カリント工場の煙突の上に

No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 花咲く土手に 須藤晃 玉置浩二 玉置浩二  
2 カリント工場の煙突の上に 須藤晃 玉置浩二 玉置浩二 7thシングルC/W 別アレンジ
3 ダンボールと蜜柑箱 須藤晃 玉置浩二 玉置浩二  
4 西棟午前六時半 須藤晃 玉置浩二 玉置浩二 薬師丸ひろ子とデュエット(クレジットなし)
5 大きな"いちょう"の木の下に 玉置浩二 玉置浩二 玉置浩二  
6 キラキラ ニコニコ 須藤晃・玉置浩二 玉置浩二 玉置浩二  
7 家族 須藤晃・玉置浩二 玉置浩二 玉置浩二  
8 納屋の空 玉置浩二 玉置浩二 玉置浩二  
9 元気な町 玉置浩二 玉置浩二 玉置浩二 7thシングル 最高41位 売上2.8万枚
10 青い"なす"畑 玉置浩二 玉置浩二 玉置浩二  

ストリングスアレンジ:星勝

リリースデータ

1993年9月22日
2018年8月15日(紙ジャケBlu-spec CD2)
初登場17位 売上4.9万枚 プロデューサー:玉置浩二 ソニー

玉置浩二3rdアルバム。前作から半年でのリリース。8月の先行シングル「元気な町」からソニーへ移籍した。「元気な町」とC/Wの「カリント工場の煙突の上に」を収録。「カリント工場の煙突の上に」は表記は無いがアレンジが変更されている。「歌と演奏:玉置浩二」と表記されており、ほぼ全面的に玉置浩二が1人で演奏も手掛けている。サポートミュージシャンは金子飛鳥グループによるストリングス以外には兄の玉置一芳が5,6,9,10でドラム「家族」では父の玉置一士と母の玉置房子によるコーラスが表記されているのみ。「西棟午前六時半」は当時の夫人である薬師丸ひろ子とのデュエットナンバーとなっているが、これは一切表記されていない。シングル「元気な町」も売上が振るわなかったが、今作も振るわず、安全地帯時代含めて安全地帯の1stアルバム以来のトップ10落ちとなった。初回盤は段ボール型のケース入り仕様で、ブックレットは別冊となっていた(CDケースに入っているのは表紙だけ)。通常盤は通常のプラケース仕様で、見た目はケースから取り出した初回盤と同一のものだが、通常盤ではブックレットが通常サイズとなっているのでケースの隙間から見えるブックレットの厚みで見分けがつけられる(中古では初回盤ケースと別冊のブックレットなしが平気で売られていたりするのでブックレットが明らかにペラ1枚の場合は表紙だけで歌詞が無いので注意)。2018年には前年の安全地帯に続いてソロでも全オリジナルアルバム13作が紙ジャケット再発された。1st2ndのみユニバーサルでSHM-CD仕様、3rd以降は全てソニーでBlu-spec CD 2仕様となる。

移籍第1弾は普通レコード会社も気合を入れて売り出すものだと思うけど、前作から半年でリリースされた今作は安全地帯時代から含めてブレイク以後初のアルバムトップ10落ちセールス的にはコケたといっていい状況にまで落ち込んだ。ただこれ以前のソロ活動が"安全地帯の玉置浩二"だったとするなら今作はソロミュージシャン玉置浩二が本格的に始まった作品だと思う。ジャケットに描かれている子供の絵は実際に少年時代の玉置浩二(クレジット上は「たまきこうじ」)が書いたもののようで、ブックレット内でもいくつか当時の玉置少年の絵や通知表(!)までもが掲載されている。さらにサポートメンバーをほとんど起用せずに1人で全演奏を手掛け、一部ドラムでは兄の玉置一芳を起用し(玉置一芳は元々デビュー前の安全地帯のメンバーだった事もある人物)、コーラスに両親、無表記で当時の妻をゲストボーカルに起用するなど身内を起用しているのも特徴だ。須藤晃が作詞した曲もあるが、本人作詞も増加し、自身の少年時代及び故郷の北海道へ思いを寄せたような極めてプライベート色が強い内容になっている。

シングルになった「元気な町」はシングルを意識した今作の中でも強い1曲で、「カリント工場の煙突の上に」もそれに追従する名曲だと思うけどそれ以外は正直かなり地味。大自然の雄大さと少年時代のノスタルジーは確かにあるんだけどいかんせん明るくないので身を委ねてじっくり浸らないと良さが見えてこない。ただこれまでの作品はバラード中心になってくるとしっとりしているだけでなかなかそこに良さが見いだせなかったが、今作にはもっと強い本人の直接見た過去の景色や思いが加味されて聞こえるのでその分だけかなり違って聞こえる。

カリント工場の煙突の上に(紙ジャケット仕様)(完全生産限定盤)2018年紙ジャケBlu-spec CD2 B00005G6MB  

印象度★★★★☆

2016.9.15更新

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