手紙

東野圭吾の原作の映画化。殺人犯の弟として差別を受ける加害者側の苦悩を描いた作品。主演は山田孝之でヒロインが沢尻エリカ。殺人犯の兄は髪を坊主にした玉山鉄二。

武島剛志(玉山鉄二)は弟・直貴(山田孝之)の学費を稼ぐために懸命に働いていたが腰を壊して仕事をクビになってしまい、金を工面するために老婦の家に強盗に入ってしまう。しかし、老婦に見つかってしまい揉み合った末に老婦を殺してしまい、無期懲役となってしまう。剛志にとっては直貴との手紙のやり取りが心の救いとなっていたが、直貴は「殺人犯の弟」として何処へ行っても差別を受ける人生に、頂点をつかみかけたお笑いの夢、結婚も断念するハメになり次第に兄への恨みを抱いていく。

という話。直貴が最初に働いている工場の食堂に由美子(沢尻エリカ)がいて、直貴のことを一方的に気に入って半ばストーカー的につきまとう。この時点での由美子は完全に素朴な田舎娘といった雰囲気なのだが、直貴がお笑いを目指して上京した後に、由美子も美容師の夢を追うべく上京して再登場した際には、すっかり現代的な少々ケバ目な雰囲気に豹変。予告編などでは確か田舎娘の姿が強調されていたので驚いた。ただ多少ケバくてもやっぱり超美しいよ、この人。

すっかり根暗な印象が根付いた感のある山田孝之にお笑いをやらせるのは少々無理があったようにも思えるが(原作だとバンドらしいし)、相方の尾上寛之の明るさでそこはカバーされていて思ってたよりもいい感じだった。基本的には苦悩し続けるわけだから、山田孝之は最適だし。セリフはほとんどないが、ボーズになって気合を入れた玉山鉄二もいい感じ。結婚相手関連者がステレオタイプすぎて微妙だった以外はどの人物も重要なセリフを言っていて感動した。

話自体は、現実を突きつけながらも優しい視点が随所に入っていて最終的には昇華されていくので見ごたえがあった。ただ差別の視点は少々誇張させている気もしたが、実際どうなのか分からないので案外そうなのかも。2時間で時間は6年間も経過するので、由美子と親しくなっていく過程とかけっこうはしょり気味。これは連ドラでやってもそれなりに成立した作品のような気がする。何故TBSは連ドラにしたら引き伸ばしせざるを得ないような映画の2時間だけで十分な作品ばかり映画→ドラマのコンボをかましてこういうのを連ドラ化しないのだろうか。

主題歌は高橋瞳『コ・モ・レ・ビ』。挿入歌は小田和正によるオフコースのセルフカバーVer.の『言葉にできない』なのだが、ラストシーンからスタッフロールの前半はこの曲が壮大にかかりまくって完全に主題歌状態。いいとこは完全に持っていかれており、『コ・モ・レ・ビ』は黒バックでスタッフロールも出演者クレジットなどとうに過ぎたような中盤過ぎでかかりだすので明らかにとってつけたような扱いで印象薄すぎ。この曲が全くヒットしなかった理由が分かった

プレミアム版    

印象度★★★★☆

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