電車男

2chのとあるスレッドの書き込みから発展した純愛物語。彼女いない歴22年の秋葉系オタク青年が電車で酔っ払いにからまれている年上のお姉さんを勇気を出して助けたことで、後日お礼にエルメスのカップが届く。ネットの住人達のアドバイスを受けながら電車男は頑張り、恋を成就させるという流れだったわけだが、そのスレッドをまとめた「中の人」という人物が作ったサイトがそのまま本になり爆発的ヒットに。撮影1ヶ月、それから公開までも1ヶ月という異例の速さであっという間に映画化となった。さらにドラマ化、舞台化なども決まって一気にブームが広がっている。

ネット時代が到来した現代ならではの新世紀型純愛物語といった形で顔も知らないネット上の人々からのアドバイスを受けて電車男が成長していくというのは非常に新鮮でおもしろい。また山田孝之も中谷美紀も本名不明。電車男はハンドルでそう名乗ったから電車男だし、送ったカップがエルメスだから中谷美紀はエルメス。主役の2人の名前が一切不明というのは前代未聞ではないだろうか。

山田孝之も徐々に成長していく電車男をうまく表現していたように思う。最初は会話すら成立しないようなオドオドしていた電車男がなんとかまともに会話できるようになっていったり、勇気を出して告白するシーンは見た目はカッコ悪くてもその姿はとてもカッコイイ。電車男に関してはリアルすぎるほどリアルに描かれている(多少誇張してるんだろうけど。さすがに上がりすぎだし)。またアドバイスする人たちは実際には匿名だし何人いるかも入れ替わっているのかもわからないわけだが映画では何人かに絞り、それぞれがアドバイスをして電車男が成長していくにしたがって彼ら自身も1歩先に進む勇気をもらうという展開も良い。

ただエルメスに関してはまるでリアリティが無く、相当の変人にしか見えない。さすがにいないだろ、こんな女性…。ラストシーンなどは感動するところだったんだろうけどエルメスがあまりにありえね〜という思いが強すぎてまるで感動できなかった。つまらなくなはなかったがおもしろくもなかった。相当冷めてんのかな、俺。

そもそもこの話、本当なのだろうか?原作(スレッド)は見ていないが、考察サイトではけっこういろいろな点の矛盾などを疑問視する声も多い。まとめサイトの「中の人」と編集者が強引に出版に持っていったという話などもあるし、パンフには脚本家(これだけ男性視点の映画なので男性だと思ってたら女性の方)の方と電車男のチャット対談の模様が掲載されているが、電車男を電車男と確認するすべなどあるはずもなく非常にうさんくさい。100%実話だと信じるのはやはり難しい。とはいえストーリーとしてはそれなりに良く出来ているので問題はないのだけど。

主題歌はORANGE RANGE。2chではパクリのせいもあり、史上最強に嫌われている彼らを2ch発の物語の主題歌に起用するなんて激しいマイナス効果にしかならない気がするが、なんだろう、大人の事情か諸方面の要請なのか。別にどんな曲でも良かったんじゃない?というくらうORANGE RANGEである必然性は無かったように思う。

スペシャルエディション   

印象度★★★☆☆(最後冷めた)

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