学校の怪談

95年公開。かねてから小学生の間での怪談話はあったが、この当時は特に学校の怪談、七不思議などがブームになっていて関連本も多数出版されていた(ズッコケシリーズの『ズッコケ三人組と学校の怪談』も前年の94年)。そんな中で登場したのが今作。当時VHSで発売されて以降の長らくそのままだったが、04年にシリーズ4作がまとめてDVD-BOX化、2015年になってようやく単独DVD化を果たしている。

終業式の日、忘れ物を取りに戻った美夏(米澤史織)は一定間隔で跳ねる謎のサッカーボールに導かれるように立ち入り禁止のはずの旧校舎に迷い込み、そのままさまよった挙句に失踪してしまう。姉の亜樹(遠山真澄)はそれを探しに同じく旧校舎に迷い込み、悪戯目的で忍び込んでいた研輔 (熱田一)と将太(塚田純一郎)とも遭遇。悪霊封じの魔方陣を描いていた均(町田耕平)も巻き込まれ、やがて彼らは旧校舎から出られなくなっている事に気付き、怪奇現象が続々と巻き起こる。同じく迷い込んでいた香織(岡本綾)も合流するも、転校してきたばかりで冷めた態度が災いして友人ゼロだった亜樹とガキ大将タイプの研輔の相性は最悪で別行動を取ってしまう。不思議な現象に襲われた亜樹は何故か単独で旧校舎から脱出を果たし、学校に残っていた教師の小向(野村宏伸)、均の双子の弟である一(町田昇平)、ヤンキー気質な研輔の母(杉山亜矢子)に助けを求め、再び旧校舎を訪れるが小向、亜樹が入ったところで再び旧校舎に入れなくなってしまう。テレパシーで均から校庭で壊れている何かを探し、魔方陣を完成させてくれと言われた一は研輔の母とヤンキー仲間の助力を得て外から脱出のための体制を整える。その頃、旧校舎内では怪奇現象がクライマックスに達していた…。

 

当時小学5年生だったのでこのシリーズはドンピシャ世代だった。ホラーモノにしては本格的というほど本格的では無くユーモアやギャグも満載なんだけどそれでも現役の小学生には適度に怖いというさじ加減がまず絶妙。今作の舞台はわりと普通の街並みでド田舎というわけではないんだけど、コンクリ建ての普通の校舎と一緒に使用されなくなった木造の旧校舎が隣接して残っている、という95年時点で都会にはすでに無かったものの、でもちょっと田舎に行けばありそうな風景。95年当時でも木造校舎というのは一昔前の代物であり、同時に適度な古さと怖さを併せ持っていて佇まいだけでもなんかぞくっとするものがあった。

単に子供たちが怖がって終わるのではなく、ラストでの驚きと余韻はそれなりに小学生当時でも残るものがあった。「2」が単純な今作のブラッシュアップ版のような完成度だけに「2」から後追いで見るとどうにも弱い感じはあるんだけど、十分に面白い1作。

 

小向(野村宏伸)
5-3の担任。亜樹、研輔、将太が直接の教え子。終始頼りない人物で楽観思考な上にKY。中盤で旧校舎インしてからもマイペース極まりなく、テケテケに取りつかれた状態でも気付かずにいたため生徒たちに逃げられる。自分が子供の頃に用務員だったクマヒゲさんが当時のままの容姿である事にも終盤にようやく気付くくらいの天然なので、当初はクマヒゲに何の疑問も持たずに普通に接してしまうほどのおとぼけっぷりだった。クマヒゲが蜘蛛の妖怪に変化した時になってようやく異常事態に気付く有様だったが、そこからは生徒たちを守ろうと頼もしさを見せる。

亜樹(遠山真澄)
ベリーショートの少年のような風貌の5年生女子。転校してきたばかりで気が強く冷めた性格のため友人ゼロ。妹を探すという目的で旧校舎に突入するもその性格のため、序盤は単独行動が多く、ガキ大将気質な研輔らともぶつかり合うなどやや嫌な部分が目立つ。

美夏(米澤史織)
亜樹の妹の2年生。最初に旧校舎の異変に巻き込まれた。巻き込まれるまでは単独シーンが延々続くがトイレで襲撃されて以降は出番皆無。終盤にようやく救出されるもなんと気絶したまま。文字通りのお荷物と化し、小向におんぶされたまま脱出。脱出後にようやく目覚めたので、当事者にも関わらず登場人物の中で最も作中で起きた事態をみんなと共有していない。一応ラストシーンでは亡き香織へ向けて自己紹介を行っているものの、香織がいた時は完全に気絶中だったので香織とも面識が無い。果たして状況をどこまで理解していたのか…。演じた米澤史織は92年に『ゴジラVSモスラ』のメイン子役、『学校の怪談3』でも生徒の1人を演じていた。高校時代に休業していたため00年代前半に出演作が無いが、以降もチョイ役で連ドラへのゲスト出演が多く、今作の子役の中では唯一現役で活躍中

研輔(熱田一)
典型的なガキ大将タイプ。悪戯目的で旧校舎に潜入。亜樹と険悪になるが、亜樹の当たりの方が強いため、そんなに嫌な奴には見えない。頼りない男子ばかりの中では極端にビビる様子も無く、終盤は亜樹を助けるために全力を尽くすなどそれなりに男前。

将太(塚田純一郎)
研輔の友人。ガキ大将にくっついている系のキャラで意外と優しい。香織に一目ぼれし、ラストでは香織の正体を唯一直接目撃し、「忘れないでね」と言ってもらい、告白しなかったことを悔いる純情少年。

均(町田耕平)
4年生。目的があって校舎に入った他の面々と異なり、巻き込まれる形で旧校舎に入った。中盤で捕まってしまい美夏と一緒に救出されたが捕まっている間に一にテレパシーを送り解決へのきっかけを作る隠れた大活躍をしている。自身は一と違って霊感がある事を自称していなかったが、一がこれといった霊感を見せる場面が無かったのでむしろ一よりも霊感が高いのでは…。しかし、その無自覚なテレパシー能力以外は間の悪さやビビりすぎて使えない、足手まといっぷりが目立ち、最終盤で襲い掛かるクモヒゲと化したクマヒゲを止めるためにバリケードを作った際には1人だけバリケードの向こうに取り残されたままになってしまいみんなに手間を取らせるなどトホホな役回り。

一(町田昇平)
不登校。均の双子の弟。霊感が強いと自称し、その霊感ゆえにゲロを吐いて「旧校舎に何かいる」との理由で不登校になった。体調不良でもないのにいきなりゲロを吐いたインパクトは生徒たちに強いインパクトを与えたらしく、同じ顔の均のあだ名が「ゲロ兄」として定着してしまうほど。均からのテレパシーを受け取り、校庭にでかい円陣を描き、発見されたガラクタの中から直感で首の折れたハニワのハニ太郎が「答え」だと見抜き、ハニワを再生させて旧校舎の悪夢に終止符を打った。…のはいいが一の霊感の強さで発動させたというよりは単に必要な条件を組み合わせただけなので霊感が本当に強いのかは不明。一からのテレパシーは他の大人も一緒に受け取ってたし。演じた俳優はリアル双子。

香織(岡本綾)
最年長の6年生。旧校舎内で突然登場。割と勝手な行動をとる面々が多い中で、最年長ゆえまとめ役までは行かずとも全員と友好的にふるまっていた。終盤で幽霊だったことが判明し、脱出を果たした後に実はずっと入院していた事と先ほど亡くなったことが判明。つまり登場時は死ぬ直前で幽体離脱していた生霊(将太が触れることができた)で、死亡した事で途中から完全に幽霊になった(ラストでは将太が触れようとするとすり抜けてしまった)ということらしい。今作の中でも圧倒的な美少女っぷりと存在感を発揮していて、将太同様に目を奪われた当時の子供達も多いのではないかと思われるが、実際今作の子役の中では最も活躍し、NHK朝ドラ『オードリー』主演まで上り詰めた。その後は連ドラや映画での主演級というより主人公の友人役など脇のキャスティングが多かったが、07年に女優としての限界を理由に休止を宣言し事実上引退した。

当直の先生(笹野高史)
噂話の中の登場人物、という設定ながら冒頭に登場。メリーさんの犠牲になるという今作の「掴み」を担当している。当時まだ40代後半だったはずだが、髪の量が少々多い程度で見た目はけっこうおじいちゃん。20年後の容姿とそんなに差が無い。

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★★★★☆

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