雲をも掴む民

No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 敵はどこだ? 新藤晴一 Tama ak.homma,ポルノグラフィティ  
2 ラスト オブ ヒーロー 新藤晴一 ak.homma ak.homma,ポルノグラフィティ  
3 アゲハ蝶(Red Mix) ハルイチ ak.homma ak.homma 6thシングル 最高1位 売上91.8万枚
4 ハート 新藤晴一 Tama ak.homma,ポルノグラフィティ  
5 Aokage 岡野昭仁 岡野昭仁 ak.homma,ポルノグラフィティ  
6 クリスチーナ 岡野昭仁 岡野昭仁 ak.homma,ポルノグラフィティ  
7 n.t. 岡野昭仁 岡野昭仁 ak.homma,ポルノグラフィティ  
8 ヴォイス 新藤晴一 本間昭光 本間昭光 7thシングル 最高2位 売上34.9万枚
9 パレット 新藤晴一 ak.homma ak.homma,ポルノグラフィティ  
10 幸せについて本気出して考えてみた
(アルバムバージョン)
新藤晴一 Tama ak.homma,ポルノグラフィティ 8thシングル 最高4位 売上15.5万枚
11 ニセ彼女 新藤晴一 Tama ak.homma,ポルノグラフィティ  
12 ビタースイート 新藤晴一 Tama ak.homma,ポルノグラフィティ  
13 夜はお静かに 新藤晴一 Tama ak.homma,ポルノグラフィティ  

リリースデータ

2002年3月27日 初登場2位 売上49.1万枚 Produced by 田村充義、本間昭光 SME Records

メンバー

Vocal,Chorus,Acoustic Guitar 岡野昭仁
Electric&Acoustic Guitar,Chorus 新藤晴一
Bass,Chorus Tama

ポルノグラフィティ3rdアルバム。「掴」は旧字体。前作から1年1ヶ月ぶり。前作以降の3シングルを収録。「アゲハ蝶」はミックス変更、「幸せについて本気出して考えてみた」はイントロ前に新たな歌詞が追加されたアルバムバージョン。今作までのシングルリリース3作の間に楽曲クレジットの記載が1作ごとに変化を遂げた。「アゲハ蝶」までは以前のカタカナ表記(アキヒト、ハルイチ、シラタマ)だったが、「ヴォイス」では本名表記に変わり、ak.hommaも本間昭光となった。先行シングルの「幸せについて本気出して考えてみた」では岡野、新藤がそのまま本名表記、シラタマ(白玉雅己)がTamaに改名、本間は再びak.hommaに戻り、編曲がポルノグラフィティとの共同名義になった。メンバークレジットでも1人だけ白玉雅己ではなくTamaで統一され、以降脱退後もTamaの名義で活動している。この改名により当時同じレコード会社のHysteric BlueのボーカルTamaと芸名が丸被りしてしまうこととなった。「アゲハ蝶」は「サウダージ」に続いてミリオンセラーに迫る大ヒットを記録、しかしCD不況が本格化する中で続く2シングルでは連続して大きく売上を落とした。今作はモーニング娘。に阻まれ2位となり、2週目はケツメイシに阻まれ2週連続2位だった。ミリオンを突破した前作から大きく下がり、「アゲハ蝶」の半分程度、前作初動にすら遠く及ばず50万枚に届かない売上となったが、トップ10に4週、7月頃までトップ100に居座るなどそれなりの推移は見せた。また03年度以降300位集計に変わってから101位〜300位以内に再ランクインしてのこの売上となっているため、02年後半に101〜300位相当にランクインしていたと思われる分の売上は集計されていない。集計されていた場合は50万枚は突破していたと思われる。

前作では作曲でも奮闘していた晴一は今作では作詞のみに専念。またこれにより晴一の作詞にTamaかak.hommaが作曲、もしくは昭仁が単独で作詞作曲するという3パターンの組み合わせのみになった。「敵はどこだ?」や「ラストヒーロー」など正義を問い直すような曲が序盤に並ぶ辺りも象徴的だけど前年に起こった911テロの影響も色濃い。また生ドラムが7曲パーカッションが9曲使用されており、ほぼ全面打ち込みだった前2作に比べるとフルバンド編成となった曲が半数以上に達するなど大きく変化している。まだデジタルロック/ポップ色も強く、一気にバンドっぽくなったというほどではない。ただシングル単位で聞いていった時に「幸せについて本気出して考えてみた」でのバンド感はこれまでにないものでここが1つのターニングポイントになったようには思う。

昭仁の声は本来"陽"の部分が強い声だし、あくまでポルノグラフィティとしては暗くて重いという程度ではあるけど、前述のように911テロの影響もあって前2作とは質感が異なる。暗黒時代というほどではないし、明るい曲も入ってるんだけどジャケットの印象もあってこれまでにないシリアスさは漂う。相変わらずシングルが強いもののシングルのようなパッと聞きでキャッチーな「パレット」みたいな曲もあるし、自作でシングルになった「幸せについて本気出して考えてみた」はこれまでよりもバンドっぽさを増したサウンドが聞けるし、個人的にはak.homma曲である「ヴォイス」は初めてak.hommaのシングル曲で今までよりもインパクトが弱く感じたりもした。メンバーとak.hommaとの差が縮み始めた事を本格的に実感したのはもう少し先だけどその予兆は感じる1作だ。

ただ「サウダージ」に並ぶ大ヒットを記録した「アゲハ蝶」で期待して聞くと今作はけっこうイメージ違うのでパッとしない印象になるかも(発売当時はそうだった)。

B000062VGB

印象度★★★★☆

2022.8.31修正

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