UDON

ユースケ・サンタマリア主演のうどんがメインの映画。NYで失敗して香川に帰郷した主人公が、小さな雑誌社で故郷の名物である讃岐うどんを特集することでブームを築くというお話。が、前半でブーム去った後半は主人公と父の確執の解決、父の味を復活させようと奮闘する様子など描きつつ、まああくまでうどんが中心の展開。

とにかくうどん一色。「踊る大捜査線」の特大ヒット、及びスピンオフの大ヒットで、監督もやりたい放題やらせてもらえたようで、自由にできる機会など滅多にないのだからありとあらゆる話を詰め込めといった感じの盛りだくさんな内容。それだけに2時間を余裕で越えていく。これがあまりに長い。たっぷりな内容で、もうこれ以上続きは気にならないくらいまでエピローグもバッチリ締めていくので見終わった後に気になる事もない。とにかく長い。うどんだけでこの長さはある意味凄い。通常、映画に感じられる足早感というものは全くない。

前半のサクセスだけで1本作れるのに後半は親子の話で全く別の話になっていくし、キャプテンUDONなんていうわけの分からんヒーローモノまでCGを駆使して、そのためだけに寺島進とか起用して合間に挟んでしまう始末(『スペーストラベラーズ』の時の劇中アニメみたいな感じ)。終盤には幽霊登場というファンタジー、そして都合のいい超サクセスで締めるという…。何気ないシーンにも時間をかけまくる。サスペンスだった『交渉人 真下正義』でも使ってなかった『24』みたいな分割画面をうどんブームが広がっていく様子を描くのに使っていた。あれを分割なしで見せていたらさらに長くなって大変なことになっていたはずなのでいい試みだったと思う。

とにかく長いし、ギャグではじけまくるわけでもないので途中で飽きてきたんだけど、そこそこホロリとする場面もあったし、終わった時はそんなに悪くはないかな、という感想だった。でもこういう映画は余裕があるときじゃないと作れないと思う。実際、ド派手な宣伝に反して興行は10億円を上回った程度。踊るシリーズの100億、200億の世界は例外としても真下や室井でも40億台には乗せていたので大失敗ではないが、それに続く勢いで宣伝しまくっていたところからして限りなくコケたに近いのではないかと思われる。大作映画でこういうものが出てくることは今後しばらくないんじゃないかと思う。

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★★★☆☆

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