学校の怪談 3

97年公開。3年連続シリーズ3作目。前2作から監督が金子修介代わり、作風も大きく変わった。監督曰く前2作は和風だったが今作は洋風。また美少女を揃えることにこだわったとも発言している。前2作で主演だった野村宏伸は冒頭に同僚教師役で出演するのみにとどまり、前作にも出演していた西田尚美が主演となった。生徒メインキャストでは米澤史織が「1」以来前田亜季が「2」に続いての出演

病弱ゆえに運動会などにも出ることができずに20年前に死んだ生徒タイチの亡霊が宿る鏡が学校のどこかにあるという噂が生徒たちの間に流れていた。運動会の日、教師でありボクサーデビューも控える八橋(西田尚美)はその鏡を図工室の奥にあった隠し扉のような倉庫の中から発見。練習用の鏡として使用していたが生徒たちには不気味がられる。噂を聞きつけたクラスメイトで同じ塾仲間の茜(米澤史織)、繭子(前田亜季)、良(吉澤拓真)、真琴 (山田一統)の4人は塾が終わった後に学校に集合することを約束。

1番乗りで学校に到着した繭子はみんな先に中に入ったと勘違いして校内へ突入。合わせ鏡になっていた水飲み場の鏡に引きずり込まれてしまう。一方で母子家庭の良は母親(黒木瞳)から再婚することと東京へ引っ越すことを告げられ、再婚相手(佐戸井けん太)だけでなくその連れ子である悟(豊永利行)、柚香(野口由佳)まで一挙登場したので家出。茜、真琴、良の3人が集合したところで繭子の悲鳴が聞こえたので3人も校舎に出向く。良が単独で先行していき、茜、真琴はボクシングの練習で残っていた八橋と合流。何故かまだ現実世界にいるにもかかわらず運動会で作った大玉転がしの球が3人に襲い掛かり3人を食べてしまう。良は単身タイチの鏡に誘いこまれて吸い込まれるが、後をつけてきていた悟、柚香も一緒に吸い込まれる。良が目覚めたのは塾の教室で、悟、柚香に続いて繭子も合流。鏡の世界の町並みは妖怪だらけで変わり果てており、塾講師やバスの運転手や乗客、警官からついには良の母、悟&柚香の父までもが妖怪化していた。大玉に喰われた3人は普通に脱出。繭子や良がいなくなっているのでタイチの鏡を確認しにいった3人もまた鏡の世界へ。こちらはそのまま校内へワープ。学校へやってきた4人と合流して団結していく7人だったが、やがてタイチと妖怪たちとの違いに気付き…。

 

今作のキーワードは「鏡」。冒頭から鏡を使った演出が多くみられ、前2作でのいつの間にか違う世界へ入り込んでいたのと異なり、全員が鏡の世界に吸い込まれる事で明確に現実とは違う世界に入り込むという仕様。初めて学校外の街も舞台となっていて見知った人々が妖怪化してい」るというのはもっと幼少期にビデオで見たドラえもんの「パラレル西遊記」とかあのあたりの感覚に近く、ぞくっとするものがある。ただ現実世界で赤玉が怪物化したところだけは地味に謎。設定的にはあくまで鏡を使って誘い込むくらいしか現実に影響を及ぼすことはできなそうな感じだし、前2作と違って現実と鏡の中の世界を明確に分けたのにここだけ混ざっているのが当時からしっくりこなかった。

舞台は山林に囲まれた田舎な学校だけど、校舎は前2作と違って鉄筋に。これだけでかなり現代っぽくなった。

1作目→生徒たちが通っているのは鉄筋校舎で隣接されている使わなくなった木造の旧校舎が舞台
2作目→ド田舎の現役の木造校舎が舞台だけど在籍者は1人だけ。

当時の子供たちにとっては鉄筋の方が普段通っている校舎なのでリアルになる…かと思ったんだけど、こういうのは木造の方が佇まいだけで怖くて迫力が出るかなと。鏡世界も含めて日常の延長が非現実世界になる怖さはあるけど。

お化けに関しては仕掛け自体は前2作に劣らないどころかむしろもっと恐怖になるはずなんだけど、各々のメイクや造形がかなりポップな雰囲気で、黒木瞳や佐戸井けん太が能面で迫ってくるところもそんなに本気で怖がらせにきていない、のっぺらスタイルなのでコントと紙一重。年を重ねるごとにチープさが際立って見えてきてしまうのが難点。八橋のボクシングキャラも正直似合ってないし(そもそも小学校教師兼ボクサーって…)、ダイナマイトファイアーの掛け声なども滑り気味。

生徒同士の関係性はカップル2組+兄妹2人で前2作よりも恋愛描写、絆の描写が多めなのは監督の作風の差かも。前2作のように途中退場したり、別行動する生徒がいなくてわりとみんな平等にキャラが立っているのは良かった。特に前田亜季かわいすぎであり、ストーリーよりもそっちの印象が強く残ったのを記憶している。監督が美少女揃えるのに注力したとコメントしていたらしいけど、今作の女の子3人は実際かわいく、その後大人になっても活躍した事を考えると素朴さよりも芸能界的な着眼点は確かだったのかなと。

 

八橋かおる(西田尚美)
担任兼デビュー戦を控えるボクサー。13日の金曜日仏滅生まれで運が悪い人間だと言われる。生徒には「八橋ちゃん」とフランクに呼ばれ、冒頭で為山先生(野村宏伸)にデビュー戦を見に来てほしいとアプローチしたら結婚式当日だといわれてフラれた際にはからかわれていた。けっこう抜けた性格でかなりホラーじみた導きによってタイチの鏡を発見することとなったが、全く気にせずに持ち出しボクシング練習用に使用。真っ暗な校舎内に何故か居残っていて茜たち3人と合流し、赤玉に襲われて喰われるという超体験をするも全く怖がらず。タイチの鏡の前で吸い込まれるまでかなり呑気だった。鏡の世界ではさすがに襲い掛かる妖怪たちに生徒たちと逃げまどいながらもあくまで生徒の安全を優先して、ファイト精神を生かして勝負を挑むなどたくましさを見せる。能面の前では「顔が無いのがなんだ!私は胸が無いんだぞ!」と自虐する場面も。演じた西田尚美は前作では連発気絶芸を披露する塾講師役だった。今作ではキャラが行き過ぎてしまった感もある。

同じ塾にも通う「塾組」の4人

藤井繭子(前田亜季)
前田亜季は「2」に続いての出演だが、今作ではメイン格で生徒サイドの実質主人公。正統派美少女ヒロイン。キャラ付けが濃い生徒たちの中では普通にいい子。良への一途な思いと、その良が引っ越してしまうという切なさと健気さ、かわいさに魅了された当時の少年たちは多いと思う。なお「2」でも鏡に吸い込まれていた。今作ではトップで鏡の世界に吸い込まれたが、合流は良たちの後。良のことだけ考えていたら、良の元へワープしたらしく、塾の事務室の机の中から登場。コピー用紙でできた怪物が暴れるのを見ていきなり掃除機を使って倒すという度胸と機転を見せた。最終盤で危機を良に救われるが、鏡の世界を脱出するために飛び込む際に良が選んだのは義理の弟妹たちだった…というのは切ない。ラストでは良への軽いキスシーンも。マジ正統派美少女ヒロイン

久保田良(吉澤拓真)
繭子と両想いの少年。不良タイプでも優等生タイプでもないごく普通の少年だが回想シーンでは友人たちと悪ふざけして人体模型を破壊している年相応にヤンチャな一面も(これが人体模型のお化けに襲われる原因に)。母の再婚と引っ越しを知り家出する。インテリ悟にはいきなり学力の低さを指摘された挙句に契約書を渡されて嫌味を言われ、柚香には口元のほくろを鼻くそ呼ばわりされたことで憤慨するが、最終的に和解する。基本的に繭子の事が好きだが、終盤ではタイチのために1人残るなどとタイチにかなり肩入れする発言をしたり、繭子を窮地から救ったと思ったら、脱出する際には八橋に繭子を託して自分は悟&柚香と一緒に行ってしまったりと何が何でも繭子一筋ではない罪な男。というか両想いの女の子との絆、新たな弟妹との絆、タイチとの絆…と1人だけ抱えるものが多すぎる。演じた吉澤拓真は翌年の『モスラ3』でもメインの子役を演じたがそれ以降出演作は無く引退した模様。

佐藤茜(米澤史織)
気が強いイマドキ系の女子。良、真琴と合流して校舎内に突入するが、良が先行してしまったのではぐれてしまい、八橋と合流。3人で現実世界に出現した大玉に喰われるも現実世界では妖力が続かないのか普通の大玉に戻ったので玉を破って脱出。図工室のタイチの鏡から3人揃って鏡の世界へ吸い込まれる。直後にシャカシャカにより、八橋と分断されてしばらくは真琴との2人行動に。真琴に告白されてあまりのありえなさに驚愕するが、初めて告白してくれた男の子だからとあたふたした後に、それなりにいい雰囲気になる。前作の杏子(竹中夏海)とキャラが若干被っているがこちらはだいぶマイルド。激しくつっかかるガキ大将タイプがメンバーにいないこともあり、繭子よりもイマドキ風程度で嫌味なところはあまりない。演じた米澤史織は「1」での妹以来の出演。2年でかなり成長した。

太田真琴(山田一統)
シリーズ初のぽっちゃり系男子。マザコン気味でママからは医者や弁護士を目指せといわれているが本当はケーキ職人になりたい。お調子者だけど気が弱いという典型的な頼りないキャラだったが、茜と2人になって勇気を出せと言われ、死んだ八橋の遺言(分断されたっきり会えてなかったので死んだと思ってた)を胸に覚醒。いきなり茜に告白をぶちかます。濁流に呑まれて腹を冷やしたのでトイレに入っている際に紙が無い…状況に陥り、何者かにトイレットペーパーを渡されるがそれが妖怪の手だと気づき錯乱。全裸で茜の前に飛び出す一幕も…。全員合流後は比較的余裕ができており、最後茜と脱出する際には「うれしいんでしょ?」と謎のイケメンっぷりを見せる。

 

この学校の生徒ではなく東京の住人

木村悟(豊永利行)
良の母の再婚相手の子供。再婚の話し合いと挨拶のためにやってきていただけで東京在住。日本の未来を背負って立つと自称するインテリ嫌味メガネ。兄となる良が自分以下の学力のため、自分には干渉しないという契約書を出会うなり突きつけるなど性格が悪いが、何故か妹の柚香には甘く、勝手に先行する柚香に流されるままについていく。その後も輪を乱すような発言を繰り返し、合流まもなく茜に「このブァカどっから連れてきたの?」と言われる始末。生徒全員が板挟みにされ、八橋の事を考えて強く念じれば脱出できるとして全員が脱出した際も、担任でもなく出会ったばかりの八橋を強く念じる事が出来ず1人置いていかれ、良と柚香が逆に念じる形で呼び寄せられて助かる始末。この辺りでようやく良と和解。演じた豊永利行はその後、00年代になると人気声優へと成長。アニメで数々の主要キャラを演じており、ミュージカルでも活躍、キャラソンだけにとどまらず自身が作詞作曲しての音楽活動も行っている。

木村柚香(野口由佳)
良の母の再婚相手の子供で悟の妹。今作最年少。自称及び愛称「ユカリン」。出会うなり良の顔のホクロを飛び跳ねながら鼻くそコールするなどかなり常識外れな言動で良を唖然とさせるが人懐っこい性格であり、兄の悟と正反対に初対面の面々ともそれなりに打ち解けている。鼻くそコールもバカにしていたのではなくユカリン流であり、実は一瞬で良を気に入り兄としてあっさり認めていた。このためショックを受けて飛び出した良を追いかけて(ついでに悟も流されてついてきた)、鏡の世界へ引きずり込まれる。何故か霊感が強く、不気味な亡霊のように出現していたタイチの声を感じ取っていた。演じた野口由佳はその後ピチレモンモデル、ドラマ「花より男子」出演など活躍していたが現在は事務所から名前も消えている。

 

タイチ(比嘉タケル)
20年前に病弱で学校生活へのあこがれを残して死んだ生徒。現在は噂話として語り継がれている。彼が友達が欲しいと願った心を妖怪たちに利用され今回の騒動が起きた。子供たちの中には早い段階でタイチと妖怪たちでは意見が異なるのではないか説も出ていた。早くから亡霊として出現していたが、妖怪たちと意見が対立していたせいか、なかなかちゃんと姿を見せず、終盤で良が自ら触れ合うことを決意してようやく姿を見せた。夢だった運動会での二人三脚を実現させてもらい(実際は良と繭子に挟まれる三人四脚)、満足していたがゴール目前でずっとこのままでいたいと願ってしまった心を妖怪たちに利用され明るくなっていた鏡の世界が一転。鏡の世界は強制崩壊を起こし、過去2作をも超える勢いで窮地に立たされた。最後は割れてしまった鏡に代わって自らが道となり、みんなに感謝を告げて現実世界へ送り届けた。ラストシーンでは二人三脚で使用したハチマキをどこからともなく返却しているので存在が消滅したわけではない模様。

久保田真知子(黒木瞳)
良の母。再婚の話を持ち出し、いきなり再婚相手と子供たちを引き合わせ、東京に引っ越すことになると告げて良の反感を買う。鏡の世界では能面妖怪として良たちに襲い掛かる。現実世界ではその後、子供たちが失踪したので警察を呼ぶ騒動になり、憔悴しきっていた。

木村義男(佐戸井けん太)
真知子の再婚相手。悟、柚香の父。鏡の世界では能面妖怪として真知子や警官とと共に良たちに襲い掛かる。現実世界ではその後、子供たちが失踪したので警察を呼ぶ騒動になり、憔悴する真知子を支えていた。

塾の先生(野田秀樹)
繭子、良、茜、真琴が通う塾の先生。赤ジャージに竹刀という鬼講師テンプレみたいなスタイルで威圧感を放つ。良が鏡の世界に引きずり込まれた際は、かつて良が悪友たちと遊んでて壊した人体模型の妖怪として出現し、良に襲い掛かる。

為山先生(野村宏伸)
美術教師。前2作で主人公だった野村宏伸が演じている。八橋が思いを寄せていたが八橋が誘った自身のボクシングの試合当日が結婚式だと告げて八橋を撃沈させるのみで出番終了。シャカシャカは彼が粘土細工で作っていたもので、鏡の世界では実体化して八橋に迫りくる。パンツをはいていない事を八橋に指摘されて姿を消すが、何故か現実世界に戻った後にはパンツをはいていて一瞬妖怪化。八橋は2度と図工室に行かないと誓った。

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★★★★☆

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