Bespoke

No タイトル 作詞 作曲 編曲 提供相手
1 約束の場所 槇原敬之 槇原敬之 槇原敬之 CHEMISTRY(2006年)
2 かみさまでもえらべない。 槇原敬之 槇原敬之 槇原敬之 Early Morning(2009年)
3 着メロ 槇原敬之 槇原敬之 槇原敬之 藤井フミヤ(2008年)
4 イカ大王体操第2 槇原敬之 槇原敬之 槇原敬之 イカ大王(2015年)(中の人は塚地武雅) 
5 悲しみの帳 槇原敬之 槇原敬之 槇原敬之 小林幸子(2008年)
6 THE CODE〜暗号〜 槇原敬之 槇原敬之 槇原敬之 鈴木雅之(2012年)
7 カガミヨカガミ 槇原敬之 槇原敬之 槇原敬之 高橋みなみ(2016年)
8 Sakura Melody 槇原敬之 槇原敬之 槇原敬之 加藤ミリヤ×清水翔太(2014年)
9 一番初めての恋人 槇原敬之 槇原敬之   平井堅(2017年)
10 チキンライス 2020 ver. 松本人志 槇原敬之   浜田雅功(2004年)(正確には"浜田雅功と槇原敬之") 2度目のセルフカバー
11 Love & Peace Inside? 槇原敬之 槇原敬之 槇原敬之 SMAP(2010年) 単曲DL不可、ST未配信

Strings Arrangement:トオミヨウ(9,10)

初回盤DVD
1.Sakura Melody(Music Video)

リリースデータ

2020年3月4日(発売中止)
2022年3月2日
初登場6位 売上0.9万枚 Produced by 槇原敬之 Buppu

槇原敬之セルフカバーアルバム。初の提供曲のセルフカバーアルバム。提供曲セルフカバーはこれまでもオリジナルアルバム内で数曲ずつ行っていたがセルフカバーのみのアルバムは初となる。これまでセルフカバーしていなかった10曲+「チキンライス」のみ2006年『LIFE IN DOWNTOWN』でセルフカバーしていたため2020 ver.と題した2度目のセルフカバーとなる。初回盤は「Sakura Melody(Music Video)」収録DVD付。

配信版では「Love & Peace Inside?」のみ単曲DL不可、STは完全カット。いわゆるジャニーズ対応となっており、DL販売におけるアルバムまとめてのDL時のみ購入可能。配信開始直後はApple Musicなど一部では普通に配信されてしまって聞けたようだが配信設定ミスだったようでその後に聞けなくなり、公式でも説明が掲載された。仕様上Spotifyの表示は聞けない曲はリストにはあるがグレーアウトしていて再生できない表示、Amazon Musicでは表示も無く10曲仕様という表示になっているのを直接確認。

当初『The Best of Listen To The Music』に続くデビュー30周年プロジェクト第2弾作品として2020年3月4日発売が告知されていたが2月13日99年以来2度目の覚せい剤逮捕により発売中止となった。今作は放置されたまま2021年10月に逮捕後に新たに制作したオリジナルアルバム『宜候』を発表して復帰、そして2年遅れで今作も発売が決定した。2年前に既に完成されていたものを新たに手を入れずにそのまま発売したものと思われ、「チキンライス 2020 ver.」も当時の年号のままとなっているほか、録音ミックスがしていた滝澤武士のみ、マスタリングがBob Ludwigとなっているなど2019年以前と同じ体制となっている(『宜候』では録音で沢田知久が復帰し滝澤武士と連名表記、マスタリングは国内になり森ア雅人に交代していた)。発売日の表記は2022年にしっかり変更されているほか品番も改められ、『宜候』の次の番号(BUP00025-26,BUP00027)が割り当てられた。これにより『Design & Reason』のBUP00018から続く、本来割り当て予定だったと思われるBUP00019-20(初回)、BUP00021(通常)は欠番となった。

自分でもヒットさせた「THE GIFT」(僕が一番欲しかったもの)、自身も深く関与した「チキンライス」を除くと最も有名な提供曲は「世界に一つだけの花」だが案外それ以外に目立ったヒットは無く、「世界に一つだけの花」をもう1度セルフカバーすると3度目になってしまう(20周年の時に『Best LIFE』で2度目をやってしまっている)のもあってか外されてしまったため、初の提供曲セルフカバーアルバムなのに1番肝心なやつが入ってない…みたいになってしまい、ラインナップの魅力にはやや乏しい感は否めない。2度目の「チキンライス」以外ではCHEMISTRYの「約束の場所」が1番有名かとは思うが、サビのフレーズが「銀河鉄道999」に酷似しているとして松本零士が連日ワイドショーに出演して一方的に騒いだため(松本としては認めて一言謝ってほしいという意向だった)、槇原側からオリジナルであって松本作品の該当台詞は知らないとして盗作だというなら証拠を示せと裁判を起こして叩きのめし(槇原側が勝訴)、最終的に和解という騒動があった(これみよがしに槇原のクリスマスカードのイラストを松本が描くという形で和解アピールをしたが、その後も松本はただ一言謝ってほしかっただけという主張をしている)。

…というのがあったので「約束の場所」だけは何も無ければ『悲しみなんて何の役にも立たないと思っていた。』辺りのタイミングで収録していたかもしれずセルフカバーするタイミングを逃していた感もあるが(この頃は予定していた新曲発売予定が中止になってエイベックスに移籍するなど妙にばたついていた)、00年代末期頃からセルフカバーをあまり行わなくなり、ここ2010年代はほとんど提供しっぱなしになっていたので必然的に今作は00年代後半以降の楽曲が多い

いかんせん知っている曲がほぼ無く、「チキンライス」を除くと原曲に馴染みがあるのは「約束の場所」のみ。「Love & Peace Inside?」は聞けば思い出す程度で印象は強くなく、当時聞いた「カガミヨカガミ」「一番初めての恋人」は聞いても思い出せないくらいすっかり印象が無くなっていた。時代の変化もあって提供先でシングルにもなっていない曲も多くて、なんとなくヒット曲として覚えているみたいな事も起こりにくいし難しいところだ。リード曲は季節に合わせて「Sakura Melody」にしてMV制作をしているが、「世界に一つだけの花」の2度目をまだ取っておけばここで使えたのに…。

アレンジは『Design&Reason』で毛利泰士が復帰して以降の制作体制で今作にも毛利泰士が参加しているので、毛利泰士がいなくなっていた『LIFE IN DOWNTOWN』以降よりはそれ以前に近い暖かみのある雰囲気が戻っているようには感じる。そもそも本人の曲でも2010年代の曲はシングルでさえ印象の弱い曲が増えていて、アルバム全体の雰囲気はまあまあ良いみたいな印象が続いていたので、提供曲だけずば抜けていいなんて印象にもならないとは思っていたが、提供曲のセルフカバーアルバムとしてはあまり楽しめず、いつも通りな感じ(アルバム全体の雰囲気はまあまあいい)。この後で逮捕されて心機一転で制作された宜候』の方が持ち直している印象だったので個人的には『宜候』の印象がより良くなると同時に次の新作への期待は高まった。

初回盤の「Sakura Melody」は本人出演も無いCGアニメーションでこれ1曲しか入ってないのでかなり味気ない。DVDがつくと再販制適用外となり、初回盤は割引できるが通常盤は定価になるという仕組みから初回盤を購入した方が安くなるというだけかな…。

B09Q1YFRCD初回盤DVD付  B09Q6R9L6G通常盤 

印象度★★★☆☆

2022.3.27更新

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