夕凪の街 桜の国

一応、田中麗奈主演映画として扱われているが実は2部制になっていて、広島に原爆が落とされてから13年後の昭和33年を描いた麻生久美子主演の『夕凪の街』と、現代が描かれた『桜の国』とに分かれている。

夕凪の街
原爆が落とされて13年後、父と妹を亡くしながらも生き残った皆実(麻生久美子)は母のフジミ(藤村志保)と2人で暮らしていた。そんな中、会社の同僚の打越(吉沢悠)から愛を告白された皆実は喜びと同時に死んでいった者たちを想い自分だけが幸せになっていいのか苦悩する。そんな皆実を優しく包み込んでくれた打越だったが、今になって皆実に原爆症の症状が現れる…。

桜の国
皆実の弟で原爆投下時は親戚の家に疎開していて助かった旭(伊崎充則、堺正章)は定年退職を迎えていた。どこかに長電話していたりと不審な旭は、家族に内緒でどこかへ出かけてしまう。心配した娘の七波(田中麗奈)は偶然再会した小学校時代の同級生である東子(中越典子)と共に尾行を開始。行き着いたところは広島だった。七波は改めて自分の叔母である皆実や祖母のフジミ、母の京花(小池里奈、粟田麗)ら自分の家族のルーツに思いをめぐらせる。

 

という感じで戦争が終わってもまだ原爆は現代にまで尾を引いていることを数世代の家族の話を通してじっくりとしかし確実に見せる内容。直接的に悲惨さを見せるというよりかはもう少し間接的に見せていく感じ。『夕凪の街』以降の描かれなかった部分は『桜の国』の方でも再び回想として描かれる。実質的に麻生久美子の方が主役のような気もした。原爆に関してこういう長い視点で見たことが無かったので改めていろいろと考えさせられる話だった。そこまで大昔の話ではないんだよなぁ。基本的には悲惨さよりも「生きる」ってことが重視されていてそこまで重くもなかったし、いい映画だった。

 

★★★★☆

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