16th〜That's J-POP〜

No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 愛してナンが悪い!? つんく つんく 江上浩太郎  
2 ギューされたいだけなのに つんく つんく 大久保薫 69thシングル両A面曲
3 信じるしか!
(生田衣梨奈・石田亜佑美・小田さくら・加賀楓・森戸知沙希・岡村ほまれ)
つんく つんく 大久保薫  
4 TIME IS MONEY!
(佐藤優樹・野中美希・横山玲奈・山ア愛生)
つんく つんく 江上浩太郎  
5 泣き虫My Dream つんく つんく 平田祥一郎  
6 二人はアベコベ
(譜久村聖・牧野真莉愛・羽賀朱音・北川莉央)
つんく つんく 江上浩太郎  
7 純情エビデンス つんく つんく 大久保薫 69thシングル 最高2位 売上11.9万枚
8 このまま! つんく つんく 平田祥一郎  
9 KOKORO&KARADA つんく つんく 大久保薫 68thシングル3A面1曲目 最高2位 売上13.7万枚
10 人生Blues つんく つんく 大久保薫 67thシングル 最高1位 売上12.5万枚
11 Hey! Unfair Baby つんく つんく 鈴木俊介  
12 恋愛Destiny〜本音を論じたい〜 つんく つんく 大久保薫  
13 LOVEペディア 児玉雨子 オオヤギヒロオ 平田祥一郎 68thシングル3A面2曲目
14 人間関係No way way 児玉雨子 オオヤギヒロオ 鈴木俊介 68thシングル3A面3曲目
15 青春Night つんく つんく 大久保薫 67thシングル両A面曲

Rapアレンジ:Miss Monday(15)

リリースデータ

2021年3月31日 初登場2位 売上4.2万枚 Zetima

メンバー

譜久村聖 9期
生田衣梨奈 9期
石田亜佑美 10期
佐藤優樹 10期
小田さくら 11期
野中美希 12期
牧野真莉愛 12期
羽賀朱音 12期
加賀楓 13期
横山玲奈 13期
森戸知沙希 14期
北川莉央(68th〜) 15期
岡村ほまれ(68th〜) 15期
山ア愛生(68th〜) 15期

モーニング娘。16thアルバム。モーニング娘。'21名義での発売。前作から3年3ヶ月ぶり、ベスト盤『ベスト! モーニング娘。20th Anniversary』から2年ぶり。前作時はモーニング娘。'17名義で2017年になってから発売したシングルしか収録せずそれ以前の大量のシングルを未収録としたが、今作では'21名義のシングルがまだ発売されておらず、'19名義、'20名義で発売したベスト盤以降の3シングルから7曲全てを収録15期メンバーは68thシングルより加入したため67thには参加しておらず、今作が初のアルバム参加となった。また今作の収録範囲では卒業メンバーはいない。初回盤は9曲を披露した無観客シークレットライブ、「恋愛Destiny〜本音を論じたい〜」「純情エビデンス」「LOVEペディア〜人間関係No way way」のAnother EditのMV、メイキング映像、「メンバーが語る!! アルバム「16th〜That's J-POP〜」」を収録したBlu-ray付。

「LOVEペディア」と「人間関係No way way」はメロディーは同じで歌詞とアレンジが異なる楽曲となっている。この2曲以外は全曲つんく作となったが、病気により総合プロデューサーを降りてからはサウンドプロデュースで参加しているという扱いのままで今作でも各楽曲個別ににSound Produce:つんく♂とクレジットされるに留まり、総合プロデューサーは不在扱いのままとなっている。

一時期はもう少し外部に任せる流れになってきていてわざわざ別の作家で「BRAND NEW MORNING」なんてタイトルのシングルを出して新体制を打ち出していたが結局つんく参加が再増加。やはりモーニング娘。には愛着が強いという事か、モーニング娘。はつんくの曲でないとというコアファンが多いのか(さすがに病気前ほどのすさまじい量産体制ではない)。今回もおなじみのアレンジャー陣によるリズム重視、作曲より明らかにアレンジが功労者といういつもの感じの曲が並ぶ。チャッチャッチャーチャーとモールス信号みたいなメロディアスさの欠片も無い棒読み調のリズム感重視の曲が冒頭から連投され、相変わらずな感じ。

ただ今回は抑揚のないつんくメロディーをアレンジのギミックで昇華させていた功労者たるアレンジャー陣が珍しく足を引っ張ったように感じる部分もチョイチョイ目立つ。さすがにこれだけつんくが曲を書いているので中にはメロディー主体のバラードや明るくポップな曲やロック系もつんくはちゃんと書いている。全盛期に比べてメロウな方向に持っていっても全然印象に残らないのは仕方ないにしても(むしろもうメロディーで聞かせる曲では勝負できないからリズム重視で10数年貫いている印象ではある)、EDMとか言い出す以前の昔のような曲も用意されているのにアレンジがことごとく全部同じ薄いリズミカル電子音攻め。最後に追加したというバラードの「泣き虫My Dream」社長からバラードであれば追加してもいいと言われて書き下ろした曲だそうだがせっかくのバラードなのにアレンジがいつも通りでイマイチメロディーを生かそうとしているように聞こえない。普通にウキウキポップな感じの詞曲である「二人はアベコベ」なんか素直にブラスを生かした明るく華やかにモータウン調で盛り上げればいいのに、いつものサウンドに電子変換してしまったかのようなそっけない電子アレンジでブラス風の音色は無機質電子音で小さく鳴らすなど強制的にいつもと同じような感じにしてしまっている。「Hey! Unfair Baby」も盛り上げ系のエネルギッシュなナンバーで「みかん」みたいなアレンジが合いそうな曲だがギターは効いているもののキャリアが長く人気全盛期を知る鈴木俊介まで近年の作風に引っ張られていて一定のクール電子サウンドにしてしまっていて盛り上がりきれない。これなら大久保薫が編曲した「恋愛Destiny〜本音を論じたい〜」の方が曲がロック系なのでちゃんといつもとは変えてきた感じがちゃんとする。結局は大久保薫が最大の功労者である事に変わりはないのか。今作ではせっかくつんくがいつもと違うポップ、ロック、バラード系の曲を書いたのにいつもの感じのアレンジにしてしまったのは大久保薫以外のアレンジャー。大久保薫中心のままの方がちゃんとメリハリつけてくれたかもしれないと思った。

というわけで良くも悪くも安定感抜群一定のクオリティの高さと一定のとっつきにくさが共存した作風。絶賛する人は絶賛して、プロからの評価も高いがそこから一向に広がらないという徹底的にいつもの感じ。堂々タイトルにJ-POPを掲げる自信は凄いなとは思うけど、これはどちらかというと近年特にダンスミュージック界隈では海外志向、K-POPが世界で受けているらしいのでK-POPみたいなグローバル路線でクオリティを上げていきたいみたいな流れがあるけど、K-POPもどきを乗るつもりはなく、日本人としてあくまでJ-POPを掲げて勝負するぞという決意表明みたいなものではないかなという印象。現状正直なところ国内でのライブもままならない状態で日本のファン置き去りにしてグローバル路線やってもしょうがないところがあるし(YouTubeとかサブスクでバズればライブ封じも関係ないがそれはそれで敷居が高すぎて狙って当てられるものではないし、世界基準だからバズるわけでもない)、姿勢はカッコいいんだけどなぁ本当に…。

B08WN4S8PG初回盤Blu-ray付   B08WN6FJFM通常盤 

印象度★★★☆☆

2021.5.15更新

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