風待ち交差点

リリースデータ

森山直太朗2ndフルアルバム。前作のベスト盤と同時発売されていたシングル「小さな恋の夕間暮れ」はアルバム未収録となった。それ以降のシングルを収録。半分が既発表曲となった。「恋しくて」はシングルではピアノ1本だったものが、バンドとオーケストラが入っている。初回盤は2曲収録のボーナスCDが付属。ボーナスCD含めても80分に収まるため、CD-R化する際は1枚で収録可能だ。ベスト盤の直前シングル「時の行方〜序・春の空〜」からは作詞だけでなく作曲も御徒町凧との共作名義になり、今作ではついには単独プロデューサーにまでなっている（以前のプロデューサー大越氏はシニアプロデューサーという扱い）という大きな変化があり、より密接な関係になっている。07年3月には収録シングル全てのPVを収録したDVD付のスペシャルエディションが限定発売されている。2013年に今作から6thアルバムまでが全てSHM-CD化された(リマスターはしていない)。ボーナスディスクは初回盤のみでスペシャルエディションやSHM-CDには付属しない。

シングルはかなり売上ダウンしたとはいえ、どれも良かったのでそれなりに期待していたのだがアルバム曲がどれもほとんど弾き語りだったり、歌い方がおちゃらけてたり、力抜けすぎだったりとわざと外したような曲ばかり。シングルのような、普通に歌って適度にバック演奏もあって、という曲が全然ない。1stアルバム頃までの極端な力みとは正反対の方向に向かっており、ひたすら力の抜けたリラックスした雰囲気になっている。ボーカルも力抜いた上でさらにおちゃらけたりするので180度方向性が変わった感じ。一方で「恋しくて」は本来だったらこれでシングルにするようなアレンジで仕上がっているのでいい感じ。肩の力抜けすぎててアルバム曲は期待とは違ったが、スルッと聞ける曲ばかりでなんだかんだ力みまくっていた1stよりも聞きやすいアルバムである。

ボーナスディスク(初回盤のみ)
『虹』は屋久島の中学校全生徒が参加している文字通りの合唱曲。ピアノ伴奏で直太朗がメインでボーカルを歌い、子供達がコーラスなどを入れて合唱している。合唱曲とはいえ、メロディーの良さは本編のアルバム曲よりも王道をいっており、普通にアレンジすればシングルでもいけたようなシンプルながらスタンダードな名曲である。『マザーアース』の方は「愛・地球博」の公式テーマソングとして母・森山良子に書き下ろした曲を直太朗がアコギとメインボーカル、母がコーラスで親子でセルフカバー。2人っきりで録音しているのだが開始まで3分以上に渡って曲の準備をしている親子の会話がそのまま録音されている。終わった後も、トークをしているのだがそこはフェードアウトしてしまう。仲の良い親子関係が伝わってくるレアな音源である。ボーナストラックの2曲は本編のアルバム曲よりもメロディーも歌い方も王道をいっており、良かった。

初回盤(2CD)　通常盤　　スペシャルエディション(DVD付)　　SHM-CD

印象度★★★★☆

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