青空のゆくえ

中学3年生の1学期の終わり。バスケ部キャプテンの高橋正樹(中山卓也)がアメリカに転校することが発表される。女子バスケ部キャプテンの速見有美(森田彩華)、親友でバスケ部副キャプテン杉原雄大(佐々木和徳)、学級委員長の高橋亜里沙(黒川芽衣)、幼馴染の河原春奈(多部未華子)、帰国子女の市田尚子(西原亜希)、何かと正樹が面倒見ている鈴木貴子(悠城早矢)。「やり残したことはひとつ」と言う正樹を巡ってその日を境にばらばらだった彼らの恋愛・友情関係が少しずつ動き始める。

監督は長澤雅彦。公開された05年9月は監督の次回作『夜のピクニック』が撮影されていた時期に近いが、今作出演の多部未華子、西原亜希はそちらで主演級として出演している。撮影は恐らく04年で、中学3年生の設定だが出演者は全員当時高校1年〜3年程度だったと思われる。

正樹が誰とでもさわやかに接する好青年でみんなに好かれている。ある意味で、そのキャラクターに女の子がその気になってしまうので罪な男だとも言えるが、嫌味のないキャラを演じた中山卓也は素晴らしい。以降あまり出演作が増えていないのが残念。一応クレジット上は一番上(中山は2番手)の森田彩華だが、今作は正樹を中心にした物語なので別に主役っぽくない。女性陣5名はほぼ同列の扱いだし、むしろ森田の次に来ている黒川芽衣よりもさらにその下の多部、西原、悠城の方が目立っている。正樹をきっかけにこの3人には新たな友情が芽生えていく変化の方が森田や黒川の微妙な変化よりも印象的だし、特に多部未華子は幼馴染という設定な上に唯一自宅や家族が登場するので扱いは明らかに森田や黒川を越えている。西原も含めて次回作で続けて主演級になっている事から長澤監督も気に入っていたのかもしれない。

特に激しくドロドロすることもなく、健全な中学生の恋模様や友情が描かれている青春ストーリーなので、派手な事件などはないが、青春の表の部分は全部詰め込まれているこの映画はひたすらさわやかで非常に印象が良い。長澤監督はやはり下手なギャグを入れずとも青春だけを描いて成立させられる人だと思った。『夜のピクニック』の寒いギャグを除いた部分を気に入っている人は、作風は近いので見て損はないと思う。

 

印象度★★★★★

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