YeLLOW Generation シングルレビュー〜2002-2005〜

おちまさとプロデュースにより「全曲詞先」の言葉を重視するユニットとしてデビューしたYeLLOW Generation。ユキ、ユウコ、ヒトミの3人で構成されていたがこのグループが何だったのかを説明するのは難しい。デビュー当時ユキとユウコが20歳そこそこ、ヒトミは高校生だったはずだがアイドル性を売りにしていたわけではない。正直なところユウコとヒトミはともかくセンターのユキはロック系というかアイドルとは程遠いカッコいい系のルックスだった。ボーカルで勝負していたかというと、ボーカル構成はユキが大半のパートを歌い、他の2人は随所でソロ、サビで重ねるという程度で、全員がしっかりしたボーカルではあったが3人いる事でのコーラスワークを生かしたグループではなかった。もちろんダンスをするわけでもない。そのため「北風と太陽」でTVに出た時も演奏陣もいないカラオケをバックに3人横並びで熱唱しているだけなので1人ならまだしも3人もいるから正直なところカメラさんもカメラワークに困るような絵になっていた。

また、少なくとも音楽面に関してはおちまさとはけっこうフォローをしないプロデューサーとも言われており、実際このユニットも途中で投げてしまっているし、108人という人数の多さで話題にしようとするもさっぱり話題にならなかった「煩悩ガールズ」はデビューした年のうちに解散させてしまっている。実際イエジェネの場合は言葉を大事にするというコンセプトでデビューのきっかけがおちまさとのラジオ番組での詩の朗読、デビューイベントで過去の自分と決別する「遺書」を朗読させるなど思わせぶりな演出が施されていたという。思わせぶりに仕掛けるものの、本当に思わせぶりなだけで初期コンセプトしかないから次の展開が無いのである。音楽プロデュースに関しては同じ放送作家出身の秋元康みたいになろうとしてなれなかったというかこの人の戦略は「思わせぶり」の一言に尽きる印象が個人的にある。だが曲に関してはかなり厳選していたようなので良いものが揃っていたように思う。

解散後もメンバーはそれぞれ本名名義で活動を継続。メンバー同士も交流もあるようだ。個人的にはユウコは専門時代の講師が一時楽曲制作した縁で直に授業に登場したことがあるので会ったことがある。サインもらっておけば良かった…。

1st LOST Generation
LOST Generation 02年6月5日
言葉を重視というだけあって終始思わせぶりな言葉が並ぶシリアスな曲。超訳すると「枯れた現状から抜け出そう!」という内容。この曲を聞いたのは次のシングルがヒットした後だったが、当時高校3年だったのでそれなりにこの曲に共感するところもあったように記憶している。ただ当時から何となく思わせぶりだなというか、あまり書き手の魂の叫びみたいな部分が見えず妙に整理されているように聞こえた。メロディーは耳に残るかなり気合の入ったデビュー作だったがヒットはしなかった。
★★★★☆
1stアルバム『CARPE DIEM
ベスト『
GOLDEN☆BEST YeLLOW Generation Singles+


2nd 北風と太陽
北風と太陽 02年8月21日
昼ドラ「ドレミソラ」主題歌。Whiteberry、ZONEがこの枠で2年連続大ヒットしており、今作もそこまでは行かなかったが多少のロングヒット、トップ10入りも果たして15万枚、最大のヒットを記録。ドラマ自体は有名な「キッズ・ウォー」シリーズも霞む学園ドラマの傑作だった。大沢あかねを筆頭に後にNEWS&関ジャニ∞でデビューしてクビになる内博貴、翌年「仮面ライダー555」にヒロインで出演する芳賀優里亜、ゲスト出演では風男塾に2011年に加入した長谷川愛も出演していた。視聴率はそんなに高くなかったが、根強い人気を残し放送終了後も公式BBSに続編を望む声が殺到。スタッフや出演者、YeLLOW Generationメンバーも放送から2年後の04年に至るまでBBSに書き込みに訪れ、再放送されるだけで出演者が動画コメントを出したり、内が復帰した後の08年にはついにDVD-BOXもリリースされた。なおドラマではタイトルバックの一部にPVが挟まれたのでメンバーも毎日出演していたことに。ドラマではサビ+大サビ+サビで構成されていた。ドラマバージョンの駆け抜けていく感はかなり素晴らしかったのでCDを買ってきたら知らないAメロBメロが入ってきて少しトーンダウンしたような違和感を覚えた記憶がある(なお今作のみ購入。残りの全作品はレンタルで当時聞いている)。前作に続いてモラトリアムな感じの歌詞はさまよっている感全開で相変わらず思わせぶりだが、ドラマの記憶もあって2002年夏を象徴するような非常に思い出深い1曲である。それもあるけど歌詞の完成度は1番高いと思う。
★★★★★
1stアルバム『CARPE DIEM
ベスト『
GOLDEN☆BEST YeLLOW Generation Singles+


3rd CARPE DIEM〜今、この瞬間を生きる〜
CARPE DIEM~今、この瞬間を生きる~ 02年11月20日
ブレイク直後だったがあまり売れず1発屋コースに。シリアスな曲調であることに変わりはないが今回は前2作とは違い少女向けメッセージソング。超訳すると「人生には制限時間があるんだから恋せよ乙女!今この瞬間を生きるんだ!」という曲。正直余計なお世話なんじゃないかと思うが、そもそも男性リスナーは対象外の曲なので特に思うところも無く当時の印象も薄い。相変わらずのグッドメロディーではあるけど、そんなに大作っぽい曲ではないのに無駄に長い6分越えの構成といい、早くもくどくて少々飽きてきてしまっていた。
★★★☆☆
1stアルバム『CARPE DIEM
ベスト『
GOLDEN☆BEST YeLLOW Generation Singles+


4th うたかた/春雷
うたかた/春雷   (CCCD) 03年5月14日

うたかた
ドラマ「ホットマン」挿入歌。主題歌はSHUN時代のEXILEが担当していた。挿入歌なので毎回盛り上がるところで「もっと〜そば〜にいて〜♪」としつこくかかっていたのでけっこう記憶に残っている。それなりに視聴者にもインパクトは与えられていたようで、22位から3週100位以内に残った。タイトルからはもっと穏やかな曲を思わせるがひたすら求愛しまくる求愛ソング。どういうわけか最後は歌詞が「ライラライ」になってしまう。サウンドはそうでもないが、正直なところかなり重たくてあまり好きな曲ではない。
★★★☆☆
2ndアルバム『life-size-portrait
ベスト『
GOLDEN☆BEST YeLLOW Generation Singles+

春雷
最早王道といえるモラトリアム思わせぶり系ソング。おちまさとはこれにて撤退することが同時に発表されていた。1stアルバムにもメンバー表記せずに自身の名前をプロデュースでアピールしまくっていたがもう満足したのか、ネタ切れだったのか…。
★★★☆☆
2ndアルバム『life-size-portrait
ベスト『
GOLDEN☆BEST YeLLOW Generation Singles+


5th 夜空に咲く花〜eternal place〜
夜空に咲く花~eternal place~(CCCD) 03年9月18日
おちまさとが撤退したが、その精神を引き継いだメンバーにより作詞はメンバー主導で継続(今作は作詞家と共作)。要するに夜空に咲く花とは花火の事だが、今は隣にいない君を思いながら1人で花火を見上げてあの日を懐古しているのでかなり切なさが漂う。夏が終わっていく時期の発売だったのも切なさに拍車をかける。相変わらず眉間にしわが寄ったようなシリアスな曲調なので当時はあまり違いを感じなかったが、改めて歌詞を見ると今まで漂っていた思わせぶり感が無くなったというか、等身大になったような感じはする。
★★★★☆
2ndアルバム『life-size-portrait
ベスト『
GOLDEN☆BEST YeLLOW Generation Singles+


6th 扉の向こうへ
扉の向こうへ 04年1月28日
アニメ「鋼の錬金術師」ED。当時盛り上がり始めたソニーアニメ典型パターンの初期はアニメタイアップにすればトップ10付近はガチだった。この曲はトップ10には惜しくも届かなかったが「北風と太陽」に続く存在感を発揮し、自身2番目のヒットとなった。人によっては「北風と太陽」は知らなくてもこの曲だけ知っている人もいるのではないだろうか。曲調は初期の路線に近く、とにかく前へ進んでいけという力強い内容。この作品自体シリアスだったようだし、その線で作詞されたのだろう(作詞は介入なしのグループ名義)。アニメ視聴者の間では評判も良かったようだが、全く見ていなかったので完全にマンネリな曲だなぁという印象しか無く実はあまり印象のない曲の1つだったりする。
★★★☆☆
2ndアルバム『life-size-portrait
ベスト『
GOLDEN☆BEST YeLLOW Generation Singles+


7th YELLOW
YELLOW 05年4月6日
「扉の向こうへ」で久々に盛り返したのに1年以上放置されてのリリース。「扉の向こうへ」のヒットが想定よりかなり下だったのだろうか。完全にソニー見捨てられモードに突入し、タイアップも無く大撃沈。147位(653枚)という最低記録となった。楽曲はかなり冒険した新たなイエジェネ像を示した激しいロック路線。ジャケットもかなりロックだった。ロックなサウンドは新鮮味があってけっこうかっこいいとは思ったが、グループイメージが固定されてしまっているのか今回も眉間にしわの寄ったシリアスな曲で前に進んで行け系。歌っている事はあまり変わっていなかったという…。
★★★☆☆
2ndアルバム『life-size-portrait
ベスト『
GOLDEN☆BEST YeLLOW Generation Singles+


8th トリトマ
トリトマ 05年7月13日
さすがに前作がまずすぎたのかテコ入れ。カップルでも無い男女の芸能人が毎週デートさせられるという人気バラエティ「恋するハニカミ!」テーマ曲。その場限りの疑似恋愛ではあったが、デートが主体の恋愛モノタイアップだっただけにこれまでのような眉間にしわの寄ったシリアスな曲では浮いてしまう。イエジェネにそもそもこのタイアップが来たこと自体奇跡だが、大きく路線を変更。ようやく肩の力が抜けてきたような切ない恋心を歌った1曲。「うたかた」が単に重かったのに対してメンバーが作詞しただけあって重さは無く、等身大で切ない。妙に低音が利いたサウンドも印象的だった。タイアップ効果で何とか99位に入った。
★★★★☆
2ndアルバム『life-size-portrait
ベスト『
GOLDEN☆BEST YeLLOW Generation Singles+


9th Dual
Dual 05年12月7日
アニメ「銀盤カレイドスコープ」。さらに大胆に路線変更。アレンジャーに小西康陽を招いたのでかなりポップに突き抜けた明るい1曲。初めて笑顔が見えるような明るくて前向きな歌詞もとにかくとびりきポップだった。かなり幅が広がって今後の変化が楽しみな1曲だったが…結果的にこのままリリース凍結してしまったのは残念。アイドルじゃなくてこういうガールポップな感じは新鮮だった。1年後に事後報告で解散が発表される。ベスト盤すら出ずに解散発表だけで終了してしまったので、長らくアルバム未収録のまま放置されていたが、「ゴールデン☆ベスト」シリーズで取り上げられる事になり、発売から5年経ってようやくアルバム初収録となった。
★★★★☆
ベスト『GOLDEN☆BEST YeLLOW Generation Singles+

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