涙そうそう

血の繋がらない兄妹の妻夫木聡と長澤まさみによる家族愛を越えた愛の物語。TBS開局50周年の「涙そうそうプロジェクト」の最後の1つで05年8月の『広島 昭和20年8月6日』(こちらには長澤まさみも出演)と10月の『この愛に生きて』の2本のスペシャルドラマに続く第3弾として企画された映画らしい。当初はもっと早く製作される予定が当初予定されていた監督が急病で降板。一時白紙になりかけるなどしたため大幅に遅れて06年9月公開となった。

スペシャルドラマの2本はどちらも戦争の時代を描いたものだったが、今作は現代の沖縄が舞台で戦争の話ではない。予告などから血の繋がらない兄妹の禁断の恋みたいな方向に行くのかと思いきや、話はいたって健全にあくまで家族愛の範囲内でおさまっている。実直な人柄の妻夫木の奮闘もあり、より強い絆を感じるあくまで兄と妹の話。

1ヶ月前に公開された長澤まさみと速水もこみち主演の『ラフ』が期待と裏腹に興行5億円に満たないコケっぷりを見せたのに対して今作は30億円を越える大ヒットを記録したという。だが、この2作の間に6倍に及ぶほどの出来の差は感じられない。何故こんなにヒットしたのかが分からないし、同時にこれでは長澤まさみの出演作はつまらないという定義がますます広がってしまうのではないかという勢い。

基本的に公式のあらすじに書いてある以上の事は起こらない。兄妹の間にそれ以上の感情が…という部分に関しても同様で1歩どころか4,5歩以上手前の段階から先には踏み込まない。さすがにこのままでは盛り上がりなさすぎてヤバイと思ったのか、終盤は実に安易な泣かせの展開に急変する。あまりに突然すぎて泣けないし、エンディングの迎え方も実に唐突。ドラマの最終回じゃなくてこれは映画なんだから終わるならもう少しきちんと終わらせて欲しい。

主演の2人が実に素晴らしいだけにあまりに無難すぎた話と終盤の安易な展開は致命的だった。結局、さわやかな妻夫木くんと相変わらず最強のかわいさを誇る長澤まさみにしか魅力が…。もう少し期待してたんだけどなぁ。

スペシャルエディション    

★★☆☆☆

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