バトルロワイアル2 特別篇

00年に大ヒットした『バトルロワイアル』の続編『バトルロワイアル2』の特別編。1作目でも追加撮影と再編集による特別編が劇場公開されたが、1作目ほどヒットしなかった今作は一応初号試写に抽選で観客がいくらか呼ばれたようではあるが正式な劇場公開にはならず、ビデオDVDでの登場となった。

前作と違って原作はなく、オリジナルストーリー。七原がテロリストになり、島にたてこもる彼らテロリストを新たなBR法で選ばれた中学生が倒しに行くという設定で新たなストーリーが展開される。それを受けてのノベライズという形で別の作家が書いた小説版も存在するが、こちらは映画の内容を受けてよりテロリスト側の映画のストーリーに入る以前の描写など細かく書かれている。

かなり強引な展開多く撮り過ぎてしまったせいで編集がメチャメチャだった本編は正直なところ、マイナス点が多かった。個人的にはけっこう好きだったのだがあまりに破綻しすぎていてやはりその部分は気になっていたのだがこの特別篇では大幅に改善。重要な姉弟のシーンを始めとして各自の個別のカットが増えてストーリーの流れも分かりやすくなった。本編を見てつまらないと感じた人でも少しは見れるようになったと感じるはずだ。

というか最初からこの編集で行くべきだった。当時は何を焦ってあんなメチャクチャな編集にして重要なシーンを削ってしまったのだろうか…。

 

今作は「復讐」がテーマになっているそうだが個人的には「俺たちは仲間だ!」というフレーズの方が印象に残っている。また次々と生徒が死んでいって「まるで個性がありません」なんて劇中でも皮肉っているがそれが戦争というものだと思うし、意味のなさや悲惨さは十分に伝わった。

それでも個人的にはやはりあの七原がテロを起こすってのは考えられない。小説版を書いた作家もそう思ったのか小説版では七原ら若い連中は無血テロと聞いていて、実際にテロを起こしたのは組織の大人の連中(三村さん達)ということが明確にされている。三村たちがそのテロを起こして死んでしまったので七原たちはその罪を押し付けられてしまう。それでもその罪を背負って、政府と戦う…という少々悲痛な展開に設定されているのだが映画ではそこんとこは明言されていない。特別篇では三村たちとのやり取りは追加収録されたもののやはりあまりそこんとこには触れていないのでイマイチ七原たちテロリストが大勢の無関係の人間の命を奪ってまで大人と戦う理由が理解できない。それが残念。小説設定の方が納得がいく。

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★★★★☆

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