99ep

No タイトル 作詞 作曲 編曲
1 ハイファイ・ローファイ 草野正宗 草野正宗 スピッツ&クジヒロコ
2 草野正宗 草野正宗 スピッツ&クジヒロコ
3 青春生き残りゲーム 草野正宗 草野正宗 スピッツ&クジヒロコ

リリースデータ

1999年1月1日 初登場10位、最高8位 初動11.7万枚、売上21.3万枚 Produce:スピッツ ポリドール

メンバー

ヴォーカル、コーラス、ギター 草野マサムネ
ギター 三輪テツヤ
ベース・ギター、タンバリン 田村明浩
ドラムス 崎山龍男

スピッツ唯一のep。epとされているがレコードでは無く普通のCDであり、シングルではない、ミニアルバムでもないという意向からepという位置づけになった。O社チャートではアルバム扱いとなった。この頃からしばらくシングルリリースやアルバム制作を意識せずにレコーディングすることが増えたが、そんな中で制作された新曲3曲を収録。3曲のうち「魚」以外は98年のツアーで新曲として披露されていた。今作では共同アレンジに98年のツアー以降固定のサポートキーボードに就任したクジヒロコが参加している。元旦リリースだったが年末には店頭に並んだ影響で初登場は10位、翌週に8位にランクアップした。04年の『色色衣』に3曲とも収録されたことで役目を終え、廃盤となった。しかし「魚」以外はリミックスで収録されたため、「ハイファイ・ローファイ」「青春生き残りゲーム」のオリジナルバージョンは今作の価値として残っている。一応初回盤はデジパック仕様、通常盤は普通のマキシシングルプラケース仕様だったようだが、通常盤がほとんど出回ることなく廃盤となったため通常盤の方がレアモノとなっている。

「ハイファイ・ローファイ」は2分ちょいしかないノリの良いポップロックチューン、「魚」はこれ以前のスピッツのイメージに近いミディアムナンバー、「青春生き残りゲーム」はアルバム『フェイクファー』でも見せ始めていたギターロック色の強いナンバー。3曲ともカラーが異なるが、どれもそれぞれの良さがあり、しかし3曲のうちどれがメインというわけでもない感じ。それゆえシングルでもミニアルバムでもなく、epと言い張ったというのも聞いてみて納得できてしまう。数年後には複数A面だの、表題曲が存在しないシングル作品などが普通にリリースされる世の中になっていったので、8センチシングルからマキシシングルへの移行が始まってきていたような過渡期の産物、という感じもする。

この時期のポイントはやはりシングルやアルバムを制作する目的で新曲をレコーディングするのではなく、特にリリースを目指さずにレコーディングを繰り返し、ミックスやマスタリングをどうすればいいのかなど音に対して試行錯誤していた事にあるわけで、ある程度答えが出た後でリミックスされた『色色衣』でのバージョンと今作を聞き比べるのはなかなか面白い。「青春生き残りゲーム」なんかまさにそうだけど、当時はかなりロックに振り切ってきたと思っていたんだけど、改めて聞くと何だか遠慮しているというか、ロックになりきれていないような感じがしてしまう。当時まさにメンバーもその点で悩んでいたとされており、今作の「青春生き残りゲーム」と『色色衣』でリミックスされた「青春生き残りゲーム」を聞き比べると当時のメンバーが悩んでいたことが追体験できたような気になる。廃盤とはいえ、運がいいとシングル扱いで100円とかで入手できるので『色色衣』しか聞いたことない人は聞き比べ推奨

B00005FJWN

印象度★★★☆☆

戻る