Mr.S

リリースデータ

メンバー

SMAP21stアルバム。パーソナリティーを担当した7月26,27日に放送されたフジ系「27時間テレビ」放送内にて今作の発売とそれに伴うツアーが発表された。メンバーにもこの時点で知らされたため、7月末時点でレコーディングも全く行われていなかったとされている。シングルは「Mistake!」「Joy!!」の2曲のみ収録。このうち「Mistake!」はアレンジャーを変更した完全なリアレンジで収録された。「Moment」、「Battery」、「シャレオツ」、「ハロー」、「Yes we are」、「ココカラ」、「Top Of The World」、「Amazing Discovery」は未収録。SMAPがアルバムにシングルを収録しない事は珍しくもなんともないが、これまではせいぜい期間内の数曲程度であり、8曲も未収録というのは過去最多。また15thアルバム以降続いていた本編DISC+ソロ曲DISCというフォーマットではなく、普通の2枚組となっている。これに伴い今作では中居にだけソロ曲がない。他のメンバー全員にソロ曲があるのに中居にだけソロ曲がないのは9th『009』以来となる(単に全員にソロ曲がないのは14th『015』以来)。スペシャル限定盤は「Mr.S-SAITEI DE SAIKOU NO OTOKO-」PV収録のDVD付&クラッチバッグ付。初回盤は「Mr.S-SAITEI DE SAIKOU NO OTOKO-」PV収録のDVD付となっている。

フォーマットは変更したものの、他には滅多に提供しないようなミュージシャンの曲も登場する豪華提供路線は継続していてこれで7作目。ただ今回は本編を1作に詰め込むのではなく、分割してさらにそこに4人分のソロ曲を割り振っていくという嵐の『僕の見ている風景』同様の構成。このため実質的にはいつもと曲数はさほど変わらない。これは中居の疲労が想像以上に深刻でソロ曲を制作する余力がなかったためにこういう構成になったのだろうか。N.マッピーでの制作自体は13年12月、14年7月に舞祭組に2曲も提供しており、これまで早くて年1、基本は2年に1曲ペースだったので、短い時間で作れなかったのかもしれないが、時間が無くて作れなかった年は提供曲を歌ったこともあったので(17thにおける「女の子とLOVE SONG」)、制作時間が無かったというより、いよいよ本格的に喉の状態がよろしくないのかもしれない。体力面でも長時間メドレーの途中で完全にバテてしまう様子がこの1年間で2度も生放送されているので少し心配だ。

アルバム自体はこの路線になってから、つまり『016』以降では最高の出来だと思う。一時は平和の使者みたいになってしまったSMAPだけど、香取以外が40代に突入し、完全に中年の域に達してきた状況で90年代のようなオシャレでかっこいい作風に回帰しつつ、完全に開き直ったかのようなはっちゃけっぷりやノー天気っぷりもちょっとダサい部分も含めて大人の魅力に昇華させてしまうオッサンアイドル路線を本格的に開拓してきたような感じ。『006』〜『012』辺りが好きなリスナーは懐かしさも同時に感じられるけど、単に回帰しただけではなくてあの頃やっても空回りしていたか、4,5年前辺りでも無理して若ぶってるとか言われそうなところなんだけど、今はこれがしっくりくるというか。オッサンアイドル路線を開拓したというよりかはそれがサマになる段階に達したのかな。SMAPが新たなSMAPらしさを獲得した…のかもしれないと思えるアルバムだ。この作風だったら「シャレオツ」だけは収録しても良かったと思うのでそこだけはちょっと残念。

スペシャル限定盤　　初回盤DVD付　　通常盤　

印象度★★★★☆

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