Spoken Words Collected Poems 1985-2000

リリースデータ

佐野元春7thベストアルバム。デビュー20周年記念サイト「eTHIS」通信販売限定作品。まだインターネット普及期であった2000年に特設サイト通販限定で1ヶ月程度の予約期間で受注生産したのみだったためすぐに入手不可となった。ポエトリーリーディング、スポークンワードの楽曲を集めた企画盤で、カセットブックとして1985年に発売された『ELECTRIC GARDEN』全7曲(この7曲は追加録音やリミックスされているとのこと)、1986年の第2弾『ELECTRIC GARDEN #2』から3曲(「完全な製品」の'Anti-Mass' Mixは未収録)、コンピ盤『ATOM KIDS〜Tribute To The King "O.T."』に収録された「僕は愚かな人類の子供だった」、オリジナルアルバムに収録されていた「フルーツ-夏が来るまでには」、雑誌の特典CD付属のライブ音源3曲を収録。ブックレット一体型のパッケージ仕様。

「僕は愚かな人類の子供だった」は鉄腕アトムのコンピ盤に提供した曲でシングルカットもされたが、シングルカットされたオリジナルバージョンではなく、コンピ盤に収録された音源＝シングルC/Wに収録されたCMJK versionでの収録。アルバム初収録となったがオリジナルバージョンは未収録のままとなる。

2007年には『BEATITUDE Collected Poems and Vision 1985-2003』として一般発売された。これはDISC-1が今作、DISC-2が04年に発売されたライブCD『in motion 2003-増幅』の映像化DVDという2枚組仕様。2021年のBOX『MOTOHARU SANO THE COMPLETE ALBUM COLLECTION 1980-2004』では今作単独で収録された。

ポエトリーリーディング、スポークンワードという事で通常の作品内でも何度かやってはいたがかなりイレギュラー感漂う実験作といった印象で、それらが集まった今作はかなり異色。打ち込みのデジタルビート+淡々と詞が語られていくというもので、詞の内容も独特でクセが強い。『ELECTRIC GARDEN』収録曲はリミックスされているようだが、これはビートを強める処理がされているようで、ビート+朗読というのがこの活動の肝であることが分かる。独自の魅力はあるように思うが、アナザーサイドのもう1つの活動としてより絞られたコアファン向けという感じはする。

しかし2000年にインターネット通販限定販売って攻めすぎてないか。まだインターネット使えないファンも多かっただろうに…。

　　　『BEATITUDE Collected Poems and Vision 1985-2003』　

印象度★★★☆☆

2022.1.28更新

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