名探偵コナン 業火の向日葵

2015年公開。劇場版19作目。第3作『世紀末の魔術師』、第8作『銀翼の奇術師』、第10作『探偵たちの鎮魂歌』、第14作『天空の難破船』に続いて怪盗キッドが登場。工藤新一と怪斗の顔が似ているという設定を生かし、今作では変装不可能な状況でキッドが素顔のままで工藤新一に化けて欺くというパターンがこれまで以上に頻出する。

ゴッホの名画「ひまわり」を鈴木次郎吉が集めて日本で展覧会を開こうとする。それを邪魔しようとたびたび現れるキッドだったが明らかに命の危機になるような行動を起こしたりと今までのキッドの犯行とはつじつまが合わない。不思議に思いながら捜査を進めるコナンだったがやがてその裏に潜む黒幕が…。

キッドの行動は一貫しているので最初からキッドの犯行ではないか、もしくは別の目的で動いていて巻き込まれているかというのは最初から分かりきっているわけだけど、結果的に犯人の犯行理由が適当過ぎて理由になってないという本末転倒な展開に…。ゴッホが好きすぎて正式に鑑定された本物を偽物だと思い込んでいましたとだけ説明されて終了、クライマックスアクションへ切り替えたら2度と出てこない。その前に出てきたもう1人も良く分からない。

重要な役なのにあからさまに棒読みな主要人物がいて誰かと思ったら案の定声優ではない女優の榮倉奈々だった。榮倉奈々に声優やらせるとこんなに下手だったなんてショックだ…。犯行理由が適当ですぐに定番のコナンピンチに切り替わってしまうのもそれが理由じゃないよな…。

もう1つ用意されたキッドの助手である寺井の戦時中のエピソードに関しても戦後70年を経過した2015年に最早成立する話じゃなくなってきている。戦後70年とは当時0〜10歳で70代、10代は全員80代。ラブロマンスみたいなのを現代に繋ぐには20歳前後である必要があるが、戦時中20歳前後は現代90歳前後となってしまい、もうこの手のエピソードの制作は不可能な段階に達しつつある。

今回はキッドの連載開始時(80年代末期)の感覚のままで「戦時中」の悲恋ネタを作ってしまった感じ。これじゃ寺井ちゃん90歳前後になってしまう。あの回想が実は15歳くらいだとしても85歳で少々無理がある。戦後50年(1995年頃)の感覚のまま戦時悲恋ネタ作っちゃったみたいな。連載開始時点で元々の寺井の年齢設定である60ちょっとだと今回のエピソードなんとか成立するけど…。

ここ最近のギャグみたいなスケールのアクションを一旦押さえて(蘭が壁を粉砕するのは除く)違う方向にもっていった感じではあるんだけどどうも話自体が過去最高にしっかりしてないのでガタガタだったような…。実際に脚本家が書いたものを膨らませて構成したら3時間越えてしまい、1時間以上も削ることになり、原作者青山氏がトリックを考案したという殺人事件も丸々カット、犯人の動機等ももう少し掘り下げていたらしいが全部削ってしまったので、当初の脚本家の書いたものとはかけ離れたとも伝えられているが今作があまりにもガタガタなのはそれが原因なのかも。

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★★★☆☆

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