2013年7月発売編

ダウト/七色 浅岡雄也 2013/7/21 会場・自社通販限定 対象外
1.ダウト
やたらドラムがドタドタしているポジティブアップナンバー。ピ〜ロ〜と入ってくるキーボードが少し浮いて聞こえるものの、生バンド主体で明るく前向きな王道的なナンバー。今回も期待通りだ。ただ曲とアレンジはいいんだけど歌詞がどんどん幼くなってきたというか、Twitterで見せていた子供っぽいノリが全開になってるような…。「このウタには勇気込めておくネ」「このウタには勇気込めてあるからネ」とかハート記号まで使い出しているのは御茶目すぎて少しギョッとした。

2.七色
こちらはもう若くない事を自覚しつつ前向き、ということで王道路線に加えて若かった頃には無かった視点も出てきて年齢相応な部分も少しのぞかせている。リスナーも当然そのまま年を取っていくわけだからそろそろこういう大人視点での曲が増えてきてもいいのかなと思う。ただこの曲でも「若き罪ネ」という語尾がカタカナの「ネ」になる言葉遣いが登場。さすがにここにハート記号こそないものの「ダウト」に続いての使用ということで語尾「ネ」がマイブームなのだろうか。若干オネエっぽい響きになるので止めた方がいいと思うんだけど。楽曲自体はこれまた期待通り。来るアルバムも期待できそうだ。サウンド面ではこちらも生のバンドサウンドだけどこの曲ではギターとベースを本人が担当している。サウンドは概ねいいんだけど生の楽器の音に対してどうもキーボード関連の音が安っぽいというか浮いて聞こえる感じがしてどうも噛み合っていない気がする。

7月30日でソロ10周年を迎えるため、アルバム『ミライノツクリカタ』の制作が進んでいたが、間に合わなかったため「先行トラック」という扱いで発売された。7月14日にはiTunes、ガムロードで先行配信された。21,28日に大阪と東京で行われた10周年ライブ会場でCDでも販売され、8月2日以降に通販で配送が開始された。CDとDLの違いはカラオケ音源の有無。今回は自称ミニアルバムではなく、かといってシングルとも明言されておらず、あくまで「先行トラック」という名の事実上のシングルとなる。このため値段は1000円+送料500円といつもより500円安い。ケースはここ2作と同じ帯の無いCD-R用の薄型ケース。歌詞は見開きではなくペラ1枚。

★★★★☆

公式通販  iTunes、

ガールズルール 乃木坂46 2013/7/3 Type-A,B,C,通常盤 初登場1位 売上46.0万枚
1.ガールズルール
歌唱メンバーは秋元真夏、生田絵梨花、生駒里奈、伊藤万理華、井上小百合、斉藤優里、桜井玲香、白石麻衣、高山一実、中田花奈、西野七瀬、橋本奈々未、深川麻衣、星野みなみ、松村沙友理、若月佑美。フロントにいた生駒、生田、星野が下がり、その後ろにいた白石、橋本、松村が前列に変わった。もっと大人っぽい曲になるのかと思ったら、さわやかサマーガールポップナンバー。別にこれならセンター変えなくても良かったんじゃないかとも思うけど、楽曲自体は今回もいい感じなのでまあいいか。なお作編曲は元ZYYGギタリストの後藤康二。ZYYG時代はボーカル高山がメインライターだったので作品数は多くなかったが、ちょうど10年くらい前にGIZAで曲提供を多数手掛け始めていた。10年前に提供していたGIZA勢もみんないなくなってしまったので再び見かける機会が減っていた。竹井詩織里とは特に相性が良かったのでアイドルソングで再び名前を見るとは思わなかった。SKE48に「強がり時計」(AKB48の「永遠プレッシャー」の複数商法C/W)を提供してはいたが、タイトル曲でついにチャート1位を獲得したというのも感慨深い。ていうか小澤正澄といい、ビーイングではもう仕事が無いし、外部仕事OKになったのだろうか。

2.世界で一番 孤独なLover
歌唱メンバーは「ガールズルール」と同じ。センターも同じ。クール系な楽曲で、こちらはフロントメンバーを交代した甲斐があるといった印象。一部のメンバーが出演(特に橋本はヒロイン役)した深夜ドラマ『BAD BOYS J』挿入歌でもあるし、確かに何かがかかっていた気はするんだけど、この曲がドラマ内でかかっていた記憶が全く無い。ドラマの邪魔になるので音量を絞っていたせいか?この曲を聞いた時にそれだと認識できるほど認識していなかった。せめてED曲っぽく使われていれば印象には残ったんだろうけどこれEDかOPかといえばOP風のナンバーだしなぁ…。

Type-Aのみ
3.コウモリよ
歌唱メンバーは白石麻衣、中元日芽香、能條愛未、若月佑美。DVD付収録楽曲5曲の中で唯一PVが存在しない。謎のハードメタル風ナンバー。物凄い勢いでドラムがズドドドドドドしているが、どうやら打ち込みなのをいい事にひたすら打ち込みまくったのか人間では不可能な手数に達しているような…。まああくまで「風」なわけで、いかにもアイドルがやったメタルっぽい曲の域は出てないんだけど1発インパクトはあると思う。一体こんなハードな曲にどういう映像を乗っけるかは気になるところでPVが制作されなかったのは残念。

Type-Bのみ
3.扇風機
歌唱メンバーは市來玲奈、伊藤寧々、衛藤美彩、柏幸奈、川後陽菜、川村真洋、齋藤飛鳥、斎藤ちはる、中元日芽香、永島聖羅、能條愛未、畠中清羅、樋口日奈、宮澤成良、大和里菜、和田まあや。いわゆるアンダーメンバーによる楽曲。センターは齋藤飛鳥。ほんわかしたポップナンバーで今作のC/Wの中では最も好印象。ここのところアンダー曲にハズレが無い気がする。今回も共通C/Wにしろよというレベル。「扇風機」だけに扇風機に向かって「あーーーーー」ってやっている声が実際に収録されているがこれはちょっと蛇足かも。PVにだけ入れる音声とかにしてCDでは無しで良かった。

Type-Cのみ
3.他の星から
歌唱メンバーは伊藤万理華、井上小百合、斉藤優里、桜井玲香、中田花奈、西野七瀬、若月佑美。電子音主体の打ち込み系ナンバー。PVが印象的な割には曲単体ではあまり印象的ではないが、けっこうカッコいい印象。

通常盤のみ
3.人間という楽器
歌唱メンバーは32人全員。パーカッショナブルなノリのお祭り系ナンバー。メインボーカルとパーカッション4人という編成ゆえにパカパカした曲が多かったBON-BON BLANCOの残した爪痕が現代風に蘇ったかのようだが、意外と最近こういう曲が無いのでアリかもしれない。と、思ったら戸松遥がおんなじところを狙っていたとはな…(後述)

DVD

1.ガールズルール[MUSIC VIDEO]
田舎の学校が舞台。弓道部の白石と生田、男を巡って一時険悪になる橋本と松村、プール取り壊しの反対運動をリードし最終的には「おいでシャンプー」に続いて大人と戦う生駒など全員ではなく何人かのメンバーがピックアップされてそれぞれ活躍する構成。TVでよく流れているプールでのダンスシーンはサビのみ。前列じゃなくなっても生駒や生田がそれなりに目立っているものの(星野は後列に爆下げになってしまったので…うん…)、多くのメンバーは背景になってしまっていて格差がありすぎる感はある。展開としてはこれくらいに目立つメンバーを絞った方がまとまるからいいんだろうけど。そもそも選抜メンバー16人というのが多すぎるわけで、C/W曲でも毎回PVを4作用意するならこれらにメンバーを振り分けるとかのほうがメンバー1人1人が目立てるんじゃないだろうか。あと48系と違って一切水着にならないところが差別化されてていい感じ。

Type-Aのみ
2.世界で一番 孤独なLover[MUSIC VIDEO]
完全覆面状態の自転車マンが渋谷の街を駆け抜け、自転車マンが通り過ぎると各メンバーがクールに踊りだすというスタイリッシュな雰囲気のPV。クールな雰囲気なので橋本がやや目立って使われている気がするが合っている。冠番組「乃木坂ってどこ?」枠のCMでは発売後にはこっちをメインに押し出したCMを連発するようになってしまう始末だが、センターを変えた感があるのは確かにこっちかも。気になるのは自転車マンの怪しすぎる風貌。まるで強盗殺人でもやらかして逃亡中みたいな怪しさ&最後に車に突っ込んで事故りそうなところで終わるというのが…。「ガールズルール」よりこっちの曲のがいいという人はType-Aをチェック!

3.16人のプリンシバル@PARCO劇場(ダイジェスト)
50分に及ぶ2012年9月に行われた特殊な公演のメイキング映像。1部で自己紹介をして会場の客が投票、その結果で2部の「アリスin乃木坂」というミュージカルの配役16名が決まるという構成。3部は全員で歌うらしいがこちらは特に触れられておらず、過酷なシステムである2部に焦点が当たっている。開催からだいぶ時間が経過しているので当時のインタビューやメイキングだけでなく、現在のメンバーが振り返る形式でのインタビューも収録されているが、生田、生駒、橋本、白石、高山、桜井くらいしかインタビューが無く、他のメンバーの出番は映り込み以外にほとんど無い。また肝心の舞台本編の模様は最後の最後に歌唱部分が少し入っているだけ。白石と高山が何回か主役に代わった以外はやたらと生田主役の連発だったようで、生駒の位置が低めだったり、星野に至っては16人にほとんど残ってすらいないなど、CDでのポジションと異なる配置になったりもしていてかなり過酷なシステムだった事は伝わるが、正直やってる方も見てる方も辛いだけで(投票する方は審査員気分になれるので案外優越感はあるかもしれないが)、個人的にはライブ以上にあまり観たいとは思わないタイプの公演だ。

Type-Bのみ
2.扇風機[MUSIC VIDEO]
雨あがりっぽい天候不良な映像なので画面全体が暗いのが残念。水たまりを蹴ったり、雨降りをスローで見せるところは綺麗なんだけどアパート内のシーンの異常な暗さは曲調に反してじめじめしすぎている上に、せっかくメンバーが個別に出ているのにさっぱり顔が判別できない。齋藤飛鳥を筆頭にアンダーメンバーにしておくにはもったいないくらいの華があるようには思うのでもう少し明るい画面にしてほしかった。しかし下手に選抜に入って後ろの方で背景になるなら、ここで前にいた方が目立っていいよな。齋藤飛鳥が気になる人はもちろんまだ知らないという人は迷わずType-Bをチェック!

3.初夏の全力!乃木坂46大運動会
48系グループの特典映像のように突如制作されたバラエティ番組。メンバー全員参加とされた運動会企画だが、最後の全員リレーが30人参加なので2人いないようだ。学業優先でほとんどの活動に参加していないともう1人は…元サッカー選手の娘だという宮澤か?2チームに分かれて、綱引き、服の着せまくり、ドッジボール、障害物競争、全員リレーを行う。服をどれだけ着せられるか競う奴だけ運動関係ない。他は1勝利5ポイントとかなのにドッジボールだけ残ったメンバー数に応じてポイントではなく勝ったチームに20ポイントとか配点が狂っていたり、メンバー選抜かと思ったら障害物競争を全員分やり続けるので合計8レースも連続で見せられるのがかなりグダるとか、最後のリレーに生駒が不参加(星野が2回走る)なのは何故なのか(EDで左足にサポーターを巻いているらしき様子が見えるので太もも付近を痛めたようだが説明なし)とか色々あるが1時間を軽く越える長さの割にはまあまあ楽しめた。

Type-Cのみ
2.他の星から[MUSIC VIDEO]
今回珍しい組み合わせの少人数制となったが、無重力感を打ち出した不思議な映像が展開。全員「ガールズルール」では意識して見ていないとどこに出ていたか不明なメンバーだがこのくらいの人数だと各メンバーが存在感を発揮できていて良い。西野七瀬が最もメインで扱われているが、浮遊している西野を残りのメンバーが見上げるシーンでは逆に西野の顔が映ってないので浮いているのが誰だか分からないという弊害が…。この曲の歌唱メンバーの「ガールズルール」での扱いに大いに異議がある人はType-Cをチェック!

3.Makinn of 6th Single
これまでの特典映像は個人PVのみで、曲のPVメイキングと個人PVメイキングはEDクレジット映像の途中でチラッと収録されていたが、今回は初めてメイキングがメインで収録された。40分ほどの長さで、「ガールズルール」PVの撮影模様を中心にしつつも、他のPVのメイキングも盛り込まれている。個人的にはバラエティを1時間も2時間も収録されるよりはメイキング映像の方が面白いと思う。

★★★★☆

初動33.7万枚
サウンドスキャン初動3種合計9.4万枚(A〜Cで1〜3位、通常盤は20位圏外)

ガールズルール(DVD付A)DVD付A  ガールズルール(DVD付B)DVD付B  ガールズルール(DVD付C)DVD付C  ガールズルール通常盤 

ラッパ練習中 渡辺麻友 2013/7/10 初回盤A 初登場3位 売上8.0万枚
1.ラッパ練習中
片想いの少年の胸の高鳴りをラッパの音に例えているので本当にラッパを練習している少年の話ではない王道アイドルポップナンバー。ブラスを導入しているのは弦に傾きすぎたJ-POPの中では新鮮に響くかと思ったが案外そうでもない。サビ終りに「ワァオ!」っていうつんくコーラスを入れたらそのまま10年くらい前のハロプロになりそうな曲にも思えた。

2.制服アイデンティティー
歌謡臭の漂うアップナンバー。なんだか10年くらい前のハロプロに通じるものを感じるのは歌謡っぽさを強く打ち出しているせいなのだろうか。

初回盤Aのみ
3.カズン
NHK「みんなのうた」というより「おかあさんといっしょ」で着ぐるみと一緒に歌ってそうな歌のお姉さん風ほのぼのナンバー。歌詞の方は久々に会ったいとこの美しさに一目ぼれする禁断の果実(注:いとこ同士の結婚は法律上問題ありません)的な内容なんだけど。どうも少年の悶々した思いがひたすら綴られるだけで歌詞が完結してしまう曲は苦手だなぁ…。今回悪くは無いけど総じて普通だった。

DVD

1.ラッパ練習中 Music Video
華やかなPV。オレスカバンドも登場してブラスを担当していてにぎやか。という以外にあまり書くことが無い。

2.ラッパ練習中 Music Videoメイキング
オレスカバンドと渡辺麻友のインタビュー映像も入っているもののPVのメイキング部分ではオレスカバンド以外の変な猿男どもが群れている部分などは出てこない。ノープランでわけの分からないトークをする渡辺のグダグダっぷりもあってそんなに面白くないかも…。

初回盤Aのみ
3.ホントにラッパ練習中
PVの中でラッパを回転させるアクションは行っていたものの、本当に吹いているわけでは無いわけで、それを1時間で練習して曲のイントロを弾けるようになろうという企画。オレスカバンドのメンバー1人の指導の元、自腹で数万円するラッパを購入(曰く「お年玉で」)してから練習を開始…って自腹で購入したのを強調する必要あったか?「お年玉で」というのはなんかかわいかったけど。元々吹奏楽部だったので近い系統の楽器をやっていたらしく、覚えが早く、最後は2人でイントロを演奏。果たして"自腹"のラッパは今後も使われる事があるのか。

今回は完全限定生産盤(イラストブック付)、期間限定生産盤(DVD付)、初回盤A,B(DVD付)、通常盤の合計5種。名称がややこしくなっている。

★★★☆☆

初動6.7万枚
サウンドスキャン初動5種合計5.7万枚(B,A,期間限定,完全限定,通常盤)

ラッパ練習中(完全生産限定盤)完全生産限定盤 ラッパ練習中(期間生産限定盤)(DVD付)期間生産限定盤  ラッパ練習中(初回生産限定盤A)(DVD付)初回盤A  ラッパ練習中(初回生産限定盤B)(DVD付)初回盤B  ラッパ練習中通常盤 

笑顔 いきものがかり 2013/7/10 初登場5位 売上5.2万枚
1.笑顔
ポケモンの映画主題歌タイアップ。水野曲、亀田誠治アレンジ。ここ数年は島田亀田本間のベテラン3アレンジャーがクレジットされたら100%弦まみれになるのであまり期待しないでいるんだけど、今回は弦は目立っているものの期待していたよりも良かった。前作もそうだったけど大作続きの中で「風が吹いている」で到達点に達したせいか、少し肩の力が抜けた気がする。去年までだったらダラダラ引っ張って6分くらいの大作にしてそうな曲調ながら5分直前で終わる辺りも聞きやすくて好印象。派手ではないけどここ数年の曲の中ではかなり光る1曲

通常盤のみ
2.ホントウノヒビ
山下曲。江口亮アレンジ。江口亮はベテランが10年20年と居座ってなかなかポジションが空かないJ-POP王道の世界にいるアレンジャーの中では若くて(79年生まれ)、弦にも必要以上に頼らない方向性を持った貴重な人材でこれからの10年にも期待できる1人だと思う。今回も初期テイストのシンプルなバンドサウンドを聞かせてくれる。ハーモニカまでは入らなかったが、弦まみれな現在のいきものがかりの中では、ただただ弦が無いというこざっぱり感が案外たまらない。というか最早使わない事が変化球になってしまっている勢い。最近離れ気味なリスナーほど安心できる1曲だと思う。

★★★★☆

初動3.1万枚
サウンドスキャン初動合計2.9万枚(期間限定盤4位1.7万、通常盤10位1.2万)

笑顔 笑顔(期間生産限定盤)期間限定盤(1曲のみ) 

PACHI PACHI PARTY 戸松遥 2013/7/10 初登場14位 売上0.9万枚
1.PACHI PACHI PARTY
パーカッショナブルなカーニバルナンバー。トランペット、トロンボーン、サックス、パーカッションしか生楽器を使っていない(後は打ち込み)というのも逆に凄い。ボーカルもノリノリでとにかく楽しげだが、騒ぎまくっている割には意外と印象が薄い感じも。

2.Tomorrow
対照的に豊崎系バラード(豊崎愛生に提供されそうなバラード)。かなりしっとり歌い上げていて、見事に声色は曲に合わせて変えているんだけど、やっぱり元気なナンバーの方が似合うと思う。

★★★☆☆

初動0.8万枚
サウンドスキャン初動17位0.55万枚(初回盤)

PACHI PACHI PARTY(初回生産限定盤)(DVD付)初回盤DVD付  PACHI PACHI PARTY(通常盤)通常盤 

Don't Cry 新山詩織 2013/7/10 初登場38位 売上0.2万枚
1.Don't Cry
笹路正徳プロデュースで前作と同じ体制ながら、作曲が本人単独(前作は作家と共作だった)になり、ストリングスが入っていないという変化が。ストリングスが無いので今作の方がストイックでロックな感じがする。歌詞は相変わらず思春期の心の裏側みたいな感じではあるけど空気読んで他者へ無理やり同調しなきゃいけないみたいな葛藤や自己嫌悪は思春期だけでなく、大人になっても多々感じられる不変の事柄のような気はする。

2.ありったけの愛/新山詩織 with THEATRE BROOK
前作に続いてベテランのロックバンドのカバーをそのまま本人演奏で行う。2作連続でかなり渋いというかよく知っていたな…というところになっているが親の影響か?この曲ではアコギではなくエレキを弾いておりロック魂を見せつける。打ち込みで処理せずに、バンドサウンドは人力で行うという点はいいんだけど、どうにも興味が薄れていくのは何故だろう。

★★★☆☆

初動0.2万枚

Don't Cry  

美しい稲妻 SKE48 2013/7/17 Type-Cのみ 初登場1位 売上66.2万枚
1.美しい稲妻
歌唱メンバーは石田安奈、大矢真那、木アゆりあ、新土居沙也加、松井珠理奈、向田茉夏、矢方美紀、大場美奈、須田亜香里、高柳明音、古川愛李、木下有希子、木本花音、菅なな子、古畑奈和、松井玲奈。兼任解除になった北原に代わってAKB48から兼任になった大場が入り、卒業した3人に代わって新土居、古畑、木下が入った。これまでの元気いっぱいの明るい雰囲気から一転して、歌謡調で大人っぽさを強調した曲調が異色。シンセの音が安っぽかったり、ドラムの打ち込みがほぼひたすら軽い音でドンドンドンドンしているだけなどアレンジの安っぽさが気になる。レトロ感を出すために意図的にやっているのだろうか?まあ個人的には過剰なアレンジをされるくらいならこのくらいの方が聞きやすいけど。あとBメロにソロパートがあるのが最近では珍しいような気が。

以下Type-Cのみ
2.シャララなカレンダー/Team E
歌唱メンバーは東李苑、井口栞里、市野成美、岩永亞美、梅本まどか、金子栞、鬼頭桃菜、木下有希子、木本花音、酒井萌衣、菅なな子、古畑奈和、松井玲奈、水埜帆乃香、宮前杏実、山田澪花。今回はチームごとの楽曲を3種に振り分けている。以前は初期のAKB48同様にほぼ加入時期により、S、KU、Eとなっていたようだが、先日新たに組閣されてシャッフルされたので、1期メンバーの松井玲奈がここに入っていたりする。アイドルらしいポップナンバー。やはりリズム周りを中心に妙にアレンジが軽いのが気になるが…。

3.バンドをやろうよ/マジカルバンド
歌唱メンバーは木アゆりあ、高柳明音、木本花音、北原里英、小木曽汐莉、秦佐和子、矢神久美。1〜4月に放送されていた「SKE48のマジカル・ラジオ3」レギュラー陣によるユニット。このため4月に兼任解除になったAKB48北原、5月で卒業した小木、秦、矢神が参加している。番組最終回でライブをやるシーンもあったので、メンバーが在籍中ならPVも制作したんだろうし、そもそも映像あってこその曲だけにそこが残念。ストーリーが北原が父親の権力を駆使して番組存続をエサにバンドを結成させたので、北原がセンター。北原は全く悪くないが、いきなり入ってきてセンターぶんどって風のようにいなくなってしまったので、生粋の番組ファンは面白くなかったのでは。バンド形式にはなっていてバンドをやろうとひたすら歌いかけるが一部「エアーで盛り上がろうぜ」とエアバンドである事を自ら暴露するようなフレーズが出てくるのが笑える。

DVD

1.美しい稲妻 Music Video
海辺ではあるんだけどメインのダンスシーンが夜になっており、全体的に明るさが皆無で大人っぽさを強調したA面では新機軸的な映像になっている。ただ色気を演出するには見た目が幼いメンバーが多く、少々似合っていない気がする。

以下Type-Cのみ
2.シャララなカレンダー Music Video
図書館が舞台。全員制服でメガネっ子という地味な風貌とアイドル的な衣装でのダンスシーンで構成。アイドル衣装のメンバーが何かを唱えると地味メガネっ子のメンバーたちが名前を無くし、それを取り戻すようなストーリー展開っぽいが、描写不足により意味はよく分からない。地味メガネっ子萌えのファンは必見、としか。

3.特典映像V「SKE48 チーム対抗!稲妻!ガチクッキングバトル」後編
前編・中編はA,Bに収録。チーム3つ+研究生の4組で料理対決をするというもので、この後編では最後の「洋食」対決でハンバーグを作る。ここ最近は体調不良で不参加な事もある松井珠理奈がまたしてもいない(後ろの応援席にもいない)。唯一名の知れた研究生である終身名誉研究生も姿が見えない。兼任になったばかりの大場の姿も見えない。珠理奈はType-A(前編)での最初の対決には参加しているらしいので出番が終わって引っ込んだようだ(逆に前編でいなかったメンバーが中編以降に出て来たりもしているようでスケジュールを全員空けておくのが困難だった模様)。また最初の紹介ではTeam KUの制作メンバーは4人と紹介されていたのに、途中から古川愛李が出現しており(ほとんど舞って応援しているだけだがそれが何かカワイイ)、最後の試食の際には古川が5人目のメンバーとして普通にラインナップ入りを果たしている。かなりメンバーが流動的だ。そろそろ時間だけがかかってしんどい全員参加モノ企画を制作するのも限界になってきているのでは。審査員は阿藤快と専門家のおばちゃんだけどおばちゃんの方はこの後編だけを見る限り既に疲れ切ってるし、阿藤も先に料理批評した後に専門家のおばちゃんが違う評価をすると掌返しする(最終的にそれを司会の芸人に突っ込まれる)など長すぎる収録時間がかなり響いているっぽい。対決自体は面白いところもなく、わちゃわちゃ作っているだけなので今まで見た特典映像の中でも最も起伏に乏しい。今回は楽曲にも興味が無くなってきたので1種のみのレンタルに切り下げしたが、こんなのを3本も見るのはしんどかったので1種だけにして正解だったようだ。

初回と通常の違いはジャケット、握手券、リクエストアワー投票券、生写真の封入があるかないかのみでCD/DVDの内容は同じ。A〜CでCD/DVDの各2,3トラック目が異なる。2曲目が各チームごとの楽曲。3曲目はユニット曲となる。劇場盤は研究生名義のC/Wとメドレー収録。よって7種4パターン複数商法。

★★★☆☆

初動51.1万枚
サウンドスキャン初動3種合計16.7万枚(1〜3位)

美しい稲妻 (初回生産限定) (Type-A) (DVD付)初回A 美しい稲妻 (初回生産限定) (Type-B) (DVD付)初回B 美しい稲妻 (初回生産限定) (Type-C) (DVD付)初回C

美しい稲妻 (通常盤) (Type-A) (DVD付)通常A 美しい稲妻 (通常盤) (Type-B) (DVD付)通常B 美しい稲妻 (通常盤) (Type-C) (DVD付)通常C 美しい稲妻【劇場盤】 劇場盤 

Loveletter/四月の雨 aiko 2013/7/17 初登場2位 売上6.0万枚
1.Loveletter
11年11月以来のシングル。A面としては初のロックテイストなアップナンバー。アルバムではもっとロックな曲もやった事はあったと思うけど、久々のシングルで安定ミディアム〜バラードではなくこういうパワーのある曲で来るというのは予想外。個人的には「二人」(08年)以来のパッと聞いて印象に残る1曲になった。管弦使い分けるバランスが良かった島田昌典も前のアルバムで初めて管アレンジを排して弦のみ多用するという明らかなストリングス病になってしまったので、ややストリングスの音がギターサウンドを覆うくらいにデカすぎるのは気になるが(「二人」を改めて聞くと案外「二人」の方がロックサウンドに聞こえる)流れるようなスピード感を持たせる効果は出ているのでまあいいか。

2.四月の雨
両A面。季節ハズレな曲だが、元々CMタイアップもあって4月には配信リリースされていた。CD化の要望もあり収録されたようだ。aikoのシングルは両A面であっても全3曲というのが基本フォーマットだが、今作は既に発表済みの楽曲であるという理由から初めて全4曲としたらしい。曲の方は王道なバラード。それなりに聞き込める曲ではあるけど、ここまでのキャリアになってくるとさすがにこの手のバラードになると過去のあの曲ほどでは無いという感じがどうしても出てきてしまうようになった。

3.そんな話
安定のミディアムナンバー。C/Wになるといつも書くことが無い。アレンジでもう少し何か変化があればまたいいんだけど。それこそ昔はC/WでA面よりもロックなのをやったりもしていたんだし。

4.何処へでも行く
落ち着いたシンプルなバラード。うん、バラード…。ぶっちゃけ1曲増えなくても良かったような…。

★★★★☆

初動4.4万枚
サウンドスキャン初動4位3.9万枚

Loveletter/4月の雨(初回限定カラートレイ仕様)初回盤  Loveletter/4月の雨 (通常仕様)通常盤 

「シングルベッド」 シャ乱Q 2013/7/17 初登場60位 売上0.1万枚
1.「シングルベッド」
94年のミリオンヒットのセルフカバー。タイトルに"2013"とかつけていないので原曲との区別がつかないと思いきや、「」が新たに付与されているという分かりにくいこだわりが。チャートで勝手に「」が表記されているわけではなく、ジャケット、歌詞カードでもこの曲にのみ「」がついている。大きくイメージが変わるような改変はしておらず、安心して聞ける。むしろ変わったのはつんくのボーカルで全体的に声枯れが隠せていない。これでもTVで披露していた時はもっとガラガラで辛そうだったので、CDではかなりマシ。しかしシャ乱Q休止後は単発の企画はあってもシンガーとして継続的な活躍していなかったつんくが何でこんな状態になってしまったのかというと、年間アルバム5作分程度を書き下ろし続けているハロプロの制作において仮歌をマジ熱唱していたせいのようだ。既に何年も前に喉の不調は明かしており、今回の復活の際にもこういった公式コメントも出している。6,7年前に診断されたとしているが、ハロプロはその倍の15年ほど前から始まっており、先のインタビューでは本人が仮歌を全部やる事に対して「そういうことやってきたので、いま喉の調子がちょっと悪い」と語っているので自身でも無理をしてきた自覚はあるようだ。ほぼ1人で作詞作曲をやり続ける事もそうだが、仮歌まで1人で入れるというのは相当にプロ意識が高いとも言えるが、そこまで無理をせずにもう少しメンバーや周りのミュージシャンを頼ってもいいんじゃないだろうか。

2.蜃気楼 しんきろう
作詞がまこと、作曲がはたけ。渋みも感じる大人っぽいロックサウンドの楽曲。休止直前のシングルはアレンジをダンス☆マンに丸投げ、06年の一時復活時はモー娘。新曲のセルフカバーでC/W含めてアレンジはやはり外部に丸投げだった。今回は編曲がシャ乱Qになっており、実はこれは99年の「君は魔術師?」以来。一連のヒット作と比べると地味ではあるけど、ようやく次のシャ乱Qの可能性が見えた楽曲になっているように感じた。ただやはり声が枯れていて出しきれていないのが残念。

3.Come on!僕たちの未来
ハロプロ楽曲みたいなタイトルから分かるようにこちらはつんく楽曲。楽曲もハロプロのセルフカバーかと勘違いする程ポップな曲。最近のハロプロは完全打ち込みばかりなのでバンドサウンドになっているところで何とかハロプロとは違う感じになっているものの…。はたけや他のメンバー主導の楽曲で行けばシャ乱Qはまた1つ新しい大人のバンドになれそうな気はするんだけど、先述のインタビューを見るとつんくは昔から本当に1人でやらないと気が済まないみたいだし、楽曲を他者に委託する事に抵抗があるようなので(喉を壊してまでも1人で作り続け、アレンジでもかなり注文してるようだし)シャ乱Qを現役バンドとして復活させる気は全く無いようなので、無理なようだ。残念。

★★★★☆

初動0.1万枚

「シングルベッド」(初回生産限定盤)(DVD付)初回盤DVD付  「シングルベッド」通常盤 

One Song From Two Hearts/ダイヤモンド コブクロ 2013/7/24 通常盤 初登場3位 売上7.4万枚
1.One Song From Two Hearts
作曲が小渕と黒田の共作名義。ほぼアコギのみで引っ張り、サビでは2人のハーモニーが響き渡るシンプルながら力強い曲。何より3分半ちょいに凝縮された曲の短さが現在のコブクロでは考えられないシンプルさ。シングルA面で3分台というのはこれは革命的といってもいい。ただ2番サビから意味も無く無理やり盛り上げるかのようにストリングスが鳴り響く。しかしこれも現在のコブクロの作風を考えれば2番サビまで鳴らさずによく耐えたというべきなんだろう。セルフになった直後以来(9年ぶりかよ…)の新鮮味を感じた1曲。

2.ダイヤモンド
高校野球タイアップ曲。バラード調の大作、つまりいつものコブクロに近い曲だがあえてこれを2曲目に持ってきたところに久々の攻めの姿勢を感じる。静かなエレキギターのストロークから始まるこれまたギター押しの1曲。ところがサビになってバンドが入るとストリングスがバンドサウンドを覆ってしまう。ミスチルの「終わりなき旅」みたいにエレキのストロークはストリングスが鳴っても終始前で鳴って曲を引っ張っていくタイプの曲だと思ったら何だこれ…。この曲でストリングス入れるのは別に問題ないが何故覆ってしまうんだ…。ストリングス排除でギター押しで勝負した休止前の「あの世界が〜」がイマイチ評価されなかったので遠慮してしまったのだろうか。そんなわけで力強く行きたいのか、優しく包み込みたいのか、たぶん前者のタイプの曲のはずなのにちょっと中途半端な仕上がり。それでもストリングス飽和状態からの脱却には期待できる空気にはなってきたか。

3.ラブレター
2011年の「Blue Bird」初回盤にdemoとして収録されていた曲の2年越しの完成版。ほぼ一方的な片想いを綴ったような歌詞というより文字通りのラブレターに即興でメロディーをつけていったようなフォーク調の小渕のソロで手紙全編を終えてから、実は2人は結婚していて若い頃のラブレターを読み返しているという現在の様子が黒田歌唱の実質的に別の曲に切り替わって締める、という大作。デモの時点でこの曲構成は出来上がっていたが弾き語りだった。今回は渋めの抑えたバンドアレンジを施して大人な仕上がりに…。ただ成長したというより、わりと初期の笹路正徳プロデュース時代に近い雰囲気も感じる。

★★★★☆

初動6.4万枚
サウンドスキャン初動5位1.2万枚

One Song From Two Hearts/ダイヤモンド  

DARK RIVER/Eternally/時計 GLAY 2013/7/24 初登場4位 売上5.2万枚
1.DARK RIVER
NHKドラマ「激流〜私を覚えていますか?〜」主題歌。ドラマではED付近の盛り上がりどころで少しかかり、ドラマ終了後にED映像付でバッチリかかっていたので、久々に発売前から耳に馴染んだ曲になった。今回は亀田誠治にプロデュースを依頼。予想通りストリングス使ったよね…という以外にあまり劇的な変化は感じない。それこそ亀田誠治がキャリアの初期に手がけていた椎名林檎での仕事みたいにやたらロックサウンドをガンガンブチ鳴らすようなサウンドは…もう期待できないか。その部分が出れば勢い重視のいつものGLAYには少し違った風が吹きそうなんだけど。今回は楽曲自体がいつものGLAYとは少し異なるので、ひとまずこれはこれでいい。GLAYがこれからどう変わっていくかは気になるところだ。

2.Eternally
先行配信されていたストリングスバラード。アレンジはGLAY単独+別枠で島健がクレジットされている。雄大なバラードだが、ややかったるい。

3.時計
NHKドラマ「激流〜私を覚えていますか?〜」挿入歌。セルフプロデュース。かなりシンプルなバラード。最終回ではともさかりえが演じていたシンガーの新曲として出演者+ともさかりえが歌唱するシーンもあったが、曲の序盤部分のみと控えめな扱。それでもドラマを締める重要や曲となったものの、それまではさほど印象に残っていなかった。ちゃんと聞いたらけっこういいメロディーの良曲だった。ただ3曲A面というより普通に「DARK RIVER」とC/W2曲という感じだ。

★★★★☆

初動4.2万枚
サウンドスキャン初動1位2.3万枚(DVD付のみ)

DARK RIVER/Eternally/時計 (CD+DVD盤)DVD付  DARK RIVER/Eternally/時計 (CD only盤)CDのみ 

Hello Especially スキマスイッチ 2013/7/31 アニメ盤 初登場17位 売上1.2万枚
1.Hello Especially
アニメ「銀の匙 Silver Spoon」ED。10周年記念ソングでもあるが派手に感動的に盛り上げるのではなく、極めて肩の力が抜けたアコースティックな楽曲。C/WやアルバムではあったかもしれないけどA面でこういうこざっぱりした曲は今までになかった。派手さは無いけど、10年続けているミュージシャンがこういう聞き疲れせずにさらっと聞ける曲を出すっていうのはなんかもうそれだけで凄い事に思える。

2.サウンドオブ
ピアノとボーカルのみのシンプルバラード。音楽へ対するラブソング。というとKREVAの「音色」を思い出すが、今作はとにかく真面目に歌い上げる。

3.10th-typeU-(instrumental)
前作に収録された「10th」の続編。大橋のエレキギターと常田の打ち込みで構成されたロックテイストなインストナンバー。結果的にここまでの3曲のカラーの違いがハッキリしているので同じような曲調が並ぶ場合よりも印象的。

アニメ盤のみ
4.Hello Especially(anime ver.)
アニメEDとして使用されているTVサイズのバージョン。Aメロ2から始まり、サビの歌詞の組み合わせも1コーラス目だけでなく2コーラス目以降のものを組み合わせた形になっている。しかしどういう作品なのか分からないがあまりアニメっぽくないような…。

★★★★☆

初動0.9万枚
サウンドスキャン初動15位0.77万枚(初回DVD付)

Hello Especially(初回生産限定盤)(DVD付)初回盤DVD付  Hello Especially(初回生産限定アニメ盤)期間限定アニメ盤  Hello Especially通常盤 

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