X-MEN:2

03年公開。前作の監督、主要キャストが続投したそのままの続編。前作ラストの続きから話がスタートする。キャラクターも増加し、前作よりもアクションシーンが増えている。

大統領襲撃事件が発生し、人類の間ではミュータントへの危機感が再び高まっていた。研究者のストライカーは捕えられているマグニートーを薬品で操って情報を聞きだし、プロフェッサーXの学園の危険性を理由に舞台を送り込む事を提案し、自身の計画の為に暗躍。プロフェッサーXとスコットはマグニートーと面会していたが捕えられ、ジーンとストームは大統領襲撃事件の犯人であるナイトクラウラーの居所を突き止め、彼もまた操られていたことを知る。戦力不在の学園には武装隊が突入、大半の生徒たちは隠し扉で逃げ出し、留守番していたウルヴァリンはローグ、アイスマン、パイロを引き連れて脱出。その最中でストライカーこそが失われた過去を知る人物だと知ったウルヴァリン。その頃ミスティークの暗躍で脱走に成功したマグニートーも救援に駆け付け、ストライカーのミュータント抹殺計画を止めるための戦いが始まる。

今回は前作の敵との共闘もあるものの、そこはやはり最終的な考えが合わないわけで、ここぞとばかりにマグニートーも目的を果たそうとするなど自分の立場を忘れてはいない。相変わらずミスティークの変身能力は便利だが、今回は比較的全員がそれぞれに活躍している上にアクションも多いので見ごたえがある。それでいて差別的な主張も忘れず、ウルヴァリン、ローグ、アイスマン、パイロの4人が仲間と合流する前に、アイスマンの実家に出向くシーンが象徴的だ。アイスマンは自分がミュータントだと明かしていなかったがここで初めて告白。両親は泣き崩れ、兄弟に至っては警察に通報するといった騒動を巻き起こす。結局和解できないまま終わるというシーンは象徴的だ。

3部作の中で唯一2時間越えと長いが、最も充実して面白い内容だと思う。ギャラの問題とか生じる前に立て続けの3部作契約だったらもっと良かったのに。

B079W2S7K118年発売Blu-ray版      B01E7BJ2061,2,ファイナル・ディシジョン,ファーストジェネレーション,フューチャー&パスト5枚組Blu-ray BOX

★★★★★

以下ネタバレ含む、登場人物のまとめ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウルヴァリン…本名はローガン。主人公。前作のラストで過去の手掛かりがある雪深い湖の研究施設へ旅立っていたが廃墟になっており学園に帰還。たまたまX-MENメンバーが全員出かけるので留守番を頼まれるがその夜に学園が襲撃され、ローグやボビーらを助けて共に脱出する。自身の過去を知るらしきストライカーが今回の首謀者ということで過去を知るために戦いに挑む。断片的にしか過去は見えず、ストライカーにも詳しい話を聞く時間が無かったので詳細は判明しなかったが、ある程度は過去が分かったことで過去への執着は薄れ、今の仲間を大切にしようと考える。

ローグ…本名はマリー。前作で利用された際に前髪が白髪化。今回はその白髪部分が少し増えている。ボビーと恋仲になるが能力の特性上、相手に触れると危険なため悩んでいる。中盤過ぎまでは出番が多いが、基本的に戦闘向けの能力ではないため戦闘シーンは無い。暴走するパイロを止めるために能力を活用する。最終決戦には置いていかれるが、飛行機を無理やり操縦して仲間の元へ駆け付けた。しかしムチャをしたためにエンジンが起動しなくなってしまい、ジーンが犠牲になる事に…。

プロフェッサーX…本名はチャールズ。能力と特殊装置を応用すれば全ミュータント、もしくは人類を殺すことができるためストライカーにその強力なテレパスを利用され、捕われの身となる。今回幻覚によって操られているだけで、ミュータント、人類双方を殺そうとするなど完全な危険人物扱いに…。

サイクロップス…本名はスコット。プロフェッサーXと一緒に行動していたところ、一緒に捕われる。一応応戦したが本気を出す前にユリコにのされてしまった。洗脳されて敵となりジーンを襲うが、ジーンの放った念動力の衝撃で正気に戻る。プロフェッサーXと同様に役に立ってない事もあり、一部ファンの間ではスットコなる珍妙な呼び名も…。

ジーン…スコットの恋人。前作の事件以降、力が異常に強まり自身でも異常を感じている。少しでも心が不安定になると周囲に影響が表れるほどでこれが3作目への伏線となっている。サイクロップスとの戦闘では激しい念力で彼の能力を抑え込み正気に戻させるが、この際にダムに衝撃を与えてダム決壊の原因となってしまった。ラストでは仲間を救うために全能力をかけて決死の活躍を見せるも自身は湖に呑まれてしまう。

ストーム…本名はオロロ・マンロー。今回も天候を操る能力で複数の竜巻を起こしたり、クライマックスシーンでもナイトクロウラーを勇気づけて共に閉ざされたプロフェッサーXのいる部屋へ移動。吹雪を起こして事態を解決するなどけっこうな活躍をする。

アイスマン…本名はボビー。氷を操る能力者。ローグと恋仲になっている。家族にはミュータントであると告白していなかった。学園襲撃の際は時間稼ぎの為に氷の壁を作り出している。後に実家に戻り告白するが、ミュータントを受け入れられない家族に裏切られる。チョイ役だった前回に比べて出番が多いが、まだ戦闘訓練を積んでいないこともあり、最終決戦にはローグ、パイロと共に置いて行かれる。

パイロ…本名はジョン。炎を操る能力者。アイスマンが氷を生み出すのとは異なり、彼自身は直接炎を生み出すことは出来ず、ライターなど発生している火を操り増幅させる。ローグ、アイスマンの同級生だが、絡んできた一般人相手にキレて人前で能力を使い注意されるなどやや血の気が多く、学園の方針にも不満がある模様。学園襲撃後にウルヴァリン、ローグ、アイスマンと共にアイスマンの実家に同行。警官隊の襲撃の際に我慢できず派手に攻撃を開始し警官隊を壊滅させる。最終決戦では置いて行かれたが、それに不満で飛び出すも間に合わなかった。マグニートーに認めてもらえたことでラストではマグニートーへとついていく。

ナイトクロウラー…本名はカート。全身真っ黒で刺青を入れた尻尾を生やした悪魔のような風貌。テレポート能力を持つ。空間を少し移動する程度で遠くへの瞬間移動は出来ず、見える範囲内じゃないと無理(壁に突っ込んでしまう危険があるため)らしい。冒頭で大統領襲撃を行った犯人。しかし実際にはストライカーに操られていただけだった。仲間になって以降は能力が便利で、空に放り出されたローグを救出、捕えられていた子供たちを救出、プロフェッサーXを止めるためにセレブロ内部へ移動するなど大活躍する。かなりの大活躍だったにも関わらず何故か今作のみの登場で次回作では存在すら言及されない。今回は緊急事態なので仲間になったが神を信仰している描写があるので学園の方針とは考えが合わなかったのだろうか。

 

マグニートー…本名はエリック。前作の事件の後にプラスチック牢獄に収監されて今回もそのまま。ストライカーに薬品で一時的に操られ、学園の秘密やセレブロの詳細などを全て吐いてしまう。その後ミスティークの活躍で脱走し、X-MENメンバーと共闘してストライカーの研究施設への最終決戦に挑む。X-MENと共闘したものの、基本的には足並みをそろえる気は無く、プロフェッサーXの元に辿りついても救出はせずに、ミュータントを殺せから人類を殺せに命令を書き換えて去っていった。

ミスティーク…ずっとマグニートーの行方を追う一方で、前作で死んだケリー議員に化け続けて情報収集を行っていた。ストライカーの発言からマグニートーの居場所の手がかりだけでなく、ストライカーが立てていた計画までたどり着き、マグニートーを救出して最終決戦に同行する。

 

ストライカー…科学者。かつて息子がミュータントに目覚め、プロフェッサーXに預けるも救えなかったとして恨んでいる。今回の首謀者でミュータントを滅ぼすための計画を進める。さらにウルヴァリンの過去にも関与するなど重要なカギを握る。ダム決壊により計画がオジャンになったので逃走を図ろうとしていたがローガンに捕まる。過去の説明をもっと聞かせるのと引き換えに一緒に逃げようと持ちかけるが、ローガンは仲間の救出を選択。縛り付けられてしまうが、縛りが甘かったようであっさり脱出。今度こそ逃げようとしたら今度はプロフェッサーXの人類殺害脳波により行動不能になった挙句に、マグニートーに見つかり、ボコボコにされて脱出ヘリを奪われた挙句に磔にされてしまった。脱出してきたローガンと言葉を交わすが、助ける義理も無いので放置され、ダム決壊と同時に水流が押し寄せるところで出番終了。これで死亡したので今作より先の時系列の続編では当然登場せず、初登場である今作が最晩年の姿となる。今作以前の過去を取り扱った作品では中年時代のストライカーが登場している。

ユリコ…ストライカーの秘書。日本名だが日本人が演じているわけではない。時折金属音を発しており、ローガンと同じ能力者。ストライカーに操られており、ローガンと対決。手の甲から太い爪が出るローガンと異なり、指の爪が伸びるような描写になっており、ローガンを滅多刺しにするなど奮戦。お互い回復能力があるので決定打を与えられずにいたが、ややローガンを押し気味な戦闘力を見せる。しかしローガンが咄嗟にアダマンチウムの原液を注入、体内でアダマンチウムが固まった事で死亡した。

ジェイソン…ストライカーの息子。人を操る能力を持つが、かつてプロフェッサーXでも救えなかったらしい。ストライカーにより廃人化させられた操り人形と化していた。プロフェッサーXを操っていたが、幻覚を見せる際は廃人化したオッサンでは幻覚も冷めてしまうためなのか、少女の姿を使っていた。瞬間移動したナイトクロウラーとストームは当初ジェイソンとプロフェッサーXではなく、この少女のみしか見れない状態になっていた。ストームによりセレブロ内を低温にされたことで少女は消滅、プロフェッサーXが目覚めた事で能力を停止させられる。直後にセレブロが崩壊し、ナイトクロウラーの能力でストームとプロフェッサーXは咄嗟に救出してもらえたがそのまま放置されて死亡。

 

 

戻る