交渉人 真下正義

大人気のドラマで映画も2度特大ヒットを出した『踊る大捜査線』。この『踊る大捜査線』のレギュラーの1人である真下正義(ユースケ・サンタマリア)がついに主役となった。他に室井さん(柳葉敏郎)とか雪乃(水野美紀)も出てくるが織田裕二や深津絵里の姿は無い。なお後の『容疑者 室井慎次』で室井が逮捕されてしまうわけだがその原因が今回の事件のせいであるとかそういうつながりはないらしい。

地下鉄の最新の実験車両、通称"クモ"が犯人に乗っ取られて遠隔操作されて暴走。1年前の事件を解決した時に交渉人として得意げに話していた真下の姿を見ていたらしい犯人は交渉の窓口に真下を指名。真下は地下から犯人と交渉、新キャラのヤクザみたいな刑事、木島(寺島進)が地上から犯人を追う。

クモはどこにあるんだ?とか爆弾は積んであるのか?とか緊迫した状態が最後まで続く。事件の緊張感はなかなかなので見ていておもしろかったことはおもしろかったのだが終わってみると謎が多すぎる

まず持って犯人の正体は最後まで不明。目的は真下だったらしいのだがその動機なども一切不明。一度判明するのだが「その人もう死んでます」などと無駄に謎が膨らむだけで事件解決してもまるですっきりしない。クモを探す捜査員がバタバタ走っている中で途中で立ち止まったり不審な動きをしている奴がいたのだが特に意味はないみたいだし。

そもそも「交渉人」という仕事の必要性がイマイチわからない。そこまでスリリングな交渉術が行なわれるわけでもない。出してきたヒントを素早く分析する推理力や情報収集力は確かにすごいし、周囲をちゃんと自分の味方に変えてしまう人間的魅力も真下に備わっているのは分かる。しかし犯人像があまりはっきりしないせいもありすげぇぜ交渉人真下正義!とまでは思えないのだ。中盤で早くも地下鉄職員の方々に指摘されているが結局真下がテレビに出て調子に乗ったせいで今回犯人に指名されたわけなので「交渉人」の存在はただ災いを招いただけとしか…。

なんだかおもしろかったのだが終わってみればいろいろすっきりしない映画であった。

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★★★☆☆

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