第111回 長瀬実夕 シングルレビュー(CAM時代)〜2007-2008〜

2013年2月、小学生の頃から在籍していたランタイムを突如クビになってしまった長瀬実夕。ZONE解散直前にソロ活動を行っていた長瀬だったが、解散後はショックで抜け殻になったとされており、一時は普通の高校生に戻っていた。06年にはMiyuとして何故か渚のオールスターズに参加。そして07年についに本格再始動を果たす。レコード会社は新鋭のCAM。携帯事業で成功をしていた会社でエイベックスとも提携していた。長瀬実夕はそこからの文字通り最初のアーティストとしてスタートしたのだが…。それが運のツキ。何と1年もしないでCDリリースは停止、CAMはCD事業自体からあっさり撤退してしまう。これにより事実上の所属無しに陥った長瀬実夕は2011年の「10年後の8月」ZONE復活まで新曲をリリースする事も無く、事務所のイベントライブに出る程度の活動しかできなくなってしまう不遇の時代を過ごす。ZONE復活は往年のファンに歓迎されるも、期間を年内に延長→TOMOKA緊急引退→無期限継続…とほとんど活動していないにも関わらず継続の有無の発表のみが続く。ソロとしても事務所レーベル限定でシングルを出し、ZONE復活ライブでもソロコーナーに大半を費やしてアピールするも結局、ソロ活動を軌道に乗せることは叶わず、かといってZONEも積極的な活動はあまりできずあっという間に沸いたファンは去ってしまった。

1st Key〜夢から覚めて〜
07年10月10日
元々R&B好きを公言しており、ZONE解散前の2シングルも完全にそっち寄りだったが、あまり評判はよろしくなく、ある程度ZONEに接近した方がいいと判断したのか、CAM時代は打ち込み中心ながらややロック寄りのJ-POPが軸となっていた。今作ではPVでギターも弾いており、さらに短編映画のような長いPVで中尾明慶、マイク真木など著名人も役者として起用。恋人を失い歌という夢をあきらめていた長瀬実夕が復活するという現実ともややリンクした「復活」を印象付ける内容に(2ndの初回盤にPV収録)。復活作としては文句なしの1作で、ラッキー週ながらトップ10入りも果たしたのでそこそこ順調だったといえる。CD化されているCAM時代の曲の中では最もヒット性があると思う。
★★★★☆

Key~夢から覚めて~  


2nd Rose
08年2月13日
1stアルバム(あっさりコケた)を挟み、前作の路線をそのまま継続したような曲だが、どうにも印象が薄い。キャッチーというほどキャッチーではなく、かといってかっこいいかというとそこまでかっこよくもない。やりたい路線と望まれる路線の中間をとった結果、なんともどっちつかずの路線になってしまったのかなと今は思う。前述のようにDVDには前作PVが収録されたので、今作のPVは商品化されず。ジャケット写真は最もZONE時代のMIYUに近い風貌をしている。
★★★☆☆

Rose(初回限定盤)(DVD付)  


3rd 茜
08年5月21日
まさかこれが最後になるとは思わなかったあまりにも早すぎるCAM時代の最終CD作品。昼ドラ「ママの神様」主題歌に起用され、この曲でソロになって初めて「ミュージックステーション」に出演。大々的に世間に向けても活動再開をアピールした。チャートでも15位を記録したが、まさかそれっきり止まるとはいったい会社は今作にどれだけ期待していたのだろうか…。ここまでとは作風が異なり、暖かみのあるアコースティックナンバーといった優しい曲調だが、インパクトはさらに薄くなってしまい、Mステで1回歌った程度じゃとてもじゃないけど復活をアピールするにも残らな過ぎる地味な曲。空色エスカルゴという事務所のライブで共演していたアコースティックデュオ(だったかな?)と長瀬の共同作曲になっているので、自信作ではあったんだろうけど…。タイアップにも合わせているが、タイアップというよりも自身の母親への感謝を正直に綴ったような歌詞になっている。「母の日」過ぎてるじゃん…という気もしなくもないが、もっと個人的な自分の母親限定の感謝ソングであり、長瀬の誕生日が5月20日なのでこの発売日になったんだと思う。
★★★☆☆

茜(初回限定盤)(DVD付)


配信限定 Miraculous Night
08年11月26日
事業がスタートして1年。もうCAMはあきらめたのかCD事業撤収モードに突入。大黒摩季を招いたりもしたが、この時点でほぼCDリリースはしなくなっており、待望の新曲は配信限定。ところがこれが奇跡の大名曲だった。アップテンポでキラキラ全開のクリスマスソング。これまで圧倒的に欠けていたキャッチーさがこれまでの分を取り返す勢いで存分に発揮されており、とりあえず適当に聞いておくかとDLして聞いた瞬間に1発で好きな曲になった。ZONEが好きだったなら間違いなく好きになれる曲調であり、ZONEの楽曲と並べても最上位に食い込むほどの名曲。ほとんど知られぬままに埋もれてしまったのが悔やまれる。
★★★★★

iTunesでも配信中

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