TUBE 30周年シングル回顧〜2005-2012〜

99年頃からトップ10落ちすることも多くなってきていたが、全体のチャートレベルも著しく下がった事もあって、この時期になっても毎回トップ10前後のヒットは飛ばし続けていた。しかしこの時期になるとそれ以前のようなバラードなら少し好調といったことも無くなりこれといったヒット曲はすっかり出なくなってしまった。20周年、25周年と節目節目を迎えてもベスト盤をリリースするといった外に向けてのアピールよりも残っているファンに向けた活動を優先していた印象もあるこの時期。30周年を2015年に控えて2013年にはデビュー以来初めて新作リリースを停止。翌2014年も含めて2年間ライブのみの活動へ移行した。

TUBEの過去曲回顧は随分前から構想はあったけど、分割をどう区切るか迷った。55作1ページも考えたが、最近は分割した方が何かと利便性が高いのでTUBEst3作とそれ以降の2分割も考えたが、結局10年区切りにしてみた。

それにしたってオールタイムを銘打った30周年ベストでこの時期のシングルがDVDシングルになった「ジラされて熱帯」以外総スルーされてしまうとは思わなかった。確かに落ち着いてきて勢いが落ちた感じはするし、イマイチだなと思う曲もないわけではないが、この時期にももちろんいい曲はある。そんな直近10年間を振り返る。ただ改めて思ったのは後半になるにつれてシングル選びが下手になったっていうか…アルバムリード曲の方が数倍いいじゃん…みたいな作品が増えたような…。一般受けのいいさわやかな楽曲がほとんど無くて、この時期って落ち着いたミディアム〜バラードか変にはじけた曲ばかりシングルで出してたっていう。

※2015年執筆

特に表記無い場合は、作詞:前田亘輝、作曲:春畑道哉、編曲:TUBE

45th SKY HIGH
05年6月1日
20周年を迎えての第1弾シングル。奇をてらわないストレートなさわやかポップロックナンバー。トップ10落ちになってしまい、20周年なのにあまり存在感は示せなかったものの個人的にはこれぞTUBEといえる曲だと思うし、期待通りで久々に満足した1作。「めざましテレビ」みたいな朝の情報番組の夏のテーマ曲にはこういうのを期待していた。そして30周年ベストの「Tropical」終盤には何故かそれ「Unique」枠だろみたいな曲が2曲入っているが代わりにこの曲を収録して欲しかった…。
★★★★☆
25thアルバム『TUBE

SKY HIGH


46th Ding!Dong!Dang!
05年8月10日
映画『劇場版 NARUTO -ナルト- 大激突!幻の地底遺跡だってばよ』主題歌。シンプルなバラード調で1番が終わると、テンポアップして爽快ロックナンバーへ変貌する。最初馴染めなかったんだけど気が付いたらハマっていた。現在かなり好きな1曲。タイアップ先に合わせたのか少年漫画っぽい友情を描いているせいか、ノスタルジーも感じる。シングルでこういうストレートにロックっぽいテイストって何気にこれが最後(アルバムではやっている)。前作に続いて今作もトップ10落ちしてしまったが、今作に関しては1曲+カラオケという構成なのに通常料金(当時で1020円)というふざけた価格設定に問題があったのでは…。
★★★★★
26thアルバム『B☆B☆Q

Ding! Dong! Dang!


DVDシングル ジラされて熱帯
05年8月17日
アルバムからDVDシングルとしてカットされた。当時のTUBEはまだシングルやアルバムに毎回DVDをつけるという既にわりとみんなやり始めていたことをやっておらず、01年のバラードベストで1度つけたっきり。08年になるまでCD特典にDVDを付けなかったが、それより遥か前にDVDシングルなんていうフォーマットに手を出していた。03年の『OASIS』からアルバム1曲目のリード曲はイケイケ路線な振付ソングになっており、前年も「海の家」という曲の振付映像(実質PV)をCD-EXTRAとして収録していたのでその流れを拡大して本格的に映像化したということだろう。映像は見ていないのでここでは楽曲のみ取り上げるけど、楽曲自体はノレるもののタイトル通りに暑苦しい。ていうか03〜06年まで4年くらい連続で同じようなノリの曲をアルバムリード曲に持ってきているのでこの4曲はどうも印象が被ってしまう。30周年ベストでは正直これは入っても「Unique」枠だと思うんだけど何故王道爽やかソングが並ぶ「Tropical」枠に入っているのかよく分からない。本来の意味でのトロピカルっぽいのはこの曲と「Let's go to the sea〜OASIS〜」の2曲だけだったとも言えるけど。
★★★☆☆
25thアルバム『TUBE
4thベスト『
BEST of TUBEst 〜All Time Best〜

ジラされて熱帯 [DVD]


47th みんなのうみ
06年6月21日
作詞:林柳波、前田亘輝、作曲:井上武士、春畑道哉、編曲:服部隆之
編曲:TUBE(Album version)
NHK「みんなのうた」6〜7月度OA。「涙を虹に」から10代向けの応援歌が増えていて、今作ではさらに一桁年齢にまで対象を下げた感じだが、やけに下の世代を意識したようなシングル曲はこれにてひと段落。1941年に生まれた童謡「海」の作詞作曲者の遺族に許可をもらって(2人とも偶然にも生まれ年と死んだ年が同じで1894年生まれの1974年逝去)オリジナル楽曲と合体させた半カバー半新曲。童謡をJ-POPにしたというより、まんま童謡に挑戦。オリジナル童謡→「海」カバー→「海」の歌詞を先ほどのオリジナルメロディーに乗せる、という構成になっているが、さすがに誰もが幼少期に耳にして歌ったスタンダード「海」と初めて聞くオリジナル童謡が並んでもオリジナル童謡が印象で勝てるわけも無く、なんとも微妙。ちょっとこれは企画として無謀だったんじゃないかと。しかもその後もお馴染みの楽曲として使用され続ければもう少し馴染んだだろうに、2ヶ月間流れていただけのようで全く浸透しないままに忘れ去られてしまった…。シングルバージョンは服部隆之の編曲になっているのでストリングスや子供たちの合唱がメインになっていてソロ作品っぽい仕上がり。後半はギターソロが激しく鳴り響いたりバンドサウンドになったりはするもののかなり異色な雰囲気だ。アルバムでは編曲がTUBE名義になり、シンプルながらほぼ序盤からシンプルなバンド演奏で仕上げた全くの別アレンジになっている。前作に続いて1曲+カラオケで1020円というソニー価格は足元見過ぎ。
★★☆☆☆
シングルバージョンアルバム未収録
26thアルバム『B☆B☆Q』(Album version)

みんなのうみ


48th 蛍
08年4月30日
編曲:TUBE&吉村龍太
ジャケットの美少女は当時14歳の福田麻由子。MVに出ていた女優は黒谷友香。ミディアムバラード。以降わりとこんな感じの落ち着いた作風が主流になっていくけど、この曲に関しては地味になってしまったというより、見事なまでの新しい名曲といった印象が強かった。07年に既にライブで披露されていたそうで07年にシングルリリースは無く、12月の『WINTER LETTER』は季節が合わないので外され、結局08年になってからシングル化された。この年のアルバムがラテン系でガットギターやパーカッションを多用しており、その流れで07年当初のアレンジから変更されたそうで、スパイス的にそれらが加味されているが、聞いている分には全く気にならない。
★★★★★
28thアルバム『Paradiso

蛍


49th Paradiso〜愛の迷宮〜
08年6月25日
編曲:大島こうすけ&TUBE
前年に南ヨーロッパを訪れそこにインスパイアされてこの年のTUBEは久々にラテン色を強めた。90年代末期の生音中心のラテン系では無く、ブラス風のキーボードや打ち込みの音を前面に出していて系統としては90年代前半のラテン歌謡に近いものがある。ただこれまでと違うのはイタリア語を随所に盛り込むなど現地の空気をダイレクトに反映させていることか。このためこれまでのラテン系よりもヨーロピアン(?)な空気が漂っているが…どうもこれがイマイチ。個人的に好きなラテン系は「情熱」や「-純情-」のような生ギターとパーカッションをメインにしたサウンドだったんだけど、この年にアルバム含めてやったのはその真逆でブラス、もしくはブラス風打ち込みやキーボードの音色をパーパラパーパラとメインで鳴らしているものだったのでこれがどうにも…。マンネリを感じていたのかは不明だが制作体制がこの年を最後に変更され、主にビーイング勢との関係がサックスプレイヤーの勝田一樹(DIMENSION)以外はほぼ皆無になり、大島こうすけ、池田大介、徳永暁人といったアレンジャーの関与は翌年以降完全に無くなった。
★★☆☆☆
28thアルバム『Paradiso

Paradiso~愛の迷宮~(初回生産限定盤)(DVD付)


50th Summer Greeting
09年6月10日
スローサマー(忙しなさばかりが増していく世の中の風潮に対して当時提唱されていた「スローライフ」みたいなもの?)を掲げたミディアムナンバー。すっかりご無沙汰な友人からSummer Greetingが届き懐かしむ大人が主人公。地味といえば曲だが、すっかり落ち着ききったような大人の佇まいがこれはこれで心地いい。この年は原点回帰的なさわやかさを重視したようでアルバムにおいてもさわやか&ロック一色だった。リード曲の「Blue Splash」の方がシングルとして出せば人気が出たと思うんだけど(★★★★☆)、今作はゆっくり聞き込んで味が出てくるタイプの曲でシングルとしてはやや地味だったように思う。翌年にTOKIOに提供された「-遥か-」は同時期にOAが始まっていたのでほぼ同時期制作と思われ曲調が似ている。またこの年にスタッフを一新して、主にビーイング所属のスタッフがほとんど離れたせいか、ちょっと音の感じが新しくなっている。
★★★☆☆
29thアルバム『Blue Splash

Summer Greeting(初回生産限定盤)(DVD付) Summer Greeting


51st 灼熱らぶ
10年6月2日
デビュー25周年があまりアピールされた感の無かったこの2010年だが(往年のヒット曲をリミックスしたリミックスアルバムという企画はあった)、25周年を飾るシングルがまさかの過去最高にTHE Show和!な昭和歌謡ナンバー。ド頭からビロ〜〜〜ンと昭和全開のギターが鳴り響き、湘南や鵠沼などかつて「湘南My Love」で登場した地名が登場するザ・湘南の夏っぽい感じは、「あー夏休み」も普通に思えるほど底的な昭和歌謡。コミックソングかと思ったよ…。C/W「絆」の方が25周年記念ソングっぽく、ファンへの感謝を歌ったストレートなミディアムナンバー。何故これがC/Wなのか?そしてこんな先行シングルなのにアルバム1曲目が王道さわやかで明らかにシングル曲な風格の「太陽のサプライズ」という"外し"に何の意味があったのか?すべてはサプライズだったのだ…(たぶん)。
★★★☆☆
30thアルバム『Surprise!

灼熱らぶ(初回生産限定盤) 灼熱らぶ


52nd 空と海があるように
10年12月8日
6年ぶりの12月リリース。久々にジャケットにわたせせいぞうのイラストを起用している。抑えた感じのアレンジであるのを差し引いても何故か音量が小さめなのが気になるが、久々にメロディーの良さにぐいぐいひきつけられた名曲。前作がアレだったので「蛍」以来久々にTUBEキタ!と当時も思ったがもうファン以外に聞かれない状況になっていたのがもったいなかった。00年代TUBE最大級の名曲。何故これが30周年ベストに入らない…。
★★★★★
31stアルバム『RE-CREATION

空と海があるように(初回生産限定盤) 空と海があるように


53rd A Day In The Summer〜想い出は笑顔のまま〜
11年7月6日
2015年時点で"編曲:TUBE"はこれが最後なシングル表題曲。前作同様に落ち着いた雰囲気を漂わせつつ美メロで聞かせる1曲。この頃になるとキーも下がってきて本当に落ち着いた感じが漂うんだけど、前作と今作はメロディーの良さが妙に冴え渡っていたような…。最大のヒット作「夏を抱きしめて」を彷彿とさせまくりのメロディーやアレンジは明らかに狙ってやっているんだろうけど、あの曲が好きなリスナーなら確実に感じるものがある曲だと思う。この年は先行シングルの印象がいつになく良かった割にアルバムはわりと普通だった。
★★★★☆
31stアルバム『RE-CREATION

A Day In The Summer~想い出は笑顔のまま~(初回生産限定盤) A Day In The Summer~想い出は笑顔のまま~  


54th Touch Happy!
11年8月24日
編曲:ピストン西沢
03〜06年頃にはアルバム冒頭の定番、シングルとしては「恋してムーチョ」や「Yheei!」直系のにぎやか系ダンスナンバー。これまでよりも妙にシャッキリした感じの良くも悪くもTUBEらしくなくリミックスっぽい雰囲気になっているのは2010年のリミックスアルバム『MIX TUBE』を担当したピストン西沢に編曲を依頼したためだろう。今作以降はアレンジにあまり参加しなくなってしまうし、マンネリを強く感じていたのかもしれない。暑苦しさと中年の悪ノリ感が強くなりすぎてどうもこの手の曲調がきつくなってきたように感じてそのまま忘れてしまいそうな曲だったが、当時よく見ていた「AKBINGO!」のCM枠で数ヵ月間延々と必ずこの曲のCMが流れていたためサビと踊っている前田&ダンサーズが脳裏に焼き付いた。AKB48の人気は絶頂期だったので、直近10年のTUBE全く知らんけどなんか廻れゴーゴーとか言いながら中年体型のオッサンが踊ってたのだけ記憶にある当時の視聴者は多いのでは。作風が違いすぎたせいか次のアルバム収録を外されてしまい、現在唯一のアルバム未収録シングルA面曲
★★★☆☆
アルバム未収録

Touch Happy!


55th いつも、いつまでも
12年5月9日
編曲:武部聡志
編曲はデビュー作を手掛けた武部聡志が単独で担当。デビューから毎年新曲とアルバムを発表し続けたTUBEがついにこの年を最後に毎年の新曲リリースをストップ。13年、14年は新曲一切無しでツアーのみを行った。今作で一気に編曲を外部アレンジャーに任せるようになってしまったので、行き詰ってきたのかなという感じはした。この曲も正直かなり地味というか貫禄たっぷりで堅実な3連ミディアム。そこはかとなく加山雄三(「君といつまでも」のイメージ)が頭をよぎり、間奏で台詞が入ってきそうな錯覚を覚える。そんな自分が生まれる遥か前の"あの頃"感が漂う。当時全く印象に残らない楽曲だったが、改めて聞いてみたら渋みと深みがあってけっこう良さが分かってきた。09年、10年と同様にこの年も先行シングルよりはアルバムの方が印象が良く、「JUST IN TIME SUMMER」をシングルにした方が良かったと思う。この年のアルバムには秋元康が1曲作詞で参加、前田敦子の卒業発表にひっかけてアルバムのキャッチコピーは「夏の前田は卒業しません!」だった。しかし卒業しませんと言っておいて、デビュー以来続いたアルバム制作をそのまま2013年、2014年と停止してしまったので正直不安になった。
★★★☆☆
32ndアルバム『SUMMER ADDICTION

いつも、いつまでも いつも、いつまでも

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