反町隆史 シングルレビュー

97年に歌手デビューした反町隆史。いわゆる役者ロックというやつだったが、97〜98年の反町人気はすさまじく、当時全盛期だった木村拓哉にも匹敵する勢いを見せていた。ただ『GTO』があまりに大ヒットしすぎた反動で、以降も長年にわたってドラマや映画の主人公を務めているもののこれといったヒット作は出ていない。99年年明けに主演した月9ドラマ「オーバータイム」はまだそこそこの結果を残したが、99年末に公開された映画『GTO』はまさかの大コケ。その直前に出ていたドラマ「チープ・ラブ」では平均視聴率15%を割り込んで人気は一気に冷え込んでいた。その頃には歌手活動にも大きな陰りが見えてしまい、結局残した作品はシングルは5作、マキシ1作、オリジナルアルバム3作だった。

1st Forever/反町隆史 with Richie Sambora
97年7月30日
ドラマ「ビーチボーイズ」主題歌。いきなり大ヒットして50万枚を突破した最大のヒット作。ただ当時のスポーツ紙だかなんだかで70万枚とか出荷枚数らしき数字がドカンと出ているのを見た記憶があり、後でO社の記録を見たら20万も少なくてガッカリした記憶がある。BON JOVIのRichie Samboraがコーラスとギターで参加。だが実は1stアルバムで明かされたクレジットによれはサンボラはギターソロを担当しただけでギターは鳥山雄司と別にクレジットされている。曲は男の友情を描いた名作ドラマにも寄り添った夏を歌った名曲。「Ah Forever Your Love〜」がサビかと思いきや、さらに「変わらずに流れていく〜」と更なる盛り上がりを見せる。サビが2つあるようだが特にこの2つ目のサビが最高だ。聞けばあの夏とドラマを思い出す色あせない名曲。この曲では唯一となる紅白にも出演。だが紅白ではサンボラは当然参加せず、しかもC/Wに入っているカラオケバージョンでもそのままだったサンボラのボーカルを完全カット「ふぉえっばゆーふれぇぇぇぇん♪」という暑苦しいサンボラボーカルの無い「Forever」は炭酸の抜けたコーラのようだった。曲終了後、「ビーチボーイズ」の相方である竹野内豊がステージに登場したが、反町は「なんでいるの?」と笑いながら返答しただけで次に切り替わってしまったのを記憶している。
★★★★★
1stアルバム『メッセージ』
ベスト『BEST OF MY TIME』
ベスト『BEST OF MY TIME〜1999』
ベスト『BEST of BEST』
ベスト『GOLDEN☆BEST』

C/W Forever(U.S.A. Version)/反町隆史 with Richie Sambora
シングル自体は50万枚ヒットしたので当時聞いたリスナーは多いはずだが、ベスト盤で後追いのリスナーには意外と知られていない別バージョン。こちらにもサンボラが参加しており大きくイメージが違うアレンジではないものの、全体的に原曲よりもアメリカっぽいというか大陸的というか、大人っぽい仕上がり。原曲で薄くかかっていたシーケンス系の音をほぼカットして原曲よりもギターの出番が目立っている。終始ソロを弾いているようなギターが光っているが、それでも音数は少なめでシンプルな印象だ。このためか原曲よりも低音が響いている。またサビの「Forver Your Love」と「Forver Your Heart」が全てサンボラのコーラスと同様の「Forever Your Friend」に変更となっている。このバージョンの歌詞は掲載されていないので正確には不明だが、明らかに全て「フレンズ」と歌っているように聞こえる。このバージョンもなかなか抑えたカッコよさがあって好きだ。
★★★★★
このバージョンではアルバム未収録

C/W NO PAIN NO GAIN
痛み無くして成功は無い、本当に進みたい決めた道ならやるしかない進むしかないと歌われる力強い応援歌というか鼓舞ソング。1stアルバムの特に前半は概ねこんな感じ。実に男らしくカッコよく、当時の反町の無敵なカッコよさをさらに増幅させるような歌詞だ。ボーカルがベースのようなこもった歌声なのでそれに合わせて全体的に低音を強調したかったのか、イントロはベースの音から入り、ベベベ、ベンベベ、ベンベベベベベベベ…と終始やたらとベースをフューチャーしたアレンジが特徴的。サビのメロディーなんかはそこまで低いわけではなく、けっこう頑張って声を張るくらいにはなっているんだけど、とにかく地を這うような低さを感じるのはこのベース主役のアレンジのせいか。シングルでは「YOU GAIN」という反町の力強い歌声と同時に演奏が終わるが、表記無しのアルバムバージョンではその後バンドの演奏が復活してフェードアウトしていく部分が追加収録されている。
★★★☆☆
1stアルバム『メッセージ』(アルバムバージョン)
ベスト『BEST OF MY TIME』
ベスト『BEST OF MY TIME〜1999』
ベスト『BEST of BEST』
ベスト『GOLDEN☆BEST』(アルバムバージョン)

Forever  


24th Anniversary Maxi Single
FOREVER DREAM
97年12月19日
自身の24歳の誕生日を記念して発売されたマキシシングル。上述のように24歳記念のシングルだと明言されているが、何故かチャートではアルバム扱いにされた。また公式の扱いもシングルと言っておいて2ndシングルとしてはカウントされておらず、次の「ONE」が2ndとされている。

Forever(WINTER VERSION)
アコースティック感を強調したリアレンジ。ドラマ劇中でよく使われていた「Ah Forver Your Love ふ〜う〜う〜う〜、ふ〜う〜う〜う〜」というコーラスパートから始まる演出がドラマ視聴者には嬉しい。全体的にこざっぱりした印象で、どうせなら最初の砂が熱いくだりは冬仕様に書き換えれば良かったのにとも思ったが、サウンドの変更だけでも冬っぽさは出せていると思う。発表当時は98年正月ドラマとして放映されたSP版に使用されると紹介されていた記憶があるが、実際には年末に放送された総集編(序盤と終盤を中心に構成)で中盤のストーリーをダイジェスト的にすっ飛ばした際にBGMとして使用されただけだった。
★★★★☆
ベスト『BEST of BEST』

メッセージ(SILENT VERSION)
1stアルバム表題曲のリメイク。最後には台詞まで入っている陶酔系大作ラブバラード。サイレントというのはサイレンナイホーリーナイ的なアレで要するにクリスマスが近かったので、鈴の音とか加えたりしてクリスマスっぽくしている。元からロマンチックだった曲をさらにロマンチックに仕立てようとしたものの、全体的に暗いのでちょっと微妙。どっちかというと原曲の方が好きだ。
★★★☆☆
このバージョンではアルバム未収録

二人きりの場所
この作品で唯一の新曲。ミディアム系で何とも煮え切らないモヤモヤした音像。当時CDはほとんど持っておらずそんな中で購入した作品だけにそれなりに聞き込みはしたが、そんな想い出補正、初期補正を持ってしてもあまり好きな曲ではない。
★★☆☆☆
ベスト『BEST OF MY TIME』
ベスト『BEST OF MY TIME〜1999』
ベスト『BEST of BEST』

FOREVER DREAM  


2nd ONE
98年4月15日
作曲が氷室京介。転がるようなピアノが爽快なピアノロック。ピアノが印象的だが盛り上がる所ではロックサウンドで盛り上がる。Bメロまで盛り上がってから一旦Aメロに戻るので、1コーラス終了後は大サビに突入してしまい、サビは2回しか登場しないがこのサビが格別だ。反町ラブソングの決定版といえる内容だが(というかシングルA面でのラブソングは今作のみ)、タイアップ先(JAL)に合わせてサビ頭に「この空の風に乗って」と空の旅っぽいフレーズもしっかりと。album mixは若干ロックっぽいがあまり大きな違いは無い。氷室本人もセルフカバーしているがそちらは終始ギターがメインのかなりハードなサウンドになっていてそれもまたカッコいい。また大サビ部分で助詞を変えて歌うなど(「は」を「に」に変えるなど)微妙にニュアンスを変えている。
★★★★★
2ndアルバム『HIGH LIFE』(album mix)
ベスト『BEST OF MY TIME』
ベスト『BEST OF MY TIME〜1999』
ベスト『BEST of BEST』

ベスト『GOLDEN☆BEST』

C/W BREAKIN' THROUGH THE NIGHT
TSUCHIYA KOHEYの提供曲。こんなところで終わらずに闇をぶち壊して前へ突き進め(超訳)という力強い応援歌。何故かドラムだけ打ち込み。カッコいいことはカッコいいが、あまり好きな曲ではない。
★★★☆☆
2ndアルバム『HIGH LIFE』
ベスト『BEST of BEST』

ONE  


3rd POISON〜言いたいことも言えないこんな世の中は〜
98年7月29日
ドラマ「GTO」主題歌。最終回で35%を越えた大ヒット作の主題歌。チャートアクションは前作と変わらず、9位に入った程度だったがドラマのヒットと共にロングヒットして27万枚のヒットを記録。ジャンジャジャジャ〜ン、ジャンジャジャジャジャ〜ン♪という一歩間違えればマヌケにもなりかねないようなインパクトあるギターサウンド、サビの「POISON」シャウトなどもあり、当時のミリオンヒットと何ら変わらぬ知名度とインパクトを誇る。あまりにインパクトがありすぎて、ネット上では「ポイズン」が反町自身の事を指すネットスラングと化してしまうなどの弊害も生んだ。「言いたいことが言えない」に類する書き込みがあると、「ポイズン」というレスが複数に渡って返ってくるという現象もお約束となった。ネットを始めるまでまさかこんなネタ扱いされているとは知らず、発売当時中2だった俺は純粋にこの曲をカッコいいと思っていたので、ネットで「反町ポイズン」とか呼ばれてて凄いショックを受けた記憶がある。当時のインタビューでは歌詞は自分で書きたかったので書いたが少し時間が無かったとも語っていた。ストレートな子供達へのメッセージソングでもあり、1stアルバムから一貫して歌い続けてきた自分の信じた道を進め!周りの声は気にするな!というテーマの集大成のようでもある。そんなショック状態で書かれた過去曲回顧コーナー初期のこの曲の感想ではかなり世間の反応に影響された形で書かれているが、どんなに馬鹿にされててもやはり名曲だと思う。大きなインパクトを残しながら直後の2ndアルバムを持って、歌手活動は一時休止される。再開した際に当時伝えたかったことは伝えきったとその理由を語っていた。
★★★★★
2ndアルバム『HIGH LIFE』
ベスト『BEST OF MY TIME』
ベスト『BEST OF MY TIME〜1999』
ベスト『BEST of BEST』

ベスト『GOLDEN☆BEST』

C/W If you love me,don't forget me
演奏部分だけが再放送された際の「GTO」の提供バックで使用されていた。何だか煮え切らない曲調のラブソング。淡々と突き進んでそのままタイトルを連呼しながらフェードアウトしていってしまう。渋い魅力はあるかも。
★★★☆☆
2ndアルバム『HIGH LIFE』(album mix)
ベスト『BEST of BEST』

 


4th POISON-movie mix-
99年12月18日
映画「GTO」主題歌。mixとなっているもののアレンジャーを吉田健から中山弘に変更したリアレンジバージョン。基本アレンジは同じだが聞きなれたイントロ、ジャンジャジャジャ〜ン、ジャンジャジャジャジャ〜ンの後にいきなりズドドドドドドドッ!と原曲よりド派手なドラムが入り、原曲よりド派手になったバンドサウンドが炸裂する。スクリーンに耐えうるスケールに迫力を拡大させたような感じでメチャメチャカッコいい。実際この映画2回も見に行ったが、劇場で聞いた時の迫力は桁違いだった。そのまま一気に2番まで駆け抜けると一旦派手なバンドサウンドは終了。その後は生徒を思わせるコーラス隊とサビをリフレインで合唱し、大団円を迎える。残念ながら映画に出演した生徒たちではなく日本工学院の生徒たちだが、まさかこの曲がこんな感動的な合唱曲になってしまうとは思わなかった。「POISON」も一緒に合唱しているのは改めて聞くとシュールな感じもするけど。前半のパワーアップロックパートの方が好きだが、後半の感動合唱パートもいい。1曲で2度楽しめる。
★★★★★
ベスト『BEST OF MY TIME〜1999』

C/W POISON 2000
同じく中山弘によるリアレンジ。生バンド(リメイク)と打ち込み要素(リミックス)を合体させたようなサウンドでやたらガッシャガッシャしている。イメージとしてはリミックスに近く、イントロとアウトロも無駄に長い。まあ浮遊系とかダンス系とかにされなかっただけマシだが、正直ゴチャゴチャしているだけで曲のノリと全く合っていない。迎えた世紀末、そしてミレニアムというあの混沌とした時期に制作されただけあってそういう時代だったのかなと今では思う。これはシングルC/Wだけのおまけに留めておけば良かったのに、何故movie mixを差し置いて『BEST of BEST』に収録されてしまったのか。謎だ。なおこの曲の歌詞カードには映画のクレジットも掲載されているが藤原紀香が「紀子」に誤植されている。
★★★☆☆
ベスト『BEST of BEST』

Poison-Movie Mix-  


5th Free
00年11月1日
ドラマ「ラブコンプレックス」主題歌。全曲作詞は本人だが、作曲も本人なのは今作のみ。ドラマは場面ごとに副題が出たり、ワケの分からないストーリー展開だったりしたので、主題歌といっても今までのような密接な関係ではなくドラマとは関係なく自由に作られたようだ。初にして唯一の作曲作品ながら他の作品に劣らないメロディーを書いているし、自由をテーマにした歌詞は休止を経て以前のようなひたすらに貫いていた雰囲気とは少し変わって深みを増している印象。ガシャガシャしたロックサウンドもカッコいい。…しかし発声方法が変わってしまい、わざとなのか喉を壊したのか、無理やり叫ぶように歌っている。前からこもっていて聞き取りやすいとは言い難かったんだけど、前以上に何を歌っているのか聞き取りにくくなってしまった。しかもバックのサウンドが激しくなったので、完全に音に呑まれてしまっていてボーカルがおまけみたいだ。末期はとにかく声がジャイアン化してしまい、かなりきついんだけど音と歌詞とメロディーはカッコいいのでそこそこ好きな曲ではある。
★★★★☆
3rdアルバム『SOUL』
ベスト『BEST of BEST』

ベスト『GOLDEN☆BEST』

C/W Black and White
収録される作品によっては全部大文字表記だったりもするが、シングルで初出の際はこの表記。当時活動が止まっていたal.ni.coの柴崎浩(元WANDS)が作曲。柴崎浩にとっては初の外部提供。al.ni.coはこの翌年に正式に解散を発表しているので、柴崎浩にとっては新たな始まりの1曲…のはず。サウンドの激しさしか耳に残らず、メロディーもあまりパッとしないが、それ以上にボーカルの発声がヤバくてノイズ状態。柴崎浩はアルバムで「TOWARD THE WIND」という曲も提供しているが、そちらでは素晴らしいメロディーメイカーぶりを見せている。それもやはり激しい発声によりボーカルがノイズになってしまっていて台無しだけど…。
★★☆☆☆
3rdアルバム『SOUL』
ベスト『BEST of BEST』

ベスト『GOLDEN☆BEST』

C/W Piece of "SOUL"
3rdアルバム『SOUL』の予告メドレー。かなりガシャガシャしている上に意図的に音質も悪くしているので、ただでさえこもったボーカルがさらに酷い事に。これではまるでジャイアンリサイタルメドレーのようである。こんなんじゃアルバムの逆プロモーションにしかならないのではないかと思うが、意外とメロディーのいい曲が並んでいる事だけは伝わる内容だと思う。このアルバムは12月に発売され、チャート100位と壊滅的な結果に陥る。その後のツアーはアジアにまで及んだが、それを最後に歌手活動は終了した。
★☆☆☆☆
3rdアルバム『SOUL』のメドレー

Free  

 

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