1986

No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考・原曲
1 My Revolution 川村真澄 小室哲哉 是永巧一 10thシングル 最高71位 売上0.8万枚 渡辺美里
2 ガラス越しに消えた夏 松本一起 大沢嘗志幸 是永巧一 鈴木雅之
3 モーニングムーン 飛鳥涼 飛鳥涼 是永巧一 CHAGE&ASKA
4 夏の終わりのハーモニー 井上陽水 玉置浩二 西川進 井上陽水、安全地帯
5 BAN BAN BAN(バン バン バン) 桑田圭祐 桑田圭祐 西川進 KUWATA BAND
6 1986年のLOVE SONGS 高井良斉 兼本一也 西川進 新曲

リリースデータ

1999年2月20日 100位圏外 Produced by YASUSHI AKIMOTO 日本コロムビア

メンバー

有吉弘行
森脇和成

猿岩石カバーミニアルバム。『通信簿』以来10ヶ月ぶりのアルバム。1986年のカバー5曲+新曲という構成のため、『通信簿』以降のシングル「初恋」は未収録で、元旦に発売された1986年の渡辺美里のカバーシングル「My Revolution」を収録。今作でついに100位圏外となり、このまま猿岩石としての最終作品となり契約が終了した模様。以後はタレントとしても低迷、全国区でのTV出演が激減したが、絶頂期の97年4月より出演していた地元広島の中国放送『KEN-JIN』は継続して地元広島のローカルタレント化していった。しかしこの番組内でMCの横山雄二と共にKEN-JIN BANDを結成し、KEN-JIN BANDとして2001〜2002年にかけてシングル3枚を発売して音楽活動を継続していた。2004年に猿岩石は解散、KEN-JIN BANDには有吉が残り劇団ひとりが新加入してもう1枚シングルを出したが05年に番組終了で自然消滅となった模様。

1986年にどんな意図があったのか不明で1999年時点で13年前という中途半端なひと昔だった。ただ90年代以降で音楽の流行りも一変したので、1999年時点で80年代の音楽というのはとんでもない過去の音という印象ではあった。後年ほど80年代が評価されていないような時期だけにこれは単に昼ドラ主題歌タイアップが「My Revolution」で取れたので、「My Revolution」に合わせてもう4曲1986年縛りでカバーして最後に1986年をテーマにした新曲を入れればいいんじゃない?という策士家秋元康によるプロデュースワークだったのかなんなのか…(後述)。

74年生まれの猿岩石にとっては1986年は12歳。ブックレットにはその当時の写真を眺めている現在の2人というモノクロ写真が1枚使用されているが、当時12歳ならこのくらいの規模のヒット曲ならほぼリアルタイムで耳にして触いてもおかしくはないか。

今作時点で2人の歌唱力もかなり向上していて特に初期は森脇に比べると線の細い歌声だった有吉が急成長。かなりしっかりした堂々たる歌唱になり、状況としては1年前のベスト盤時点で既にあんな通信簿を特典につけるくらいにブーム終了人気低迷は周囲含めて自覚していたと思われ末期的状況ではあったが歌唱デュオとしては面白くなってきたところではあった。今作では2人のアレンジャーが参加、全曲生のアコースティック寄りのシンプルなバンドサウンドで素直にカバー。「My Revolution」は原曲の80'sサウンド感をストレートにアップデートした形で正直このバージョンを先に聞いたのもありこっちの方が馴染みがある。新録のカバー4曲はどれも個性的な歌唱の方々だが、実にストレートな90年代J-POPど真ん中にアップデートされた猿岩石風のカバーになっていて違和感がない。

今作当時原曲を全曲知らずに聞いていたが違和感なくどれも名曲だなと感じられた。その後原曲も一通り耳にしていったが、当時の好印象はその後も変わっていない。原曲それぞれの個性や時代性は無くなっているが、ストレートにいいメロディーをストレートに歌えるというのは猿岩石の歌手としての最大の魅力だったと思う。

正真正銘最後の新曲となった「1986年のLOVE SONGS」もカバー曲と並んで違和感ない名曲。ただ1986年当時12歳の猿岩石よりももう少し年上の10代後半くらいの恋人や青春を振り返って過去に改めて別れを告げようとするような歌詞になっているので当時2人がわざわざ1986年指定で歌うラブソングとしては微妙にズレはあるかも。秋元康は1986年当時28歳。こっちは年齢が行き過ぎていて秋元康の1986年当時の思いを反映させたものでもなさそうだ。ただ高井良斉が噂される「高井麻巳子は良妻」をもじった変名ならば、高井麻巳子がソロデビューしたのが1986年で当時19歳。今作が1986年なのってマジで秋元康の妻である高井麻巳子が理由だったりする…?

B00005EPLO

印象度★★★★☆

2022.12.13修正

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