(ライブバージョン)

C/W また会えるかな
一転してほのぼのした初期っぽい雰囲気の曲。見た記憶が無かったが、CMタイアップがついていたのでC/Wでは有名な方のだろうか?この曲の「Hey Hey Hey」の部分はアルバム『深海』の「Making Songs」の中の素材の1つとして使用されている。バンドの空気がどん詰まりになっていっていた時期にほのぼのと歌われていたのでほっとできる曲調。しかし当時はこのタイトルから逆に解散を心配されたという話も。今作を最後にA面曲カラオケバージョンの収録が終了する(「ヨーイドン」除く)。
★★★☆☆
14thアルバム(C/W集)『B-SIDE

名もなき詩


11thシングル 花-Mement Mori-
96年4月10日
死を想えという副題は藤原新也の著書から引用。1曲のみ500円形態でのリリース。今回はカラオケも入っておらず、このままカラオケ収録が廃止になった。スピッツの「チェリー」と同時発売で、「チェリー」を抑えて1位を獲得。だが「チェリー」も4週目で1位を獲得するという超絶なデッドヒートになり、最終累計は10万枚ほど「チェリー」が上回った。暗い雰囲気は漂うが「負けないように枯れないように」と芯の強さも感じるこれまた名曲。大サビでは一転してかなり激しいロックサウンドが炸裂する。『深海』のサウンドに通じているどっしりしたバンドサウンドが印象的。この辺りの音像はNYのウォーターフロントスタジオでのヴィンテージ機材による録音の賜物か。モノクロのPVの印象も強い。
★★★★★
5thアルバム『深海
2ndベスト『
MR.CHILDREN 1996-2000
8thアルバム(ライブ盤)『
1/42』(ライブバージョン)

花 〜Memento-Mori 〜


シーラカンス
深海に「Dive」してそのまま続いているアルバム2曲目。暗い歌いだしでシーラカンスに呼びかけると、一転してエレキギターが単独で鳴り響き、続いてリズム隊が入ってくる。このどっしりしつつもくすんだようなサウンドがこの時期の特徴だが、これがまた素晴らしい。ジャーンジャンジャッ、ジャジャンジャンジャジャ、ジャーンジャジャンジャズダダドダドダとギター→ドラムが入ってくる部分が個人的に物凄く好きな部分で、ミスチルが
4人組ロックバンドであることを再確認することが出来る。徐々に盛り上がっていくが、ラストではバンドがフェードアウトしていき、やがてピアノの演奏に切り替わるとそのまま次曲「手紙」へ繋がる。
★★★★☆
5thアルバム『深海


ありふれたLove Story〜男女問題はいつも面倒だ〜
個人的には『深海』のアルバム曲でベスト盤向けだったのはこの曲だったんじゃないかと思う。少し前の甘酸っぱい恋愛を歌っていたのが嘘のように出会って燃え上がりやがて冷め切って別れるカップルの顛末が描かれる。徹底的にあの頃のラブソングを否定するかのようだ。当の桜井本人が
男女問題の面倒さに巻き込まれていた時期と思われるが、わざとしゃがれた歌い方をしたりと投げやり感がハンパ無い。それでもラストでは「進め」と強引に前向きに締める。
★★★★☆
5thアルバム『深海


Mirror
ベスト盤に唯一収録されたのはアルバムで最も穏やかなこの曲。…だったが本当に
休憩のような隠れた小曲であり、裏ベストとかならまだしも正規のベスト盤に入れるような曲だったとは思えない。ベスト盤リリース当時は何かと『深海』が引き合いに出され続けていたのでそういったエッセンスはなるべく排除し、こういう軽やかな曲もあるんだよと言う事を示したかったのかも。ライナーにもそんなような事が書いてあるし。
★★☆☆☆
5thアルバム『深海
2ndベスト『
MR.CHILDREN 1996-2000


深海
アルバムラストを飾るタイトルチューン。「今じゃ死にゆくことにさえ憧れるのさ」というフレーズが出てきたりとかなり暗めで鎮魂歌っぽくもあるが穏やかにシーラカンス=自分の心の奥深くに向けて再び歌いかける。終盤ではけっこう派手に盛り上がるも、どこか完全に「深海」に居座ってしまったかのような重い空気も漂う。最後に入っている音はさらに深く潜る音なのか、浮上する音なのか…。
★★★☆☆
5thアルバム『深海


12thシングル マシンガンをぶっ放せ-Mr.Children Bootleg-
96年8月8日
3曲入り初のマキシシングル。5thアルバム『深海』からのシングルカット「マシンガンをぶっ放せ」と未発表の2曲が収録された。ジャケットには『Mr.Children Bootleg』としか表記されていない。『マシンガンをぶっ放せ-Mr.Children Bootleg-』という表記は背文字の部分のもの。シングルカットということもあって1位は獲得したが『CROSS ROAD』から続いていた連続ミリオンは途絶えた。

マシンガンをぶっ放せ
ベスト盤未収録のシングル曲の1つ。アルバムでは次の曲へ繋ぐヘリの音が曲ラストに被っている。このため完全に独立しているバージョンはシングルでしか聞けないが、アレンジが違うわけではない。『深海』期を象徴するような曲で、社会に向けて(?)マシンガンをぶっ放している様子は初期の面影皆無。当時はかなり驚かれたのではないだろうか。最初はそんなに好きじゃなかったのだが現在ではけっこう好きな曲の1つ。
★★★★☆
5thアルバム『深海

C/W Love is Blindness
当時桜井は現在の奥さんと不倫関係にあったとされているが、この曲の内容はその状況を肯定するというか開き直ったかのような雰囲気。『深海』の空気そのままに何ともヘビーな雰囲気が漂う。とにかくどん詰まり度MAXで重い。
★★★☆☆
14thアルバム(C/W集)『B-SIDE

C/W 旅人
ミスチル全楽曲の中でも最も4人でミスチル感の出たシンプルなロックバンドサウンド。この時期にしてはかなり爽快感のある曲調が気持ちいい。とはいえこの時期の他の曲同様に重たい空気の中で無理やり吹っ切れて前向きさを出しているようなどん詰まり感はある。個人的にC/W曲ではトップクラス。
★★★★★
14thアルバム(C/W集)『B-SIDE

マシンガンをぶっ放せ〜ミスター・チルドレン・ブートレグ


13thシングル Everything(It's you)
97年2月5日
ドラマ「恋のバカンス」主題歌。個人的にはチャートを見始めて初めてリアルタイムでヒットしたミスチルを見た最初の曲(それ以前は街で流れていて耳には残っていたレベル)。サビの「STAY〜♪」が印象的なラブソング。とにかくひたすらに愛を歌っている曲。中1の頃(発売時は小6で、4月から中1)、ミスチルファンの友人が「この曲は桜井さんが奥さんに向けて書いた歌なんだ」などと豪語していたがこの後に判明した事実を考えると(不倫→離婚→再婚)それは間違いだったようだ。そしてこの頃はメンバー全員が1年以上床屋に行ってないだろ?というくらいモッハモハの長髪になっていた。ベストのライナーではハードロックとか形容してるけどそこまでロックではないような気もする。とはいえ間奏にギターソロがある、というのはミスチルの中ではロック、かも。
★★★★☆
6thアルバム『BOLERO
2ndベスト『
MR.CHILDREN 1996-2000
8thアルバム(ライブ盤)『
1/42』(ライブバージョン)

C/W デルモ
モデルの視点で歌った職業哀歌。女言葉になっているのが珍しいが、モデル的には大きなお世話のような気も…。「涙 モデル」などと韻を踏んでいるのだが最後の最後は「水泳大会のおりも政夫」という意味不明な歌詞で終了する。おりも政夫ってなんだ?70年代の男性アイドルの名前を出されても、インターネットも無い時代(普及してない)、誰の事だかさっぱり分からなかった。ラストのコーラスでも「デルモ」に交じって「おりも」を連呼するなど完全に遊んでいる。サウンド的にソウルっぽい感じで異色。元からC/Wは実験場のような曲が多かったが、この辺りから更に実験サウンドが増えていく。
★★☆☆☆
14thアルバム(C/W集)『B-SIDE

Everything(It's You)


タイムマシーンに乗って
しゃがれ気味の声で歌われるロックナンバー。ミスチルロック路線の中でも、最高峰の1曲。歌っている内容は過去の偉人に歌いかける内容になっているが、生と死が同列で扱われていたりと、かなり苦悩がにじみ出ている感じで重たい。間奏以降のスケールの大きい展開は小林武史的だけど、この頃は本当に天才だったなぁ…。
★★★★★
6thアルバム『BOLERO


ALIVE
打ち込みが多用された曲。
環状線で帰宅中から始まるが最終的にはあらゆる国境を越えていく。夢が無くても希望が無くてもやがてどっかで光が指すから生きていこう(超訳)という曲。チャートに溢れたこの手の曲はこういった根拠のない希望がもっと絶対的な希望として歌われるものだが、そういった空気皆無。ほとんど期待してない希望。ほとんど目線は死に向かっているのにギリギリのところで生を選択しているかのような切迫感がある。この時期を象徴する曲ではあるし、ミスチルとしてもかなり面白いアプローチの曲ではあると思うけど、『BOLERO』内は他にも好きな曲があるのでこの曲だけしかベストに入ってないのは残念。
★★★☆☆
6thアルバム『BOLERO
2ndベスト『
MR.CHILDREN 1996-2000


幸せのカテゴリー
初期よりはロックテイストが強いが、初期っぽい明るい作風の1曲。歌われているのは
別れであの頃とは違う観念が芽生えているように思えるが、テイストが初期っぽいので『深海』以降押しつぶされそうな空気の中で1番落ち着くのはこの曲だと思う。個人的な好みでは「タイムマシーンに乗って」だけど、ベスト盤に「Mirror」を入れるくらいポップさを意識するならこれは最高の楽曲だったのでは。
★★★★☆
6thアルバム『BOLERO


14thシングル ニシエヒガシエ
98年2月11日
ドラマ「きらきらひかる」主題歌。活動を再開したわけではなく、活動休止中にリリースされたという扱い。そのため曲だけがリリースされ、TV出演等もせず、PVでも偽者が歌っている(わずかに桜井だけ出演)。元々は覆面バンドとしてリリースする計画もあったと言われている。ジャケットの巨体ババァは女装したおっさん。桜井は休止中に自宅にPro Toolsを導入したとされているが、Pro Toolsの使い方を覚えた桜井がそれを生かして色々な音を編集して作ってみました的な1曲。実際頬をたたいた音がサンプリングされて使用されていると明かされている。後にも先にもこの手のサウンドは出てきていないほどの実験的な楽曲でこれまでのようなヒット性は皆無。GLAYやラルクの台頭などもあり、1年の間に時代は変わっていた。60万台まで売上を下げ、ミスチルのトップ時代は終了したと痛感せざるを得ない事態に。ミスチルファンの友人はドラマを見ていなかったので聞かずに発売日に張り切っていた。俺はドラマは見ていなかったが事前に聞いてあまりに今までと違う印象を受けた事を伝えたのだが彼は聞かなかった。その頃、俺は猿岩石のファンで新曲「君に会いに行こう」を買っていた。この友人は今さら猿岩石なんて…と散々バカにしてくれたものだった。翌日、待望のミスチル新曲を聞いた彼は死んだ目で言った。「終わった」。この直後にクラス替えがあってその友人と話す機会は無くなってしまったが、彼は今もファンを続けているだろうか。
★★★☆☆
7thアルバム『DISCOVERY
2ndベスト『
MR.CHILDREN 1996-2000
8thアルバム(ライブ盤)『
1/42』(ライブバージョン)

C/W ニシエヒガシエ EAST Remix
リミックス。クレジットによれば小林武史と藤井丈司がリミックスしている。この2人は桑田佳祐の1stアルバムを桑田と一緒に作った仲だが、どちらもリミキサー経験はほとんど無かったはず。歌は残してシンプルなリズムトラックでかなり抑えめな雰囲気になっている。特にこれといって思うところもない。
★★☆☆☆
14thアルバム(C/W集)『B-SIDE

C/W ニシエヒガシエ WEST Remix
こちらはエフェクトをかけた原曲通りに始まるのだが、歌が入る直前でキュロロロと状況一転。延々とインストモノになってしまう。最後にはリミキサーらしき人物の英語のセリフが入っている。全く歌が入ってないのでこれは正直何なのか意味が分からない。なお普通に上に開く仕様の8センチCDとしてはこれが最後だった。
★☆☆☆☆
14thアルバム(C/W集)『B-SIDE

ニシエヒガシエ


15thシングル 終わりなき旅
98年10月21日
ドラマ「殴る女」主題歌。ミスチル本格復活。このニュースを聞いてここから流れに乗ろうと決意。とりあえず過去作を聞いておこうと友人に旧作をいくつか借りて準備を始めた。すでに6thアルバム『BOLERO』や「ニシエヒガシエ」は借りて徐々に流れに乗り始めていたのだが「CROSS ROAD」「イノセントワールド」「名もなき詩」「花-Mement Mori-」などはこの直前にようやくちゃんと聞いている。そういうわけで発売日に買いに行った最初の1曲。ここから全CDをリアルタイム購入する事となる。再びミリオンを突破したがけっこうギリギリだったし、結局最後のミリオンになったし、同時期に出ていたSPEEDにも勢い的には負けていたように思う。非常に重たい曲調ではあるが励まされる歌詞、壮大な雰囲気にとにかく聞きまくった。聞いた回数はダントツ。後に中学の「3年生を送る会」で1,2年生が3年生へ送る歌としてこの曲が選ばれた。ただ7分に及ぶ楽曲は長すぎるので放送委員の努力により1番途中から一気に2番サビへつなぐというやや強引なカット作業が施された。当時の学校にはテープ再生機しか無かったはずなのでテープ録音でアナログな切り貼りの作業したものと思われる。しかも既にカラオケバージョンが無いので、普通の歌入りCDを流してそれにあわせてみんなが歌うという微妙な展開だった。印象としてはやはり中学時代を思い出す曲の1つだけど、その後も幾度となく励まされた名曲。
★★★★★+1
7thアルバム『DISCOVERY
2ndベスト『
MR.CHILDREN 1996-2000
8thアルバム(ライブ盤)『
1/42』(ライブバージョン)

C/W Prism
C/Wとしては1,2を争う名曲。アルバムの中でも実験的っぽい曲に囲まれながら存分に存在感を発揮している。「自分に嘘をつくのがだんだんうまくなっていく」とか活動休止で心機一転するのかと思いきや、余計重くなっている。とにかく憂鬱な曲で暗いのだが、引き込まれるところはある。このシングルも8センチだが作りが特殊になっており、もう1面開くようになっている。
★★★★☆
7thアルバム『DISCOVERY
ライブ盤『1/42』(ライブバージョン)

終わりなき旅


16thシングル 光の射す方へ
99年1月13日
アルバム3週前の先行シングル。タイトルだけで期待して買ったのだがとんでもなくマニアックな楽曲でぶっ飛んだ。「ニシエヒガシエ」に続いてPro Toolsでの編集が楽しくて仕方なかったんだろうなと思えるデジタルな実験サウンドだ。かなりマニアックながら2番までは一般的な曲構成で進むのにそこから終盤に向けてはボーカルは奥に引っ込んで加工されたり、ボーカルが左右にセパレートしたりとやりたい放題。最初はなんだこりゃ状態だったが聞きまくっていたら以外と慣れてきて当時からそこそこ好きな曲に。この時点で先述の友人よりもミスチル好き度が上回っていた気がする。俺の場合は友人と違って以前から聞いてなくてこの時期から聞き始めたのでそこまで以前のイメージに縛られていなかったのも良かったのかもしれない。しかし世間的にもほぼコケたような状態で初動32.8万枚にして累計45.6万枚。99年当時としては超急降下で圏外にすっ飛んでしまった。Mステでは「ストッキングを取って」の部分で先に「すっぽんぽ…!?」と叫んでしまうというミスをやらかし苦笑いしながら深々とお辞儀をしたのが記憶に残っている。
★★★☆☆
7thアルバム『DISCOVERY
2ndベスト『
MR.CHILDREN 1996-2000
8thアルバム(ライブ盤)『
1/42』(ライブバージョン)

C/W 独り言
アコースティックとコーラスメインの曲。ほとんど桜井1人で作ったような曲でコーラスもメンバーがやってくれなかったと後に語られている。複雑な曲を連発していた当時としてはリラックスして聞ける数少ない曲の1つだが、正直かなり地味。このシングルから3連続で横開きの仕様となった。
★★☆☆☆
14thアルバム(C/W集)『B-SIDE

光の射す方へ


DISCOVERY
アルバム1曲目を飾るヘビーでスローな曲。サビも無く、ひたすら1ブロックを繰り返していく。ブロック最後でDISCOVERY連呼しているが、何かを発見したとは到底思えない
暗黒な1曲。結局聞き終えて覚えているのはディスカバリーの連呼のみで虚ろな目で必死に見つけたと自分に言い聞かせているかのような重苦しさは『深海』『BOLERO』期を凌ぐ。
★★☆☆☆
7thアルバム『DISCOVERY
8thアルバム(ライブ盤)『
1/42』(ライブバージョン)


#2601
ミスチル全楽曲中
最強にハードロックな1曲にして『DISCOVERY』の中でライブ盤『1/42』に唯一外された曲。サビはかなりの高音シャウトで歌われ、最早ミスチルだとは分からないレベル。小林武史の存在感と関係性が少し薄くなっていたのはたぶんこの時期だけだと思う。このまま小林離れを加速させていたら全く違うバンドになっていたかもしれない。
★★★☆☆
7thアルバム『DISCOVERY


ラララ
穏やかな1曲。ラララではなく
「ホニャララ」だったらしいがメンバー全員の反対で「ラララ」になったらしい。あの部分がホニャ、ラ〜ラララ♪ホニャ、ラ〜ラララ♪とか歌われたら吹き出すしかないじゃないか。一体何を考えていたんだ。この曲では探しているものが歌われているが「簡単そうに見えてややこしく」とか曖昧なことばかり繰り返した挙句に「そんなラララ そんなラララ 探してる 探してる」と最早何を探しているのかすら見失ってね?という、曲調に反して迷走気味な歌詞が印象的。「Simple」という曲では探してたものはこんなシンプルな事だったんだなどとアルバム全体で発見を示唆するフレーズがいくつか出てくるがどれもこれも実態が無く曖昧である。
★★★☆☆
7thアルバム『DISCOVERY
2ndベスト『
MR.CHILDREN 1996-2000
8thアルバム(ライブ盤)『
1/42』(ライブバージョン)


Image
物凄くシンプルに始まり、物凄く壮大に盛り上がりまくり、再びシンプルに戻るアルバム最終楽曲。楽しく生きていくイメージを想像することを呼び掛けているが、大サビでは飛び込み台の上で
背中を押されて落ちていくとか就活前夜に聞いたら就活辞めたくなるくらいにドンピシャに現実的な事が歌われ、イメージすることの難しさを感じる1曲でもある。
★★★★☆
7thアルバム『DISCOVERY
8thアルバム(ライブ盤)『
1/42』(ライブバージョン)


17thシングル I'LL BE
99年5月12日
7thアルバム『DISCOVERY』収録の大作バラード「I'll be」。超スローだったこの曲をアップテンポにしてシングルカットしたのが今作。面影皆無なくらい両バージョンは正反対で、詞やメロディーが同じながらほとんど別の曲。それでいてアルバム未収録、ベストにも入らなかった上に8センチシングルなので今ではけっこう貴重(廃盤ではないのでネットで買うなら容易い)。ファンの間では感情たっぷりのスローバージョンが人気だが個人的には勢いを感じるこっちのほうがいいと思う。特にSingle Versionといった公式表記も無いので、アルバムバージョンを「I'll be」、シングルを「I'LL BE」と小文字と大文字で区別するのが一般的だが、シングル盤で大文字なのはCDタイトルと裏ジャケ表記だけで、中の歌詞カードのタイトル表記及び公式サイトでの曲目では「I'll be」と小文字になっている。
★★★★☆
シングルバージョンアルバム未収録
7thアルバム『
DISCOVERY』(原曲)
8thアルバム(ライブ盤)『
1/42』(原曲のライブバージョン)

C/W SURRENDER
『独り言』路線のアコースティック。ただ終盤にはスパイス的にエレキギターも入ってくるなどこちらの方が盛り上がる。何故かこの後のアルバム『Q』に収録された。この曲も裏ジャケでは大文字表記だが、中の歌詞カード及びアルバムでは「Surrender」表記である。ていうかわざわざアルバムに引っ張ってくるほどの曲だったとも思えないが…。アルバムでは曲が始まる前にカウントが聴こえる。
★★★☆☆
9thアルバム『Q

I’LL BE


18thシングル 口笛
00年1月13日
久々に原点回帰を果たしたミディアムなラブソング。「君が好き」以降はむしろこの手のミディアム〜バラード、それもさらに壮大にアレンジしたシングルの連発(小林武史のストリングスプロデューサー化)となるが、当時は初期の落ち着いたバンドサウンドが戻ってきてあの頃を望むファンは狂喜した。冬の発売だったこともあって暖かさを感じるこの曲はなかなかだったが、再度ミリオン(当時はまだまだ可能な時代だった)の期待の中で70万枚が限界。サザンの『TSUNAMI』がすぐに特大ヒットしたこともありやはりミスチルのポジションは無敵のトップクラスからは落ちた事を当時は感じたものだった。個人的にもいいなとは思いつつ、かつてほどではないかなと当時は思っていた。ストリングスに頼らずとも、キーボードのアレンジだけでも曲の雰囲気を盛り上げることが出来るというバンドも小林武史も後に完全に忘れてしまうサウンドが展開しているので、なかなか素晴らしい。これはもっと売れると思ったんだけどなぁ…。あとこの頃の桜井の金髪は似合ってなかった。
★★★★☆
9thアルバム『Q
2ndベスト『
MR.CHILDREN 1996-2000

C/W Heavenly Kiss
メンバーも年齢を重ねて以前よりも大人な雰囲気。抑えたバンドサウンドと落ち着いた曲調で比較的低音域で勝負しているのも新鮮だ。地味にけっこう聞きこめて好きな1曲。初期にも「クラスメイト」とかで近い路線を見せていたけどこういう曲もたまにはやってほしい。なお今作が最後の8センチシングルとなった。
★★★★☆
14thアルバム(C/W集)『B-SIDE

口笛


19thシングル NOT FOUND
00年8月9日
ドラマ『バスストップ』主題歌。内村光良と飯島直子で「101回目のプロポーズ」を今更トレースしたかのようなアーリー90's的大げさな恋愛ドラマ。タイトルバックが無かったので、毎回クライマックスのシーンでかかりまくっていた。回によってはかかっていても、ストーリー展開に集中して見ていたせいで耳に入らないことも…。発表当時、桜井が最高傑作と宣言したと報道された。だが世間の反応は「いや最高傑作までは…」という雰囲気が漂っていたように思う。3連リズムでアコギ1本からバンドとストリングスが一体となって突き進んでいく曲の勢いは圧巻。ただサビの高音連発は高すぎて周囲に誰もまともに歌える奴がいなかった…。シングルの中では1,2を争うキーの高さじゃないだろうか。また天下の月9主題歌ながら売上は60万枚にとどまり、やはりもうミスチルは落ち目かという空気に(月9ドラマ自体もヒットが出なくなってきて落ち目になっていた)。さらに翌月発売された9thアルバム『Q』は浜崎あゆみの3rdアルバム『Duty』に真っ向勝負で3倍近い大差で大敗して2位に終わった挙句にミリオンさえ達成できないなど、このミレニアムの1年がブレイク以来ミスチル落ち目ムード最高潮の時期だった。
★★★★★
9thアルバム『Q
2ndベスト『
MR.CHILDREN 1996-2000

C/W 1999年、夏、沖縄
吉田拓郎のオマージュみたいな早口語り調のフォークソング調。歌詞はほぼそのままツアーのドキュメントみたいになっていて、弾き語りから始まって段々バンドサウンド化していくのだが、とにかく長い。しかし何気にかなりハマる曲。当時カラオケで友人2人が歌ったのだがあまりに長いのでこの曲を知らない別の友人は、終わったと思ったらまだ続く…という長さにちょっとウンザリしていた。今作より8センチシングルの絶滅という時代の急流に合わせて完全マキシ化。ミスチルの一般的な薄型マキシケース仕様のシングルは「Any」まで続くが(以降は特殊ジャケット)、その薄型マキシケース仕様で帯が存在するのは今作のみである。この帯の裏にはアルバム『Q』のリリース告知が載っており、そのためだけに帯を用意したようだ。
★★★★☆
14thアルバム(C/W集)『B-SIDE

NOT FOUND


CENTER OF UNIVERSE
複雑な曲展開でスローな曲調なのかと思ったら突如テンポが変わって早口でまくしたて、そのまま同じ場所に戻ってこずに展開していくという分裂症気味の謎曲。けっこう社会に対してもいろいろまくしたててはいるが、締めが
「僕こそが中心です」「ああ世界は素晴らしい」だったりとこれまでずっと漂っていた重さが無い。答えを見つけたのではなく、答えを探すのを止めて開き直って楽になったような『Q』の世界観を示している曲だと思う。
★★★☆☆
9thアルバム『Q


つよがり
前アルバム時にあったがカラーが合わないので見送られていたといういわゆる「歌モノ」バラード。ピアノやストリングスが前面に出てバンドサウンドが数歩以上後退している。まさしく
コバチル化への布石、雛形のような00年代中盤以降に通じる1曲。当時は変な曲ばかりの『Q』の中ではシングル以外で最初に印象に残る「まともな曲」だったし、この当時この手のバラードは珍しかったので、人気が高かったものと思われる。また00年代以降のファンも現在に通じる1曲なので好きな人が多いと思う。後にthe pillowsもカバーしたがそっちはロックバラードっぽくなっていて個人的にはthe pillowsバージョンの方が好き。ベスト盤では「ラララ」「口笛」に挟まれてこの曲という配置なのでどうにも立ち位置が悪い気がするし、リリース当時の初聞きが1番好印象だった気がする。
★★★☆☆
9thアルバム『Q
2ndベスト『
MR.CHILDREN 1996-2000


ロードムービー
軽快なピアノが印象的なピアノポップ。「つよがり」ばかり注目されて影が薄いが『Q』の中の隠れ名曲だと思う。最初は『Q』全体のあまりにヘンテコな空気への戸惑いが大きすぎて気づかずにスルーしていた曲だったが、ある時ふいにこの曲かなり良くない?と気づいた。当時同じくその境地に至った友人たちと発売からしばらく経過してから「ロードムービー」の隠れ名曲っぷりについて盛り上がった記憶も。
★★★★☆
9thアルバム『Q


Everything is made from a dream
全ては夢から始まっているという複雑怪奇なヘンテコポップ。この曲と「その向こうへ行こう」の2曲はバンドでセッションしながら作り上げたので現在のところ
唯二の「作曲:Mr.Children」となっている。だが2曲ともとてもバンドで音を鳴らしながら作ったとは思えないバンド感の無さ。ワクワク感はあるけど。
★★★☆☆
9thアルバム『Q


Hallelujah
ベスト盤のライナーでは田原のギターが新たな局面を見せるとか新たなるステージに立った次への期待の1曲みたいな書き方がされており、最後を締めくくる壮大な1曲。出だしからやたら高音だが、畳み掛けるように歌うサビの方が音が低い。このサビの展開がけっこう好きだ。今作発表の翌年にベスト盤を発売し、一区切りとなる。そしてシンプルな方向性に回帰するわけだけど、この曲はかなりアレンジを練りまくったと伝えられており、この複雑な時期の集大成にして最終章といった印象が強い。
★★★★☆
9thアルバム『Q
2ndベスト『
MR.CHILDREN 1996-2000

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