海とあなたの物語たち

No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 海とあなたの物語 TK&Marc 小室哲哉 小室哲哉 1stシングル 最高7位 売上31.3万枚
2 DOWN TO EARTH Marc 久保こーじ 久保こーじ  
3 ONE MORE CHANCE Marc 岡田実音 藤田宜久  
4 Please tell me... Marc 藤田宜久 藤田宜久  
5 cherish way Marc 松本零士 松本零士  
6 裸のココロ HIROSHI 住吉中 松尾和博  
7 ONE SIDED LOVE Marc 木根尚登 溝口和彦  
8 all my love Marc 岡田実音 松本零士  
9 夢をつかまえた人(Album Mix) 久保こーじ 久保こーじ 久保こーじ 1stシングルC/W
10 19 NINETEEN 小室哲哉 小室哲哉 溝口和彦 内田有紀「19」のカバー

リリースデータ

1999年3月17日 初登場26位 売上2.2万枚 Produced by 小室哲哉&久保こーじ ポニーキャニオン

未来玲可1stアルバム。先行シングル2曲を収録。「19 NINETEEN」は95年の内田有紀の4thシングル「BABY'S GROWING UP」C/Wだった「19」のカバー。オリジナルは小室編曲だったが今作では別のアレンジャーに委託している。98年11月に「海とあなたの物語」にて小室哲哉プロデュースフジテレビ月9ドラマ『じんべえ』主題歌という破格の待遇でデビュー。当時14歳という以外にほとんど素性は明かされなかったが、『ミュージックステーション』への出演は果たした。しかしこの際に緊張のあまりに盛大に音を外しまくってしまった。年末年始頃には2ndシングルのリリース予定が発表されていたが発売中止となり、そのまま2ndシングルがリリースされることは無く、3月に今作リリースとなった。この時点で既にプロモーションがほとんどされずにひっそりと発売された事もあり、100位以内2週のランクインに留まり、特に終了宣言も何もなくこのままフェードアウトした。『ミュージックステーション』での失敗が視聴者に鮮烈な印象を残すのみとなったため、真相は何も公表されていないにも関わらず、間もなくMステでの失敗が原因で早期引退になったという噂がほぼ定説のように囁かれるようになった。

『じんべえ』は見ていたがドラマ自体はそんなに面白くなくすぐに記憶から消えてしまった。しかし主題歌である「海とあなたの物語」はかなり鮮烈な印象で当時もレンタルだったが手に取ったし、その後も長く記憶に残っていた。2ndシングルが中止になったことと年明けにアルバムが随分ひっそりリリースされたのも記憶にあったがアルバムを手に取る事は無く、そのまま文字通り消えてしまい、「海とあなたの物語」だけが99年末の記憶の1つとして強く残るだけとなった。伝説の放送事故といわれるMステは見ていなかったが、ネットが普及すると最早定説のようにMステ失敗が伝説化しており、これが原因というのも定説になってしまっていた。実際に動画サイトなどに上がっている当時のMステ映像を見てみると確かにヘロヘロだが某DNA崩壊紅白さん辺りと比べても大差は無く、そこまで悪くはない。

とはいえ「海とあなたの物語」は良かったが、今作自体は小室プロデュースブーム期の裏でいくつか生まれた手抜きプロデュースの1つと言って差し支えない1作だと思う。かなり天狗状態だったと思われる90年代の小室哲哉はあまり本気じゃない場合に作詞をマーク・パンサーや前田たかひろ、作編曲を久保こーじに投げまくるという現象が発生していた印象があるが(逆に華原朋美の『nine cubes』は全部単独で手掛けてるから別の意味での迫力が増している)、今作は久保こーじでさえほとんど参加してない。一応小室と久保のプロデュース名義なのに、久保こーじが1曲書いただけ、小室哲哉に至ってはアルバム制作にあたって1曲も書かずに内田有紀が19歳だった時に提供した4年前のC/W曲「19」を使いまわす始末。本人は15歳になったばかりだったのに…。小室プロデュースなのにここまで小室(と久保)が曲を書いてないアルバムって他にあるんだろうか。

そんなわけで当時の小室プロデュース全開だった「海とあなたの物語」以外は実際ほとんど参加してないんだから当たり前なんだけど全然小室っぽくない。シングルでのミステリアスなイメージとは異なる等身大のポップナンバーも聞くことができるが、まずもって2曲目から作風が違う以前に声がなんか違う。「海とあなたの物語」はかなりボーカルをいじっていて、アルバムではそこまでいじらなかったせいと思われるけど、TVで失敗したのも納得なくらいに不安定で拙い。これが本来のボーカルスタイルだったっぽいが、このあどけなさと少女っぽさに魅力を感じられるかどうかが重要で個人的にはそこが微妙だった。アルバムタイトルが今作の全てを表現していて、ヒット曲「海とあなたの物語」と9曲の「たち」で構成された1作…といった印象にはどうしてもなってしまう。

海とあなたの物語たち  

印象度★★★☆☆

2016.3.7更新

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