Love

リリースデータ

河村隆一1stアルバム。ソロデビュー以降発売した4作のシングルをAlbum Mix+ミニアルバム『Cranberry Soda』から「SE,TSU,NA」をAnother mixで収録。また『Cranberry Soda』収録の「demo」の完成版「でも淋しい夜は．．．」はライブ音源で収録。同時期に行っていた提供楽曲からセルフカバー5曲も収録。Say a Little Prayerに提供した2曲は原曲はSay a Little Prayerメンバーが作詞に関与していたが今作では河村隆一単独作詞になり、全面的に書き換えられている。97年に行ったソロ活動の集大成となり、紅白歌合戦への出演を最後にソロ活動を終了。並行して12月にはLUNA SEAとしての活動を再開した。自身がソロで歌うことはLUNA SEA終幕後の01年まで無かったが、98年以降は名義をЯKに変更してプロデュースを行うプロジェクトは継続した。

初動でミリオンを突破したがB'z『SURVIVE』に2万枚差で及ばず初登場2位。2週目も65万オーバーを記録して1位へ浮上。2週連続1位となり、ここまでの3週で200万枚を突破する空前の大ヒットとなり、男性ソロアルバム歴代売上1位を記録。この記録は未だに破られていない。O社においては当時は年度切り替えが早かったので今作は98年分にフル集計されたが、今作(と前年から引き続き売れていた若干のシングル売上)で98年のトータルセールス8位となった。98年に活動を再開し、シングル3枚、ベスト1枚、アルバム1枚が集計されたLUNA SEAはそれに続く98年9位となり、ほぼ今作1作のみで98年のLUNA SEAを上回るという破格の大ヒットだった。2013年にはSHM-CD化されて次回作、ベスト盤と共に2100円の廉価で再発されている。

土方隆行は酒井法子やSay a little prayerの提供時にアレンジを担当しており、自身の作品ではシングル「Love is...」で初めて起用。この流れで今作に新たに収録された曲は土方隆行のアレンジが多い。より普遍性を目指した01年と違って今作はある程度意欲的に攻めたというか独自の世界観を構築した1曲1曲が濃い雰囲気になっていると思う。かといってマニアックでとっつきにくいわけではなく、アコースティックな雰囲気を生かしつつ安定感のあるポップなバンドサウンド主体で聞きやすい。単にキャッチーな曲が続くだけでなく、地味に感じられる曲もあるが、それぞれがそれぞれの役割を全うして各楽曲を輝かせているような印象。どこか少女漫画ちっくなロマンティックでナルシスティックなラブソングが多く、愛に満ちたアルバムでもある。結果的にはかなりのボリューム感のあるアルバムながらどの曲も耳に残る。男性ソロ歴代売上1位は伊達ではない圧倒的なヒット作オーラを放つ名盤。

　　2013年SHM-CD仕様　　Amazon限定スリーブ付のSHM-CD3作セット

印象度★★★★★

開設当初の感想を発売20周年2017.11.22修正

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