ゴジラ対メガロ

1973年公開の13作目。わずか2週間で撮影されたという予算削られまくりの作品としても有名。結果、観客動員数がついに100万割れになってしまった。人間側の主要人物が青年科学者の伊吹(佐々木勝彦)とその弟の少年(川瀬裕之)、そして助手的ポジションの青年、陣川(林ゆたか)のわずか3人しかいない上に、女性ヒロインも出てこない。設定上は前作の続編になっており、怪獣島の設定や、ガイガンの所有権の設定などが受け継がれている。また前作同様に過去の映像を大量に使いまわしている。メガロの光線がキングギドラと同じなのも、「ビームで破壊される町並み」を使いまわしたためらしい。登場怪獣はゴジラ、メガロ、ガイガン、ジェットジャガー、アンギラス。ラドンも恒例の「怪獣総進撃」使いまわし映像で一瞬だけ出てくる。

ガイガンは2作連続登場、2作連続の逃亡となるが、これ以降は出てこなかった。厳密には「FINAL WARS」のラスボスという役回り(完全に別設定)で出ている。

 

アスカ島で行われた核実験は地底王国シートピア怪獣島に大きな影響を与えた。シートピアの一部は崩壊し、怪獣島も半壊するほどの爆発と地割れにさらされた。地割れが起きる中で、脱出しようと逃げていたアンギラスは地割れに飲み込まれてしまう。地上よりも優れた文明を持っているシートピア人は報復のために守護神メガロを使って地球への攻撃を決意する。

一方でウルトラマンのパチモンのようなロボット、ジェットジャガーの製作者伊吹のところへシートピア人が攻撃。ジェットジャガーの支配権を奪い、メガロの水先案内人として利用する。しかし、ジェットジャガーにはもっと強力なペンダントからの超音波で命令を聞かせる機能が存在した。これを使い、ジェットジャガーの支配権を奪い返した伊吹は、ジェットジャガーにゴジラを呼んでくるように指示。

飛行できるためゴジラより先に戻ってきたジェットジャガーは意思に目覚め、何故かウルトラマンのように巨大化。ゴジラが来るまでメガロと戦いを始める。どう見ても互角以下の戦い、放っておいてもメガロが勝てそうではあったが、事態を重く見たシートピア人は前作に登場したM宇宙ハンター星雲に連絡を取り、ガイガンを派遣してもらう。2体に囲まれてさすがにヤバイと悟ったジェットジャガーは飛んで逃げようとするが、逃げきれずに捕らえられフルボッコにされてしまい、機能停止寸前に。そこにゴジラが登場。ジェットジャガーが全く使えないので事実上1対2の状況ながらも熱線も使わずに有利に勝負を運ぶ。

その後は前作でガイガンに流血させられた映像の使いまわしになり、一時ピンチになるも最終的にはジェットジャガーとのアンギラスよりもバッチリな友情連結プレイにより、ガイガンを宇宙に追い返し、メガロも地底に追い返すことに成功。固い握手を交わし、ゴジラが去った後に元のサイズに戻ったジェットジャガーは、役目を終えたことで再び意思を持たないロボットとなり、伊吹の命令によって帰宅の途に着くのだった。

 

とりあえず…かなり適当やっつけな内容。「メガロがダムを崩壊させるシーン」に少ない予算を一極集中させて気合を入れたらしいが…。ほとんど意味の無い破壊シーンや軍隊出撃シーンなど過去映像の使いまわし連発。怪獣の登場シーンは多いがストーリーの中身がほとんどない。メガロの移動方法も明らかに釣られた状態で上下に動かしているだけの、あからさまピョンピョン移動だし、都合が良すぎるシーンが目立つし、何よりゴジラの世界にウルトラマン的要素が入り込んでしまうと違和感。その主たる原因のジェットジャガーはもはや論外。ゴジラとの共闘はあまりにも珍妙な見た目で、もはや悪夢である。しかもシートピア人も苦労して奪っておいて利用目的が水先案内人ってお前…。メガロのデザインも明らかにウルトラマンの怪獣寄りになっているし、当時ウルトラブームだったのか、あまりに影響受けすぎている。ワースト作品といわれる事も多いが、納得だ。

あと、冒頭で地割れに沈んだっきりで出番終了のアンギラスはあまりに不憫…。

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★☆☆☆☆

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