ゴジラ対メカゴジラ

1974年公開の14作目。ゴジラ映画20周年記念作ということで、ここ数作の使いまわし映像連発から一転してそこそこ気合の入った内容となっており、観客動員も回復した。舞台となった沖縄は2年前にアメリカから返還されたばかりだった。登場怪獣はゴジラ、メカゴジラ(最初はゴジラの皮をかぶって偽ゴジラとして登場)、アンギラス、沖縄に伝わるシーサーが怪獣になったキングシーサー。

「ゴジラの息子」あたりまでは繰り返し出演していた初期の出演者陣だったが、以降の作品では繰り返し出演はなくなっていた。今回は久々に平田昭彦、小泉博が復帰している。

 

沖縄で洞窟が発見され、そこには「黒い山が現れた時に怪獣が現れてこの世を破壊するが、太陽が西から昇る時に2頭の怪獣が救う」との予言が書かれていた。清水敬介(大門正明)と学者の冴子(田島令子)は、洞窟で発見されたシーサーの置物を持って東京に行き、和倉博士(小泉博)を訪ねる。しかし怪しい男、南原(岸田森)が付近をうろついていたり、謎の男が襲撃してきてシーサーを奪おうとするなど危険が迫る。一方で敬介の弟、正彦(青山一也)は、沖縄の玉泉洞で謎の金属片を拾い、こちらは宮島博士(平田昭彦)の元へ向かう。

そんな中で、ゴジラが出現。いつもと違う泣き声を発しながら、いきなり街を破壊し始める。映画冒頭で、何か不穏な気配を感じていたアンギラスが何故か地中から出現(前作で地割れに落ちたっきりだったのとは関係ないと思う)。戦友であるはずのゴジラをいきなり攻撃し始める。が、ゴジラに殺された初代(『ゴジラの逆襲』)と比べても、見せ場がほとんどなかった上に、元から戦闘ではあまりに役に立たず、ゴジラの足元に及ばないアンギラスが勝てるはずもなく、鋭い突撃でゴジラの皮膚を少しだけ削り取るも、以降は見せ場無くあっさりボコにされてしまう。しまいには口を強引にバゴッと広げられてしまい、あごが裂けて流血するという無残な状態に。再び地中へと敗走したアンギラスはその後2度と現れなかったため、この後死んだという説もある…。

黄色い熱線を吐きながらコンビナートを破壊するゴジラだったが、そこに本物の泣き声のゴジラが何故か工場の中からモコモコと出現。ゴジラが熱線を浴びせると、金属だらけのボディが現れて、その正体はメカゴジラと判明。沖縄の玉泉洞の奥深くに拠点を構えるブラックホール第3惑星人がゴジラを徹底的に研究して作ったのがメカゴジラだった。熱線の打ち合いの末、ゴジラは吹っ飛ばされて海中へ水没。流血したようで付近の海が紅く染まる。当初は勝ち誇っていた惑星人だったが、メカゴジラの方もこの衝撃で故障が発生したため、東京襲撃を断念して退却。

その後、ゴジラは雷雨で荒れる島で電撃を取り込むかのように修行していた。

その後、敬介/冴子組はシーサーを蘇らせるために、正彦/宮島(&その娘)組もまた調査のためにそれぞれ沖縄へ向かう。敬介/冴子組は、惑星人に付きまとわれるがその窮地を救ったのは南原で、後に彼はインタポールの人間で、惑星人を随分前からマークしていたことが判明する。宮島らは惑星人に捕らえられ、特に宮島は娘と正彦を人質にメカゴジラの修理をさせられてしまう。

一時は殺されかけるも、南原が味方になったことで形勢は有利になってきて、全員集合で脱出に成功。ついにキングシーサーが復活する。が、出現しただけ眠っているキングシーサーはアズミ王国の子孫の歌声でようやく目覚める。出撃してきたメカゴジラ相手に、ビームを取り込んで跳ね返すという頼もしさを序盤で見せたキングシーサー。しかし、3度目にはメカゴジラに技を見切られて回避され、以後ミサイル攻撃に切り替えられると跳ね返せなくなり防戦一方になって手も足も出なくなりボッコボコにされてしまう。そこにゴジラが登場。しかし、2対1の状況でもメカゴジラは首を180度回して、両面攻撃を仕掛けて2体を近寄らせない。この際にメカゴジラはゴジラ相手にミサイル攻撃、キングシーサーにはビーム攻撃を行うなどうっかりな行動をとっているが何故かキングシーサーは跳ね返さずにダメージを喰らってしまう始末。

目や腕、口、腹部などありとあらゆる場所からミサイル、レーザー攻撃を怒涛の勢いでしっちゃかめっちゃかに連発するマシンガン状態のメカゴジラに全く近づけない2体。良く見ると連射攻撃の中でキングシーサーは前進を試みようとするゴジラを盾にしている始末。そしてキングシーサーはついに画面にも出てこなくなってしまい、ゴジラもまた首を切られて激しく流血。さらには複数の針が突き刺さるなどこれまでで最も痛々しい状態に…。

しかし、ここでゴジラが特訓の成果を発動。磁力を発生して、金属のメカゴジラを強引に吸い寄せる。キングシーサーも元気になって体当たり。最後はゴジラが首をもぎ取って大爆発炎上した。

一方で惑星人も南原や宮島博士の機転で基地ごと大爆発炎上。平和が戻った。

 

ここ数作、イマイチな作品が多かったので今回は久々に面白い。普段なら1組の主演陣が何故か2手に分かれて活動しているのも久々に人間ドラマに味があって面白い。キングシーサーは序盤だけ凄かったのにあとはほとんど役に立たなかったのが何とも…。しかも満足げに再び眠りについちゃうし。ゴジラがいたから助かったけどお前、全然守りきれてなかったじゃねーか。アンギラスはこれっきりということで、ゴジラの相棒/親友の印象が強い割には何か全然印象的な戦いをしていなかった。メカゴジラの壮絶な光線ミサイル連発は圧倒的だが、今回アンギラスもゴジラも以前よりも激しく出血していたりしたのは印象的だった。

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★★★☆☆

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