2013年8月発売編

ピースとハイライト サザンオールスターズ 2013/8/7 通常盤 初登場1位 売上37.4万枚
1.ピースとハイライト
5年ぶりのシングル。前作「I AM YOUR SINGER」は打ち込み全開でバンドとしてのサザンの限界を感じたが、今回はバンドサウンドが強調されている。リズム隊の力強さは今作4曲の中でも特に目立っている。元々サザンもソロもマスタリングエンジニアは社内の人間に任せていたがこの5年間で桑田ソロの『MUSICMAN』でTed Jensenを起用。Tedのマスタリングを目の当たりにして桑田の意識が大きく変わったのか昨年のベスト盤でも引き続きTedを起用。旧作も以前のリマスターよりも迫力が増したサウンドに生まれ変わっていて『TOP OF THE POPS』や01年のリマスターとの違いを実感したリスナーも多かったと思う。今作でもマスタリングエンジニアにはTedを起用している。サウンドの力強さにはその辺りも関係しているかも。政治色の強い歌詞だと一部で言われているが、ことさら強い主張をしているわけではなく、浅すぎず深すぎずなラブ&ピースを歌っているし、そもそもキャッチーなメロディーなのですんなり聞ける。復活にふさわしい名曲だ。

2.蛍
編曲が桑田佳祐&片山敦夫、管弦編曲が島健となっており、そもそもバンドの音が入っていない。サポートギターの斎藤誠すら参加しておらず、ピアノも片山敦夫が担当していて後は管弦の音ばかりなので実質的にソロ楽曲。レクイエムのような曲だが、メロディーの良さに引き込まれる。

3.栄光の男
長嶋茂雄をイメージした楽曲。"「永遠に不滅」と彼は叫んだ"とあるが、実際に長嶋茂雄が発言したのは「永久に不滅」でありさりげなく間違えている。制作段階で既に間違いは認識されていてディレクターも指摘していたそうだがスムーズに歌えるとの理由からそのままになったとかなんとか。最も今のサザンらしいのはこの曲だろうか。いつまでも若々しい曲を歌う中年ミュージシャンは多いし、サザンもそうだったがさすがに還暦も迫ってきただけに老いを感じさせる部分は渋みがある

4.人生の散歩道
原由子ボーカル曲。作曲は桑田だが作詞と弦編曲を原が担当。大森脱退後は桑田のクレジットにベースやドラムなどメンバーで足りている曲まで入るようになっており、今回も桑田のクレジットにはシンセベースとあるが、恐らくこの曲のこと(ベース音がミョンミョンしている)。人生を散歩に例えたのんびりした曲。原由子のほんわかした雰囲気は昔から変わってなくて安心の仕上がりだけど、「やがて長い旅が終わる時に愛しい人の手を取りたいな」という歌詞に「栄光の男」同様の老いの視点が。桑田が大病をしたのとも無関係ではないのかも。

初回盤はBOX仕様で「納涼サマーポンチョ」付属。またライブ会場限定盤も存在し、そちらは紙ジャケ仕様でポンチョの色がピンク色(初回盤では青)になっている。

★★★★★

初動20.7万枚

ピースとハイライト (完全生産限定“胸熱35初回盤  ピースとハイライト(通常盤)通常盤  ピースとハイライト (生産限定アナログ盤) [Analog]限定アナログ盤 

二十歳/雨の六本木 DEEN 2013/8/7 期間限定盤Type-A,B 初登場27位 売上0.5万枚
1.二十歳
田川曲。20周年をかなり意識したメモリアルソング。PVにあるような中学くらいの頃から20年間寄り添ってきたみたいなラブソングの形を取っているが歌詞には歴代のシングルのタイトルが織り交ぜられている。ラストのラララコーラスの後には歌詞に無いシングルタイトルをさらに歌い込みまくる。あまりに詰め込んでいくので逆に笑ってしまった…。総じて普通にいい曲だけど「TWELVE」の後の「Starting Over」と同じで、ベストの新曲の方が次のシングルよりインパクトあったんじゃね?という。今回の場合は明らかにこれをベスト盤に入れた方がメモリアル感が出たと思うし、ベストの新曲にしては出来が良すぎた「言葉を伝えたくて」をシングルにした方が良かった。

2.雨の六本木
作詞が湯川れい子、作曲が井上大輔、編曲が池田大介。演奏もいつもの面々(ベース宮野、ドラムHIDE、ストリングス隊のオバお姉さんたち)ではなく、DIMENSIONメンバー3人と外部のリズム隊、ブラスメンバーと完全に外部プロデュース(寺島良一の名義)の異色歌謡曲。作詞作曲のメンツだけでザ・昭和だが、寸分の狂いない昭和ラテン歌謡。井上大輔は00年に死去していて未発表曲に湯川れい子が歌詞をつけた形。湯川れい子は既に77歳とご高齢。彼らが第一線にいた頃の音楽シーンを全く体感していない事もあり、古き良きというよりはやっぱり時代が違ぇ…という感じが強い。作り込んでいる感じはあるし、豪華ではあるんだけど好みとは全くかけ離れた1曲。こういう特殊な楽曲を特殊な形で今DEENが歌う意味があまり感じられないし(井上大輔が亡くなってからは13年経過、2人がコンビで楽曲をヒットさせていた全盛期は20年よりも遥か前)、どうせやるならもっとこの作詞作曲コンビの凄みが分かる年配層にアピールしないとしょうがない。演奏がビーイング(DIMENSION)で編曲が池田大介ならここは織田哲郎の楽曲というのが20周年という意味でも1番ファンがしっくりくるところだったんじゃないか(干支1周の時に織田哲郎というカードは切ってしまったけど)。

DVD

Type-A
二十歳 Music Video
20年前、93年の中学?高校?時代に出会った男女が20年間を回想するのがメイン。池森さんは歌っているもののメンバー2人はほとんど出てこない。20周年を意識して歴代シングルジャケットがスクロールしていく映像も挟まれるのだが曲の終盤にようやく8センチ時代のスクロールが終わる。もう最後のサビも終わって歌詞には載っていない歴代のシングルタイトルを謳っている部分に差し掛かったというのにこの時点でまだ20枚も残っている。どうするのかと思ったら次にスクロール映像が出てきた時は何事も無かったかのように10枚ほどバッサリ(「Power of Love」〜「STRONG SOUL」までが犠牲に…)。こうして無理やり39枚目まで到達させた。どうしてこうなった…。

Type-B
雨の六本木 Music Video
ジャケットにも出ているザ・昭和なステージでの演奏シーンがメインだが、年齢不詳のオバちゃんとお姉さんの狭間みたいな何だか枯れきった感じの女の人がいて、中盤過ぎに昔の二枚目みたいなおじさん(というかマイケル富岡)が登場するとトキメキを取り戻したのか猛烈にダンシングしまくるという昭和歌謡の世界観(勝手なイメージ)が炸裂。曲も古いが映像世界も古い。異色すぎる。

A,Bで曲順が入れ替わり、それぞれ片方のカラオケしか収録されていない。通常盤は無く、期間限定生産。何故期間限定なのかも謎だが、複数商法全開にするにはPV1本ポッキリ、しかも肝心の曲自体も「言葉で伝えたくて」の後ではどうにもこうにも…といった感じで満足度が低い。

★★★☆☆

初動0.47万枚

二十歳/雨の六本木(DVD付)Type-A(二十歳メイン)  雨の六本木/二十歳(DVD付)Type-B(雨の六本木メイン) 

下弦の月 SCANDAL 2013/8/14 初回盤B 初登場5位 売上3.4万枚
1.下弦の月
山口高始というシンガーによる作詞作曲編曲。完全提供曲のA面曲はこれで3作連続となる。メンバー作詞がどんどん減っていったがバンドなのに自作しないというこの辺りに対する葛藤やこだわりは無くなっているのかもしれない。実際楽曲が良ければいいわけで、これがSCANDALのスタイルになりつつあるし、色々な曲を歌えるのも強みになりそう。今回も今までとは少し異なる落ち着いた雰囲気も感じる新しさと安心感が絶妙な1曲。少し印象は弱いけど悪くは無い。またメイン曲ではほとんどHARUNAとTOMOMIのツインボーカルでMAMIはコーラスに回ることが多い中で今回は3人でボーカルしているのも少し珍しい。

2.キミと未来と完全同期
TOMOMIの単独作詞。メンバー単独作詞のシングル曲は2011年の作曲まで自作だった「ひかれ」以来とかなり久々。作編曲もその頃に担当した事がある篤志。やや明るめでノリのいい曲。グランフロント大阪『ロボット・スキャンダル』プロジェクトコラボレートソングというなんだかよく分からないタイアップがつき、PVも制作されたそうだがC/Wにしておくにはもったいなく、むしろパッと聞きではこっちの方がA面らしい分かりやすさがあったんじゃないかと思う。

初回盤B DVD
大阪城ホールLIVE「Wonderful Tonight」番外編ドキュメント
23分に及ぶ大阪城ホールライブのドキュメント。発売されているライブ本編のBlu-ray/DVDにはメイキング映像が無かったのでここで別売りした、という感じに近い。当日だけではなくその前のスタジオでのリハーサルの様子から収録されている。ライブ本編のMCでRINAのソロでのダンスはHARUNAが振付したと語っているがその練習の模様なども垣間見える。ライブ本編を見た人や購入した人なら見て損は無い。アイドル的な見られ方も多くされてきたがリハの様子からは実にロックバンドらしい様子が伝わってくる。

初回盤Aは前作同様にメンバーによる教則DVD付。

★★★★☆

初動2.8万枚
サウンドスキャン初動2種合計2.1万枚(9位1.2万(初回B)、11位0.9万(初回A))

下弦の月(初回生産限定盤A)(DVD付)初回盤DVD付A  下弦の月(初回生産限定盤B)(DVD付)初回盤DVD付B  下弦の月通常盤 

Birth 喜多村英梨 2013/8/7 初登場20位 売上1.5万枚
1.Birth
アニメ「神さまのいない日曜日」OP。ハードなロックサウンドに大げさなストリングス&コーラスという耽美な世界観のロック。"世界"とか"光"とか"絶望"、"荒れ果てた"、"大地"などなどいかにもな壮大な世界観を演出するワードも頻出。タイアップ先のアニメが中世ヨーロッパが舞台らしいが、まさに中世ヨーロピアンな雰囲気だ。悪くは無いけど…どうもこういうスケール観のある曲にはついていけない。

2.Lifetime Trader
こっちはロックサウンドのみの激しい曲。サウンド的にはまあアルバムで既にハードなのは見せていたのでそこまで驚きは無いが、今作では歌い方までかなり荒々しくなっているのが印象的。

★★★☆☆

初動1.0万枚

Birth(初回限定盤)初回盤DVD付  Birth(通常盤)通常盤 

恋するフォーチュンクッキー AKB48 2013/8/21 Type-A,K,B 初登場1位 売上154.9万枚
1.恋するフォーチュンクッキー
歌唱メンバーは総選挙1〜16位の指原莉乃(HKT48/元AKB48)、大島優子、渡辺麻友、柏木由紀、篠田麻里子(7月22日卒業)、松井珠理奈(SKE48/AKB48兼任)、松井玲奈(SKE48)、高橋みなみ、小嶋陽菜、宮澤佐江(SNH48/元AKB48)、板野友美、島崎遥香、横山由依、山本彩(NMB48)、渡辺美優紀(NMB48/AKB48兼任)、須田亜香里(SKE48)。篠田が発売1ヵ月前に卒業しているが、CD/DVDにはすべて参加、TVでのプロモーションも6月29日に初披露し、7月中の音楽番組で篠田在籍中に散々披露された。派手派手な曲というよりかは懐古主義に染まった現代人の心にフィットするような80'sディスコ風ナンバー。さらにみんなで楽しく歌って踊るようなPVを制作して久々の"代表曲"化を狙っていく試みをここでやったというのが面白い。サビ前の1フレーズが1位様のソロになっているのとよく考えたら元AKB48でHKT48の人が1位って…という辺りにAKB48ではなくJPN48になってしまった的な虚しさはあるものの、意外といい曲なのでいいか。王道を外して別の王道を持ってきたようなAKB48名義の曲としては久々に残りそうだ。

Type-A,Kのみ
2.愛の意味を考えてみた/Under Girls
歌唱メンバーは総選挙17〜32位の柴田阿弥(SKE48)、峯岸みなみ、梅田彩佳、高城亜樹、北原里英、木アゆりあ(SKE48)、高柳明音(SKE48)、松村香織(SKE48)、川栄李奈、宮脇咲良(HKT48)、古川愛李(SKE48)、山田菜々(NMB48)、大矢真那(SKE48)、入山杏奈 、木本花音(SKE48)、藤江れいな。去年は2パターンだったから普通に振り分けてたけど今年は3パターンで卒業曲もあるから、変則的な振り分け方でこの曲も2種収録になっている。昨年に続いて半ばSKE48化しているが、楽曲自体は一直線ないつものアイドルナンバーといった感じ。悪くないと思っていても、後ではあまり思い出せないんだろうな。

Type-Aのみ
3.今度こそエクスタシー/Next Girls
歌唱メンバーは総選挙33〜48位の佐藤亜美菜、片山陽加、永尾まりや、倉持明日香、兒玉遥(HKT48/AKB48兼任)、田野優花、梅本まどか(SKE48)、上西恵(NMB48)、松本梨奈(SKE48)、斉藤真木子(SKE48)、多田愛佳( HKT48/元AKB48)、矢倉楓子(NMB48/AKB48兼任))、武藤十夢、石田晴香、小林亜実(SKE48)、大場美奈(AKB48/SKE48兼任)。総選挙4曲の中では最も大人っぽい曲。いいアクセントになっている。

Type-Kのみ
3.推定マーマレード/Future Girls
歌唱メンバーは総選挙49〜64位の薮下柊(NMB48)、吉田朱里(NMB48)、菊地あやか、佐藤すみれ、前田亜美、小笠原茉由(NMB48)、田島芽瑠(HKT48)、岩佐美咲、市川美織(AKB48/NMB48兼任)、磯原杏華(SKE48)、朝長美桜(HKT48)、松井咲子、山内鈴蘭、平嶋夏海(元AKB48)、金子栞(SKE48)、中西優香(SKE48)。これといったひねりのない直球のポップナンバー。強いインパクトは無いけど悪くない。

以下Type-Bのみ
2.最後のドア
歌唱メンバーは篠田麻里子、高橋みなみ、横山由依、渡辺麻友、板野友美、大島優子、柏木由紀、小嶋陽菜、島崎遥香、峯岸みなみ、松井珠理奈、指原莉乃、宮澤佐江。板野センターの板野卒業ソング。Type-Bが卒業記念盤みたいになっている。予想通りの卒業バラードだが、卒業ソングじみた曲が昨年から連発されている印象なのでその対象メンバーが変わったところでどうにもかったるい。ソロでリリースしているとはいえバラードナンバーでの板野の歌唱にはあまり魅力が…。

3.涙のせいじゃない
歌唱メンバーは「最後のドア」と同じ。篠田センターの篠田卒業ソング。やはりバラード。そんなに似てないんだけど似たような感動系が連発されるように聞こえる。「最後のドア」が別れを惜しみながらも1人で別の道へ進んでいくような決意を歌っているのに対して、こちらはこれからへの言及が無いのでまるで引退するかのようだ。

DVD

1.恋するフォーチュンクッキー Music Video
曲の長さとPVの長さがほぼ同じという非常に見やすいPV。ほぼダンスシーンのみだが、大量の一般人たちと一緒に踊る映像になっている。今回はO社での記録上の売上枚数だけではなく、久々に楽曲そのものの浸透も狙っているのか老若男女が楽しそうに踊っている映像で親しみやすさをアピールしているかのよう。意味不明な大作PVよりもよっぽど楽しく印象的なPVになっていて好感触。

Type-A,K,B
2.恋するフォーチュンクッキー 振り付け映像 Type-A
2.恋するフォーチュンクッキー 振り付け映像 Type-K
2.恋するフォーチュンクッキー 振り付け映像 Type-B

各Typeで3人ずつのメンバーが1コーラス+間奏+ラストサビを踊っている映像。この3人は選抜ではない若手のメンバーが選ばれていてType-Aが小嶋真子、西野未姫、岡田奈々、Type-Kが田野優花、武藤十夢、岩田華怜、Type-Cが加藤玲奈、高橋朱里、佐々木優佳里とのこと。ぶっちゃけNO NAMEのセンターだったので知っていた岩田華怜しか分からなかった。今回は一般人にも踊ってもらいたいというのは本編PVでも分かるが、振付映像まで用意しmさらにそれを若手にやらせることで若手メンバーをアピールということか。各自のダンスの違いとか良し悪しはダンス音痴の俺にはさっぱり分からなかった。

Type-A,Kのみ
3.愛の意味を考えてみた/Under Girls Music Video
ステージに上がる前の緊張したメンバーの様子の小芝居を挟んでから曲が始まり、終わってからも小芝居があるという曲よりPVが長いパターン。A面がそれを廃止したのにまさかC/Wでやるとは…。リハ風景なども織り込まれてドキュメントタッチにはなっているが、基本的には全面的に"設定"になっているようだ。謎なのは曲が終わった後に峯岸がオーディションを受けている(設定の)回想シーンが登場し、イジメに遭っていた事を告白しそんな過去と決別するために髪を切ったとしてヅラなしの姿を公開。周知の通り、現実にはデート現場をすっぱ抜かれてAKB48に居残るために坊主にしたわけなんだけど、こんな設定をして現在の髪型を利用するのはどうにも印象が良くないし、しかも曲が終わってからこのシーンが登場するのはいくらアンダーガールズの中では選挙順位が2番手だからって取ってつけすぎで意味不明。

Type-Aのみ
4.今度こそエクスタシー/Next Girls Music Video
佐藤亜美菜、片山陽加が2トップということもあり、今作の中ではずば抜けて大人びた映像。セクシーな感じになっているが亜美菜が男性をいきなりひっぱたいたり、金蹴りをぶちかましたりとバイオレンスな要素も。

Type-Kのみ
4.推定マーマレード/Future Girls Music Video

左右の画面が額縁になってしまっているので、画面が半分程度しか無く、ミスチルの「しるし」PVみたいに非常に狭〜い。ただメンバーがソロカットもしくは数人程度で次々と登場するので他のPVよりもわりと各メンバーが印象に残るような映像になっている。みんな適度にアイドルらしくてかわいい感じに撮れていて好感触だが最後の全員ダンスシーンでは画面を拡大してほしかった。

以下Type-Bのみ
3.最後のドア
板野卒業ソングということだが、何故か茶髪ギャル風の板野には最も似合わないシスターさん姿で登場。去っていこうとするシスター板野を寂しそうに見つめるシスター一行といったロウソクの灯り程度の暗めの画面から、"最後のドア"を開けると一転して純白の衣装と明るい画面に変貌し、エレガントな感じでラストは去っていく板野の憂いを帯びた表情をロングで見せる。最後に羽根を生やすのは半分ギャグみたいに見えてしまったがそれなりに感動的な仕上がり。

4.涙のせいじゃない
篠田卒業ソング。こちらは映画館で過去の映像やメンバーメッセージ(?)などが上映されているのを見ているという内容。こちらでは過去の映像も散りばめられている。最後は篠田が映像の中に移動し、純白ドレスで去っていく。純白ドレスのイメージが板野と被ってしまったものの、これもやはりそれなりに感動的な仕上がり。ただやはり前田の卒業展開が1年前に何度も繰り返されていたし、今回は2作並んで卒業用の感動演出曲が並んでいるのでどうにもこうにも食傷気味なところはある。

Type-A,K,B
5.SF少女ドラマシリーズ「ADS77」:第一幕 ナナという姉
5.SF少女ドラマシリーズ「ADS77」:第二幕 廃棄
5.SF少女ドラマシリーズ「ADS77」:第三幕 降霊

犬童一心監督による演劇っぽい演出のドラマ。現在よりも未来の話で4歳の時に事故で死んだ女の子の記憶を移植したロボットのADS77ナナを巡る家族の話。当時は確かにナナの存在に救われた両親は新たに娘を2人授かったが、ナナは4歳の精神のままで、娘たちも年頃になり段々疎ましくなってしまったが、ある日問題がある事が発覚してナナが廃棄処分されることに…という展開。ナナ役が岡田奈々、娘2人が岩立沙穂、西野未姫といった研究生が出演。現在TV出演しているような有名メンバーは一切登場しないので、コアなファン以外は全員知らないメンバーと思われる。演劇風の独特の演出といいちょっと暗めの画面といい「So long!」の悪夢を彷彿とさせ、最初はとっつきにくいかと思ったが、ストーリー自体はわりと分かりやすく恐れていたあの悪夢は再来せずに見れる内容になっている。第三幕での5年後で大学生&OLという設定に岩立沙穂、西野未姫の2人がさすがに若すぎて追いついていないのと降霊によるストーリー進行が完全にギャグ&超展開になってしまうのは強引すぎる感じがしたけど、それ以外は概ねいい感じ。しかし今回は総選挙ドキュメント映像は無いのか…?

劇場盤は2曲目が「愛の意味を考えてみた」、3曲目は劇場盤のみの「青空カフェ」収録。初回盤は全国握手会イベント参加券2種のうち1種封入、通常盤は生写真50種のうち1種封入。ジャケット写真は今回は初回・通常で同じもの。

★★★★☆

初動133.0万枚
サウンドスキャン初動1〜3,5,6,8位(初回→通常それぞれA,B,Kの順)で合計43.9万枚

恋するフォーチュンクッキーType A(初回限定盤)初回A 恋するフォーチュンクッキーType K(初回限定盤)初回K 恋するフォーチュンクッキーType B(初回限定盤)初回B 恋するフォーチュンクッキー(劇場盤)(外付け特典なし)[Single, Limited Edition, Maxi]劇場盤 

わがまま 気のまま 愛のジョーク/愛の軍団 モーニング娘。 2013/8/28 通常盤A 初登場1位 売上15.8万枚
1.わがまま 気のまま 愛のジョーク
シングルは前作で切ってアルバムで回収する形にしようと思ったが、中途半端な形態でベストが出ることが判明し、未収録となる「愛の軍団」の扱いがどうなるか分からなくなったので急遽入手。いつもの大久保薫ナンバーという感じでEDMって言うんだっけ?電子音が全開で炸裂しまくり(一応3曲の中で今作だけギターが入っているがどこにギターがいるのかさっぱり分からない)、あちこち声も加工されているコンピューターオブコンピューターなサウンド。相変わらず区別がつかないが、謎の叫び「愛されたい!」が唯一のとっかかりか。

2.愛の軍団
新ハロプロ商法にしてからは以前の省エネが嘘のように1シングルで大量に書き下ろすようになり両A面シングルも増えてきた。ただ今までは両A面で同じアレンジャーを起用することが無かったのに、今回は2曲とも現在のハロプロを支える最大の功労者である大久保薫。よって今までの両A面以上に同じような感じ。タイトルにも「愛」が入っててダブってるし…。「ほんとう」連呼が唯一のとっかかりか。

初回盤D、通常盤Aのみ
3.坊や/道重さゆみ・譜久村聖・飯窪春菜・佐藤優樹・工藤遥
今回のC/W違いは3曲あり、全員、5人、5人の振り分けのようだ。他の2曲は別のアレンジャーらしいが、今作はまたしても大久保薫。つんくのライナーでは「サウンド的には一瞬デジタル系かな?と思わせて、しっかりロックな部分がある」そうだが、全くそうは聞こえず、変わらぬ電子音が全開で炸裂しまくりなコンピューターオブ(略)

★★★☆☆

初動14.4万枚
サウンドスキャン初動5種合計4.3万枚(初回A→11位1.0万、通常A→15位0.92万、通常B→18位0.86万、初回C→19位0.79万、初回B→20位0.73万)

わがまま 気のまま 愛のジョーク/愛の軍団(初回生産限定盤A)(DVD付)初回DVD付A わがまま 気のまま 愛のジョーク/愛の軍団(初回生産限定盤B)(DVD付)初回DVD付B わがまま 気のまま 愛のジョーク/愛の軍団(初回生産限定盤C)(DVD付)初回DVD付C わがまま 気のまま 愛のジョーク/愛の軍団(初回生産限定盤D)初回D わがまま 気のまま 愛のジョーク/愛の軍団(初回生産限定盤E)初回E

わがまま 気のまま 愛のジョーク/愛の軍団(A)通常A わがまま 気のまま 愛のジョーク/愛の軍団(B)通常B 

Thoughts LUNA SEA 2013/8/28 初登場7位 売上2.1万枚
1.Thoughts
前作に続いてバンドが一体となって最後まで突き進んでいくメチャクチャカッコいい曲なんだけど、聞き終えるとどんな曲だったのかをあまり覚えていない。その辺りがやはり終幕前と違うところのような気がする。現役感はバリバリなんだけど、サビの印象が薄いというか何だかこれがサビなのかよく分からないまま過ぎ去っていくような。

2.Lost World
少々変わった印象を持つが、やはり聞き終えるとあまり覚えていない。

初回盤AはSHM-CD&Blu-ray、初回盤BはCD+DVD、通常盤はCDのみ。内容違いは無い。

★★★☆☆

初動1.7万枚
サウンドスキャン20位圏外

Thoughts(初回限定盤A)(Blu-ray Disc付)初回盤A  Thoughts(初回限定盤B)(DVD付)初回盤B  Thoughts通常盤 

ロビンソン/太陽の5人 ゴスペラーズ 2013/8/28 初登場10位 売上1.1万枚
1.ロビンソン
スピッツのカバー。アカペラ(途中からストリングスが入る)でカバーということで一般的なイメージのゴスペラーズっぽい仕上がり。元が大名曲でゴスペラーズがアカペラでやるなら最早失敗しようがない、といった感じ。まあアカペラだけでやらずにストリングス入れちゃうところはさすが現代のJ-POPといったところだけど。

2.太陽の5人
The Four Seasons「Working My Way Back To You」を日本語のオリジナル詞でカバー。原曲を知らないのでなんともいえないが、こちらは昔の歌謡曲風のアレンジが施されている。「恋するフォーチュンクッキー」が好きならありなんじゃないかと思う。ただ昔の歌謡曲風のアレンジなんだから生バンドでやった方が確実に合いそうな曲なのにアレンジャーが全部打ち込みで済ませるというのもまた現代のJ-POPといった仕上がり。実にゴスペラーズらしいカバーに一聴して思えるんだけど実は00年代以降一定の傾向に浸食されたJ-POPの縮図が展開しているという実は深いシングルだったのかもしれん…。

★★★☆☆

初動1.0万枚
サウンドスキャン初動17位0.85万枚

ロビンソン/太陽の5人

CHEEKY 豊崎愛生 2013/8/28 初登場16位 売上0.7万枚
1.CHEEKY
安藤裕子提供曲。生バンドによるごく普通のポップスといったところだが、最後のサビ前ではかなり独特のアレンジになり不思議世界に突入するものの全体の印象は弱くも強くも無い。今までのシングルと並べても最も標準的な立ち位置になりそうであまり書くことも無い曲。

2.FANTASY
谷山浩子提供曲。異常に安っぽい打ち込みオケが炸裂。80年代か昔のゲーム音楽かといった恐ろしくチープな響きが印象的な楽曲。現代のDTMでは適当に作ったデモテープでさえここまで安っぽい音色に仕立てる方が困難だと思うので(標準装備でこんなチャチな音色が入ってないだろっていう)意図的に思いっきり安っぽくしているものと思われる。これまた普通にいい曲。

★★★☆☆

初動0.7万枚

CHEEKY(初回生産限定盤)(DVD付)初回盤DVD付  CHEEKY(通常盤)通常盤  

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