劇場版 SPEC〜結〜爻ノ篇

13年公開。前後編の後編で「漸ノ篇」から1ヵ月で連続公開された完全完結編。今作を持って「SPEC」の物語は終結する。

どんどん広げた世界観をどう畳むのかと思ったが、いよいよ封印しきれなくなっていた当麻(戸田恵梨香)のSPECが解放され、人類を滅ぼそうとするセカイ(向井理)と対峙する…。

ということで世界観広げた割にこの映画の大半は警視庁の屋上で繰り広げられる。あまりに世界観広げ過ぎてどうしようもなくなっていた中で、連ドラ時代からのSPECホルダーが当麻に協力するために登場したりするシーンはさすがに熱いものの、セカイは手のひらをかざすだけで対象を消滅させるというチート能力を持っているので何の役にも立たず…。

死者を呼び寄せるだけの能力だったはずが、いつの間にか冥界がどうとか御しきれないほどの能力だとかいう話になった挙句に、「ソロモンの鍵」だとかなんとかでこの局面で重要な存在になってしまったらしい当麻は最終的にグロブヨ映像を提供して命をかけて世界を救うわけだけど…。

尽力した瀬文(加瀬亮)に変な刑事たちが壮絶なリンチを繰り広げ、佐野元春の「彼女」が大音量で流れる終盤のシーンはただただ唖然。この頃、陶酔したような発言が多くなって、自己満足の世界観にはまり切っていたプロデューサー植田氏の要望でこうなったらしいが、同時期に放送されていたドラマ『安堂ロイド』でもラストでキムタクロケット&小田和正を大音量BGMとして使うという同じような演出をさせており、植田氏のアートな自己満足&御乱心という印象が強くなってしまった。ラストでは何故か「ケイゾク」の朝倉の名前だけを意味深に出してくるし。

その後も監督の堤幸彦や、脚本の西荻弓絵を差し置くような勢いで今作への思いをあちこちの媒体で熱く語り続けていた植田氏だっただけに脚本も演出もしていないものの植田氏のやりたい方向性や当時のちょっと狂気じみた思想と構想が強く反映された作品になってしまったように思う。通常監督や脚本家がやり玉に挙げられがちだがこの作品に関してはプロデューサーである植田氏の意向が非常に強いというか基本植田Pの世界観が反映された作品であることは本人のインタビューや役者のインタビューを見れば分かる。役者のインタビューで普通に植田Pと話し合ったとか、植田Pが変えたとか植田Pの世間への反抗心が出た映画だとか監督よりも名前が出てきて語られているのだから…。能力者同士であれこれやっている時までは面白かったのに、先人類だのなんだのと最終的には植田Pの暴走のせいで全く別の作品になってしまったことはただ残念。

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★★☆☆☆

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