LINDBERG�V

リリースデータ

メンバー

LINDBERG3rdアルバム。前作から5ヶ月でのリリース。シングル「今すぐKiss Me」を収録。表記は無いがアルバムバージョンでシングルではフェードアウトだったが今作ではフェードアウトせずに演奏がきちんと終了する。90年2月発売の「今すぐKiss Me」が大ヒットして一挙ブレイクしてこの曲は1990年の年間シングルチャート3位となりシングルでは最大のヒット作となった。シングル大ヒットの勢いの中で発売された今作も初登場から2週連続3位、3,5週目に1位、4週目に2位、5,6週目に3位、7週目に4位、8週目に6位…と、6週連続トップ3入り、8週連続トップ10入りを記録した。アルバム年間チャートでは11位を記録。また100位以内53週ランクインは自身最大のロングヒットとなった。93年に前2作と一緒に再発されている。

CDでのリマスター再発は1度もされていないが、2016年5月25日に1st〜4thの4作が一斉にハイレゾリマスターで配信された。2020年には1〜8thまでが徳間55周年記念企画の一環としてUHQCD化されて再発された(リマスターはされていない模様)。

前作と発売時期も近いためか、前作で提示したLINDBERGの基本線をより確かなものへとブラッシュアップして初期LINDBERGの方向性を決定づけた1作。何気にアレンジャーが変更されて前作の佐藤宣彦がいきなりいなくなってしまっているが、シングル以外は須貝幸生と神長弘一が新たに参加、作曲面では小柳昌法も起用されるようになり、これで男性メンバー3人がメインライターとなり、全曲自作となった。作詞では8曲を渡瀬マキが担当。朝野深雪と西脇淳子が作詞をした楽曲はがむしゃらさ、まっすぐさ、ひたむきさなど10代向け応援歌、もしくは「今すぐKiss Me」のようにほぼ勢いだけでよく見るとあまり中身が無かったりするもので一貫してLINDBERGのイメージを決定づけているんだけど、渡瀬マキはそういった2人の作風を反映した曲もあれば、それよりも一歩踏み込んだもう少し大人だったり、シリアスだったりする歌詞も書いていて一気に方向性を広げているのがなかなか面白い。反戦への想いを歌った「VOICE OF ANGEL」や元気なだけではないセンチメンタルさを見せている応援歌「忘れないで」辺りは特に初期の傑作だと思う。これ以外にもファンクラブ名にもなったLINDBERGのテーマ曲「LITTLE WING」、後に再録音もされる「SILVER MOON」など前作以上に光る曲が随所に並び、大ヒットした「今すぐKiss Me」だけではないことを存分に見せつけてくる。またその「今すぐKiss Me」にしても後のベスト盤はほぼ92年再録バージョンなので、オリジナルバージョンでしかもフェードアウトしない完奏するバージョンというのは何気に貴重だったりもする。次回作と並んでオリジナルアルバムではこれぞLINDBERGな2トップだと思う。

　　2020年UHQCD

印象度★★★★☆

2020.4.13修正

戻る